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天引きの法的根拠はあるのか 後期高齢者医療制度や介護保険制度で非難を浴びている「年金天引き」制度。天引きといえばサラリーマンは、所得税を「天引き」されている。源泉徴収と言う。この法的根拠、実はちゃんと定まっていない。サラリーマンの天引きが始まったのは、実は太平洋戦争の前である。昭和15年(1940年)、戦費調達等に便利な為に始まった。それが戦後も延々と生き残っているのである。海外でも会社がまとめて社員の税金を払う仕組みは珍しくないが、その場合でも必ず社員は自分で税金計算の書類を書く。でないと自分が何を払っているのか分からなくなるからである。そうではないと言うサラリーマンの方、自分の払っている税額とその計算根拠や内訳などを分かっているかどうか、自問自答してみては如何だろうか。(このあたり、例えばここを御覧あれ) さて、問題はこの天引きを年金からやっていいのかどうかである。年金は税金ではない。保険料も税金ではない。そもそも年金は個人の財産である。国のものである筈がない。長年にわたって国民が払って来たものだからだ。だからサラ金も担保として年金を取るくらいである。となるなら、これは明確な財産権への侵害ではないのだろうか。もっと言うなら憲法違反である。給料の天引きでさえ、1949年(戦後)のシャウプ勧告で廃止すべきと指摘されたにも関わらず、大蔵省(当時)は知らん顔をして制度を続けた。その手がまた使えるとどっかの官僚が思いついたのだろう。介護保険制度を立ち上げる時に保険料の徴収として年金天引きという手を入れたのだ。それが実績となって今度は保険制度に持ち込まれた。 舛添大臣は記者会見で「コストを省く為には仕方ない。他にいい方法があったら教えて欲しい」と言ったそうだが、これは要するに徴収する側の理屈だけで物を言っているのである。国民の権利など知った事ではない、という意味にもなる。本来なら国民一人一人が書類に承認印を押すべき話である。その為に手間暇がかかるとしても、それは民主主義に必要なコストである。道路財源の無駄遣いから見ればゴミみたいな金額である。要するに官僚たちは自分らが楽して得する事ばかり考えているのだ。そして、制度が公平ではないからこそ、土壇場まで発表しないで頬かむりしていたのである。どこへ出しても誇れる内容なら正々堂々と発表をするものだ。国民主権とは名ばかり。お世辞にも民主国家とは言えない仕組みがここに現れている。旧ソ連のスターリンも墓場で苦笑いだろう。 さて、この法案を通過させたのは小泉政権である。小泉政権から安倍政権にかけて、議席数を良い事に政府はまるで輪転機のように法案を垂れ流し続けた。ほぼ1日1件の割合と言われる。これでは審議などまともに出来る訳がない。要するに官僚が画策する、即ちどさくさに紛れて色んな事をやる余地が山のようにあったという訳だ。小泉は、福田政権が落ち目と見ると「野党が権力の使い方を知らない」などと出しゃばりかけたが、そこにこの後期高齢者医療制度を作ったのが誰かという話が出た途端に、こずるく首を引っ込めた。この程度の人間だったという事だ。ちなみに、圧倒的多数の与党が通した問題法案はちょっと考えただけでもこの位はすぐに出てくる。
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極悪人の為の思いやり予算 前回、この在日米軍への思いやり予算について触れたので、その問題を少し掘り下げてみたい。月刊PLAYBOY誌に「沖縄コンフィデンシャル」という記事が連載されている。実は最新号の2008年6月号が第33回で最終回。その締めとして今の沖縄が抱える悩みについてまとめが書かれている。それによると、要するに沖縄米軍はならず者の集まりであり、沖縄県民、特に婦女子の強姦事件など日常茶飯事であり、そこにせっせと金を貢いでいるのが日本政府であり、しかもそれを利用して甘い汁を吸っている奴が沖縄経済や日本政府にまで影響力を持っている、ということである。 この記事をベースにし、まず強姦事件から述べてみると、本土で記事になるのはまさに氷山の一角。何と「沖縄強姦救済センター」という組織まで立ち上げられているというのだ。そもそも沖縄にいる米軍とはその殆どが海兵隊である。海兵隊とは軍事作戦の時に最先鋒として敵地に乗り込む部隊であって、紳士では務まる部署ではない。必然的に荒っぽい連中が人の殺し方を潤沢に叩き込まれて顔を並べる。彼らは基本的に米政府にとっても消耗品だと見なされているから、非常に貧しい層の出身者ばかりで当然ながら教育水準も低い。マナーも悪い。しかし体格はプロレスラー並みという具合だ。 こんなのがそこかしこに歩いているのが沖縄の現実という事になる。先日も触れたように、沖縄では基地外に住居を構えている兵士が5000人以上もいる。だから強姦事件などまさに日常茶飯事であって、公式に被害届けが出るものなど一部ではないかと言われている。被害者も女子学生どころではない。被害者年齢の最年少記録は何と生後9ヶ月。最も悲惨な事件と言われるものでは、被害者は9歳、半腐乱状態で草むらで発見された時、その子の小さな手は脇に生えていた草を握りしめたままだったという。つい先日報じられた14歳少女の強姦事件はどちらかというと面白半分的な扱いが多かった。政府の要人ですら「チャラチャラした格好で歩いているからだ」という主旨の発言をしたのがいた程だ。こうした沖縄の歴史を何も知らない事をもっと恥じるべきであろう。 ところで、ここに厄介な話がある。まず順序立てて述べると日米地位協定では米軍は日本政府の要請に応じるかどうか、米側が判断出来る。つまり基地に戻ってきた容疑者を引き渡す義務はない。この協定は全く書き換えられる事はなく、日本政府も公式見解として「運用方法を」見直すと述べているだけだ。それでも日本政府が要求すれば容疑者を米側が引き渡す例も出て来たのだが、ここで更に頭の痛い問題が出る。日本の刑法では強姦罪がそれ程重くないのである。実は米軍の軍規では強姦事件を起こした兵士には最高死刑と書かれている。ところが日本ではせいぜい懲役7年程度なのである。 これではわざわざ声を高くして「犯人を引き渡せ」と言うと、犯人への刑罰を軽くしてしまいかねないのだ。ちょっと話がずれるが、強姦被害者が沖縄だけでないのは言うまでもなかろう。沖縄を含まない日本全体での強姦被害者は警視庁の犯罪統計によると年間約2000人程度だとされている。実際には被害にあっても泣き寝入りするケースも多いだろうから実態はこの数倍としても不思議ではないが、この数字をベースにしても毎日6件程度は発生している事になる。この件数や刑罰の軽さには全く触れずに児童ポルノがどうのこうのと声高に叫ぶ連中が、「女性の権利」を真剣に考えてなどいない事がこの例でも分かるだろう。 