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公傷制度 相撲に詳しい方には、改めて説明するまでもないが、力士には番付というのがあり、それは地位ばかりか、権利や給料にも直結する。この番付は基本的に、勝てば上がり、負ければ下がる。何かの理由で休むと、それは負けとして数えられる。ただ、試合中にケガをした場合、一場所に限り、ケガをした時点での地位は保たれる、という規則があり、それを「公傷制度」という。大相撲協会は、この制度の見直しを検討する事になった。理由は、最近あまりに多い、ケガによる欠場である。この制度が安易な休場を増やしているのではないか、という事から検討する次第になったそうだ。たしかにそういう一面はありそうだが、実際に見ていると、そもそも、ケガが多い事が問題の根本ではないかと思われる。サポーターや包帯をギリギリと巻いて、必死に相撲をとっている力士は珍しくない。ケガの内容は、病気を別にすれば、圧倒的に多いのが、筋肉や関節の損傷である。これには、最近特に増えた、トレーニング機器による安易な筋肉増強が良くないのではあるまいか、と辛口子は見ている。近年の子供は、座って生活する事が多く、それでなくても足腰は弱いと言われる。確かに骨格が強くないのに、筋肉ばかり増強し、体重を増やしたら、関節や筋に負担がかかるのは当然だろう。活躍するモンゴル勢にそうしたケガが殆ど見られないのも、一つの裏づけとなりそうだ。だが問題なのは、それらに対する運動生理学的な対策が、何もとられていない事にある。相撲界の認識が古いのを示す端的な出来事が、最近あった。横綱貴乃花の引退である。場所中に痛めた膝が結局は回復せず、時の総理大臣を単純に感動させただけで、引退に追い込まれたのだ。分野は違うが、プロレスラーはこれと比べると、驚異的な回復力を見せる。同じように膝を痛め、陸上では立ち上がる事も出来なくなった、プロレスノアの小橋健太や丸藤正道は、ケガから1年と少しでリングに復帰した。似たような例は、全日本プロレスの川田利明にも見られる。確かにプロレスと相撲では、求められる動きの質に大きな違いがある。だが、普通人なら下手をすると一生、杖をついて歩かなくてはならないようなダメージを負いながら、集中治療とリハビリによって彼等が復帰して来たのも事実なのだ。単純にトレーニングで筋肉をつけ、チャンコで体重を増やすだけの遅れたスポーツ生理学から、相撲界が脱却しない限り、けが人力士はこれからも増え続け、相撲人気は更に下がりかねないのではないだろうか。 |
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雇用構造改革 反対が相次いでいるのは、政府が提案した労働基本法の改正案である。問題点は幾つかあるが、基本的に「会社側が一方的に社員を解雇してよい」となっている部分が問題とされている。雇用者側に明確に解雇権を認めた事と、争う時にクビになった側が不当性を立証しないといけない、となりかねない改正内容なのだそうである。そもそも、この改正案が出る原因となったのが、あちこちで起きている労働争議、即ち不法リストラを巡るトラブルの頻発であるのだが、出てきた改正案がこういう内容だった、という訳だ。小泉内閣はこれも構造改革だとでも言うのだろうか。ところで、公務員の身分保証には全く手が付けられていないし(だから市町村が合併しても、職員はちっとも減らない)、特殊法人改革も単に統合しただけであり、国会議員が自ら辞めない限り刑務所にいても給料が支払われる問題も全く「改正」の気配はない。流石に今回の労働基本法改正案には反対の声が強くなっているが、コトをこの法律だけだと思っていると、重要な流れを見失いかねないと、もっと認識すべきではあるまいか。構造改革の名のもとに、「改革」されるのは、どこばかりになっているのだろうか。個人情報保護法案の名のもとに、言論統制の道が開き、有事法制の名のもとに、国民の個人財産への侵害権が確立しようとしているのである。 |
