一刀両断ミニコラム
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《2003.04.30》
研究所比較考
 まず、バナウエーブ研究所。最近、マスコミを騒がせている白ずくめの集団である。直接の関係は不明だが、思考パターンは、まさに第二のオウムである。「スカラー電波」や「共産ゲリラの電磁波攻撃」などと、一見専門用語を意味もなく羅列して、無知な相手をケムに巻く所は、オウムの発想そのものだ。ただ、これに迎合するのをアホ呼ばわりするのは簡単だが、問題はそう単純ではないのではないだろうか。次に取上げるのが、国立国語研究所。そこが4月27日に発表した「外来語の分かりやすい言い換え」最終案であるが、分析家(アナリスト)、注文対応(オンデマンド)、情報内容(コンテンツ)、心の健康(メンタルヘルス)などなど、なかなか唖然とする事を、くそ真面目に提唱している。まあ、税金の無駄使いだという話はあるが、今日はそれは脇に置いておきたい。本題に戻すと、片や、意味も分からずに用語を羅列する集団、もう片方は意味が分からないからと用語を言い換える集団であり、その根底に、外国語というだけで理解しようとしない、という点で共通する土壌が見えるからだ。辛口子の交友関係には、大学で教鞭をとる人が何人かいるが、最近の若い世代は、授業で英語教材を使うと聞いただけで逃げるらしい。英語拒否症は中高年の特権かと思っていたが、そうではないのだそうだ。世を見るに、外来語とカタカナ語は氾濫し、カタカナブランドに群がって何十万もの金を惜し気もなく使いながら、その一方で、正面とは向き合おうとしない。辛口子の所に来る質問でも、聞いてみると、英語のメッセージが出ただけで、頭が真っ白になり、読みもしないでウィンドゥをクローズしている例が少なくない。これは何故か。英語環境の問題なのだろうか。そんな事はないと思う。辛口子は英語の歌(ポップスやジャズ)を聞きながら、その意味を理解して英語に親しんだ。インターネットを使うなら、英語など幾らでもネタがある筈だ。興味のある対象を見る事から始められそうなものだが、何故かそうはしないのである。結局、この命題を突き詰めて行くと、どうしても「自分の頭で高い視野から物を考えない」という所に辿りついてしまう。戦後教育の弊害を言うのは易しい。だが、モノが世の中に溢れ、考えなくても生きて行けるから、そうなったとも考えられる。英語教育特区など設けても、恐らく無駄だろう。異なる言語を理解する事は、異なる考え方を理解する事でもあるのに、話を聞く限り、そういう教育をしていないからだ。海外では高等教育の重要性に気がつき、税金を使っても教育水準を上げようとしているのだが、日本は既に指摘されているように、円周率を3と教えようとしている。まさか、一旦日本を荒廃させ、そこから新たな芽を息吹させようという、遠大な計画とも思えないのだが、そういえば、株価は連日、最安値を更新していた。
《2003.04.28》
出ないイラク終戦宣言
 ブッシュ大統領はどこかで口を滑らせたらしいが、米国は一向に公式の終戦宣言を出さない。考えられる理由は幾つかあるが、各地で戦闘が実は続いているというのは、決定的な物としてはあまり考えにくい。海兵隊の一部が帰国を始めているし、空母も離脱しつつあるからだ。大量破壊兵器が一向に見つからない事から、それを探す為にも戦闘状態にしておくというのも、国連の調査委員会にさせればいい事である。となると考えられるのは、意図的に出さないでいるという事である。つまり、戦闘状態にしておけば、米軍を公式に配置しておけるからではないであろうか。和平となると政府の承認の下で軍を置かなくてはならないが、反米感情の強いイラン人政府が認めるとは考えにくいからである。また、穿って見れば、意図的に中東情勢を不安定にして混乱させようとしているとも思える。混乱をさせればアラブ側の結束は乱れ、イスラエル・アメリカ側が有利になるからである。アメリカで戦争を押し進めているのは、ネオコンと言われる勢力だが、その実態はユダヤ財閥である事は、行動を見るまでもなく公然の秘密。ブッシュはそうした彼等の支持で大統領になったので、逆らえないのである(逆らう程の度量もないという説もあるが)。ところで、米国の財政は実は大きく赤字に転落している。クリントン政権下、米政府は財政改善につとめトータルで黒字を達成したのだが、それはとっくに食いつぶし、国債発行額も6兆ドルを越えて(円ではない、ドルである)いる上に、イラク戦争経費がこの足を更に引っ張るのはこれからだ。米国は9.11テロ以来、テロ対策を名目に資金を注ぎ込んで軍備拡張に走り(テロ犯捜索などとっくに打切られている)、金を使い果たした。アフガニスタンでは既に反政府勢力が勢いを増し、そちらへも手がかかるようになってきている。つまり、北朝鮮に構っている余裕はあまりない。そこにつけ込んで核カードを切る北朝鮮の外交策、イラク戦争では敢えてコメントを避けて沈黙を守り、北朝鮮問題でキャスティングボートを握ろうとする中国ともども、どこかの国と違い、まことにしたたかである。