話を戻す。こうした兵士の為の光熱費、基地内で働く従業員の為の人件費、その他色々を含んでいるのがいわゆる「思いやり予算」である。日本が負担しているのは、これだけではない。基地のある場所の土地代、地方税なども全部負担している。それらを合わせた金額はざっと年間6800億円と言われる。どこの国だろうと、米軍基地の使用料は米国が払っている。家賃どころか光熱費(グアム移転では引っ越し費用と新居建築費用まで含む)も払ってくれる所は日本だけである。しかしながら、日米安保条約では日本の防衛は自衛隊が行うと明記されているし、米軍は日本で非常事態が発生した時は適切な行動をとる、としか書かれていないのである。 ところで、この土地代を日本が負担しているという事実が、また沖縄の話をややこしくしている。大規模な米軍再編により殆どの部隊がグアム島に集結すると報道されているが、では何故沖縄基地の返還が行われないのか不思議に思わないであろうか。ちょっと話がズレるが、岩国(山口県)に夜間発着訓練基地を作るかどうか(厚木の騒音問題を解決するという名目を含む)で、賛成派と反対派が選挙で争った話が先日あった。結局、国の後押しを得た(というより補助金という札束で頬を叩かれた)推進派が当選した訳だが、実は岩国にこの訓練基地が出来たからと言って、厚木基地から夜間訓練が無くなる訳ではないのである。両方で行われるのだ。しかも米軍というより自衛隊が行うという。こういう事は殆ど報じられていないのではないだろうか。同じ具合で沖縄基地も自衛隊がせっせと使う事になるらしい。 再び話を戻す。沖縄基地のある土地には地主がいる。そうした地主の立場になって考えると、基地があれば毎年金がざくざく入って来る事になる。沖縄コンフィデンシャルの最終回には、そうした地主の一人として年間20億円を受け取っている男の話が出てくる。この男は沖縄でサトウキビを栽培しているが、その関係でJA(旧農協)や農水省と密接な関係を築いており、キビ補助金という金を潤沢にもらっているそうである。従って、沖縄の農業はこの男によるサトウキビ栽培に縛られ、違う作物を作ろうとしても出来ないらしいが、こういう男の立場にしてみれば基地返還など論外な訳だから、裏から手を回して話題に出さないようにするのである。そして、この糸は今、裁判で話題の守屋前防衛省事務次官にまで繋がるのだ。仮に米軍が土地代を払っていたら、沖縄県人が何を言おうと基地が必要無くなった時にすぐに出て行っただろう。日本の大手マスコミというものが、如何に真実を言わないかが良く分かる。 米軍の世界的規模での再編を見れば、沖縄駐留の意味は殆どない。しかし日本が金をくれるから名目だけでも彼らは基地を置く。しかも沖縄の地主達は基地返還は生活を成り立たせなくするから裏から手を回して反対する。日本政府は老人や弱者を絞りに絞って医療費として800億円を浮かせても、米軍には年間6800億円を払い続ける。しかも戦略ミサイル防衛(MD)構想に乗っかって今後出費する額は数兆円と言われている。軍事関係に多少とも詳しい人にとって、このMDシステムの真の配備目的地がイスラエルだというのは常識であろう。で、それに乗っかって自衛隊は凄い勢いで軍備を拡大させている。イージス艦だけで日本は6隻を有するのだ。これらの思惑が一致し、思いやり予算や沖縄の現状はこれからも変わらないままになるのである。 |
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腐れ役人でも隠せない事 地上アナログテレビが消えるまであと3年ということで、今度はアナログ放送にやたらと警告テロップを出すという方針が決まったらしい。まさしく嫌がらせ政策も極まれりと言うべきだろうが、ええ加減にせえ、と呆れ果てた向きも多いであろう。まるで第二次大戦末期、無謀な戦略を繰り返して死体の山を築いた大本営の思考パターンと全く同じである。指揮した連中が自分らだけは保身に執心したのも同じである。これは知能程度とかいう次元の話ではない。完全な思考停止そのものである。 それにしても、本当に地上アナログの電波がある日消えたら、凄い事になりそうだ。特に、年金で生きる貧しい高齢者にとってはその日からテレビというものを見れなくなる訳である。医療は受けられず、年金は引かれ、税金は増え、唯一の楽しみのテレビも奪われる訳だ。政府はアダプタを5000円で作るなどとデタラメを言っているが、そもそもB-CASカードの発行手数料が1枚3000円だという事を知っているのであろうか。ちなみに米国では貧しい世帯には政府が無料で配る事になっている。それでもアナログ停波は予定より大幅に遅らさざるをえないという。 影響は他にもある。例えば大地震などの非常時に転がっているテレビのアンテナ端子にとりあえず電線をぶら下げて、何とか情報を得る手段も断たれる事になるのだ。勿論、そんな事を決めた官僚や地上波など利権保持者らはちゃんと自分達だけは助かるように手を打っているに違いない。携帯の電波でも優先的に使い、救助隊にはまず自分らを助けるように義務づける法律でも作るのであろう。国民保護法を使えば可能ではないかと思う。 テレビのデジタル化は世界的趨勢ではあるが、日本の方式が日本でしか通じない独自の国民迫害システムである事は殆ど報じられない。海外からは非関税障壁と叩かれ、日本の国内メーカは国際競争力のある製品を作れなくなる。だが、既得権益を守る事だけが至上命題な連中には、論理も理屈も存在しない。あるのは自己保身の本能だけである。ネットにはこうした地デジ強制に対する批判記事が溢れている。こちらには今の地上波テレビというものが、金をどれだけ搾取して甘い汁を吸っているかが例示されているが、5000万円のCM収入のうち、下請けのプロダクションに回るのは僅か800万円だそうだ(7章の内、7.4項をクリックすると開く)。デジタル推進のいきさつが良く分かるのはここ、アナログ停止の字幕を出す前にもっと考えろというのがここ。いずれも論旨明確な文章である。 翻って政府御用達のサイトを見ると、その胡散臭さは歴然としている。はっきりと分かるのは論拠のいい加減さであろう。まずデジタル化ありきで全ての文章が書かれているのが分かる。【よくある質問】なぞに「国の方針として決定されています」などと言う下りが堂々と書かれているあたり、およそ民主国家の文章ではない。独裁国家でももう少しうまい言い方をするものだ。全く腐れ役人らは自分らを何さまだと思っているのであろう。 ところで、デジタル化推進と並行してコピー妨害システムの進化も日々進んでいるようだ。特にハイビジョンでの録画が可能なBlu-ray機器は最近、プロテクトのバージョンを上げた事があちこちで報告されている。