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無法地帯派遣法案 米国側にとって都合が悪いから、あまり報道されていないが、それでもイラクで、襲撃された米軍兵士が死傷したという話が幾つか伝わって来る。フセイン政権崩壊後のイラクでは、米国の公式発表とは違い、治安は全く回復していない。この意味では、実はアフガニスタンも同じであって、カルザイ大統領はボディーガード(それも多国籍軍による)無しでは、政府の建物から外にすら出られない。先日、米国はアフガン駐留をNATO軍に任せると発表したが、これは裏を返せば米軍は「やってられないので俺達は帰る」という、責任放棄に他ならないのだ。米国は、今度はイラクで「刀狩り」を徹底すると公表しているが、そんな事はソマリアでもアフガンでも失敗しているのであって、イラクだけが成功するなどという根拠は何処にもない。さて、日本政府は国会期間を延長して、幾つかの法案を成立させようとしているが、その中に、自衛隊をこのイラクへ派遣する為のものがある。武器使用範囲を広げるべきだ、という主張が防衛庁側から出ているが、それどころか小銃くらいではどうにもならない、危険な地域への派遣になるという認識が、政府にもメディアにも乏しいのは問題である。自衛隊が攻撃対象になり、人的被害が出れば問題、反撃すれば別の意味で問題、反撃しなければ犬死になのだ。喜ぶのは米国だけだろう。 |
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消費税値上げ 蔵相が示唆したとか、官房長官が否定したとか、色々と報じられているが、これは絶対に「ある」筈である。国の財政が危機的状況にあり(既に、予算の4割が国債という事は、年収の2/3も借金をしているのと同じ)、一方で省庁再編も特殊法人改革も「統合」しただけで、何も合理化は行われず、市町村合併が幾ら進んでも公務員の数は全く減っていない訳で、浪費体質はまるで変わっていないからだ。今後、人口が急速に高齢化して行くのに、年金財団は無駄づかいをして反省もせず、銀行は潰れ公的資金が投入される。要するに、この上で金を得るとなったら、大きなものは消費税くらいしか無いのである。ある試算では、最終的には20%位にしないと駄目とも言われる。今回、蔵相が発言をしたのは、アドバルーンと見るのが順当であろう。示唆する事で、市場の反応を見る、という訳だ。それを見て、実際のタイミングを図るのである。おりしも同じ日、介護保険料の値上げが発表された。小泉-竹中ラインの経済政策が続く限り、デフレは進み、庶民経済は疲弊するだろう。デフレの克服には、貨幣流通量を増やすしかない事は、歴史にも理論にも明記されているのに、それを厳として行わない政策なのだが、にもかかわらず、内閣支持率はまた上昇したと伝えられた。 |
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防疫の限界 SARSの影響で、サッカー等、対外試合に中止が相次いでいる。先日は、台湾の患者が、医師として日本国内を動き回って帰国していった、ってな事で、大騒ぎになった。今のところ、日本では公式な患者は出ていない。対策が無い訳ではなく、政府もそれなりに対応策を出しているが、現場での危機感はあまり無いようで、先日、新聞へある町医者が投書していた内容によると、管轄の保健所へいざという時の対応を問合わせても、「そんなの起きる訳ないですよ」などという、能天気な返事が返って来たりしているのだそうだ。危機感ゼロでいざとなると行き当たりばったりな対応をするのは、わが国の御家芸だから、それは驚くには当たらない。テキパキとした答が返って来たら、その方が驚きだろう。ただ、こうした問題は、文字通り、初動体制が全てを決める。中国で躍起になってそこら中を消毒しているのも、一旦広まってしまったら手の打ちようがなくなるからだ。その意味で、ガンと通じるものがある。さて、どこかの国では、役所の浪費体質が問題となって久しい。静岡の清水市が、吸収合併した元の市長の為に、わざわざ権限の無い役職を作り、秘書と部屋と送り迎えの車と90万の給料を用意した、と批判を浴びたが、これなどはバレたから問題になったのであって、密かにどこでも行われている事に違いない。なにせ、本州四国連絡橋公団などは、数兆円の赤字を出していながら、職員の平均給与が600万とも800万とも言われている。年金や保険を扱う財団が、景気良く金を使ってそこら中に使われもしない豪華施設を作り、今度は採算が取れない事を理由にそれを売却したのだが、その売却額が大型プール1万5千円、体育館が数万円というような具合だと、新聞にも出ていた。これらもガンや病気のようなもので、既に防疫体制が追いつかないまでに蔓延、転移してしまっていると言えるのだ。SARSなどより余程深刻な問題だと思うのだが、SARSほど騒がれない。病気だと当人が死ねばそれで終わりだが、こうした組織はまさにガン細胞のように、周囲から栄養(税金)を飲み込みながら、更に拡大するから始末が悪い。国全体へ行き着く所まで行かないと収まらないだろう、というのがこれまでの歴史が示す事実である。政府は景気対策もせず、銀行を傾けては国有化し、それを今度は安価で海外に売り飛ばす施策を進めているが、これは国全体の崩壊を早めようという、遠謀深慮なのだろうか。 |
