一刀両断ミニコラム
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2003年

《2004.04.30》
未納率
 民主党の菅党首に続き、前党首の鳩山氏にも未納期間があった、というニュースが出ていた。しかし、何度も書くが社会保険庁自ら、国民年金未納率が35%と発表しているのである。つまり、3人に1人は未納な訳だ。政治家が10人いたら、3人くらい未納がいたって、何も不思議ではないではないか。それどころか、議員年金があるんだから、この比率はもっと高くていいはずだ。どうも議論の論点がずれている。
支持率
 米のメディアがイラクで市民にアンケートをとったところ、「米軍に攻撃したって構わん」という意見が過半数になったらしい。先日、米軍はイラク正常化の為には如何なる事でも行う、と断言していたが、いかなる事というからには、撤退も含むのだろうか、などと思っていたら、ファルージャからは撤退を始めたようだ。ただ、間違ってもイラクからは撤退しないだろうし、その一方では、イスラエルによるパレスチナ人弾圧が激しさを増し、冗談ではなくパレスチナ人というのが地球上から消えかねない情勢になっていて、その背景に米国がいる事も言うまでもない。イスラエルは最新兵器でほとんど無防備のパレスチナ人を攻撃しており、そうした兵器が米国から来ている事も一見してわかる。次の大統領選で誰が当選しようと、ユダヤ系が米政界に強い影響力を持つ事に変わりはないので、この迫害が収まる期待は持てない。疑いも無く、大量破壊兵器を保有し、核兵器を保有し、世界平和を乱しているのは米国であり、先にマレーシアのマハティール前首相がいみじくも断言したとおり、今や米国は世界の嫌われ者である。その腰巾着がどう思われているかなど、言うまでもない。
参加率
 今年のメーデー、主催者側発表で参加者は3万6千人。去年より3万人減ったそうだから、早い話が半減である。何やら世界の料理だの、チアリーダーだのを出したそうだが、その効果は見えなかったようだ。大型連休にかかってしまったとか(既に、開催日を5月の1日から連休初日に変更しているが、歯止めがかかっていない)、土壇場で野党リーダーの年金未納が発覚したとか、色々と論評されているが、辛口子はこれに一つ加えたい。それは、先のイラク人質3人に対し、政府のとった態度がまさに「お上にたてつく奴は容赦せんぞ」というものだった点である。デモ行進に参加した事のある人なら知っていると思うが、必ず警察か公安が参加者の顔を撮影しているものだ。無論、理由はそれだけではない。そもそも、こういう物に参加しようという気運が無いというのもありそうだからだ。まったく投票率と同じ傾向である。これを国民は生活に満足しているからと解釈も出来るし、生きるのに必死でそれどころではない、という解釈も可能である。だが、経済苦による自殺者が年に7000人も出ていて、全員が安心して生活してるとも思えないし、第一、本当に切羽詰まったのなら、例え公安がいようが参加して訴える筈であろう。となると、メーデーの掲げるテーマそのものが、国民の要求から離れている、というあたりが、真相なような気がしてくる。発想の転換が出来ない主催者側に、その原点が求められそうだ。
《2004.04.29》
幼稚園国家
 閣僚だの民主党党首だのに、国民年金未納の時があったの無いのと、大騒ぎである。別に擁護するつもりはないが、そもそもなにをくだらない事に目を奪われ、議論の本質から離れているのだろうか。なにせ、ついこの間まで、社会保険庁は「納めなければもらえないだけですよ」などと暢気(のんき)な事を言っていたのである。ましてや、その統計で、35%が未納であるという国民年金。それでいて閣僚にだけは完納を求めるというのであるなら、それこそ法を改正し、かような違反を政治家がおかしたら、厳罰を処すという方向に話を持っていけばいいのである。そして、何よりも社会保険庁らによる年金の無駄使いと、遥かに優遇され、他の年金と併用でき、掛け捨てにもならない議員年金制度をどうするかが、これと合わせ、非常に重要である。にも関わらず、その話はどこかへ行ってしまい、「国民は必死に納めているのに許せない」などという感情論や、誰が納めたの納めていないだのとスッタモンダしている間に、単純に国民に負担を増やすだけの国民年金改悪法はさっさと通ってしまっているのだ。誰かに弱みがある事が判明すると、他の事は見えなくなって、寄ってたかって皆で叩くというこの構図は、先にイラクから帰国した3人に対する誹謗中傷と、その本質において何も変わりはない。海外のメディアから「日本国民は政府から口枷をはめられても平気らしい」などと馬鹿にされても気がつかず、進歩のない低次元の話が繰り返されるこの実態、あまりに幼稚で情けないと言えないであろうか。そのうち、幼稚園国家という名称が、どこかの海外メディアで確立されるのでは。
強力打線
 巨人が5本の本塁打で、ヤクルトに11対2で快勝。翌日のスポーツ紙を飾る文言は、「阿部3発」あたりであろうか。ところで、同じ日、横浜は9点、ロッテは12点、ダイエーは11点、日ハムは15点をとっている。これで、史上最強打線という単語が踊っていたら、そのメディアは信頼に値しないヨイショメディアの証しであろう。
《2004.04.28》
選挙制度
 今月号の日経サイエンスに、選挙制度の論文が出ている。今日は、それと先日の参院補選の結果を見ながら、選挙制度について考えてみたい。
 現行の選挙制度は、どこの国も殆どが投票用紙に候補者から1名だけを記入するものだが、このシステムは民意を公平に反映するとは言いがたく、例えば米国の大統領選で、結局最後にゴアではなくブッシュが当選したように、泡沫候補の出現が副作用として最有力ではない候補を当選させてしまう場合があるのである。分かりやすい例が、どの候補者も過半数を得なかった場合に、上位二人で決選投票が行われる場合だ。その場合は一回目の投票で、3位候補以下の票が上位二人に分かれる為、結果が変わってしまうのである。例えば、先日、自民が勝った埼玉8区を例にあげてみよう。選管の発表によると最終得票数は、

当 52,543 柴山 昌彦38自新(1)=[公]
  46,945 木下  厚59民前 
  17,655 柳下 礼子57共新 