勿論、一般国民の預かり知らぬ所でこそこそと行われているのであるが、その嫌らしさは殆ど偏執狂であって、内蔵ソフトが放送電波かネット経由によって自動的にアップデートされた録画機でBlu-rayを作成した場合、それを例えばPC用のドライブに入れると最初にそのドライブのファームを一部書き換え、従来の読み取りソフトが参照していた情報をPC本体には出さないようにしてしまうのだという。 聞くところによるとそれを防ぐにはPC用に古いロットのドライブを使い(そうしたディスクによる書き換え機能の無い古いファームが必要)、しかも録画機の中のHDDにパッチを当てるという方法や、日付計算のオーバーフローを利用するというような方法があるらしいが、いずれにしろそうしたディスクを読む装置がある以上、要するにいたちごっこが繰り返されるに過ぎないのは明確である。Blu-rayドライブを有するソニーのPS3、そのアップデートというのは今では殆どがこのプロテクトループへの対応だというのだから、全くばかばかしいと言う他はない。こんな事を繰り返しても日本製品の競争力が増す訳でもなければ、国民生活が豊かになる筈もなく、潤おうのは腐れ役人や既得権益にあぐらを書いた地上波放送関連の奴らだけである。奴らにとっては日本がどうなろうと、国民がどれだけ苦痛を強いられようと自分らさえ良ければ何も問題はない。これも太平洋戦争末期、全国民を盾にして自分らだけは地下大本営に立てこもろうとした上級軍人や役人らと全く同じ思考パターンだと言うのが良く分かる。 これらに共通しているのは、国民の目に見えない所で密かにコトを進め、おもむろに「政府が決めたんだ」と開き直る点であろう。要するにあらかじめ話を表に出したら袋だたきに合う事を知っているのである。誰が見ても公正で納得出来る話であるなら、人であろうと組織であろうと必ず堂々と発表する。このあたりメカニズムは極めて分かりやすく、こういう面で人や組織というのは嘘をつけないのである。これを念頭に置いて、後期高齢者医療保険制度や、メタボ検診強制などを調べれば、その本質が国民の為なのではない事がすぐに理解出来よう。福田内閣メールマガジン28号の中で舛添厚生労働大臣は「国民一人一人に最適な医療を提供する為の」というようなフレーズを書いているが、本当にそうなら今までPR不足になどなっていた訳がない。騒ぎになるまで頬っかむりをしていたという事実そのものが、この制度が国民の為というより一部富裕層か天下り役人の為のものである事を疑いの余地なく示しているのである。 |
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EU戦略を読み解くと 今や人口5億人の規模にまで成長したEUの委員長、バローソ氏が24日のNHK、クローズアップ現代に出演していた。委員長と言っても言うなればEUを一つの国と見た時の大統領みたいな地位である。それが来日してわざわざクローズアップ現代に出演するとは、日本に対する大きなアピールが目的なのであろう。では本音は何か。 委員長が番組で語ったEUの戦略として最も大きなものとしては、EUの進める強力な温暖化対策があるが、表向きの大義名分とは別にこうしたEUの戦略の裏にはしたたかさが透けて見えるのも事実である。例えば、EUは京都議定書に批准するに当たり、旧ソ連秩序が崩壊して東欧諸国の経済規模が一時的に凋落した事を利用し、EUの温暖化対策が有利に計算出来るように布石を打っている。また、EUと言っても様々な国や民族の集まりであるから、それを一つにまとめる方便として活用しているのも見逃してはならない。船の中で争い事が起きないようにするには、一致団結しないと船が沈むぞ、という論法を持ち出すのが一番であろう。 このEUという組織が成立した裏には、かつて強力な権力を誇った王族の存在が伺われる。第一次大戦前までのヨーロッパはハプスブルク帝国やフランスなどの大国が覇権を競う地政であった。そうした国でかつて王として君臨した一族の末裔は、今でもヨーロッパ各国で政策を決定する委員会の委員を勤めたり、企業の相談役に就任したりして政治経済ともに少なからぬ影響力を有している。そうした旧王族一族は血縁関係による結びつきを今でもしっかりと有しており、その関係が言わば国同士を繋ぐ糸として働いているのである。EUに参加している国々を見ると、かつてこうした絶対君主大国であった地域とかなり良く重なるのが分かるだろう。 こう見てくると、今後もこのEUが参加国を増やして拡大し続けるかどうかが問題となる。委員長は番組中では明るい見通しを強調していたようだが、国同士を接着する旧王族という強力な糊が効かない国をEUに参加させるべき、強いモチベーションをEUがどう示せるかがカギとなろう。EUに参加していない国として特に目立つのが旧ユーゴである。ここは政情が不安であり、アルバニア系民族によるイスラム色も強い。トルコもEU加盟を成し遂げていない。EUが戦略の一つとして対テロをはっきりと掲げている以上、この問題を解決するのは容易ではないと思われる。また、旧ソ連領内から独立した国々もこうした歴史的経緯を考えるとこれまでのような単純なEU拡大路線は難しいと見なくてはならない。 先日、コソボ自治州の半独立をEUがバックアップした形で強引に成立させたが、これは旧ユーゴ諸国を取り込もうとする布石であるのは当然であろう。だがしかし、アルバニア系住民がそう簡単にキリスト教圏に組み入れられるのを良しとするとは考えにくい上に、独立させた地域にはセルビア人が心のふるさとと考える場所が幾つもある事から逆にキリスト教系であるセルビア人の反発を招いてしまっているのが現実である。日本政府は簡単にコソボ独立を承認したが、今回、EUの委員長が来日してEUのPRに努めた事は即ちEUのこれ以上の拡大は甘くないという認識を持っている事と共に、日本くみしやすしと見たからであろう事が想像される。ポスト京都議定書を睨んで日本をうまく使おうという戦略も考えられる。 EUが大きな力を持つ事や、ロシアが国力を付けて来た結果、世界秩序はまた大きく変わろうとしている。旧ソ連崩壊で世界は一時、アメリカのやりたい放題になるかと思われたが、今の情勢は世界が幾つかの巨大経済圏を形成しようとしているかのようである。そうした視点で見ると、在日米軍への思いやり予算を迅速に可決して相変わらずのアメリカべったりから一歩も発想の進展がない日本の先行きはかなり暗い。米国はこうした世界情勢の変化をちゃんと認識しており、表向きは対テロと言いながら世界規模での米軍再編成を見ていると明らかにEUなどの巨大対抗勢力を意識した戦略をとっている。イデオロギーの対立が無くなった今、単に日本は世界で唯一、せっせと貢いでくれる国であるから米軍は日本にも幾らか駐留しているに過ぎない。米国はアジアを見る時に今では中国を第一に考えている。従って日本を対共産圏の盾とする意味は今や全くなくなっているのだ。駐留していると言っても所詮は外国の軍である。いざとなった時にはさっさと引き揚げると見るのが当り前。EUからも米国からも目一杯甘く見られている事など、おめでたい国会議員や官僚たちは想像もしていないのではなかろうか。体よく盾にでも使われるに過ぎないであろう自衛隊海外派遣の恒久法化の話など、如何にピントがずれているかについて説明の必要もあるまい。 |