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搾取テクノロジ マスコミによると、最近、録画型DVD装置が売れている、のだそうだ。従来のVTRがテープに記録するのに対し、DVDフォーマットのディスクに記録するというものである。装置がまだ10万以上と高いにもかかわらず、伸び率は相当高いのだともいう。で、調べてみた。まず、一回書込めるだけの、DVD-Rというのがある。パソコン等でも広く普及しているのだが、これにこうした製品でビデオを書込むと、何故か音声多重には対応しない。何度も書換え可能なDVD-RAMが次に普及しており、これに書込むと、音声多重に対応するのだそうだが、DVD-RAMは反射率が低く、従来のDVD-R用ドライブでは認識出来ない。また、記録形式がVRフォーマットという、この上で映像の切り貼り編集を行う為のもので、認識出来るドライブを搭載したパソコンでも、対応したソフトが無いと記録再生出来ない。ましてや、一般のDVDプレーヤでは、論外である。それどころか、DVD-Rですら認識出来ないプレーヤが多いのだ。この他、DVD+RAM、DVD-RW、DVD+RWという媒体があり、それぞれ特性が違う。例えば、DVD-RWの場合は、ビデオ信号を音声多重対応で書込めるらしいが、なにせシェアが小さく、対応している装置も僅かな上に、媒体もその分高い。結局、こうしたDVD録画機を買うという事は、そのカタログで「対応している」と明記されている他機種を使わない限り、媒体に互換性は無い、と見るのがもっとも確実なのだ。言うまでもなく、こうした話は製品カタログにも、提灯記事にも出て来ない。メディアは盛んに、テープの時代は過ぎた、などと宣伝するが、とんでもない話であって、従来のTAPEをこれに移してあとで捨ててしまったら、取り返しがつかない事になりかねない。DVD上での記録は、圧縮されている状態の為、一旦これを別フォーマットに移すとなると、圧縮過程を繰り返す事になるので、映像等が著しく劣化する恐れがあるからだ。伸び率を盛んに宣伝するのも、単に分母が小さいだけの話だろう。アナログ記録のTAPEは、10年経っても多少ノイズが増えるかもしれないが再生出来る。NHKの少年ドラマシリーズが市販されたのも、当時、アナログ記録のビデオテープが残っていた為である。DVDやCDのような媒体は、保存条件によっては20年もすると劣化して読めなくなる可能性がある。デジタル記録は読めなくなったら再起不能であって、多少ノイジーでも読めるアナログ記録とは全く違う。媒体の他にも、メーカ側やメディアは、早くも次世代ブルーレイディスクをPRし始めており、下手をすると10年程度で、録画したDVDを再生する装置そのものが無くなりかねない。こうして考えて来ると、確かに芸の細かい事はやっているが、これを「進歩」と言っていいのかどうかが疑問となるだろう。関係者は、ブルーレイについて、「これは最初から記録型を目指しているので、録画DVDのような互換性問題はない」などと自慢げに語るが、必ず何かしらは出るもので、少しは恥を知るべきだ。要するに消費者からいかに金を絞りとるかを第一に考え、消費者の利便はその次だという事しか頭にないのだから。 |
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認識技術 二本足で歩いたというだけで、ロボット時代と大騒ぎの日本だが、実際には「目がない」に等しい事は、この欄でも何度か書いてきた。つまり、周囲を認識して、どこにどのような大きさの物体が、どの向きであるか、という事を、今のロボットは認識出来ないのである。周りに何があるかを認識出来なければ、空間の中で自分の位置も決められない。だから、危なくて実用にはならないのである。だが、米国ではこうした認識技術が、最近、急速に進んでいるらしい。今度、軍主催で400キロの距離を、自力で判断して走破する、自走ロボットコンテストが行われるのだそうだ。また、Discovery Channelのドキュメンタリーを見ていたら、MITで研究中の自動走行自動車の映像が出ていた。高速道路を全く人間の補助操作なしに、道幅や周囲の車との相互関係を判断しながら、自力で走行する車のデモである。時速は他の車と同じだったから、少なくとも100km/h位は出ていたようだ。道路の白線や、路肩の壁等を使って認識しているらしく、一般道や悪天候では恐らく苦しいだろうが、それでも条件さえ良ければ、ここまで来ているのは驚きであった。軍がコンテストを行うのは、勿論、軍用を視野に置いている事だろうが、自力で周囲を認識するロボットが実現すれば、社会へ与える影響は測り知れない。障害者にとっても大きな福音になるだろう。二本足で歩くロボットには、恐らく米の軍関係も注目している筈だが、今の状態では実用性に乏しい。だが、自力で景色を見ながら判断するとなると、話は別だ。日本政府は今回、改革特区の続編を発表したが、リストを見ると、自閉症へのパソコン通信授業だの、こんな事が特別なのかとしか思えない物ばかりが並んでいる。物体認識技術の実用化など、カケラも出て来ない事は言うまでもない。 |