であった。この選挙がもし決選投票方式だったら(一位の候補は全票数の44.9%しか得票していない)、どうなるだろうか。そうすると上位2候補が決選を行う事になる。その場合、一回目の共産党候補の票は、殆どが反自民だろうから、その多くが民主党候補に流れ、逆転も充分に考えられるという訳である。
 現行の単純な投票方式と、ここで取り上げた決選方式との結果が違う場合には、どちらがより民意を正確に反映しているかを論じにくい点はあるが、いずれにしろ結果がガラリと変わってしまう以上、少なくともまずい点はある訳だ。実はどのような投票システムを採用しようと、理想的なものは無いのだが、その中でもサイエンスの論文が最も民意を反映していると主張しているのは、投票する時に候補者を1名選ぶのではなく、複数の候補者にランキングをする方式である。例えば、投票用紙には候補者の名前が全部書かれている。その中で一番当選させたいと思う候補者には、1を、その次は2を、という具合に、全候補者でなくてもいいから「ランク付け」を記入する、というものである。集計する時は、ランキングに応じたスコアを与え、それを最終的に計算して一番スコアを沢山集めた候補を一位とする。例えば、候補者が5人いたとすると、1(番目)という投票が一つ得られたら、その候補者は5点を得る。5(番目)という票からは、1点しかもらえない、という具合である。
 この方式には、良く知られた欠点がある。それは、場合によってはスコアが並んでしまう場合がある事である。最も簡単な例で示すと、候補者が3人、有権者が3人いた場合、

候補者       A     B     C
有権者1      1     2     3
有権者2      3     1     2
有権者3      2     3     1

 というような結果が出たら、3候補者が同率で並んでしまう、という訳だ。だが、サイエンスの論文では、そのような事が実際にどれだけ起こるだろうか、という論点からこの方式を支持している。考えてみれば当たり前で、小学校で学級委員を決めるとかいうならともかく、実際の国政選挙では、何十人もの候補がいて、有権者が何万人もいるのだから、それが丁度うまい具合に票が揃って、どの候補も選べない、などという事態が起きる確率は、恐らく天文学的な低さになるに違いないのだ。それでは、この方式が採用されたとして、先の衆院補選では結果がどうなったかを考えてみよう。
 上に引用した結果は、有権者が「1」とのみ書いた結果に相当する。自民党への投票は半分が組織票であって、その組織投票者は自民党に「1」だけを書き、「2」も「3」も書かなかったとする。残りの有権者は民主と共産に半々に「2」と「3」を書いたとする。民主党と共産党への投票者は反自民だろうから、民主党への投票では民主に「1」を、共産に「2」を、自民には「1」を書いたとし、共産候補へ入れた票には民主に「2」、自民にはなしだったとしてみよう。その場合、自民への投票内訳は、

自新   52543(3点)
民前   13136(2点)13136(1点) 
共新   13136(2点)13136(1点) 

民主への投票内訳は、

自新   46945(1点)
民前   46945(3点)
共新   46945(2点) 

共産への投票内訳は、

自新   00000
民前   17655(2点)
共新   17655(3点)

 のようになる。これで各党の得点を計算すると、

自新   204575点
民前   215553点
共新   186263点

 となって、民主の勝ちになり、結果は違ってくる。つまり、この方式だと批判票が生きて来るという事になる訳である。新聞社などが先の補選について、出口調査をした結果によると、今回の結果は最低の投票率も示しているように、無党派層がますます投票に足を運ばなくなった事で、組織票がますますモノを言っている傾向が明確になっている。行かなくなった理由は、恐らく「入れる候補者がいない」とか、「どうせ何も変わらない」「小泉は支持しないが、他よりはマシだろう」というあたりではないかと思われる。投票率を上げる為には、少なくとも自分の意見がいくらかでも反映される、という実感が無いといけない。幾ら「清き一票を」などと怒鳴っても無意味である。その為にも、こうした選挙制度を民意から考えた見直しが、もっと真剣に議論されて良いのではなかろうか。小選挙区比例代表並立制などというややこしい事をやって、出て来た結果は比例代表から選んだ覚えのない候補が当選するという、民意をむしろ反映しないような代物では、座も白けるし、しかも比例で当選したって「民意の代表だから特権を持つ」というのだから、相手にもされなくなろう。その為にも、こうしたシステムは真剣に検討されるべきなのだが、こうしてみると、上に書いたように、これは今の政権与党にとって不利なシステムである以上、実現の見通しは暗いと言うほかはない。集計がややこしくなると言う話もあるが、電子投票なら何の問題もない筈だ。しかしながら、IT政府などとかけ声だけは上がっても、こうした議論は棚にすら上がらない。まして、今のシステムを目一杯、自分に有利に活用し、出た結果を既成事実としてゴリ押ししていく与党である以上、それは尚更なのである。何時も書く事だが、どこが民主国家なのだろう。

《2004.04.27》
非国民
 伝えられるニュースによると、自民党の参院、柏村武昭という議員が決算委員会にて、先にイラクで解放された3人の事を「反日的分子」と表現したと伝えられる。自衛隊派遣に反対するような反日的分子に血税を用いるなど、もってのほかという発言だったそうだ。こういう手合いに議員としての資格を与え、給料を払い、議員年金を税金で上乗せする方が、よほど問題だとは思うが、ここで大事な事は、自衛隊を海外に派兵し、憲法改正論が取り上げられるだけで、まるで水たまりに湧くボウフラのように、こういう思い上がったおめでたいのが出て来る、という事である。これで憲法が改正などされたら、こうしたボウフラは一気に蚊となり、そこら中をブンブン飛び交うようになって、おちおち街も歩けない、まさに戦前の社会に近づくに違いない。この議員当人は、かような発言を何とも思っていないようで、当該部分に対する処置は理事会が決めるらしいが、昨今の情勢から見て、事実上の御咎めなしであろう。公明党の組織票が事実上、日本の国政を左右している現在、こうした手合いはますます増えて行くと思われる。誹謗中傷の手紙を出すのなら、こういう手合いに出すべきだが、弱い者イジメしか出来ないようなのが、そういう行動を取る筈もない。