出ない英雄賛美
 石川県で、川に落ちた子供を助けようとして、会社員が飛び込んだが一緒に流され、4時間後、死体で発見されたと報じられている。悲惨な事故だが、これで思い起こすのが、昨年、国際騒ぎにまでなった、JR新大久保駅での落下乗客救出失敗事件である。助けようとしたが、一緒に死んだというパターンは全く同じである。だが、この会社員を英雄にし、石碑を立てようという運動は全く起きていない。あの時騒いだ連中はどこで何をしているのだろうか。
《2003.04.27》
個人情報保護法案
 一度廃案となったあとで、今度の国会で成立の見通しとなった。前回物議をかもした部分が修正されているが、判断を大臣が下し、第三者機関ではない事(新しい外郭団体が出来かねないからだそうな)や、報道という目的の定義が曖昧である事など、問題はある。首相は、簡単に「運用には気をつけて」と言うが、一旦成立した法案で何が起きるかは、先の国家国旗法案のその後や、先日起きた住基ネットからあっさりと個人情報が自衛隊に洩れた事件が示している。個人情報と言えば、広く国民全部を指す訳だから、悪徳政治家でも不祥事企業の社長でも、個人には違いないのだ。ところで、あまり報道されていないが、同好会か何かの金銭管理を目的として、会名義で銀行で口座を作ろうとすると、知らぬ間に随分チェックが厳しくなっている。少なくとも会の定款程度はないと、作れなくなったようだ。マネーロンダリング防止が目的だそうだが、次第に世の中が息苦しくなりつつあるような気がする。今までがルーズ過ぎたのかもしれないのだが、問題はそれがあまり報じられない事(今度の個人情報保護法案にしても、中身は殆ど報道されない)だ。その方向で良いのかどうかという総論もまとまらないまま、こうして次第にコトが進む状態には、いささか危惧を禁じ得ない。
責任転嫁球団
 オリックスが突然、石毛監督を解任した。確かに成績は不振であった。しかし3年契約しておいての、2年目の頭である。一体、どういう意図で契約したのか、フロントこそ無能なのではあるまいか。思い起こせば、かつて阪急ブレーブスと呼ばれていた頃、観客動員数の低迷に悩み、当時始まったばかりで大入り満員が続いていた、鹿島アントラーズの事務所に「どうやったらそんなに客が入るのか」と問合わせたという話を思い出した。問題解決能力ゼロの伝統は、しっかりと受け継がれているようだ。ヤクルト入団を邪魔されたようなマック鈴木も、えらい球団に入ったと思っている事だろう。
《2003.04.26》
特区ブランド?
 先ごろ発表された、構造改革特区は全部で57地区。首相官邸ホームページなぞ見ると、一覧をPDFで入手出来るのだが、それをめくるに「地域福祉特別区」「幼稚園と保育園の一体運営区」「幼稚園入園年齢制限緩和区」「外国語教育特区」「地域振興特区」「物流特区」「リサイクル特区」「研究開発特区」というあたりが並んでいる。どこが特別なのかと言いたくなるものばかりで、要するに今ある物に「特区」というお墨付きを与えただけであるのが一目瞭然。北朝鮮や中国の経済特区は、その区域での関税低減というような大胆な事をやっているのだが、それと比べると色あせ度は隠しきれない。逆に言えば、それだけ訳の分からん規制が多いとも言えるのだろうが、総理の発言とは裏腹に、これによって経済が活性化するなどとは到底信じがたい内容である。事実、国内のメディアでさえ、上っ面を撫でるような報道に終わっていたし、海外では報道されたような気配もない。しかし、考えるに、これは今さら驚くには当たらない。このブランド志向、何もバブルを引き合いに出すまでもなく、「形作って魂入れず」の精神で、日本の御家芸であるからだ。民主主義は広く国民が知るべき事を知る事でこそ成り立つのだが、実際には選挙一つみてもまともな情報は提供されない。選挙をすれば民主主義というなら、フセイン政権下のイラクだって民主主義だ。入札というシステムは、コスト削減と公正さを目的とするものだが、形だけで談合が横行する。本来は民意を吸い上げる為の物の筈な、各種審議会は業界団体の圧力会議になる。さて、構造特区の発表にも関わらず、株価は低迷して最低記録を更新中。不思議なのは、これでも内閣支持率が下がらない事で、当分高い失業率、高い自殺率、超低金利などが続くことを、実は国民は望んでいるのだろうか。
《2003.04.25》
死刑の求刑