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聖火とは何か 世界各地で混乱が続く北京五輪の聖火リレー。どこぞの国では何事もなく無事に終わったなどというニュースまで流れる始末だが、さて日本。出発点は未公開で見学者は入れず、終着点も見学者が入れず、途中の経路も一部非公開、しかもそれ以外の所も道路の両サイドを機動隊がガッチリと固めるらしいから、見物に行っても聖火の先端くらいしか見えないという話が伝わっている。「これじゃ聖火護送じゃないの」という声もあったそうだが、こんな茶番にも税金が使われるのだ。 そもそも聖火リレーとは、あのヒトラーがベルリン五輪開催時に初めて行った国威宣伝のイベントである。ギリシャで太陽光を集めて点火するのはまあともかくとしても、途中で消えれば予備の火があるなど目的の為の手段になっているし、いざとなれば100円ライターでこそこそと点火したところでバレっこないのだから、実にいい加減な仕組みである。大体、火というものは次から次へと燃焼物質が入れ替わっていくこと位子供でも知っている話であり、「火が運ばれる」という表現そのものが荒唐無稽なものだ。 しかしながら、中国とチベットの問題はさておいても、このように聖火リレーにターゲットが絞られる背景には、五輪というシステムに対する不信感もあると見るべきではないであろうか。長野五輪の頃に大問題となった接待攻勢。今ではニュースになっていないが、接待が無くなっているなどとは到底考えられない。ロス五輪を契機にオリンピックがビジネスとして投機の対象となってからは、五輪には既に初期の精神などかけらも残っていないと言うべきだ。プロとアマの区別はなし崩し的に曖昧になってしまったし、勝つ事が目的だからドーピングも後を絶たない。 かつて五輪には、優れた選手に対しては敵も味方も揃って拍手を惜しまないという雰囲気があった。人間機関車ザトペック、マラソンのアベベ、冬季五輪のスケートで全種目金メダルをなしとげたエリク・ハイデン、一世を風靡した体操のコマネチなどはその代表だろう。今、そうした風潮は殆ど見られない。勝つためなら手段を選ばず、規則を変えてでも自分らに有利なように画策する西欧勢の場に化している。鈴木大地がバサロ泳法で金メダルを取れば「危険である」と禁止をするし、柔道で日本勢が勝つのを止める為に襟を厚くしろとか、畳の材質を変えろと言いだし、結局は国際柔道連盟のトップを欧米人が支配してしまった。日本のジャンプ陣がスキー板の長さ制限が厳しくなってから一気に失速した事も記憶に新しい。 精神が荒廃しているから、テレビ中継も面白くない。特に日本で見る五輪中継は芸能人やら何やらがおしゃべりと悲鳴を撒き散らし、自分の国の勝ちそうな競技の、しかも勝った部分しか伝えないのが現実だ。今や五輪など「参加する事に意義がある」などとはおこがましいと言うべきで、「参加させてやる事に意義がある」とすべきであろう。こんな事に金をかけるより、遙かに少ない金額で真のスポーツイベントを行う方法など、幾らでもあるのではないか。 |
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200兆円と死刑 21日に放送されたNHKスペシャルを見ると分かるとおり、今、地方自治体の財政が緊急事態となっている。理由は番組でも紹介された「地方自治体財政健全化法」という法律の為である。何故その法律でやばくなったかというと、今まで別会計にしていた公共事業が一気に本会計に組み込まれた為である。別会計とは言うなれば裏帳簿みたいなもので、国が「どんどん使ってちょうよ。自治体には迷惑かけないからよ」と自治体を後押しして使わせたカネである。あの夕張が破綻したのも、この会計システムで様々な公共施設を作った為である。その償還が一気にのしかかったのだ。 この仕掛け、よっく考えるまでもなく、これは世間一般で言う「粉飾決算」であろう。赤字隠しそのものだ。つまり、先の法律は粉飾決算を押しつけた当人がその尻ぬぐいを借り手に全部丸投げする法律に他ならない。自作自演で法律を作って丸投げするのだから、ヤミ金融より悪質であろう。国はそうやって借金を丸投げし、その返済は巡り巡って一般国民、特に弱者にのしかかる。年金でやっと生きているような老人の、その年金から強制自動天引きする後期高齢者医療保険も同じ理屈である。驚くべき事だが、この後期高齢者医療保険制度によって得られる(搾り取れる)金額は800億円程度なのだそうだ。今後10年に渡って59兆円を使うのだと言い張っている道路特定財源の1年分の僅かに70分の1である。しかも周知徹底がされていなかったからと、500億円を使って制度のPRをするという。ちなみに、そのPRにはこの制度によって若い世代の負担も増える事は書かれていないのではないかと疑われる。 日本は伝統的に人、特に庶民の命というのを大事にしない。14に日紹介した大西巨人氏の神聖喜劇に出てくる軍人の言葉に「貴様ら新兵など3銭で幾らでも来るが、武器は遙かに高いのだ。武器を粗末にするな」というのがある。3銭とは当時のハガキ一枚あたりの郵便料で、早い話が赤紙(召集令状)の事だ。この考えがあるからこそ、特攻隊などというシステムが考え出された訳だし、敗戦色が濃厚になっても国民全部を盾にして、自分らだけは長野の地下大本営で生き残ろうと図ったのである。この考え、高齢者や一般国民に全部借金を押しつけ、自分らだけはのうのうとしている中央官僚の行動と照らし合わせれば、その原理原則は何も変わっていないというのが良く分かるであろう。地方自治体は知事や職員の給料を削減して、少なくとも痛みを分かちあっているが、中央省庁の官僚や職員が給料を減らしたなどという話を聞いた事があるだろうか。 22日に18歳少年(犯行時)に対して死刑判決が出たという事で、マスコミは「これで死刑が安易に出るようになるのではないか」などと書きたてているが、視点がズレている。国が中央官僚以外の国民全部、特に高齢者に死ねと言い渡しているのだ。何の不思議もない。与党は現在期限切れになっている道路特定財源の暫定税率を今月末に再可決する事を決めたらしい。良く言われる理屈に「地方の財政が成り立たなくなるから」というのがあったが、既に地方財政など成り立っていないのである。しかもこの特定財源によるバラ捲きは最終的には借金の増大に繋がるのだ。上に書いた裏帳簿の話だからである。「政権を預かる者として地方を放っておく訳にはいかない」(自民党の伊吹幹事長)などと、よくぞぬけぬけと言ってのけられるものであろう。地方自治体が抱える借金の総額は200兆円。不思議なことに、これはいわゆる特別会計(国の裏帳簿)の総額と言われる数値に非常に近い。 |