トーンダウン
 一貫して独占禁止法改正案に反対している経団連の豊田会長、記者会見で「改正そのものに反対ではないが、タイミングが早すぎるのだ」と、何やらトーンダウン。下手な言い訳をして、ますます窮地に追い込まれそうな気がするが、それなら何時ならいい、という発言も無かったようだ。結局は、改正されたら違法になる事を幾らでもやっている、という疑惑に裏付けを与えただけではなかろうか。
《2004.04.26》
日本人がイラクへ行って何が悪い
 25日付日刊スポーツ紙で、イラクで人質となって解放されたジャーナリストの安田純平さんが、インタビューに答えている。この中で、氏は「イラクの実情を知るのなら、イラクに行かなくては分からない」「人質となっている間、相手の中には自衛隊派遣した以上は日本は敵だ、と主張するのもいた」という発言の他、「人質となった3人からは、政府が何十億円かけても手に入らない貴重な情報が聞けた筈なのに、政府は自らその口を塞いだ」という主旨の発言もしており、なるほどと辛口子も思った次第。ところで氏が大手メディアではなく、この日刊スポーツに答えたという事は、氏なりの判断があったのではなかろうか。今までも、どちらかというと政府批判をしない大手メディアに対し、この日刊スポーツの社会面は、割と忌憚なく「おかしなものはおかしい」という姿勢を貫いてきているからだ。読売系などひどいもので、統計数値の中で政府に都合の良い部分だけ取り上げて、一面トップに掲載していたほどである。さて、同じ紙面の別の記事に書かれていた事だが、人質の3人が解放された当時、一部に流れた「自作自演説」。どうやら政府が故意に流したものらしい。それによってメディアと世論をコントロールし、自分に都合の悪い情報に目が向かないようにしたのである。3人が解放された時の政府首脳の苦りきった顔を思い出してほしい。普通は自国民が無事だったら、喜ぶ筈なのだ。あれは、解放された人質がイラク批判をしなかった事や、これに関連してイラクのあちこちから自衛隊批判が出ていたからに他ならない。辛口子は、この自作自演説、2ちゃんねるに出ていたと最初に聞いたが、政府の犬が一般人を装ってああいう媒体に話を書き、更に何匹かの犬が「そうだそうだ」と書き込む事で、議論を誘導している可能性ですら、ないとは言えまい。自作自演を真面目に受け取り、せっせと人質3人に誹謗中傷をした向きは、この策略にあっさりと乗った単細胞ぶりを発揮したに過ぎなかった、という自覚を持ってほしいところ。折しも、今回の人質騒動について、欧米メディアは一斉に、「日本ではまだ上意下達が普通らしい」などと書いている。JIKOSEKININというのが国際語にもなりかねない勢いだ。小泉政権の実績に、日本の国際的地位の低下がまた一つ加わった。
出来レース
 25日の参院選補選、全国で3つの区での投票率はいずれも記録的な低さ。埼玉8区に至っては35%というから、3人に2人が棄権した事になる。どこの地区でも、民主と共産の両候補が出ていて、ここに批判票が割れたというファクターもあった。こうなったら、組織票がモノを言うのは当然で、公明党の貢献度は一段と増した訳である。いずれにしろ、いかに中身が出来レースであろうと、当選は当選であり、これで与党は年金法案を強行採決、米国ブッシュべったり路線も堅持される事であろう。構造改革などとは名ばかりで、戦争関係の大判振る舞いも続く事になるから、国民生活は一層窮乏を迫られるだろう。
《2004.04.25》
年金未納は閣僚だけか?
 小泉政権の閣僚3人が国民年金の掛け金を払っていなかったという件で、民主党の菅党首は「未納3兄弟」などと笑えぬオヤジギャグを飛ばしているらしいが、そもそも与野党問わずに国会議員でまっとうに国民年金を払っているのが、どれだけいるかをちゃんと調べてみたら面白いのではなかろうか。というのも、24日のパックイン・ジャーナルでも言っていたとおり、議員年金がもらえるんだったら、国民年金みたいに割の合わないものに掛け金なんて払う気がしないだろうからだ。4月23日の本欄でも触れた事だが、議員年金と国民年金との落差は、半端ではない。議員年金は議員を10年しただけで掛け金の4倍の支給(穴埋めは税金)があり、厚生年金などとの併用が出来(会社等に勤めていたら、その分は別にもらえる)、地方議員をしていればその分も別にもらえ、議員在籍年数が10年に満たなかったらその掛け金はあとで返って来る、という具合だ。国民年金は支払い年数が足りなければ掛け捨てになるし、支給額は掛け金総額に足りるかどうかも不明だし(長生きすれば可能かも)、もらう時でもいちいち申請しないともらえない。これでは恐らく議員になったら、国民年金なんていらねえな、と思うのが普通ではないであろうか。小泉総理は「うっかりしてたんでしょ」などと国民を馬鹿にしたコメントを出しているが、その一方で自分が払っていたという証明をしてはいない。江角マキコ氏に対しては、あれ程までに「イジメ」ておいて、いい根性してると言うほかはなかろう。言うまでもなく、今の国会に出されている年金改革(改悪だが)法案は、国民年金の負担額を増やし、支払額を減らす改革案である。議員年金の改革は、どこかへ行ったままだ。江角氏への対応、解放された人質への責任転嫁 (一連の政府側発言を並べてみると、要するにお上に逆らったらタダではおかんぞ、という田舎大名意識がモロ見えで、まさに国家権力による個人弾圧そのものだ)、国民にだけ皺を寄せる年金改革案、どれをとっても「思い上がったエリート意識が、弱い者イジメをする構図」であって、ここに小泉政権の本質が見え始めたと言ってよい。自分の保身が第一であるのだから、イラクからの撤退すら危なくなりつつある自衛隊など、たとえ全滅したって支持率さえ操作して高く保てば(どう考えても数字の操作があるとしか考えられない)、一向に構わないくらいに思っているのではなかろうか。今週号の週刊モーニング連載の「キマイラ」には、国政選挙すらヤラセに近い、という話が出ていた。もはや民主主義ではないところまで来ているのか。
《2004.04.24》
人質騒動について考える