 オウム教祖の麻原に出た死刑求刑は当然であろうが、麻原は自分の弟子が自分の教えを拡大解釈したものだ、と当初は言っていたらしい。となると誰もが連想するのが、永田町の得意技、秘書への責任転嫁であろう。もっとも、今話題の松浪議員に至っては(鈴木宗男という先駆者もいるが)、認めた上で居座っている訳だから、問題はそればかりでもないが。で、当面、救いようがない永田町は置いといて、このオウム裁判が長期化している一つの理由が、麻原側弁護団の引き伸ばし工作である。手口は単純で、法律を楯に立証しなくてはならない証拠を片端から持ち出し、ひたすら手間をかけさせるというものだ。検察側は複数の容疑を並行に審議する事等を提案したが、弁護団は当然拒否したという。建前は立派だ。人権という便利な言葉があるからだ。だが、このような犯罪では冤罪の可能性はなく、立証すべきネタは幾らでもある。かような場合にも、壊れたテープレコーダのように同じ発想しか繰り返せないという事は、民主国家というものが一体何で成り立っているのか、つまり国民が安心して暮らせる国家とは何か、という方向に頭が行っていない証拠であろう。更に穿って考えれば、こうして長期化させれば、その間、弁護士連中は、おまんまの食い上げが無いとも見れよう。昨年、中国で発生した小麦粉へのネコイラズ混入事件。事件発生、犯人逮捕から二つの裁判を経て、死刑執行まで僅か1ヶ月だった(2002.10.15の本欄参照)。中国の共産党独裁体制が良い訳ではないが、学ぶべき点も少なからずあるのではあるまいか。
《2003.04.21》
投票率
 統一地方選の真っ最中だが、先に行われた一部地方議会と首長選では、天気に恵まれたにも関わらず、相変わらずの低投票率が続いており、恐らく次の投票も同じ傾向であろう。殆ど出来レースみたいであった東京都知事選にシラけて投票に行く気にもならない、というようなファクターもあるだろうが、投票率の低下傾向は全体的なもので、こういう解釈では説明がつかない。千葉の都市選では25%という、4人に1人しか投票しなかった、という例すらあるのである。で、お国や自治体でも、この傾向を何とかしようと、芸人を繰り出したり、CMを流したり、宣伝カーを走らせたりと、色々と知恵を絞っているようだ。辛口子のオススメ番組である、パックイン・ジャーナル(CSの朝日ニュースター)では、「投票しなかったら、税金か何かでペナルティを課してはどうか」などという意見も出ていたが、どうもそういう問題では無いのではないかと思う。では何かというと、一言で言えば「選ぶ為の情報がまるで足りない」という事なのではないであろうか。確かに選挙広報というのはあるし、政策PRのテレビ枠もあるし、ポスターもある。勿論、候補者がマイクを持って走り回る事もある。だが、それらは「通り一遍の模範答案」に過ぎない。再立候補なら、過去の議員としての活動実績、新人であるなら前歴や活動実績、そして何よりも当人の語る言葉が全く無いからこそ、選ぶ気にならない、という事があるのではないだろうか。そんな環境下だから、知名度(だからタレントや二世が有利)による影響とか、会社などの組織ぐるみでの投票が大きなウエイトを占めてしまうのであろう。これを解消する一つの手段が、まさしくWWWによる選挙広報活動だと思うのだが、それが認められていないのは周知のとおり。これに対する選管の言い分は「デジタルデバイドがあり、見られない有権者が出る」とか「情報の正当性が保証されず、誹謗中傷が流れる恐れがある」「公職選挙法で認められていない」などであるが、これらはどう見てもおかしい。何も選挙活動を「全部WWWでやれ」と言ってるのではない。他の方法による活動は従来通り認めるのだから、全然不公平ではない筈だ。誹謗中傷というが、実際に汚職三昧の議員が再立候補する例など少なくないのだし(今回の和歌山市長選挙で、汚職で収監中にも関わらず立候補した旅田前市長というのがいる)、むしろ有権者に必要なのはそういうネガティブな情報の筈である。事実無根なら法的措置はとれるだろうし、何よりも候補者当人が自前のサイトで反論すればいい。この問題、一番痛感するのが、最高裁判官の国民審査であろう。公開される情報は履歴書以下の職歴だけで(例えば、国民の知る権利を制限するのを認める判決を出した、なんていう情報は間違っても出ない)、バツ以外は全てマルと解釈するのだから、ひどいものだ。公職選挙法については、これは言い逃れ以外の何物でもなく、先に秋田県議となったグレート・サスケ氏が覆面で立候補、そのまま議員活動を行うという事については、「法に禁止する条項がない」と言うのだから、呆れる他はない。それなら、「WWWで選挙活動をしてはいけない」という記述が法律にあるとでも言うのだろうか。これらを並べてみると、要するに腐れ役人の「よらしむべし、知らしむべからず」根性に過ぎないという姿が見えてくるだろう。恐らく連中は、国民は馬鹿だから、しっかりと枷をかけないといけない、とでも思っているのである。で、議員が相手となるとへいこらするのだ。しかしながら、WWWとなると拒否反応を示している訳で、テクノロジの基本すら理解できないのは、自分らの方だと結果的に暴露しているのである。