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自己資本比率 りそな破綻の根拠となったのが、表題の数字である。そもそもは企業の財政状態を示す指標で、単純に市民感覚で言うならば、「動かす金に対して、貯えがどの位あるか」を示し、大きいほど健全と言われる。銀行に関しては、4%が国内営業の必要条件、8%が国際営業の必要条件、とされている。今回、りそなはこれが4%を大きく下回ったので、破綻とされたのである。ところで、銀行の自己資本比率というものは、どう計算するかで大きく変わる。銀行は基本的に貯金を「預り」、それを運用するものだからだ。つまり、貯金を増やさずに使い込んだりしなければ、極端な話、自己資本は必要ない、とすら言えるからである。日本の銀行は、そもそもこの自己資本比率は高くなかった。バブル期の頃には、2%程度だったところもあったほどだ。融資する時に土地という担保をしっかりと取っていたから、それで問題は無かったのである。欧米ではこれは通常8%以上だが、欧米では日本のように土地神話が無いし、担保もとことん確保したりはしない。ある程度のリスクを見込むから、それだけ高い自己資本比率が求められるのである。では何故、今、日本でこれをうるさく言うのか。それはバブル期に、日本の銀行が海外の資産を買いまくった事に由来する。アメリカのビルなどを買い占めた為に、アメリカは日本の銀行の弱点を探した。そして、この自己資本比率が少ない事に目を付け、8%以上ない銀行は不健全であるから、国際的活動は認めない、という規則を欧米で決めてしまったのである。それに対して、日本の銀行も、少なくとも数字の上では自己資本比率を増やさなくてはならなくなった。預金は預りものであるから、「自己」の「資本」ではない。そこで銀行に株式を発行させ、それを資本にしたり、あらかじめ払いすぎた税金が後に還付されるような物も含めて良い、とやって、ようやく8%という数字を満たして来たのである。だが、既にご存じのように、小泉内閣になって、株価は半分にまで落ち込んだ。従って、銀行の自己資本も急激に減少する事となってしまった。こうなると動かす金を減らさないといけないから、中小企業への貸し剥がしも横行した。最近、大手銀行が土曜のATMを有料にしたが、その裏にはこうした事情により、とにかく金を集めなくてはならなくなったという訳がある。こうした経済政策を推進している竹中大臣は、アメリカ型経済の信奉者と言われており、このようにして日本の大手銀行を一旦潰し、国有化を経て、米国系資本に組み入れる事を画策しているのではないか(更に言うなら、アメリカがその裏で糸を引いているのではないか)という指摘もある( 2002.10.27の本欄参照 )。今回のりそな破綻では、2兆円の税金が注ぎ込まれる事となりそうだ。思い起こせば、かの長銀が破綻した時、日本は4兆円を注ぎ込み、それをアメリカの銀行筋に何と10億円で払い下げた。それが今、新生銀行として有料業績を上げ、高い利子を提示している。小泉内閣が日本の経済を立て直そうとしているとは、到底思えない。にもかかわらず、支持率は下がる気配を見せない。誠に不思議である。 |
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電力危機 東電の原子炉が稼動できないと、夏には首都圏で停電になるのではないか、と言われている。台風と同じで、来るぞ来るぞと言っている時は来ない、という楽観論も可能だが、あり得ないとは到底言えない。さて、昔は電力需要は暖房等の為に冬がピークであった。今では、冷房の為に夏がピークである。各家庭に冷房が普及、バスも車も電車も冷房をかけて動く以上、冷房に使うエネルギーもまた膨大。自動車は直接公衆電力を使う訳ではないが、そうしたエネルギー消費で周囲の温度を上げるから、その為に尚更余分に冷房電力が必要となり、決して無関係ではない。しかし、冷房がここまで普及したのは、ここ20年ほどであって、その前は真夏の暑い日でも、家庭にも電車にも冷房はなく、オフィスでは窓を開けて仕事をしていたのだから、体験してきた世代ですら、とても信じられないところだろう。