 23日朝日新聞朝刊に、1頁をさいて、表題のような投稿記事(3人)が書かれていた。投稿していたのは、あのカンボジアの戦後に活躍した明石氏などであった。非常に良い記事である。各人とも、この騒動について色々と述べているが、肯定的な物は言うまでもなく一つもない。政府の方針に異議を唱えても危機になれば政府に頼るしかないのは、市民社会として未熟である事を述べたのは明石氏である。欧米では市民レベルでの情報収集組織が確立していて、危険度を判断し、危ないとなったらすぐに連絡をして、現地から引上げる、という事を述べていたのは、二人目のNGOの人だった。3番目の人(確かジャーナリスト)は、そもそもの根本原因は米国が何時までもイラクを攻撃しているからで、帰国した人質を非難する人は何故米国にその矛先を向けないのか、と述べていた。辛口子に言わせればそれは簡単で、要するに弱い者なら幾らでもいじめられるが、相手が強いと何も言えなくなる、長い物には巻かれろ主義だからに他ならない。それにしても何故、誰も突っ込まないのか不思議でしょうがないのだが、政府はイラクへの渡航禁止令を出していたと繰り返し述べる一方で、「自衛隊のいるサマワは安全である」を言い続けてもいるのだ。それとも、サマワ付近でNGOが活動するのなら問題ない、とでも言うのか。いい加減、どっちがウソ八百なのか、メディアも気がついても良い頃ではなかろうか。とっくに信用を無くしている年金を納めたかどうかなど、延々とやっている場合ではあるまい。
《2004.04.23》
餓鬼
 確かちょい前に、ネットショップで価格表示を安く出してしまった為に、殺到した注文を断りきれず、泣く泣く赤字でノートPCを売ったという話があったが、今度はヤフーのサイトで、アップルのeMacが超激安価格(2780円)で表示されてしまい、あっという間に2万人から1億台の注文が殺到したのだそうだ。こんなものに応じられる訳もなく、既に発注した人間から脅しに近い苦情が来ていると報じられているが、契約無効がいいところだろう(民法では公序良俗に反する契約は無効である)。そういえば例の人質となった人の所には、相変わらず誹謗中傷の手紙が来ているようだし、どうも日本では、こうした「人の弱みにつけこんで、いい気分を味わいたい」症候群が非常に目立つようになってきた。一つにはネットという環境が、それを増幅もしているのだろうが、それにしても苦情ばかりか脅しまでを言うというのだから、盗人猛々しいという言葉がぴったりである。2万人から1億台の注文という事は、単純に計算しても一人平均で5000台を発注した訳であって、個人の家に5000台も届いたらどうするつもりなのだろうか。この一点だけでこうした連中の、思慮の浅はかさが見てとれるというものである。第一、この値段でも5000台だったら、1390万円だ。とはいえ、どこかの政府も自分の政策誤りから世論の目をそらす為に、せっせと解放された人質に難癖を付けている訳で、上がこれではしめしもつかないのだが。
《2004.04.22》
単細胞の集団リンチ
 新聞や週刊誌を見ていると、例の解放された人質にからみ、救出に30億円かかったというのに、請求額は一人30万とはどういう事だ、などと書いてある記事が目につく。政府は国民の安全を守るのが重要な役目の一つだし、この金額はいわゆる山岳登山で遭難したケースに準じて決めるというのだから、しごくまっとうな金額である。当人達が不注意だというなら、山での遭難なんて殆どが不注意と甘い見通しで起きている。大体、30億円かかったからと大騒ぎし過ぎである。日本はイラク戦費を6000億円既に負担し、自衛隊派遣にだって1000億近い金がかかるのだ。そして、こういう事を言う手合いに限って、いざ自分が危ない目に合うと、「人の命は地球より重い」などと、中学の物理でも落第するような事を平気で言い出すものである。(ちなみに、中学で習う事に単位の次元というのがある。簡単な例をあげるなら、1メートルと10平方メートルはどちらが大きいか、という議論そのものに意味が無い、という事だ)
《2004.04.21》
何時の間に転身を?
 小泉総理は、経済人との会合で、イラクの復興支援については、米国色を消し、国連主導で行くべきだ、と語ったそうだ。はて、国連決議も無いまま、米国にくっついて強引に軍を派遣しておいた筈だが、何時、話が変わったのだろうか。自己責任はどうした?
熱病にうなされたように
 米国で出版された、PLAN OF ATTACKという本は、イラク攻撃の裏を暴いていると、早くも各方面に波紋を広げている。反対派を罷免するか後回しにし(パウエル長官が有名だが、攻撃計画の無謀さを主張してクビになった、シンセキという日系の軍責任者もいた)、「熱病にかかったかのように」開戦を主張したのがチェイニーだ、と書かれているそうだ。米政府内では早くもそれを暴露した犯人探しで大騒ぎらしいが(つまり、真相だという事である)、その熱病とやらは、どこかの首相も同じではなかったのか?
消費者団体は恥さらしか
 政府が開いた食品安全委員会で、スイスから来たBSE専門家のキム連邦獣医局長が、全頭検査にはあまり効果はなく、それよりは危険部位の除去を徹底した方が効果的だ、と証言したのに対し、消費者団体は全頭検査でないと安心できない、と主張。どうもこれだけを見ていると、消費者って全員、知能程度が低いのだ、と言われているみたいで気分が良くない。消費者を代表しているかのような顔をして欲しくない、と思ったのは辛口子だけだろうか。
《2004.04.20》
報道管制は無能だからこそやる
 イラクで誘拐された3人について、政府は徹底した報道管制を敷いたようだ。3人にはすぐに政府の外務省関係者がつき、どういう事を言ってはいけないのか3人にレクチャーしたらしい。無論、記者が近づけないように、帰りの機内でもバリケードを築き、ドバイで3人を診察した医者にはしっかり口どめをしていた、という具合である。国内に戻ってからも、記者会見をさせなかったのは、言うまでもない。そもそも、この3人、特に女性の高遠さんは、フセイン政権時代からイラクでの活動を行っていたようで、その経験から「イラク人を嫌いにはなれない」と述べたと思うが、アメリカ命でイラクは敵という単細胞政府にとってはこれは非常に面白くなかった発言のようで、二度とそのような事を言わさないように、あらゆる手を打ったというところだろう。如何に政府の連中は自分らのしている事に、自信がないかが察せられる。