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権力の正しい使い方 小泉元首相が大阪で講演し、「たまたま多数を握って権力を使いたいのは分かるが」と民主党を批判、「参議院の存在価値を無くさせるようなマネをする野党は、権力の使い方を知らない」と続けたそうである。たしかにごもっとも。小泉内閣のしてきた事を見れば、権力とはどう使うのかが分かるからだ。
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進歩がない中継に裏を読む 今年もプロ野球シーズンが始まったが、昨年と比べると地上波による巨人戦放送が多いようだ。ほぼ全試合が中継されているように思う(正確に調べた訳ではないが)。これがプロ野球人気(すなわち視聴率)の復活を意味するのだろうか。答は明らかにNOだろう。単に昨年色々と試した代替コンテンツが軒並みこけたからに違いない。プロ野球中継にかつてのような20%という視聴率は望めなくても、それなりに安定した数字を見込めるのだと認識した事もあるのだろう。 しかし、それにしても相変わらず何を中継しているのか全く考えていない中継ばかりなのを見ると、関係者の頭脳ゼロをまたも疑わざるを得なくなる。別に巨人戦一辺倒とか中継時間延長の話をしているのではない。中継に野球もロクに知らない芸能人を入れる事を言っているのである。その狙いは明白だ。番組中でコトあるごとにその芸能人が出る番組か映画の宣伝を行うためであろう。日本映画に観客が戻って来たという報道がされているが、実際にヒットしたという映画を見るとどれも軒並み素人以下の駄作ばかりである。何故かというと、地上波局が今や映画の最大出資者であり、自前の芸人に監督や主演をさせ、地上波で宣伝をやたらと流して客を集めているからだと言われる。結果として一時的に客は動員できても、これでは絶対にリピーターは増えないだろう。日本映画は中国ばかりか東南アジア諸国全般の作品からも完全に遅れをとった。昨年公開されたタイの映画「ロケットマン」など、本来なら日本が作って良いような作品だが、少林少女など個人的見解としては絶対に外すと思う。宣伝用スチルを見ただけでセンスの無いスタッフ群が透けて見える。 さて話を戻して、一昨年、巨人戦中継の視聴率がみるみる低下した時、地上波各局は先を争って「新企画」を中継に取り入れた。その結果、野球を知らぬ女子アナ(別に男でもいいが)に下らんプライバシー詮索インタビューをさせたり、携帯クイズなどを野球そっちのけで延々と流し、野球ファン離れと視聴率低下に拍車をかけた。上記映画の話も合わせ、要するに地上波局で決定権を持つ連中は、過去の失敗からは何も学んでいないということだ。というより、失敗だという認識すら出来ていないのであろう。頭の芯までがバラエティといわれるバカ騒ぎに染まっているので、それ以外の発想が出来ないのだろうとしか考えられない。 今や、野球中継は衛星放送で見る時代である。CMは少ないし試合開始から終了まで間違いなく放送するし、セパ両リーグのほぼ全試合が見られる。解説者もまっとうな野球のプロだ。パリーグに関してはYahooがライブ中継をインターネットで行っているので、そちらの選択肢も増えた。結果として下らん芸能人のおしゃべりを聞かされ、やたらとCMを見させられ、しかも試合開始から終了までを見られない唯一のカードが巨人戦というのが現実となっている。その巨人、おおかたの予想を裏切って大連敗だが、高橋を開幕投手で使いしかも敗戦になった事(高橋は最初の試合で勝たせないとしばらく立ち直れない)や、上原を開幕投手にしなかった事(だから嫌になって大リーグ行きをシーズン最初から堂々と表明した)などを考えれば、連敗も当然と見るべきだ。訳の分からない強化をするフロントと合わせ、監督にも学習能力が無いという事である。今、見ていて一番つまらない野球が巨人の野球だ。 こうして見てくると、地上波資本が絡むものは悉くプロ失格への道をまっしぐらとなっている事が分かる。プロどころかアマ以下と言ってもいい。あるのは札束だけである。いい加減、言い飽きた事ではあるが全く無用の長物と言う他はない。いや、無用というより有害であろう。こんなメディアを毎日見ていたら、軽薄な発想で目先の事ばかり考えるリコチューな若者(親も含む)が育っても不思議ではない。そして携帯電話のサービス会社にフィルタリングを義務づけるという話がメディアを賑わす一方で、有害情報から子供を守れと言いながら地上波をフィルタリングする話が出ないのは不思議である。 |
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何でも禁止の行き着く先は 最近特に感じる風潮として顕著であるのは、何か問題が起きると「それを禁止」して済まそうとする傾向であろう。児童ポルノを所持する事も摘発するという話ではない。例えば貸し金の金利制限にあったグレーゾーンを撤廃するという話などは典型例であって、確かに悪質な業者による高金利負担に苦しむ人を救済するのは重要だが、金利制限を厳しくしたお陰で金を貸す方ではリスクを取れなくなり、今まで借りられた人が借りられないという事態になってしまい、そこにつけこんだ闇金融が活発になって、結局弱者が更に苦しむという逆の結果になっているのだ。 金利の話を例にするなら、問題なのは金利ではなく元金である。例え金利が年100%であろうと、元金が1万円だったら利子は1万円にしかならないのだ。悪徳金融のやる手はとにかく何らかの方法で沢山貸し付ける事であって、その意味では金利だけを制限しても効果などたかが知れている。ところがそれを考えずに金利だけを制限したので、本来なら借りられた人がヤミ金融のターゲットとなっているのは述べたとおり。要するに、あまりに議論が浅いのである。何でもCO2が悪いとする環境論なんてのも同じパターンであろう。 今日、新聞なぞ見ていたら、最近は高齢者をターゲットにした悪徳商法が闊歩しており(振り込み詐欺も一向に減らないそうだ)、秋田で訪問者への飛び込み勧誘を禁止する条例を考えているらしい。まったく短絡的な思考である。飛び込みの定義をどうするかにもよるが、こんなものをどう禁止しようと事前に電話を一本入れるなど回避する手は幾らでもあるであろう。そんな事よりも、高齢者が訪問販売に合った時に気軽に相談出来る仕組みを用意しなくては何も解決にはならない。こういう提案をする関係者というのは、要するに何かをしたという結果だけを出して自分のメンツを保つ為にやっているのであり、被害者の救済は口実に過ぎないと言われても仕方あるまい。闇金融がプロなのに比べると、何とも情けないレベルである。 