今では法律で、ビル等の居住空間を28度以下にしなくてはならない、となっているのだそうで、温度を上げて省エネという事も出来ないのだそうだ。冷房が稼動する事で、ますます温度が上がるという皮肉な悪循環、分かっていても今さら後戻りは出来ないのである。今回の危機で、日本の電力需要は原子力に大きく依存している事が、改めて明らかになった。平素、原発反対を唱えている人も、冷房の恩恵は受けているだろう。火力発電は大気汚染の問題があるし、水力発電はもう作る所がない。風力は大規模な発電には適していないし、安定性でもコスト面でも課題が多い。各家庭に燃料電池が普及する、というのは、まだSFに近い話。つまり、冷房をやめないのなら、原子力に頼らざるを得ないのである。ところで、電力は殆ど蓄積が出来ない。発電所はピーク需要をまかなうだけの規模が必要。従って、夏の電力危機に備えて、今から夜間照明を消したりしても、PR効果を別にすれば、全く意味はない。更に一番電気を食うのが冷房なのだから、ピークは夜ではなく昼間というのも皮肉と言えよう。省エネを本気で実行するなら、午前10時から午後2時くらいまでを、昼寝の時間にでも制定するしかあるまい。これこそが本当のサマータイムか。 |
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天下りは何が悪いか? 坂口厚生労働相が、公益法人の役員に天下りがずらりと並んでいるのは異常である、と発言したと伝えられている。異常という言葉の意味にもよるが、普遍的ではない、という意味でなら、異常ではあるまい。どこにでもある光景だからだ。官僚の天下りというと、諸悪の根源みたいに言われるが、実務に通じた官僚が、民間で力を発揮する事そのものは、本来けしからん事ではない筈である。問題は、公益法人だの何だのという形で、税金の垂れ流しと非効率を招いている事にあるのであって、法人そのものが大赤字であるにも関わらず、高給を取っているからいかんのであろう。そもそも、役所の人事制度が今のようになっているのなら、天下りという形で人材の受入先を作る事は、必然的なものである。だから、天下りである事、幾らの給料であるかを厳格に公表し、同時に法人は独立採算にして税金を注入したりしなければ、本質的には問題はない。その為には情報公開と監視システムが必要で、公開するシステムも整える必要があろう。だが、そうすると非効率とお手盛りが日の下にさらされるから、そういう方向に議論が行く事はない。公益法人への規制を厳しくする形を恐らくとる(これでもマシな方であって、実際は一片の通達で終わると思うが)のが精一杯のところで、また別の形の天下り法人が作られるだけの事だろう。静岡県の清水市が合併して大きくなったら、吸収した市の元市長の為に、新たな役職を設け、月給90万円と秘書、送り迎えの車を用意したというが、かように官僚というものは、自分の金じゃないと思って景気良く税金を使ってくれる。株式会社の取締役に対する株主代表訴訟に類する制度を、役所に対しても作る事がもっとも良いのかもしれない。 |
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一気に禁煙大国? ちょっと間があいたが、PalmのTungsten-Tというのを購入したら、その使いやすさにすっかりハマってしまい、他の事に全く時間を使えなくなってしまったからである。これについては日を改めて紹介したい。今日の話は、最近急激に増えつつある禁煙ゾーンの事である。これは今年の5月から施行された、健康増進法という法律の為である。何とも妙な気のする法律ではあるが(というか、これまで政府は国民の健康なんて考えてなかったのかい、と突っ込みたくはならないだろうか)、ともあれこの中の第25条に、 「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。」 というのがあって、これにより駅の喫煙スペースが撤去されたり、外食産業が全面禁煙を実施したりしているのである。条文を見れば、これは努力目標であって、義務でもなければ罰則もない。にもかかわらず、お上のご威光を恐れて先走る国民性のお蔭で、一挙に喫煙者は肩身が狭くなりつつある。 言うまでもなく、辛口子は喫煙反対論者である。特に、歩きタバコや食後の一服を定食屋でやるなどは、迷惑千万と常に感じている。異論があるのなら、あなたご自身が食事をしている所に、バイクがやってきて、排気ガスが顔のあたりに漂って来ても平気かどうかと、お尋ねしたい。だが、喫煙は必要悪である。人間は神ではなく、体に良いか悪いかだけで嗜好を決める事は出来ない。一服のひとときで、その日のストレスを解消している人もいるのだ。