 さて、18日にNHKで放送された、「イラク復興・国連の苦悩」というスペシャル、ご覧になった方は、こうした日本政府の行動パターンと比べて、国際社会は何と遥かに激動に富んで、複雑で速いのか、と感じたのではないだろうか。アナン氏が国連部内でイラクでの選挙実施計画を立てるように指示すると、一ヶ月かそこらで行動計画が出来上がっていた。その背景には、米国の事ばかり見ているのではなく、広く世界を見渡している広い視野があり、常に様々な可能性を考えているという彼らスタッフの行動原則があったのに違いない。2年たっても、無限ループのごとく、同じ事ばかり言い続けるどこかの政府が、国際社会で相手にされないのも、無理はないのだ。
 さて、イラクで誘拐された3人に話を戻すと、この3人については、フランスのル・モンド誌が「新しいタイプの日本人が出て来た」と賞賛する記事を掲載していた。島国に引っ込んで、寄らば大樹の影ばかりやっている典型的日本人とは違う、というわけだ。彼らの行動は確かに無謀であった。だが、彼らは、今の日本のやり方はおかしい、と感じたからこそ、行動に出た。問題は、その彼らの意思に対し、少なくともそれを否定するなり尊重するなり、明確に正面きって彼らにアドバイスする大人が皆無だったという事である。メディアの論調、政府の発言、そして表向きの家族の声などを聞いていると、揃って頭ごなしに「謝れ」のオンパレードではなかったか。かような意思を表明するのなら、どうするべきだ、という建設的な発言をした大人がいただろうか。先のNHKスペシャルに話を戻すと、国連はイラク人による選挙を実現させる為に、再び、スタッフをイラクに派遣した。昨年、バグダッドの活動本部が爆破され、多数のスタッフを失っていたにも関わらず、である。当時より更に治安が悪化しているイラクへ再び出向く、その彼らの行動は、日本から見ているといささか無謀に見えるかもしれない。だが、彼らは彼らとしての正義感に基づき、あらゆる状況を分析した上で、この行動をとる事がもっとも優れた選択である、と確信して行動しているのである。「金だけ出さないで行動しろ」という時の行動とは、こういう行動を意味するのだ。憲法解釈をネジ曲げて、自国防衛隊を強引に派遣し、一カ所に閉じこもって、時々水を配る事ではあるはずがない。
 折しも、19日、厚生省は痴呆という単語があちこちに使われているのを、別の呼称に変更する事を決定した。よほど気になる単語なのであろう。そういえば、イラクで死亡した外務省職員も、アメリカによる誤射説を否定できる証拠(どころか、まっとうな解剖結果まで)を出さないままである。
《2004.04.19》
主催者側の言い分を見る
 日経朝刊(18日付)で、青色LEDの特許報酬について、あの中村氏と争っている日亜工業の社長が、記者のインタビューに答えていた。両者からの意見を並べるという、ジャーナリズムの原点であろう。さて、この中で社長自身は、中村氏の主張に対し、「青色LEDは当社のみが独占して作っている訳ではない」「彼には研究用に10億円をかけた研究棟を作る予定だった」「彼には退職時に数千万からの年俸を払っている」などと反論している。が、争点は特許であって製造ではなく、現に特許戦略が功を奏して、同社が莫大な利益を上げているのだし、これからも上げるであろう事は間違いない(その事には触れていない)。研究棟や年俸については、第三者の知るところではないが、一つ辛口子に気になった点がある。それは、この記事に出ていた社長の顔写真である。はっきり言って、顔がまずい。別に、イケメンかどうかという話ではない。かのリンカーンが言ったように、男は自分の顔に責任がある、というそれで、人の物は俺のもの、俺のものは俺のもの、という顔立ちなのだ。言い換えれば田舎大名、最近の例では丁度かの鈴木宗男系と同じ目をした顔である。少なくともエンジニアの業績というものを、高く評価するようなそれではなかった。もっとも、今の世の中、巷の記者会見などに出て来る経営者側の顔は、大抵そうなのではあるが。例の200億円という金額に、経団連だの各社社長だのが一斉に苦言を呈した発言をしていた中、本田の社長だけは肯定的発言をしていたのが、今でも印象的な事として思い出される。
《2004.04.18》
イラク情勢混迷深まる
 日本人二人は無事解放されたが、問題は片付いた訳ではない。むしろ、話は厄介な方向へと動いている。イラク関係の情報を整理してみよう。
  • ファルージャの停戦問題では、話し合いは事実上決裂。強硬派が次第に支持を集めつつある。
  • ブッシュがイスラエルの占領実績を事実上承認する発言をし、それが強硬派に勢いを与えていると見てもいい。
  • イラクのどさくさに紛れて、隣のイランが密かに影響力を強めている。反米勢力を背後から支援している可能性もある。これは当然予想されるべき事で、米軍がいる限り、あの地域の秩序は回復するどころか、不安定地域が拡大する恐れの方が大きい。
  • 日本人ジャーナリストが託されたメッセージには、日本は友人だが早くイラクから引上げるように、とあった。これは、国内がこれから荒れるという事を教えようとしていると見るべきである。日本政府が気づくかどうかだけが問題である。
  • イラクの聖職者協会は、日本向けのメッセージの中、小泉総理が犯人をテロリスト呼ばわりした事で、解決が遅れたと明確に述べた。現総理の国際感覚ゼロは疑いの余地なく証明されたと見るべきである。小泉総理が疲れた顔をしているのは、人質の生命を心配したからではない。総理は、経済苦を理由に自殺する人が毎年7000人出ても、気にする発言をしていない。心痛の原因は、これで自分の総理人生も終わりになるかどうかを心配しているだけである。こんな政権をいつまでも支持する事は、日本国民自らどころか、世界平和にとってもプラスではない。
  • ブッシュは国連の管轄軍によるイラク統治を認める発言をしたが、仮に国連軍がイラクを統治しても、実際には10万人規模の米軍は駐留させ、イラクの利権を手放す訳もなく、要するに自分は少しでも楽をして、実だけ頂きたい、という魂胆なだけである。無論、選挙対策も考えている。どこかの無能政府は、この戦略上に更にうまく乗せられて、国民の血税をまたも気前よく払う可能性が少なくない。
