まず、JC-5000とはHumax社が作ったCATV用のSTB(セットアップボックス)である。HDを内蔵、同時に2番組を録画可能であり、1番組を録画しながら別番組を視聴可能というのが最大のセールスポイントである。だが、しかし、であった。Humax社の製品に対する評判の悪さというのは定評がある。そしてその評判にたがわぬできばえであったので、それをここにまとめたい。ただし、次の条件に該当するユーザであるなら、実用上は耐えられるであろう。それは、
「番組は見るだけで気に入った物をVHSなどにダビングしてとっておきたいとは思わない」「外部端子、iLinkに増設などしたりはしない」「うるさい程に画面に出てくるメッセージは気にならない」
というような条件である。そういう向きは以下の評価とは関係なく、CATVライフを楽しめるであろう。では、以下、本題に入る。
- iLinkとの接続が非常に不安定
iLink端子に接続し、外部装置として録画データを保存出来るRecPotという製品がアイオーから出ている。で、それを使ってみるとトラブルが続発するのである。大体、数回に一回は録画中に処理が中断する。RecPot上には途中までの録画だけが残るか、運が悪い時はタイトル情報だけしか残らない。ひどい時は画面真っ黒だけのデータが実時間分残される。JC-5000内部のHDに録画したデータを、このRecPotにムーブ(コピーは出来ない)する時など悲惨である。断片が残ればまだいい方で失敗すると事実上、全情報が失われるからだ。iLinkケーブルが悪いのかなど色々と試したが、症状は変わらなかった。何回かに一回というのは非常に始末が悪い。水道の蛇口をひねると、何回かに一回は泥水が出てくるような配水システムのようなもので、全く実用にはならない。なお、通常のSTBである松下のTZ-DCH500では、RecPotへの録画トラブルは皆無である。
- メッセージ等が非常にうるさい
リモコンを操作すると画面にいちいち細かい事が表示され、それをオフに出来ない。特に内部HDを操作して録画したものを見ようとすると、画面に進行状態のようなバー表示が出続ける。早送りや後戻りの時に出続けるならまだ分かるが、そこから再生を指示してもまだ出続け、それは何と10秒にも及ぶ。うっとおしい事おびただしい。また、番組を視聴中、或いは録画したものを再生中に予約録画が始まろうとすると、画面に「これから予約録画が始まります」などというメッセージがドカンと現れるのだ。例えば予約録画してあった番組をVHSにでもダビングしてとっておこうと思っていると、そのVHSのデータに「これから予約録画が始まります」というのが映りこんでしまうという事でもある。普通、あとで見たいからそういう物は予約するのであって、知らぬ間に行われていてこその裏番組録画であろう。映画か何かの山場だと、これ程腹の立つ事はない。また、iLink機器をリモコンで操作する時も今度は画面に巨大なコントローラが現れて、肝心な画面を隠すなど設計思想に常識が欠けている。
- 機能が不足している例
例えば、予約を行う時に可能なのは電子番組表から録画情報をセットする事だけである。日時指定をいきなり行う事が出来ないし、更に困るのは9時から10時までの番組を予約する時に、8時59分から録画させるという指定が出来ない事だ。STB内部の時計が正確であろうと、どうしてもコンマ何秒かの頭切れは発生する。尾部の方も同様でこの例なら10時1分まで録画させる事が出来ないので、尻切れも発生する。松下のTZ-DCH500なら前後1分ずつ外側に時刻をずらす事が可能だ。それが出来ないだけで非常に精神衛生上よろしくない。ここも実際に使う人間が設計に関与しているとは思えない点だ。
- 動作機械音
それ程うるさい訳ではないが、HD内蔵である以上、どうしても機械音はする。しかも内部に温度センサがあるのか電源を切ってもすぐに機械音は止まらない。長い時は30分くらいしてようやくモーター音が止まる。自動的にファームウェアをアップデートする時や、予約録画が始まる時には当然また機械音が再開されるが、それが止まるのも時間がかかる。例えば、このSTBのある部屋で睡眠を取る時には充分に邪魔になりかねないレベルの音である。
- その他問題点
録画予約のモードにもよるのだが、当該時刻に自動的にチューナがそのチャンネルに切り替わる時、何故か音声信号が出なくなったというトラブルに1度遭遇した。予約中はリモコンからの信号を受け付けないモードがあり、たまたまそれだった為に何も手を打てず、結局本体の電源を落とすしか無くなったので、事実上の録画失敗を招いた。他にも、例えば予約録画中に電源を切る事が出来ないのはともかく、「録画終了後に電源を切れ」というような指示が出来ない。(実は可能だというメールを頂いたのでこの項のみ訂正。ただし小さい話である。2006.12) 録画が終了して自動的に電源が切れるのは、録画開始時に電源が入っていなかった場合だけである。それ以外の時には電源は入りっぱなしという事だ。就寝時間頃の出来事だったら、装置は終夜運転となる訳だ。画面に出てくるメッセージにはユーザの確認を求めるものがあるが、YESとNOの選択時の色が分かりにくいなんてのもある。こんな具合で書き始めるときりがないのだが、ま、要するに頭でっかちの設計という事であろう。
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