無理に禁止すれば、そのストレスは禁酒法と同じで、とんでもない方向に向かいかねない。既に、ゴミ箱に吸い殻が放り込まれ、ボヤ騒ぎになる例が出ている。つまり、必要なのは、合法的に喫煙者が安心して吸える環境を、用意する事であって、何でもかんでも禁止する事ではないのだ。事実、この法律を読むと、絶対禁止をうたっている訳ではなく、こういう場での受動喫煙はよろしくない、と言っているのであって、決して喫煙そのものを禁止している訳ではない。にもかかわらず、禁煙ばかりが一人歩きしている現状は、以前ここで書いた「児童を建前にした言論統制」に通じるものがあり、非常に危険な兆候である。日本民族が何年たっても、江戸時代の「上意下達」から進歩していない事を示しているからだ。だが、喫煙を制限する法律は以前は考えられなかった。欧米では厚生省の管轄であるタバコ事業は、日本では財務省の管轄であり、タバコ税は10兆円を越える貴重な税収源であるからだ。こういう点では、変化はあると言えるのかもしれない。 |
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分母 何かといえば、○○%という数字が歩く昨今、どうも数字と実態とが離れているような感じを、誰もが持っているのではないだろうか。トップランクの失業率、発足以来株価半減、外交音痴、改革は腰砕けで実行出来たのは前内閣からの引き継ぎのみ、という小泉内閣の支持率は、相変わらず40%にあるそうだ。自殺者を毎年3万人も出しておいて(SARSの死者数などより2桁上だ)、何故こんなに支持率が高いのか。それはこの支持率を出す方法が、電話アンケートだから、という説がある。つまり、こういう調査は主に昼間行われる。昼間、回答する人間が中でのんびりしている家というのは、経済的には困っていない家だというのだ。倒産か世帯主が自殺した家庭だったら、それどころではあるまい、というこの仮説。それなりに説得力がある。 ところで、この話に出てきた失業率。5%と聞いてリストラ自殺が毎年1万人もいるのに、そんなものなのか、と思わないだろうか。実は日本の失業率は、分母に「働こうとする意思のある者」を使っている。つまり、職安に登録でもしないと、失業者として数えてもらえないのだ。別の言い方をすれば、会社をクビになっただけではカウントの対象にならない。OLをしていて会社が潰れ、止むを得ず専業主婦になったような人や、リストラを苦にして自殺したような人は当然含まれないのである。言葉の意味から考えれば、こうしたケースは分母と分子に含まれると思うのが常識というものだろう。なお、アメリカの失業率は失業した時点でカウントされるので、日本より数字は高く出る。日米の失業率を単純に数字だけ比較したのでは、日本はまだマシ、などと勘違いしかねない。 テレビの視聴率は、調査会社が全国で1000程度の世帯を抽出、そこのサンプル数に占める割合で算出する。誤差の話(統計学的には5%程度)はさておき、この場合問題なのは分母として使われるのが、このサンプル数だという事だ。例えばサンプルには衛星放送受信者が含まれない。つまり、そうした層は最初から統計より外されているのである。衛星放送は趣向のかなり限定された番組を流すから、特定分野に強く興味を持つような視聴者が、統計から外れて行く事を意味する。裏を返せば、今の視聴率とは、流行に流されるような視聴者の志向が、強く出る傾向になっていると考えられるのだ。 さて、一方で間違いなく正しい数字の出る物もある。例えば投票率だ。有権者数も票数も間違いないから、これは正確。先の地方選で、投票率が軒並み5割を割ったと聞いて、納得する人も少なくないだろう。これは数字と実感とが一致している例と言えるだろう。 このように、数字を単に並べただけでは正しく数値を解釈する事は出来ないのだが、近年、特に数字だけが独り歩きする傾向が強くなっているのが気がかりである。意味もなく数値の上下を騒ぎたてるメディアにも困ったものだが、更に良くないのは情報のリソースを確認もしないで、トップで流す例も出ている事だ。先の米朝会議で、北朝鮮側が「核を保有していると発言」したと、国内メディアが一斉に報じたが、どうも実際は違ったらしい。それを匂わせただけであって、そのように発言はしていなかったようで、海外のメディアはそのように報じている。米国関係者の発言でも、「北朝鮮が持っているとすれば、何発だろう」というような言い方であって、確証を示してはいない。それに気がついたのか、つかなかったのか、大々的に打上げた割りには、そのニュースは続報もなく消えて行った。そしてその煽りを食って、松浪議員の話はどこかへ吹き飛んだのである。 |