  • サマワに駐留する日本の自衛隊の周辺は、非常に危なくなっている。近隣都市の中枢部は、多くがシーア派に占拠されていて、このままでは最悪の場合、退路を断たれる恐れがある。イラク特措法では、「駐屯地が駐屯期間に渡って戦闘地域にならないと予想される場合」に限った派遣を認めているのだから、時期を見てなるべく早期に自衛隊を安全なクエート等に移動させるべきである。
  • シーア派が反米になるのは当たり前であって、かつて湾岸戦争の時に反フセインのクーデターを起こしたのだが、フセインの軍に鎮圧されたという歴史がある。その時、米軍は見て見ぬふりをしていたのである。彼らはフセインが間違いなく倒されるまで、米軍には好きにやらせていたに過ぎない。
  • イラクばかりが注目されているが、アフガニスタンでもアルカイダの動きが活発化している。あまり報じられないが、米軍兵士が引き回しにあった事で米軍が引上げたソマリアは、今、戦国時代のような統一政府無しの状態にある。即ち、テロリストが根拠地とするには、格好の条件が揃っている。イラクとの違いは石油が出るかどうかであって、ここでも米国の言う、世界平和路線などというのが如何に米国のご都合主義なものかが分かる。
  • 米国は、イラク人捕虜やフセイン元大統領に、国連の人権委員会や弁護士などが面会を求めても拒否していて、これは明らかに捕虜の待遇を規定したジュネーブ条約に違反している。つまり、米国は自分に都合の良い事のみが正義だ、というわけであり、都合の悪い法は無視して良いと考えている。
  • 中国は今回のイラク戦争に関して、一貫して肯定も否定もしておらず、無論、軍すら派遣していない。それでいて非難されているかといえば、六カ国協議を見て分かるように、そんな事は全くない。国際貢献に軍事力の派遣が必要だ、などという向きは、かような事実を説明すべきであって、おのれの愚かさに気づいたら、二度と公式な発言などすべきではなかろう。中国のは米国が窮地に陥ればそこにつけこんで足を引っ張るか恩を売り、そうでなければ静観する戦略であって、どこかの単細胞政府との違いは顕著である。流石は、孫子の国である。
《2004.04.17》
自己責任とは
 解放された人質たちが、イラクをまた救いに行きたいとか、イラク人を嫌いになれない、と発言した事が伝えられ、政府関係者、特に総理は苦虫をかみつぶしたような表情である。恐らく、解放された3人が最初に感謝と謝罪の言葉を述べて、帰国後には家族と共に総理に頭を下げる光景を予想していたら、その通りにならなかった上に最初に出たのが自衛隊の話だったので、余程面白くなかったのだろう。まるで子供がダダをこねているみたいだが、いずれにしろ相当に後めたい事があるに違いない。それはともかく、総理や大臣、都知事らの発言を聞いていると、こうした政府関係者の方が、よほど身勝手に聞こえて来る。「これだけ政府の人が不眠不休で」というなら、原因を作ったのがそもそも強引な自衛隊派遣であろう。「大変な金がかかって」というが、自衛隊の派遣に使った金(隊員一人一日3万円の手当まで出している)や、米国戦費に6000億円を払い、米国債の新規購入に数十兆円使っている事から見たら、ゴミみたいなもんであろう。そして、「自己責任に徹して」という発言に至っては噴飯モノである。言っている当人が、国会答弁で議論のすり替えや無視を繰り返している、歩く無責任のような日本の総理や大臣らだからだ。今だに大量破壊兵器はある、と言い続け、国連の要請も無しに軍を派遣した事に、その根拠も述べていないのである。今度はチャーター機代の請求という話が出て(まるで悪徳商法みたいだ)、これはまるで政府の意向に反したものにはペナルティを課すとでも言いたげではないか(家族が政府批判をしたからであろう。実質的な言論統制につながる)と思っていたら、更に渡航禁止に強制力を持たせてはどうか、という基本的人権の制限論まで飛び出した。一体、この「選挙に落ちればタダの人」らは、自分を何さまだと思っているのであろうか。単に、「イラク渡航は自由だが、政府は安全に責任を持たない」と発表すればいいだけではないか。一体、どちらが自己責任の無い側だろうか。解放された3人は、何か理由をつけてでも、すぐには日本には帰国しない方がいい。下手すると世間から抹殺されかねないからだ。
 なお、イラクのイスラム聖職者協会は、「日本政府より我々の方が人質3人の事を考えていた」と語り、今回の解放劇が、日本政府の粘り強い交渉の結果などではない事も明らかになった。
《2004.04.16》
人質解放の意味するもの
 誘拐或は拘束されていた日本人3人が、イラクで解放されたニュースは、まずは喜ぶべき結末である。イタリアや米国のように、殺される事なく済んだ。だが、これで安心出来る訳ではない。日本政府が効果的な手を打った訳ではないし、そもそもの原因が自衛隊派遣にあるのは明らかだからだ。火事を起こしておいて、炎症を防いだからと、誇らしげな顔をした責任者がいたら誰も拍手なんて送らないだろう。小泉総理は、党首討論でも菅民主党党首の質問には相変わらず答えず、話をそらすだけだった。うがって見れば、聖職者側が、人質をとると日本で何が起きるかを確認出来たので、用は済んだと見たのかもしれないのだ。誘拐したのがテロリストではなく、ただの民兵のような連中だったのも幸いした。誘拐されたのが純然たる民間人だったのも幸いした。自衛隊関係者だったらどうなったか分からない。前の日、サマワで、自衛隊帰れデモがあった事は、もっと注目すべきである。断固として自衛隊を引上げなかった事が、早期釈放につながった、などと能天気に考えてはいけない。今回の誘拐劇で、要求の中にファルージャでの虐殺について謝罪しろ、という項目があったように、日本の自衛隊を米軍と同一視する勢力は、イラクでは少なくないのである。考えてももらいたい。日本にどこかの軍隊がやってきて、勝手に野営地を作ってそこに駐屯し、「我々は人道支援で来ました」と言って来たら、100%信用するだろうか。日本は国連決議を受けた訳でもなく、イラク政府から要請された訳でもないのに出兵した事を忘れてはならない。人質が解放された今こそ、イラク特措法に基づいて、自衛隊を危険地帯から撤退させる事を真剣に考えるべきだ。イラク国民はそれを見ているだろうし、そうでないなら、今度は違う形で日本への揺さぶりが行われるだろう。国際テロ組織が本気で日本をターゲットにしたのなら、誘拐一つにしたところで、世界のどこで実行してもいいのだから、渡航禁止勧告など何の役にも立たない。折しも、ブッシュ大統領はイスラエルの占領地を、公式に認める発言をし、中東情勢を一層不安定にしてくれたのである。米国にくっついていれば安心だ、などと言う輩は、今一度、頭を振って脳みそを良くかきまぜてもらいたい。で、最後に、「家族と会うには時期がある」と述べていた小泉総理が、これで家族と面会して人気稼ぎをするかどうかが見ものである。