《2003.04.16》
無責任推進会議
 歴史に残る愚策となること間違いない、地上波デジタル強制政策だが、総務省は14日、地上デジタルテレビ放送推進会議を設立すると発表、続いて「ブロードバンド時代における放送の将来像に関する懇談会」なるところが、北京五輪の時までに全国2400万世帯に合計3600万台を普及させるという目標を発表。この目標によると、最終的には一世帯あたり最低2台の受像機が普及し、現行のテレビ需要より1.3倍が行き渡るのだそうだ。それにしても、大風呂敷を広げたものである。ハイビジョン普及台数、動画携帯普及台数なども、似たような大風呂敷であったが、その後どんどん風呂敷が小さくなった。まあハイビジョンや動画携帯は使わなければそれでいいのであって(事実、画像機能などないシンプル携帯が人気である)、こんなものでどう誇大妄想を重ねようと、こちらは知らん顔してればいいのだが、こと、地上波デジタルとなるとそうは行かない。今あるテレビ設備(アンテナからVTRまでを含み、衛星デジタルも該当する)が、全部ゴミになるのだからだ。例によって、こんな予測が外れたところで、言い出しっぺは責任などとらない訳だし、他人の褌で相撲をとる事に躊躇しない厚顔無恥は枚挙にいとまがないのだから、好きな数字が並んだとしても不思議ではない。しかし、何十万もの出費を強いられる消費者こそ、いい面の皮である。そこで、とりあえずはこうした会議や懇談会への主席者、及びそれへの賛成者は一人10セット程度は、自腹で買う事を義務化したらどうであろうか。それでも推進するかどうか、ミモノであろう。
《2003.04.15》
ペタジーニ副作用
 13日の後楽園巨人阪神戦で、フライを追った巨人の元木、仁志両選手が衝突、双方が怪我をして登録抹消に追い込まれた。報道でははっきりと述べられていないが、試合を見ていたら右翼線一塁ベース先のファウルフライを取ろうとして起きた事故であった。本来なら右翼と一塁(元木)の守備範囲であるが、そこに二塁手(仁志)も追いかけて来て、衝突したものである。右翼守備はペタジーニ。つまり、通常であれば右翼手が声を出して、どちらの守備かを指示していた筈だ。その声が無かったので、衝突が起きたのである。無論、ペタジーニに日本語で声をかけろというのは酷だろう。まあ守備位置を殆ど動いていなかったのは、守備に難ありと言う前評判通りであったが、ここでペタジーニを責めるつもりはない。聞きたいのは、トレードをしたフロントの意見である。巨人ファンなら、そう思うのではないだろうか。これにて巨人の戦力は大幅にダウンしてしまったが(清原よりも元木のダウンが痛い)、巨人は二軍に埋もれた人材が大勢いるのだから、これを機に彼等に光が当たると考えてはどうだろう。無論、慌てたフロントが、またもおかしな補強をしない事が前提だが。
《2003.04.14》
覆面議員誕生か?
 みちのくプロレスのグレート・サスケ氏が、岩手県議員選挙に当選した。選挙活動を覆面姿のままで行ったが、公職選挙法には「覆面をしてはいけない」という規定が無いのだそうで、選挙管理委員会もNOとは言えなかったのだそうだ。今だにWWWで選挙運動をできない、という硬直ぶりとの対比はさておき、当選したという事は議員になったという事である。サスケ氏は議員活動も覆面姿で行うと表明しており、総務省も前例がない、と頭を抱えているらしい。すぐに考えられるように、覆面をしているという事は、当人であるかどうかの確認が難しいという事である。なりすましを防ぐ為に、議場に入る前に、指紋チェックでもする事になるのだろうか。
《2003.04.13》
フセイン密約説
 忽然と姿を消した、フセイン大統領と共和国防衛隊。一部で、米国とフセイン大統領の間に密約があり、イラクをそのまま渡すのを条件に、逃亡場所を提供したとか言われている。共和国防衛隊も実はとっくに解散していて、私服に着替えて国民に紛れたという訳だ。戦車や高射砲はどこへ行ったか、という話はあるが、それでもまるでスパイ小説ばりのストーリーとはいえ、あり得ない話ではない。米国にしてみれば、イラクの油田が無傷で手に入るのなら、老齢独裁者の逃亡くらいお安い御用だろうからだ。これを汚いなどと言う事は出来ない。国際関係などとはそんなもので、かつて冷戦時代、犬猿の仲と言われていた南アフリカ共和国と旧ソ連は、希少金属やダイヤモンドなどの国際相場を維持する為に、裏で手を握っていたというのは有名な話である。だが、この話、もっと深く読む事も出来そうな気がする。アフガニスタンでアルカイダの幹部をとらえきれずに逃がした米国だが、その後、アルカイダをかくまっていると言って、イランのフセイン政権を非難した。それをきっかけに、イラクへ侵攻したようなものだが、今度はフセイン一族をかくまっていると難癖をつけ、アラブ各国を順繰りに米国支配に導こうというシナリオが考えられるのである。事実、今日も米国はさっそくシリアに対して「イラクの高官をかくまっている」と非難している。ということは、アフガン戦争以来、実に世界中が騙されていた事になるのだろうか。