話は少し変わるが、大西巨人という作家がいる。自身の戦争体験を元にして、旧日本軍というところが如何に理不尽な組織であったかを記した小説「神聖喜劇」で知られる(ちなみにコミックス6巻にもなっていてベストセラー)。12日にNHKの教育TVがこの作家と作品を取上げていた。旧日本軍では上級兵が何かと言えば言いがかりをつけて下級兵に全てを押しつける。この組織体質について、大西は「要するに責任を下に転嫁するメカニズムだ」という解釈を語っている。これが逆に上の指導不足というような形にしたらどうなるか。問題点は上へ上へと行って、やがては天皇にまで行きかねない。よって組織全体が上への責任転嫁を嫌ったのだという。このパターン、現代官僚社会でもそのまま見られる事に気づくであろう。冤罪事件を誤魔化しきれなくなった時の警察の記者会見など、まさにこれである。別に天皇とは関係ない。上への御機嫌伺いがそうした動きを決定するのである。 そして、こうした仕組みを生み出す一つの要因として、何でも禁止するという社会風潮があると大西は語っていた。何でも禁止というのは、要するに下(一般国民)への責任転嫁である。中間層はそれを察し、他の件でも自主規制という形で責任を下に流す。俳優の西島秀俊がこの大西に番組中でインタビューをしていて、「映画を作る場に関わっていると、表現の制限がすごくきつくなっている。いざその時になってこれは良くないとか、あれはやめときましょうとかいう有形無形の声が現場で起きる」と聞くのに答え、大西の言っていた事が印象的であった。「自主規制ってのが蔓延すると、最初は疑問に思っていてもやがてそれに馴らされてしまい、不思議に思わなくなる。そうなると事態はどんどん進んで行って、やがて気がつくと言論統制となっているのである。今の世の中を見ていると、その空気は丁度満州事変の前頃に似ている」のだそうだ。つまり、累々たる無責任の転嫁がやがて誰も戦争に突き進むのを止められなくなるというのである。 自分の責任を転嫁する為に、自主規制という形をとったり、法律なり何なりで禁止するだけでお茶を濁す。それでいいかと思っているうちに、誰もどこに責任があるのか分からなくなっていく。そうなればあとは簡単である。突き進む組織を誰も止められなくなるのだ。これは日本だけのお家芸ではない。あのナチスの台頭を止められなかったのも同じである。チェンバレンがヒトラーを抑えたと誰もが思った時、それはただの責任回避に過ぎなかったのだ。差別用語だの児童ポルノ規制だの共謀罪だの、これらは全部欧米からの発信である。欧米人がとりたてて知性が高い訳ではない事は、歴史が証明している。だが、それに付和雷同して同じ事をヒステリックに叫ぶ輩は、自分がこうした責任転嫁を推進している事にも気づかぬレベルなのである。 |
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南極と言っても広い 6日付け朝日新聞朝刊のトップ記事は、南極の温暖化であった。大きな写真が掲載され、氷河の上にコケがびっしりと生えている様子を伝えている。いわゆる温暖化に関する記事であり、南極で氷しか無かった所が今やこれだという内容である。(本記事執筆時点でオンライン版はここ) 別に辛口子はこの記事が捏造だ、などと言うつもりはない。だが、この記事に小さく添付されている地図を見ると、この場所は南極と言っても外れのあたり、即ち尖った部分の先端で南米に近い部分である。調べてみると南極点からの距離はおよそ1800キロ。日本列島の長さくらいはある。これでは鹿児島あたりの一角の現象を取上げて、日本全体の気温が急上昇していると警鐘するようなものではなかろうか。 NASAのサイトには世界中の気温変化を見られる場所がある。このページへ行くと下の方に世界地図があるが、その任意の場所をクリックすると近傍地名一覧が現れ、その中から地名を選ぶとそこの気温経年変化を見る事が出来る。この中から南極大陸をクリックすると各国の基地が一覧となって表示されるが、その中の例えば「Amundsen-Scot」基地(これは南極点にある)をクリックしてみると現れるグラフを見る限り近年急激に気温が上がったというような傾向は見られない。それで他の大陸を色々調べて見て分かる事は、コトが単純な世界的気温上昇などではなく、基本的に都市部が温度上昇を明確に示している事、どこの場所でも近年になる程グラフの「振れ」が大きくなっているように見える事、の2点であると気がつく。 辛口子は温暖化、即ち気候変動を否定するものではない。だが、こうした局部的な現象を取上げてあたかもそれが代表例であるかの如く報じるのは科学的とは言えないと考える。今述べたように、都市部である程温度上昇が急激である事などを考えれば、温暖化の原因が巷で悪玉にされている二酸化炭素の単一犯行などとは到底断定など出来ないと見なくてはならない。無論、二酸化炭素の影響が無いとは言えないが、それでは都市部だけが温度上昇を顕著に起こしている事の説明にはならないのであって、明らかに人間の活動そのもの、特に近代社会の消費エネルギーが膨大な熱を発生し、それが世界規模の気候に影響を与え始めていると見るべきであろう。いわゆるヒートアイランド現象である。 熱力学の第一法則によって、全てのエネルギーは最終的に熱になる。従って、本気で気候変動を何とかしたいのであれば、エネルギー消費そのものを減らさなくてはならない。自動車やエアコンなどはその代表格であろう。だが、そういう議論はメディアには全くと言って良いほどに出て来ない。3日に朝日ニュースターの「デモクラシーNOW」が報じていた内容によると、米国で随一と言って良い独立系環境問題雑誌である「E」が、温暖化の原因は人間の活動そのものであろうと述べているらしい。こういうメディアも無い訳ではないが、殆ど誤差みたいなスケールなのが現実だ。 この気候変動が人間のエネルギー活動によるところ大であるとするならば、問題は別の面にも波及する。別に「あなたは今ホッキョクグマを苦しめました」などというピンボケなCMの話ではない。いわゆるリサイクル活動が気候変動に拍車をかけかねないからである。リサイクルと言っても当然ながら、薬品処理を始めとして再生処理などあらゆる所でエネルギーを使う。集めるにも使う。地球に優しい、というキャッチフレーズに乗って皆が熱心にリサイクルに取り組む程、それが熱を出すという皮肉な結果になるのだ。これらを総合的に判断し、それでもリサイクルした方が環境負荷が小さい、というような計算がされている例を見た覚えはない。冒頭の記事が如何にも底の浅い、小学生の夏休み研究みたいなものであると見えてこないか。 |