経団連抵抗続ける
 公取委と経団連の会合は、結局、平行線のまま終わったようだ。米国では、例えばインサイダー取引のような不正行為をした会社は、不正に得た利益の3倍の罰金が課せられる。会社だけではなく、それに直接関与した社員にも、罰金は容赦なく降り掛かるのだ。これに比べれば、公取委のやろうとしている法律改正など、子供のままごとみたいなものであって、単なる罰金強化に過ぎない。にも関わらず、これだけ強硬に反対するという事は、如何に不正行為が日常的に行われているかを端的に示しているのである。これでいながら、別の時には、やれ不正コピーは被害甚大だとか、輸入品の攻勢で業績が悪化、などと平然と言うのだから、関係者の面の皮の厚さには、感服すら禁じ得ない。若者の間でフリーターが増えているのも、こうした腐り切った組織の一員になる事への、反発があると見て良いのではなかろうか。無論、全部の会社がそうではないだろうが、例の内部告発者を保護する法律も、折角提出されながら、中身は色々と骨が抜かれていて(例えば、会社の対策部や政府に言うより先にマスコミに言ったら保護されない等)、実効が疑問視されている。東南アジアでは不正コピーが横行している、などと偉そうに言えたものでもないのではなかろうか。
《2004.04.15》
退避勧告
 外務省は、報道各社に対し、イラク国内からの強い退避勧告を出した。テレビ朝日は14日夕方のニュース番組で、現地の報道スタッフが、車4台に分乗して決死の思いで空港に向かう映像を流していたが、運転手の横のボディガードは拳銃を離さず、窓には黒い紙を貼って中が見えないようにし、120キロで飛ばして、狙われないようにあらゆる策をとっていたから、バグダッドですら相当危険な状況なのは間違いないようだ。ただし、自衛隊の駐屯するサマワ付近だけは、非戦闘地域なのは言うまでもない。小泉総理は、党首討論でも壊れた何とかのように、決まったフレーズを繰り返すだけであった。同日、フィリピン政府はイラクからの撤兵検討を開始したと発表している。ロシアなど他の国も、イラク国内の自国民の引上げにかかった。イラク各地では外国人を狙った誘拐が相次いでいるが、解放される顔ぶれを見ると、アメリカを筆頭に日本も全く分の悪いカウントになっている。米国の民間人が4人、切り裂かれて発見されたと報じられているが、あれは軍の特殊部隊上がりの人間であり、民間人という言葉には語弊があるものの、米国への憎悪が強い事だけは明らかだ。で、その腰巾着へはどうかだが、現時点では、日本の人質は、文字通りの民間人だから、安易に殺されるとは限らない。が、もし自衛隊員が捕まったら、それは保証の限りではないだろう。その場合、民間人ではないのだから、家族は救助を嘆願する事すら出来ないのではないであろうか。
英語教育
 小学校の授業に正式に入れるかどうか、調査が始まっているらしい。別に小学校での英語教育が不要だ、などと言うつもりはない。だが、その前に、母国語でちゃんと論理的に考え、議論を展開できるような教育を行うのが先ではなかろうか。ウィルス、インフルエンザ、BSEなどという単語を聞き取る事は出来るが、「鶏インフルエンザは肉や卵では感染しない」「20ヶ月より若い牛でBSEが出る事はない」「BSE牛でも危険部位を食べなければ何の心配もない」「日本でBSE牛を食べてヤコブ病になった人はいない」というような文章になると、理解出来ないのが世の中の過半数を占めているようにしか思えないからだ。国会の党首討論や、記者会見での記者との質疑応答などを聞いていても、およそ議論というものの訓練が出来ていない事を痛感するばかりである。この意味では、米国や欧州などの議会どころか、いわゆる発展途上国にさえ見劣りするのが日本の現実だ。筋道立てて物を考えられない人間に、英語など覚えさせても意味である。母国語すら操れないのに、外国語を操れる訳が無いからだ。逆に、きちっと自分の考えを表現出来るのなら、発音などカタカナでもちゃんと通じる。まずは英語ではなく、日本語教育こそ充実させるべきなのだ。
今年の阪神を見て
 出だしに巨人を3タテしたあと、横浜にまさかの3連敗、14日は広島に逆転負けを食らい、今年も話題の阪神である。あまり報じられていないが、試合を見ていると、つまらないミスでわざわざ相手に点を献上し、それが最後まで響いている試合が多い。14日は、ダブルプレーを取れなかった事や、外野からの山なりの返球でバッターに二塁を与えた事などが、ことごとく失点につながり、負けの隠れた原因となっている。これが修正されない限り、V2は極めて難しい。逆に言えば、それがきちっと出来ていただけで、今は首位を走っていた筈だ。それにしても、今年のプロ野球は、セ・パともに予想もしなかった順位となっている。西武が首位で近鉄が最下位、ヤクルトが最下位で首位に3チームだなんて、誰が予想しただろうか。ただ、まだペナントは始まったばかりで、どこがこの大混戦から抜け出すのか、という見方をしたら、今年の野球は面白いのである。問題は、相変わらず巨人戦しかやらない地上波だが、今ではスカパーなどで他の試合も観戦出来る時代である。しかも巨人戦中継と違い、試合開始から終了までやってくれる。デジタルだの何だのと言いながら、中身は何も変わっていない地上波テレビ。滅び行く恐竜になるのだろうか。
《2004.04.14》
時期がある
 小泉総理は、神崎公明党代表との対談中、「人質の家族と会わない訳ではない。が、時期がある」と述べた。これを首相の姿勢が変わった、ととらえてはなるまい。そのココロは、「人質解放の後、カメラの前でにこやかに握手をすれば、私の支持率はまた上がるだろう」という計算と見る方が、妥当だからである。折しも、イラクからは「小泉総理が誘拐犯をテロリストと呼んだ事から、彼らが態度を硬化させている」という一報も。
知恵もない経団連