《2003.04.12》
コンコルド
 27年に渡り運行されてきたコンコルドが、遂に今年の10月でその幕を閉じるらしい。機体の老朽化が主な理由だと伝えられている。新たな機体はとっくに作っておらず、修理に修理を重ねて使っていた訳で、スペースシャトルではないが流石に寿命という事だろう。ところで意外と知られていないと思うが、このコンコルド、巡航速度がマッハ2であって、現在空を飛んでいる飛行機の中では、軍用を含め、一番速い飛行機である。戦闘機は一見速そうで例えばF-14の速度はマッハ2.34であるが、これはアフターバーナーを使用した瞬間最大速度であって、巡航速度は2に及ばない。つまり、ある程度離れてしまったら、コンコルドに追いつける飛行機は無いのである。ブラックバードで異名をとった、SR-71は巡航速度マッハ3だが、とっくに引退していて空を飛んではいない。コンコルドの引退は、単なる老朽化で片づけられる問題ではなく、より高く、より速くという流れが終焉する象徴とも言える。戦闘機の話にしても、現在、米軍の主力戦闘機はF-14(改良型)であるが、これは誕生以来、20年以上にも渡って主力の座を維持してきた。後継機種としてF-15、ステルスのF-117などが出現したが、内部装置を改良したり、エンジンをパワーアップしたりして、そのポテンシャルの高さを証明してきた結果である。絶対性能にうるさい軍用分野ですら、単純に新しい物への総入れ換えという流れではなくなっているのである。ここで考えてしまうのが、次から次へと「新しい入れ物」を乱発するハイテク民生品であろう。光ディスクはようやくDVDが普及して安くなったと思ったら、もうブルーレイである。携帯電話は多機能化に加速がつき、100万画素カメラを搭載して外部メモリまで搭載するらしい。レーザーディスクからDVDに移るからと、ユーザはいちいちソフトをDVDに買い換えてなどいられない。メーカが責任をもって交換するなどという話もない。カメラ携帯が普及して、盗撮事件もうなぎ上りである。最新の日経エレクトロニクス2003.4.14によると、2001年から2002年にかけて、5倍にも増加しているらしい。厄介なのは、携帯を手に持って何かしている行為が一般的になってしまった為、撮られる側が気がつかない例が多い事で、実態はもっと悪化しているのではないかと思われる。勿論、そんな携帯を考えた奴も、作った奴も、普及させたメーカも、「俺は知らん」と言うのであろう。だが、日本はどうか知らないが、海外では必ずこれは社会問題になる。フィリップモリス社は、タバコに対する訴訟の嵐を受け、株価が低下、格付けも急降下している。次は携帯を出しているメーカがターゲットになるに違いない。本来、テクノロジは人類の福祉に貢献するべきものだ。ゴマ粒チップだの、無線LANだの、情報家電だのと、一つ間違えれば深刻な社会問題をもたらしかねない物しか出せなくなっている現状は、まさにこの「新しい物を出せばいい」というサイクルが、この分野でも終焉しつつある事を示している。世紀は変わったのである。
《2003.04.10》
またメッキが
 フセイン政権の神通力が消えて、バグダットなどイラクの各地で無政府状態となり、略奪が起きていると報じられている。で、それを目の前にして、米英軍は全くそれを鎮圧しないとも報じられている。ところで、NHKなど見ていると、全国民がこぞって騒いでいるかのように見えるが、マイナーなメディアの記者報告などを聞いていると、騒いでいるのは一部のイラク人で、殆どの人は蹂躙された祖国を目の当たりにして、呆然としている状態だという。これが真実に近いのではないか。今回のイラク侵略戦争の大義名分が、イラク国民の為(の、民主主義だったか)というものであったが、大量破壊兵器どころか、それすらも口から出まかせであったという事が明らかになった訳である。米英はイラク人による政府を、と言い、小泉総理もそれに賛成と言っているが、米英の出したイラク人というのが、詐欺事件を起こした犯罪者だそうだ。米英軍は治安そっちのけで、バクダッドにある対イラン抵抗組織を攻撃した。次の目標は、恐らくイランである。パーレビ傀儡政権崩壊で手放した利権を、取り戻そうとするのだろう。イスラム対アメリカの、第三次世界大戦が冗談ではない雰囲気となってきている。「米英に賛成、復興資金は用意してます」というだけのどこかの首相は、分かっているのか。
《2003.04.09》
暫定政権
