一刀両断ミニコラム
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《2010.07.28》
WikiLeaksとボケ日本
 日本ではどの新聞も小さな記事にしただけであったし、テレビでも殆ど取上げられていないがWikiLeaks事件は欧米では大々的な扱いである。WikiLeaksとはあるハッカーが立ち上げたサイトの事で、投稿者の匿名性が極めて高いのが特徴。要するに、安心してリーク情報をアップ出来る場所、というわけだ(ちなみにWikipediaとは関係の無いサイトであるので注意)。ここに先日、米国のアフガン戦争に関する膨大な「内部軍事資料」がアップされ、その内容がこれまで米政府の公表してきたモノと大きく食い違う為に大騒ぎになっているのである。(WikiLeaks の main page から右欄にある Afghan War Diary, 2004-2010 へ行き、10行目あたりの dedicated webpage へ行って左欄にある Browse by 何とかというところをクリックしてみよう)
 辛口子も少しめくってみたが、とにかくあまりに情報量が多いので(7万点と言われる)どれが重要なのかを選ぶだけでも個人では不可能に近い、と理解するのが精一杯だった。だが、既に多くのボランティア達が中身を読み、まとめつつあるのは明白でこれまで米国の行ってきた、ウソの上にウソを重ねる言い逃れのかなりの部分が明らかになる日も遠くはないであろう。(もっとも米国発表が嘘八百である事など本欄では常に指摘してきた訳だが、これだけ直近の出来事で強力な裏付けの出て来たのは恐らく初だろう)
 米国政府は最初は「これはデマだ」と言い張ったが、やがて中身がどう見ても真性だと分かると一転して「リークしたのは誰だ」と探し始めたそうだからウソでないのは間違いない。見て分かるように2004から2010年までのドキュメントなので、実は日本とも無関係ではない。あのテロとの戦いに国際協力をするのだ、と横車を押した「インド洋無料給油船」はまさにこれだからだ。米国発表を理由にして特措法まで成立させ、「途中でやめたら国際的に非難を浴びる」などと妄想とも言えないような愚論を平然と並べて延長を繰返し、挙げ句は「恒久法にすべきだ」などと言っていたアレである。その根拠がウソだったという事が明らかになりつつあるのだ。
 当然ながら欧米ではメディアがこの問題を取上げて連日、テレビのニュースでも流しているが日本は極めて静かであるのはご承知のとおり。谷亮子の方が扱いは遥かに大きい。給油開始にせっせと後押しをした日本のメディアにとって、触れたくない問題だから知らん顔を決め込んでいるとも言えるが、恐らくは単純に頭が足りないから重要性すら理解出来ていないのではないかと思われる。27日放送の「ニュースの深層」では、ネット情報というものをバカにしているのではないか、という解釈を述べていたが、そんな事はあるまい。2ちゃんねるとかいう掲示板の戯言(ざれごと)だと、大々的に「ネットで話題沸騰」などと掲載してきたのだ。要するに頭のレベルがこの重要情報についていけないのである。
 更に不可解なのは民主党の無関心ぶりだ。自民党のおかした決定的な間違いの動かしがたい証拠なのだから、これをしっかりと解読して国会審議での武器にしたら極めて強力な切り札になるに相違ないのに、全くそうした動きが感じられない。ジャーナリストの上杉隆氏が岡田外務大臣に質問したが、問題そのものを理解していないような回答だったとツイッターで語っている。これから見ても、日本の政界が二大政党とは到底言い難い状態であることが分かる。与党と野党ではなく、与党と第二与党なのである。要するに基本的には同じ穴のムジナだという訳で、だからこそ相手の失点は見て見ぬふりをするのがマナーとなるのであろう。
 米国のイラク侵攻が石油利権獲得であったのは明白だが、アフガン戦争も資源目当てであろうと言う指摘がある。最近、アフガニスタンは資源の宝庫である事が判明したからだ。更に25日にNHKがBS-1で放送したイギリスのドキュメンタリー「ビンラディンは生きているのか」で見るように、オサマ・ビンラディンという存在そのものが米国のヤラセではないか、という指摘すらある。或いはとっくにビンラディンは死んでいるのに敢えて発表せず、対テロ戦争という名目を掲げ続けてアフガンで無益な殺戮を繰返しているというのだ。