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暗黒物質 今日は宇宙のお話である。表題は、目には見えないし、観測にも殆どかからないが、重力にだけは影響を及ぼしていると考えられている仮想物質のことである。以前から、遠くの銀河の回転速度を観測すると、その速度分布が目に見えている物質だけでは説明のつかない事は分かっていた。が、最近、観測技術が進歩した事で、更に精密な観測が可能になり、いわゆる銀河団中での個々の銀河の動きなどでも、どうも目に見えない所に巨大な質量がないと、動きを説明出来ない事も明らかになってきた。こうなると、今までは空虚だと考えられていた、銀河間空間にも、何かが詰まっていると考えなくてはならなくなり、それを一般に暗黒物質と呼ぶ。この物質については、色々な候補が上げられて来ているが、とにもかくにも質量はあるが光には影響を与えないという不思議な性質を持たなくてはならない。ニュートラリーノという物が現在最有力と言われており、理論通りの性質を持つのなら、今年中にも発見されるのではないか、と言われている。 さて、これだけならモノの本にはどこにでも出ている話である。問題は本当にこれが存在するのかという事だ。重さはあるが、光には反応しないというのは、今までの物理では想像しがたい。だが、物理学の歴史には似たような話が存在する。それはエーテルである。 エーテルと言っても、麻酔に使われる芳香族物質の事ではない。量子力学以前に考えられた、仮想的な物質の事である。かつて、光は粒子か波か、という物理学の大論争があった。干渉を起こす事は明らかに波なのだが、光電効果は粒子と考えないと説明がつかない。現代の理論では、光はその両方の性質を持つ事が分かっている。が、当時は波動論が優勢で、恐らく波に違いないと考えられていた。ここで問題になるのが、その波を伝える媒質である。光は偏光するのだから、横波である。横波は気体や液体を伝わる事は出来ない。音声は縦波である。横波の伝わる速度は物質の密度が高い程速くなるから、光が毎秒30万キロで伝わる事より、それは鋼鉄を遥かに凌ぐ超高密度な物質でなくてはならない。しかし、その一方で、他の物質とは何ら反応してはならない訳で、そんな物質があるとは考えられないのだが、それでも理屈の上では無くてはならないので、それを仮にエーテルと名づけたのである。その後、マイケルソン・モーリーの実験という有名な検証など、数多くの検出の試みがされたが、成功しなかったのは言うまでもない。現在では、光を伝える媒体とは真空そのものである(つまり、空間そのもの)と分かっているが、それには一般相対論の出現を待たなくてはならなかった。 という訳で、今の暗黒物質にもこれと似たような雰囲気を感じるのである。この重力問題については、例えば非常に遠距離(つまり弱い領域)では、ニュートン力学が崩れ、距離の二乗に対する反比例から若干外れるのではないか、という仮説がある。また、重力はより高次元の空間で作用し、その一部が我々の4次元時空に洩れて来るから、とらえどころがないのだ、という理論もある。いずれにしろ、今年の末頃までにはニュートラリーノが見つかるかどうかが判明するのだが、見つかるにしろ、見つからないにしろ、今の物理学体系に大きな影響を与える事になるだろう。仮に、高次元説が正しいとなると、将来的にSFに出てくるワープ航法が可能になるような事へと発展する可能性もある。世の中不景気だが、たまには気晴らしにこういう事でも考えると良いかもしれない。これらについては、様々な書籍が出ているが、現在、エーテルについて書かれている物はあまりない。平凡社の図説科学体系第10巻「数・空間・時間」という本が非常に良くまとまっているが、なにせ1965年頃の本だから現在では市場から消滅している。図書館などで見つけたら、手にとってみる価値はあると思う。 |
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憲法とセーラー服 3日は憲法記念日。まあ大多数の人はそんな事を、あまり深く考えもしないで連休を楽しむのだと思う。だが、年々、改憲論者が勢いを増しつつあるのは事実である。北朝鮮問題に絡んで、日本も武装化すべきだ、核を持つべきだと声だかに叫ぶ単細胞は増える傾向にある。もう一つ問題なのは、言論統制の気配が見えて来ている事だ。一つは個人情報保護法案。無論、個人のプライバシー保護は重要な問題である。だが、この法律の背景には、不祥事や汚職を隠せるメカニズムが透けて見えるのである。公的な立場にある人間の、公的な業務には適用されない、などという項目は一つもないからだ。もう一つ、最近、気になるのが、いわゆる児童ポルノの問題である。