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映画靖国問題は特別な事ではない 表題映画の上映とりやめ問題が結構大きな騒ぎになっているようである。国会で話題になって観客動員数が急増したという日本映画があったが、こちらでは映画館が萎縮したのだから展開は正反対であろう。これについて朝日新聞が映画に反対している人に取材をしていて、なかなか面白かった。何故なら、取材を受けた当人はその映画を見た訳ではなく、報道内容などからこれはいけないと思って行動したと答えていたからである。ちなみにその人は、いわゆる街頭宣伝車愛好の方だそうな。 念のために書いておくが、辛口子はこの人を非難している訳ではない。この人が特別変わった人ではない事を良く理解しているからだ。以前、北欧のメディアがイスラム教の神ムハンマドの風刺画を掲載して、国際的な騒ぎとなった事があった。遙か離れたアジアでも過激な反対運動が起こり、大使館が襲撃されて火を付けられた事件も起きた。で、あるドキュメンタリーがその火を付けたイスラム教信者集団のリーダーにインタビューをしていたのだが、何とそのリーダーも「その風刺画を見た事はないが、許せない事は分かっていた」と答えていたのである。 この両者、構図は全く同じである。そもそも、今回の映画上映問題の発端にしてから国会議員が騒いだことだが、それだって理屈は同じだ。日本が言論の自由を本当に尊重するのなら、上映が始まってから自費で見に行けばいいのである。権威を振りかざして、別の権威にこびへつらおうとする連中がネタを掘り起こし、それが何か叩く相手を探していた連中に格好の火種を与えたという訳だ。 何だか最近、特にこうした傾向が世の中に強いようで懸念される。目立つようになったのは恐らくは差別用語糾弾の頃であって、その後、やれモデルの痩せすぎがどうのこうのだの、メタボがどうだのと突っこみネタが世界でどんどん発掘されている。児童ポルノ反対問題も以前本欄で指摘したように、その主張たるや論理的に支離滅裂で、要するに何でもいいから叩くネタを見つけて自分が目立ちたいという点では全く同一である。また、ネット規制法案というのを与党も野党も準備していて、その内容たるや18歳未満の青少年が「健全に(どういう定義だろか)」育つため、ネット関連のプロバイダやメーカはこうした青少年が有害情報(誰が決めるんだろか)に間違っても触れないように、出来る限りの手を打たなくてはならない、というもので殆ど同じだそうである。まったく、健全という言葉とは最も遠そうな連中が有害かどうかを決めるというのだから、滑稽としか言いようがない。 当然ながら、自分が目立ちたいだけなので、こういう事を法律で規制してどうなるかを考えている訳ではない。闇ルートが元気になるだけなどという事も考えもしていないだろう。また、例えこの法案の目論見がうまく行って、一切の有害情報を知らずに18歳になった青少年が、いきなりそうした情報に接したら何が起きるかもだ。親に見捨てられたとパニックになり駅で誰でもいいからと人を刺しまくった少年を生むだけである。何故ならば、何が善で何が悪かを知らぬまま大人になるからだ。純粋と善とは同一ではない。それは狼に育てられた子供の話を見れば分かる。つまり、こういう法律を提唱する奴らも全く同じ構図で動いているのである。 結論を言うなら靖国映画にしても、ムハンマド問題にしても、児童ポルノだろうと、このネット規制法案だろうと、要するに本音は自分が目立ってしかもウサを晴らせる格好のネタに他ならないのだ。これが人間の本質であるのは言うまでもないが、それに対して「待った」をかける深い議論がかき消されがちな風潮に大いなる危惧を禁じ得ない。今、新聞の話題では京都議定書発効と次回サミットに絡んで温暖化問題がやたらと目立つが、そもそも知能の曖昧化の方がよほど問題ではないかと思えてくる。これでは温暖化で環境がどうかなる前に、人類が自分で自分の首を絞めていくのではないか。 |
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オラットゥンボウスン・ウグボグ 表題は早口言葉ではない。横須賀でタクシー運転手殺害容疑で逮捕された米軍兵士の名前である。米国籍ではなくナイジェリア国籍だというから、米軍兵士の実態、即ち手当たり次第にとにかく兵士を集めているという実態を伺える話だ。それにしても、旧ソ連崩壊によってチャウシェスクを筆頭に、東欧系やアラブ系の名前を耳にする事も増え、少々のフレーズでは驚かなくなったがこの「オラットゥンボウスン・ウグボグ」という発音というかリズムは流石に斬新である。 さて米軍兵士による婦女暴行や殺人などが最近目立ち、日米地位協定の見直し論もかなり強くなっている。だが、そもそもの問題は米軍が日本にいるというのに「ショバ代(思いやり予算)」を日本が払っているという、日本の根性無しにあると言えよう。世界のあちこちに米軍は基地を置いているが、ショバ代に経費を上乗せして米軍に払っているなど日本だけである。元々はあの金丸が強引に成立させた。法的根拠がなく、いわゆる日米安保条約にも無い話なので、「日本を守って頂く相手に対する思いやりだ」という屁理屈の下、成立したものである。ちなみに日米安保条約では「日本の防衛は自衛隊が第一に行う」とあり、「日本有事の際には米軍は適切な対応をする」とあるだけで米軍が日本を守るとは一言も書かれていないというから、バカげた話である。 さて、この思いやり予算の中には米軍の施設従業員の給料や米軍関係者家族の光熱費などがそこに含まれているが、例えば米CIAの職員が米軍基地に事務所を構えているとその職員の人件費まで負担しているという話もある。つまり日本をスパイしている相手にもこちらが金を払っているのだ。これが総額ざっと年間2400億円程度で、あとは米軍基地のある場所の地代を米軍に代わって日本が地主に払っていて(だから沖縄基地返還の話が出ると地主らが反対する)、それらを合わせて年間6800億円程度が日本が米軍駐留の為に払っている金と言われる。 これらの他、例えば今度の米軍再編に伴い、国内米軍のグアム島引っ越し費用と新居建築費用まで日本が負担するというていたらくであるが、それは脇に置いておいて、あまり報道されていないのが「米軍基地外に住んでいる米軍兵士が多い」という点であろう。実は沖縄では米軍兵士向けのマンションというのが民間で沢山作られていて、5000世帯以上あるという。これでは基地が例え完璧に外出禁止を徹底したとしても、米軍兵士による犯罪は無くならないだろう。なにせ、米軍兵士の実態が今回の事件で明らかになったように、まさに烏合の衆の寄せ集めになっているからである。統率など、これでは多くを望めまい。 日本政府の与党は今のところ、この状態を見直す気はないらしい。米軍に弱みを色々と握られているのではないかと思われるが、マスコミにしても訳の分からない遠慮が多いようだ。辛口子の調べた限りではこの逮捕された米軍兵士の名前を最初にちゃんと記載したのは読売新聞だが、朝日も日経もその時点では「米軍兵士(22)」と書くだけであった。まさか22歳が「児童」だとか言うのではあるまい。メディアはいたずらに騒ぐだけではなく、こうした問題こそきちっと解説して報じるべきである。その時にはまた「地位協定を見直したりしたら大混乱が起き、日本は世界から非難される」などと言う背広を着たウルトラバカなどが出しゃばって来ないようにもしてもらいたいものだ。 |