 米国に限らず欧米列強が資源のある国を我が手に収めようとする時のやり方は決まっている。まずその国の反政府勢力を後押しして政権を不安定にする。内戦になれば双方を裏から後押しして共倒れにする。やがて「親米政権」を樹立させ、それを牛耳って資源を搾り取るのである。親米政権は特権をもらい、国民が貧しさに喘いでも知らん顔で米国の言うがままに動く。当然、大義など無いから政権は徹底的に腐敗する。パレスチナのファタハ政権、アフガンのカルザイ政権、どれも同じだ。アフリカなどで豊富な資源を有しながら何故か国民の貧しい国も、ほぼ間違いなくこのパターンである。無論、アフリカ以外でもイランのパーレビ政権やチリのアジェンデ政権など、同様な例は近代史上、枚挙にいとまがない。アフガン戦争もその一環である事がこうして明らかになりつつある時、日本は「太平の眠り」を貪っているようなものであろう。そしてある日、蒸気船が現れて慌てふためくのである。

《2010.07.13》
アホマスコミの総選挙総括
 何だかテレビや新聞を見ていると、「民主党惨敗」だとか「ねじれ国会の危機」だとか例によって何とかの一つ覚えが延々と唱えられている。毎度のことだが、バ〜カじゃなかろっか。
 今回の参院選の結果をまっとうに総括してみよう。まず、比例区での各党獲得票数を見てみると、民主党が1845万票でこれに対し自民党は1407万票。政党への支持度を見れば明らかに民主が上である。にも関わらず、得票数で自民が上回ったのは、例によって小選挙区(一人区)の為である。
 元々自民党は地方の農村票に強い。今回の参院選の地方区は殆どが一人区であるから、そこで民主党候補が自民党候補を破るのは元々困難であった。更に一票の格差がその傾向に拍車をかけた。例えば長崎県の人口は約60万人で一人区であるが、東京都は約1300万人で5人区。しかしながら、単純に人口比例で計算するなら東京都は明らかに21人か22人区でなくてはならない。この差が自民に更に有利に働いた。というより自民が有利になるように制度が作られている。
 これは小泉郵政選挙で自民が圧勝したのと同じ事であるが、どのマスコミを見てもただ単に票数だけを見て勝利だの惨敗だのと報じている訳で、この軽薄極まる光景にはまことにもって憂慮にたえないと言うしかない。視聴率騒動の時も指摘した事だが、単に数字の大小を言うだけならそれは小学校低学年の算数である。数字の意味を考えてこそ、大人のプロの技であろう。
 更に「ねじれ国会」についての騒ぎも馬鹿馬鹿しいと言うしかない。世界のどの国を見ても、国会がねじれているなど当り前の事である。むしろ後期小泉政権や安部政権のように両院で圧倒的多数を占め、年に300本以上の法案を乱発するような「独裁状態」の方が明らかに異常と言うべきだ。これからは是々非々で与党と野党が協議して法案作成を進めなくてはならなくなるが、これこそ民主主義と国会のあるべき姿の筈であろう。
 上で指摘したような幼稚な解釈をテレビで意気揚々としゃべりまくっている評論家の類は、以前から官房機密費などをウハウハと受取っていたと疑われている連中でもある。頭の程度やモラルのランクなど推して知るべしの、口先だけの存在だ。一方、今回の参院選結果を見ていると、知名度だけで顔を並べたスポーツ選手やタレントの候補が軒並み落選した事や、民主党の票を減らして「活を入れた」点などを鑑み、有権者はかなり賢い選択をしたと言えるように思う。
 ところで、落選し自ら政界引退を表明した千葉法相を留任させたいと民主党の菅総理は記者会見で述べた。法相の落選も就任中の活動(時効廃止をそのまま通すなど新基軸を何も示せず)に対する批判票と見ればこうした民主党の対応にも首が傾むく。政界のスキルにも疑問があり、記者クラブには会見中ひたすらノートPCのキーボードを叩くだけのコピペ記者が最前列に並び、マスコミには口八丁の幇間評論家が知ったような顔で出しゃばる。こうした環境の中でも結構まっとうな選挙結果が出たということは、日本の変化は底辺から始まっている事の現れかもしれない。
 また、同時に日本の選挙制度が抱える問題も今回の選挙結果で明らかになっている。一票の格差だけではなく、衆院選と参院選で制度が違う点、そもそも小選挙区と比例区をはっきり分けないやり方など、複雑怪奇なシステムも考え直さなくてはなるまい。公職選挙法の小手先改正などよりもっとファンダメンタルな部分で問題が山積しているのだ。

《2010.07.10》
相撲の賭博騒動を考えると
 NHKが中継を中止するわ、力士の所に捜査は入るわで、大相撲界は大揺れである。確かに良くない事をした訳だが、マスコミの大騒ぎを見ているとどうもそこに胡散臭さを感じないだろうか。で、10日放送のパックイン・ジャーナルを見ていたら、真実は少し違うよ、ということが分かってきた。例によって、大相撲はけしからんを連呼するだけの地上波メディアなど大手マスコミには死ぬまで分からないであろう、裏事情をまず番組から少し紹介する。