 イラク侵略戦争は終結が見えて来た。サダム・フセインは死んだのか、それとも隠れているのか、いずれにしろ、米国は適当な頃合いを見はからって勝利宣言を出すだろう。それにしても、不可解なのは、イラク側の抵抗の弱さである。共和国防衛軍というのは、幻だったのであろうか。それとも米軍が事前に徹底的に空爆で叩いたからなのだろうか。さて、米国と英国はもう頭は戦後の統治に入っている。あまり報じられていないが、戦争を始めた途端に、米国はイラクのどこの港は幾ら、どこの油田は幾ら、と国際競争入札を始めていたのである。幾ら探しても化学兵器も細菌も見つからず、大量破壊兵器などという大義名分がでっち上げであった事は、もはや疑いようがない。米国政府、特にラムズフェルドなどの発言を聞いていると、「誰でもいい、とにもかくにも、9.11の仕返しをしなくちゃ、気がすまないんだよっ」と聞こえて来ないだろうか。イラク戦後の政権がどうなるにしろ、当然ながら米国の息がかかった傀儡政権となるだろう。同じく傀儡のアフガニスタン・カルザイ政権は、政府と言えるほどの代物にはなっていない。カルザイ大統領は米軍兵士の護衛をつけて外出してる程で、自前で警備を付ける事すら出来ないのである。イラク騒動に乗じて、アフガニスタンでは反政府組織の動きが活発になり、米軍は一部をそちらに振り向けはじめたらしい。反フセインと言われたイラク南部のあたりですら、米軍は歓迎などされなかった。イラク暫定政権が何になろうと、米国はそこから軍を引上げる事など出来ないだろう。この勢いで世界中に軍を置くのだろうか。日本みたいに、駐留費プラス光熱費まで出してくれる所など、どこにも無いと思うのだが。
《2003.04.07》
何とかの一つ覚え
 巨人戦の視聴率が低迷したままである。開幕戦が16%で、あとはそれ以下だとか。危機感を持った日本テレビでは、清原を一刻も早く復帰させようと運動を始めたそうである。当初、日本テレビは、「開幕戦の視聴率が悪かったのは、点差が開いてしまって大味な試合だったから」と言っていたらしいが、続く放送でも視聴率はそれ以下で、次に出して来たのが清原頼み。しかし、巨人ファンならとっくに分かっている事だが、見たくもなくなったのはペタジーニをとったからだろう。巨人が純粋戦力だけで戦っていたら、もっと応援もあった筈だ。二軍に埋もれている人材だって大勢いる。今シーズンは、上原がいまひとつ不調ながら、工藤はしっかり2年に一度の周期を守って味のあるピッチングを見せており、巨人ファンを満足させる話題に欠けている訳ではないのである。ペタジーニはホームランを打つ事こそあれ、開幕戦では決定的な外野返球大暴投をして敗戦の原因を作った。外野飛球に追いつくだけでファインプレーとアナウンサーが叫び、その脇で解説者が「あれは張本だからファインプレーなんです」と言っても、ファンが喜んだのは昔の話。今では大リーグのプレーも普通に見られる時代であり、プロとして失格なプレーヤーには、ファンは厳しい目線を送るのである。さて、清原は毎年、怪我のオンパレードでロクに試合にすら出て来ない。今年はペナント試合どころか、紅白戦から離脱している。これを拍手で迎えるのは、野球を知らない野次馬か、仕事だから誉めちぎる奴だけだろう。視聴率が回復しなかった時、日本テレビがどういう言い訳を次にするのか、楽しみに待ってみたいと思う。
洗脳
 新聞の読者投書欄を見ていたら、ある高校生が寄せていた文に目が止まった。ドーハ(日本がサッカーW杯初出場を寸前で逃したあの場所)に住んでいたが、今度の戦争騒動で帰国せざるを得なくなった、というものである。非常にしっかりした文章で、「現地では日本の通り魔のような犯罪もなく、空は青く澄み切っていて、人々の心も暖かい。今、日本はアラブを敵のように思う風潮がまかり通っているが、そういう画一的な見方は良くない」という内容に続き、そういう話を身近ですると「それはおめーが洗脳されてんだよ」という反応しか返って来ない、という嘆きが続いていた。この高校生が本欄を読んでいるとは思えないが、それでもこの場を借りて彼には声援を送りたい。流石、外国で暮らしているだけあって、しっかりとした考えと広い視野を持っている。こういう人材こそが、日本の将来には必要なのだ。彼に比べて他の投書を見ると、遥かに幼稚だと思わざるを得ないものが目立つ。どっちが洗脳されているのかは明らかであるが(洗脳以前に、自分の頭で考えられないのかもしれない)、同時にどちらが圧倒的多数かも明らかと言わざるを得ないのが、今の日本かもしれない。
《2003.04.05》
ドキュメント地球時間