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静かな快挙 あまり報道されていないようだが、先日カナダで行われたカーリング世界大会で日本のチーム青森が4位という快挙を成し遂げている。これまでは世界大会での予選突破も出来なかったのだから、諸手を挙げて拍手を送るべき成果であろう。NHKのBS-1が大会の一部を毎日中継していたが、幾つかを見た限りではまことに堂々たる試合運びを見せ、これまでのような新参者の顔は微塵も見られなかった。敗戦した試合もまさに惜敗なものばかりで1点差が多く、もう少しでメダルが見えるポジションであった(3位決定戦も1点差での敗退)。 しかし、日本を尻目に快挙を成し遂げたのは中国であった。最終決戦でカナダに敗れ2位となったが、予選ではカナダを破りトップで予選を勝ち抜いている。日本はこの中国を予選で破ったが、その他でやや遅れをとってしまった。とはいえこうして見ると今回のカーリング世界大会(女子)はアジア勢が席巻した大会と言えるであろう。本欄を読んでいると、見栄を張るだけで己の沽券第一の情けないオヤジばかりの顔が見えてくると思うが、この大会で見えるのは頑張る女子選手だけではなく、そのバックアップに奔走する関係者の姿である。(ただし、これを書いている時点での日本カーリング協会の公式ホームページは静かなもので、通り一遍の速報のみ。詳細はオフィシャルサイト(英語)へのリンクという手抜きぶりだから(下図)、ここの連中は評価しない。) ところで、こういう「真の頑張り人」がメディアで評価されないのが日本である。1日のNHK「クローズアップ現代」は理工系人材確保に苦戦するばかりか折角海外から優れた人材を採用してもすぐに退職されてしまう日本メーカ、大学生の激減に生命線も危なくなっている大学研究室などを取上げていたが、真剣に頑張る人間を取上げない世の中では人材の方が見放すのは当り前の事であろう。先月31日、NHKが放送した「名ばかり管理職」。管理職という名目だけを与え、残業代をケチって人の命を食い物にする企業(マクドナルドだけではない)の姿を見れば、優れた人材が日本になど居着く訳がない。 日本には非常に歴史の長い企業が多いという。恐らくは世界一、そうした会社の多い国だという話である。そういった日本の古い企業には大抵伝えられてきた企業訓というものがあるが、「人が財産」とはどれにでも共通する代表格フレーズと言えよう。効率を上げる為には人の命など食い物にすべきであると書いている訓などどこにもあるまい。そんな会社が長期間生き延びる事など出来ないからだ。ところがメディアが脚光を浴びせる企業というのが、こういう所ばかりなのが実態である。 人材軽視、人の命軽視、人の努力を食い物にする側ばかりが評価され、努力する人材を評価しない。これを象徴するのが以前も書いたように、あの青色LEDの中村修二氏に対する財界・政界の態度であろう。中村氏に声をかけた国内大学も皆無だったという。そんなに危機感があるというなら、今からでも遅くはない、日亜化学工業以下政界財界の面々であの中村修二氏の200億円判決に反対した全員が顔を並べ、「ごめんなさい」を言ってみせれば本当に能力ある人材からの日本を見る見方も変わるであろう。そうでないなら、危機感は口先だけで己の保身第一は変わらず、より巧妙に人の命を食い物にする手段を模索しているのが本音だと思われても仕方あるまい。
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穴が開く 何と40年も続いた「暫定」税率が奇跡的に一時的とは言え、廃止(中断か?)になった。税収入に穴が開くから大変だ、と報じるメディアもある(例えば読売新聞社説)。この25円値下げによって国と地方で一カ月あたり1800億円の税収不足が生じるのだそうだ。裏を返せば、それだけ「ドライバーが負担していた」事になる。受益者が負担するから特定財源だという表向きの主張がここでもガラガラと音を立てて崩れている。暫定部分だけではなく、特定財源全体を見渡し無駄な流れを切り捨てればこんな程度の金額など浮いてお釣りが来るだろうに(特定財源は200兆円とも言われ、ざっと計算しても無駄が2割として40兆円。一般財政の半分近い額だ)、そういう主張をするメディアはない。すぐに消費税で補うべきだの大連呼である。 それにしても最近特にと言いたくなるのが、メディアに出てくる自称有識者連中のボケぶりだ。ガソリンが25円下がったりしたら大混乱が起きるとテレビで臆面もなく言ってのけたウルトラバカは何人いたことだろうか。こいつらはインド洋給油が中断した時にも「中断などしたら国際社会から非難を浴びる」などと、口から出任せを繰り返した。思い起こせば、この手のどうしようもない文字通りバカとしか言いようのないのが出しゃばり始めたきっかけが、あのコンピュータ2000年問題であろう。やれ原子炉が暴走するだの、ミサイルが上から降ってくるだのと論拠も無しにおのれの無知蒙昧を晒け出したものだが、平然としてその後もテレビなどで口から出任せを並べているのがこの面々である。辛口子の知る限り正しく予想していたのは坂村健だけであった。ガソリンが下がった今日、給油所に車の列は出来ているようだが特に大きな混乱は報じられていない。自腹を切って値下げするかどうかは給油所の判断ですればいいことで、流通在庫などどうでもいい話だとは子供の頭でも分かる事だ。まあ言うまでもなく何と言ってもバカであるから、自分の言った事など明くる日になればすっかり忘れてしまっているのであろう。しゃべらせるメディアの方も同じ症状というわけだ。 横浜市大で医学博士号を金で買っていた問題について、横浜市大の元医学部長や医局員たちが連名で「誰がチクったのか公表しろ」と大学側に文書で申し立てていたという。東京都の石原都知事は新東京銀行について「民間に任せたからああなった」とまるで他人ごとの訓辞。新銀行で1000億円に加えて400億円の穴を開けた以外にも、石原都知事は銀行への外形標準課税では集めた金に1700億円も上乗せして返すハメになり、実現する訳もない東京五輪誘致でも既に2000億円くらい使っていると言われているが、二つ前の事などすっかり忘却の彼方らしい。まったくどこもかしこも、脳みそが穴だらけのようだ。 |
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