 元々、相撲のような遊興界とヤクザとの関係は長く深い。そもそも地方巡業をするにしたって地元のそうした方面に話を通しておかなかったら、成立しないものだ。テキヤと言われる調整組織があるからこそ、祭りでも混乱なく出店が営業出来るのである。騒ぐだけの連中はこうした基礎知識すら知らないのだろうが、それはともかく、番組で指摘された内容は下記のようなものであった。
 第一に、文科省が相撲協会にけしからんと言っているが、文科省そのものはサッカーくじをやっている胴元で、その仕組みは野球賭博と同じではないかという指摘があった。第二に、警察はパチンコ業界に天下りをしているし、パチンコは紛れもない賭博である。国が胴元やるのは合法だ、ってのなら文科省が野球賭博クジを始めるべきであろう、という意見が出ていた。ま、確かにそのとおりである。
 ここで辛口子のコメントを入れる。案外知られていないが、そもそもパチンコは庶民の遊びであった。お祭りなどの縁日で子供が玉を弾き、それが穴に入れば飴玉をもらえるというようなものだったのである。それにめざとい大人が着目し、子供から取上げ、特別な業界以外は違法にして出来上がったのがパチンコなのだ。
 では暴力団との関係ってのはどうなのだろうか。
 番組によるとそもそも警視庁が暴力団、山口組の壊滅作戦をやっている過程でたまたま野球賭博が発覚し、それが相撲協会に繋がっていたのだそうだ。この親分が今、府中刑務所に入っている。だから砂被り席に座ってテレビに映るという話で始まり、その後いきなり野球賭博の話がマスコミに出て来たのである。このプロセスをちゃんと報じているメディアは殆どあるまい。
 ところが相撲協会自身にとっては寝耳に水であって、慌てふためいて対応策に走ったので混乱に拍車がかかった。あとは皆さんご存じのとおり、花札だの何だのと上を下へのスッタモンダである。
 辛口子としては相撲協会に何も恩義などないのでその体質を擁護するつもりはない。しかし、今回の事件でテレビや新聞が「力士が賭博をするとはけしからん」の一点張りで論調を立てている現状には首を傾げる。大体、声高に綺麗事を言う奴に限って後ろめたいものがあるものだ。こういう連中こそ、賭け麻雀などが好きに違いあるまいと勘ぐってしまう。
 そして更に問題なのは、どこかのマスコミが何かを言い出すと他のメディアも一斉に声を揃えて同じ事をがなり始めるという、コピペしか出来ない空っぽな脳みそがハバを効かせているという現実だ。良い例を挙げるなら、11日にある参議院選挙の晩のテレビ番組欄などまるで検閲でもあったのかと思うくらい、どこのチャンネルも選挙速報一色である。そこにあるのは当選確実を1秒でも早く出す事が局の価値を決めると言わんばかりの単純思考だけ。一体、一般有権者にとって当選確実を1秒早く見る事に何の意味があるのか、という論理的な思考はそこには全く見られない。こんなレベルの知能程度が一丁前にギャンブルをした力士を批判するのだから、まさに目くそ鼻くそを笑うというフレーズそのもの。こんな意味の無い競争に走る事こそ、ギャンブルに没頭する精神構造と同一だからだ。
 それに加えてもう一つの問題は、えんがちょと叫ぶ子供のように「悪い事は無くせばいい」と言うこれまた幼稚な単純思考だ。有害図書だの差別用語だの金利グレーゾーンや死刑時効の廃止だの最近見られるあらゆる世論動向はこれで説明出来る。こういう連中は紛れもなくバカそのものだから、その結果がどういう副作用を招くかなど考えもしない。金利グレーゾーンを無くした結果ヤミ金融がはびこり始めた現実を認識すらしていないだろう。自分の虚栄心が満たされればそれでいいのだから、まさしく幼稚園児レベルの頭と言うしかない。
 これも教育や啓蒙をおろそかにしてきた結果である。ところが、折角ゆとり教育が見直されはじめたというのに、大学への補助金は年々減額され、大手の学校でも経営難になりつつあるのが現実だ。科学技術予算も真っ先に仕分けの対象となった。教育や科学に使われる予算など、高速道路建設費にしたら百キロ分にも及ぶまい。そもそもが官僚は国民をバカにしておこうとしか考えないようで、そこに見られるのは「知らしむべからず、依らしむべし」という江戸時代以来、脈々と息づくコンセプトだけ。法人税が外国より高いと数字だけを上げてギャアギャア言う一方で、どこの国も、先進国も途上国も国民の教育や科学技術に優先的に予算を割り振っている話は全く出さない。まあ既に国民痴呆化計画にどっぷり漬かり、バカになっているマスコミがこんなことを取上げる筈もなかった。

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