そもそも、18歳以下を児童と定義して一絡げに論じるという事自体がおかしいと、ここでは何度も書いて来たのだが、それが勝手に暴走し、セーラー服という単語すら「自主規制」する傾向があるらしい。薬師丸ひろ子の映画など、公開不可能になるのだろうか。4月の末には、目的を問わず子供にポーズをとらせて撮影するという行為をしただけで、最高懲役3年、などというふざけた法律を、与党が真面目に案として出している。無論、子供とは児童の事であって、18歳以下は全て該当する。そんな物より、汚職議員は即刻資格を失う、というような法律こそ作るのが先ではないか。 言うまでもないが、辛口子は何も児童ポルノをおおっぴらにしろ、などと言うつもりは毛頭ない。だが、モラルを法律で禁止すると何が起きるかは、かの禁酒法が証明している。恐らく暗黒組織が金儲けをし、社会のモラルが低下する事は間違いないのだ。それより問題なのは、いわゆる言論統制が行われる時は、必ずこうした、表向き反対しにくい理由をつけてまず突破口を作り、それの適用範囲を次第に広げて気がついたらその事にすら、何も言えないという世の中になる事を、歴史が示している点である。いわゆる差別用語は、その馬鹿らしさが認識されたのか、一時ほどにはうるさく言わなくなったが、今度はこの児童問題が出てきた訳だ。児童を18歳以下にする、というのは欧米の基準のようで、日本もそれに合わせて法整備が進んでいるらしい。どうせこういう綺麗事を言い出す輩は、宗教関係者か教育関係者だ。かの禁酒法もそうだった。こういう連中は、自分の中に後めたさがあるから、こういう形で表向きの格好をつける。マルキ・ド・サドの文学はポルノとして禁止されたが、読んでみるとポルノではない。主人公に様々な辱めをするのが、教会の神父であったり、裁判所判事であったりするのであり、指摘された連中が表向き反対できないから、ポルノというレッテルを貼ったのである。今に話を戻しても、痴漢行為やセクハラ問題で挙げられるのは、教師が多い。だが、それは教師が好色だ、というのを意味する訳ではない。人間には暗黒面が必ずあり(人間は神ではない)、それを全く表に出さないで生活していると、無意識のうちにストレスが溜まるのだ。ゆえに、清廉さを求められる仕事につく人間ほど、こういう事をやる傾向にある。だからこそ、それを合法的に発散する場が必要であり、江戸時代には幕府が吉原というものを作ったのである。で、今では何故か子供向きの漫画で18歳以下の登場人物(女性)にセーラー服を着せる事すら、危ういという話を聞く。真面目な小説で、少女がセーラー服を着るような描写すら、出版社は嫌がるのだそうだ。実に馬鹿馬鹿しい傾向だが、何度失敗しても学ばないどころか、現代人はますます馬鹿になっているのではないだろうか。青少年の健全な育成というのなら、こういう物は成人図書扱いである事を明記した場所でのみ、売る事が出来るようにするのが正道であろう。それなら未成年が買う事はない。未成年に売ったら有罪にすればいい。コンビニでヌード雑誌を堂々と売っていて、「セーラー服を着た17歳」という文字を禁止するなど、どう考えても、やってる大人こそ健全ではない。 |
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乱打戦の裏には 今年のプロ野球、やたらと点が入るようである。6点差の逆転も珍しくなく、1イニングに10点や、1試合で21点というのも出た。で、試合を見ていると、報じられているようにピッチャーが不調というよりは、主審のストライク判定が一貫していないように見えないだろうか。昨年は、ストライクゾーンを高めに設定すると話題になったが、今年は審判によって、そのゾーンが戻っていたり、高いままだったりしているようだ。これでは投げる方も困る。試合の最初にピッチャーの乱調で点が入る例が多いのが、一つの裏づけとなるかもしれない。主審の「好み」を見つけるまで、時間がかかるからだ。ところで判定といえば、一度下された判定が覆るケースも多く、ホームランが二塁打になり、最初の判定で本塁打と思って塁を回った選手が、アウトになるという事態まで起きている。ヤクルトの若松監督の怒りはもっともである。今年のプロ野球は、二軍の試合に社会人野球との交流試合を入れるなど、硬直化したシステムに風を入れようという試みを始めており、それは評価出来るのだが、肝心の試合の判定が曖昧なのでは、高校野球にも笑われよう。慌ててリーグはミスした審判に厳重戒告処分などしたようだが、責任を現場に転嫁して片づく問題なのかどうか。ちゃんと意思統一をしていたのだろうか。 |
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