 教育TVで放送されていた番組である。海外ドキュメンタリーから、ドキュメント地球時間に題名が変わって何年たつのか忘れてしまったが、4日の放送で、そのドキュメンタリーが遂に最終回となった。名前を変えて継続する訳ではなく、完全な最終回らしい。では、教育TVに残った物は何かと調べてみると、おなじみの語学講座、子供向けの番組(幼児からアニメまで)、大人(中高年?)向けの“趣味講座”系、総合系放送ドラマの再放送、その他料理や健康などで、要するにドキュメンタリーが見当たらないのである。そこで、他のチャンネルのどこかにあるかと思って、BS系の番組表までチェックしてみても、やはりそういう番組は見当たらなかった。どうやら、ドキュメンタリー系は自前と過去のアーカイブで全部用を足すつもりのようである。これで海外の優れたドキュメンタリー番組を紹介する所が無くなった事になる。これまでこの番組が取上げてきたジャンルは非常に広く、さっと考えただけでもジャズの歴史、ケルト人、人体の不思議、恐竜、宇宙最新論、素粒子の話から園芸に至るまでが思い浮かぶ。これを無くしたという事は、NHKの変質を端的に示していると言えるような気がする。幼稚園児の図画工作みたいな「どーも君」を出したあたりからその気配はあったが、ひょうたん島のリメイクを前面に押し出す今となっては、NHK全体が幼稚化へ向かっているとしか判断しにくくなってきた。視聴していても、デジタル放送のCMばかり流しているし、公共放送というものの位置づけをどうするかという議論はあるが、視聴者にテレビの買い換えを迫る(地上波デジタル放送の事だ)天下りの巣となったものを、税金を使ってまで維持する必要があるのか、という声が次第に高まるのではあるまいか。
《2003.04.04》
アトム生誕
 原作の上では、今年の4月7日にアトムが目覚めたのだそうで、今、あちこちでイベントだのリメイクだの、駅の発車音楽だのと、アトムアトムである。こうした中、ロボット展示会であるROBODEX2003てのが開催されているのだそうだ。何やら、古きアトムや鉄人28号で見た、ロボット博覧会を髣髴とさせるような催しだが、空想と現実とは全く違う。今のロボットは二本足で歩いたと言っても、見て分かるようにまだ人間の歩き方ではない。強いて言うなら、足腰の相当弱ったお年寄りの歩き方が近い段階だ。ASIMOを幾ら美少女風の容貌にしても、あれとデートしたらじれったくて痺れが切れる事だろう。実際、CM出演やイベントで踊る事以外で、今の人型ロボットが活躍している場面はない。つまり、実用的にはまだまだなのだ。ロボットがまだなのは、物体認識機能にもある。我々は簡単に、テーブルの上にある複数の調味料から、望む物を的確に掴む事が出来るが、今のロボットにはテーブルすら認識する事が出来ないのである。これは人間どころか、ネズミや鳥以下であって、ロボットカーの研究も行われているが、道路とそれ以外を見分ける事も出来ないのが現実だ。そうでないなら、とっくに米軍が自動走行兵器を実用化しているだろうし、道を見失ってトマホークが落ちる事もあるまい。自分の周囲を認識出来ないという事は、その空間における自分の位置も分からないという事で、これでは危なくて使う事は出来ないのである。人の顔を見分けるという報道があったが、物体として認識する事が出来ないのだから、顔の前に別の人の顔写真を貼っただけで、簡単に騙されるだろう。電源の問題もある。重いバッテリーを搭載しても、動ける時間は僅かしかない。これらの点では、未来少年コナンに出てきた「ロボノイド」の方が実用性がありそうだ。さて、こうしたブームを見ていて、感じる事がある。それは、折角21世紀になっても、あまり人々の頭は進歩していないという事である。特に気になるのが、こうした今のロボットの実現している技術を、人類の福祉に少しでも活用しようという姿勢があまり見られない点だ。確かに今のロボットは不完全だが、それでも例えば障害を持つ人にとっては、有用なサポートとなる技術は幾つも持っているのである。ところが、ロボットにダンスをさせる事は思いついても、そうした方向が積極的に論じられる事は、辛口子の知る限りでは、殆ど見られない。ロボットが二本足で立ったというだけで大騒ぎしているのでは、小学生の低学年というところではあるまいか。古いテレビ番組のリメイクがやたらと乱立しつつあるのも、あまりに芸がない。
《2003.04.02》
張り子の虎作戦
 北朝鮮がまたも地対艦ミサイル発射か(?)という報道がなされている。こうしたミサイル発射報道は以前にもあった。陸から発射して、沿岸へ落ちるミサイルに何故こうまで大騒ぎするのかが不思議だが、思い起こすに、更に前には不審船ブームがあったと思う。能登半島沖400kmを走行、なんてなニュースが騒ぎになったが、あれも地図を良く見れば、日本よりロシア沿岸に近い所を進んでいた上に、ちゃんと北朝鮮の国旗を示していて、不審でも何でもない代物だった。こうした一連の日本政府、並びにメディアの動きを見ていると、単に北朝鮮に対していたずらに恐れを抱いているのでないとすれば、北朝鮮をダシにして、国民世論をうまく誘導しているようにすら見えてくる。今回、政府がイラク侵略戦争に賛成した裏には、北朝鮮が次であって、攻めて来た時に米軍に守ってもらう為には、米国に賛成するしかない、という論法がまかり通っているようである。こんな馬鹿げた話はない。日本が今回の戦争にNOを言ったくらいで、日本、それも沖縄の基地から米軍が引上げるなど、ある訳がないからだ。理由は幾らでもある。どこの国でも軍の駐留の為に、米国は金を払っているが、日本だけは逆に払ってくれるんだし、フィリピンのクラーク基地がなき今、日本の基地を放棄したら、米国の極東戦略がガラ空きになってしまう。そんな事をやる訳がないではないか。また、必要以上に北朝鮮に対する脅威感がある背景には、朝鮮戦争当時の事が連想されてもいるようだが、当時と今では国際情勢は全く違う。当時と違ってロシアや中国が北朝鮮の後押しをするような事はない。北朝鮮のGDPは、失業率が本土の倍と言われる沖縄県の、そのまた半分と言われており、重油の輸入量から見ても、軍を動かす為の燃料すら殆どない筈である。報道される北朝鮮のパレードを良く見てもらいたい。人ばっかりで車両というものが、殆ど出て来ない。パレードに使う燃料すら無いのである。それより危険なのは、今回の米国の侵略戦争に賛成する事で、むしろ北朝鮮を逆に駆り立てかねない点である。キム・ジョンイルは、イラクが叩かれたのは核を持たなかったからだ、と考えている可能性がある。原子炉があれば、迂闊に爆撃は出来ないからである。また、今回、イラクは国連決議に従い、査察を受けているまさにその最中に攻めこまれた。これを見たら、北朝鮮も、国連決議に従ったって、侵略される時は侵略されるのだ、と考えるだろう。ところが、今回の米国賛成で、小泉内閣の支持率はあまり下がらなかった。おかしな話である。
《2003.04.01》
ハイテク兵器
 イラク侵略戦争で、英米側の圧倒的な軍事力を上げる時、常に引き合いに出されるのが、いわゆるハイテク兵器である。が、その「神通力」の金メッキが続々と剥がれているようだ。近代兵器の代表格とその名も高い、誘導ミサイル「トマホーク」。既に進路を見失い、サウジアラビアやトルコ領内に何基も墜落、回収に訪れた米兵に怒った住民が物を投げたと報じられている。強烈な砂嵐は、視界が遮られる事ばかり報じられているが、実際にはハイテク兵器への影響が大きく、精密機器に入り込んだ砂粒子は故障の最大原因となる。攻撃ヘリのアパッチが撃墜されたと報じられているが、小銃などで落ちる物ではなく、あれはこうした砂による故障の可能性が高い。アパッチは一回飛んだあと、数時間をかけて整備をする必要がある。そうした時、細かい砂やホコリも除かれるのだが、一面砂嵐ではそうした保守すら望めないだろう。米英軍の兵士が持つ制式銃は、ゴルゴ13で有名なM16であるが、これがやはり細かい砂に弱いと言われている。この点では、アラブ過激派が愛用する、カラシニコフのAK-47は遥かに優れていて、砂にも強いそうだ。米軍が投入している最新鋭戦車M-1は、複合装甲を施されていて、無敵を唄っていたが、イラク側の対戦車ミサイルであっさりと打ち壊され、関係者は大きな衝撃を受けていると言う。赤外線ナイトビジョンも、夜はともかく昼は役に立たない。これから砂漠はますます猛暑になるが、化学兵器を想定しているとなると、分厚いガスマスクと、全身を覆うスーツが必要で、こんなものを着ていたら、動く事すらままならない。今後、仮に市街戦に持ち込まれたら、あらゆるハイテク兵器が役に立たなくなり、文字通り、人対人の肉弾戦となるが、こうなったら地の利と環境に慣れた現地住人にかなう訳がない事は、ソマリアの敗退が証明している。米軍は必死に爆撃を繰り返しているが、爆撃だけで都市が陥落など滅多にしない。かつて、第二次大戦で、ヒトラーの軍を迎えたレニングラードは、街全体を瓦礫にされ、住人は死体を食べて生き延びたと伝えられているが、それでも結局陥落はしなかった。ヒトラーの軍を食い止めたのはシベリアの冬将軍と言われるが、今度のイラク戦争では砂漠の砂と猛暑がそれに代わるだろう。これまでは市民への犠牲を最小限と言いつづけたアメリカが、ここ数日、それを言わなくなっている。もはや市民も兵士も構わず殺さなくてはならない事態になっているのに違いない。こうして既にアメリカの権威は大幅に失墜してきているが、それに加えてこうもてこずるようでは、最終的にこの戦争に勝利したとしても、あちこちで反米運動が盛んになり、広い目で見ての敗北という事になるであろう。だが、アメリカは巧妙に立ち回って、石油利権を得るなど、「元はとる」ように動くと思う。さて、そうなると日本はどうなるか。結局、日本だけが世界から叩かれて、何も得られないで終わるのではないだろうか。先程、日本の原口国連大使が「米英に賛成」「復興用の金を用意した」などと国連で発言したが、日本政府は国会にもはからず、どういう判断でこれをしたのか説明責任がある筈だ。大島農相の辞任どころか、内閣総辞職に匹敵するように思えるのだが。

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