 公正取引委員会がいわゆる談合行為などに関する罰則規定を、強化する法案を提出しようとしているのだが、経団連が強硬に反対している。表向きの理由は、規制を厳しくしたら、企業の発展を阻害する、というものだ。このあまりに見え透いた幼稚な理屈には、開いた口も塞がらない。罰則強化は不法行為を行った場合の話であって、不法な事をしなければ何も関係ない話だからだ。つまり、「我々は不法行為を山ほど行っております」と言っているに等しい。それを、事もあろうに、公式な発言として代表が堂々と述べるのだから、まさに経団連とは「歩く厚顔無恥の集まり」である。同じ結果を求めるにしても、もう少しは人を感心させるだけの理屈を出せば、まだ評価できない事もないのだが、そんな事にも回せる知恵がないのだろうか。
群れをなすバカ
 イラクで誘拐された邦人3人の親戚やら実家やらに、非難の電話や手紙が多数舞い込んでいるらしい。毎度の事ながら、本当に世の中にはバカが多いと痛感する。肉親の事を案じて心身共に疲れ切っている人に、傷口に砂を擦り込むような、そんな事をして何がどう変わるというのか。答は簡単である。やってる当人こそ、程度が低い頭の持ち主なのである。ところがプライドだけはあるから、それを意識としては認める事が出来ないのに、無意識では自分が程度の低い人間だと分かっている為、他人、それも弱い立場にある人をイジメる事で、相対的に自分が上であるかのように見せたい、という心理が働くのである。相手が困っているのを見て、「どうだ、俺にもこれだけの事が出来るんだ」と納得する訳だ。無論、かような行為に出る事が、即ち「わたくしはどうしようもないバカでございます」とアピールしているのと同じである事に、気がつくだけの知能すら持っていないのは言うまでもない。そうではないというのなら、もっと強い立場にある人間、例えば総理官邸へのメールか何かで、対応の遅れを非難する文書でも送ってみろ、である。強い相手に対しては何も出来ないくせに、弱い相手と見るとここぞとばかりに食ってかかる、まさに人間のカスと言えよう。恫喝行為か何かで逮捕して、韓国のメディアのように顔をテレビに晒し出してはどうであろうか。ご家族の方には心痛お察しするが、遠くで野良犬が吠えているくらいに考えて、気丈に頑張って欲しい、としか言いようが無い。
 なお、情勢は一向に進展していないようだ。日本以外の国の大多数では人質が解放されているが、日本はそれっきりである。理由は言うまでもない。自衛隊(念のため、海外メディアでは日本軍と呼ばれている)など、送ったからだ。福田官房長官は、錯綜した情報が洩れるのを防ぐため、取材には応じないと述べているが、洩れるほどの情報もないのが現実であろう。国の進路を誤った、現政権の責任問題は極めて重大である。自衛隊は給水などの活動を再開したらしいが、再開まで9日間も陣地にこもっていたのだ。結局はこれと言った働きも出来ないまま、恨みだけは買ったわけで、どこから見ても噴飯モノの絵であり、国際的地位どころか笑い者のタネにされていくことだろう。
《2004.04.13》
誘拐事件は一つではない
 完全に膠着状態に陥ったか、全く相手にされていないのか、誘拐事件に関する情報が殆ど流れて来なくなった。政府(小泉総理)は言うまでもなく、自衛隊を引上げる気などない。それは、引上げたら、テロに屈した事になるからではない。強引に自衛隊を派遣した事の間違いに言い訳が出来なくなり、自分の政治生命が断たれるからである。そもそも、日本政府が本気で国民の安全を考えているのなら、「今回の事件は想定してもいなかった」などという発言が出る訳がない。小泉総理にとって国民の安全などどうでも良く、米国にすり寄って自らの保身と権益確保だけ出来ればいい、という論理で動いている事は、今では見え見えになっていると言えるだろう。竹中経財相などは、任期が終わったら米国に迎えられるつもりでいる、と伝えられている。米国の副大統領らが日本のこうした姿勢を支持するのは、現在、イラク情勢が混迷する中で、「引上げません」と言っているのが日本だけだからだ。他の国は、撤退を表明するか、その可能性を検討している。まさに、日本政府の、見事な腰巾着ぶりである。
 さて、誘拐事件は実はイラク各地で頻発している。仮に今回の誘拐事件が金か何かで解決したとしても、それは今後の安全を意味する訳ではない。反日勢力側がその気になれば、世界のどこででも日本人を誘拐するなど、たやすい事だからだ。日本でテロを起こしたら日本国民の反発を買うが(サリン事件では、政府よりオウム自身に怒りの矛先が向けられている)、誘拐による要求が拒否されて、人質が殺されでもしたら、日本の国民感情は政府に向かう事を、彼らは良く知っている。
 かような展開を見れば、米国にスリスリして自衛隊を派遣した事が、世界平和どころか日本の国民そのものを危険に陥れた事に、今や疑いの余地はない。軍の派遣などせず、何と言われようと我が国は平和国家であると主張し、金だけ出していれば、こんな窮地に陥ることなど無かったからだ。元々、アラブ圏では対日感情は良いものだった。日本はロシアと戦って勝ったから、と、日露戦争の英雄である東郷元帥にちなんで、トーゴという名前を持つ男性が、トルコに今でも大勢いるほどだ。今回、米国に露骨に味方する事で、アラブ圏には明らかに日本を敵視する勢力が誕生した。誕生してしまった以上、とるべき道は限られる。今更、ご破算にはならないだろうが、与党が総辞職する事と、テロとは別の理由をつけて(既に特措法違反は明確だから、これも容易だ)自衛隊を撤退させる事で、被害は最小限に食い止められるだろう。が、日本のメディアで、政府は総辞職すべきだ、などという論調を出すところは全くない。米国にくっついていけば間違いないのだ、などと偉そうに繰り返すだけの有識者(殆どアホの代名詞だが)を、相変わらず画面に出す事すら珍しくないのが現実だ。
《2004.04.12》
カモネギ政府
 「交渉に前進」などと、小刻みに情報が流されるので、どうせ進展どころか悪い方向に向かっているのであろう、と勘ぐっていたら、11日深夜になって、今度は仲介者というのが現れ、相手が要求を吊り上げているらしい事が報じられて来た。つまり、人質を解放するというのは、日本政府の代表を呼び寄せる為の手段(エサ)だった訳である。この仲介者の情報によると、要求事項に金は入っていない。恐らく日本政府は金で解決しようとして、軽くソデにされたのではないであろうか。誘拐事件発生の時に、会見で防衛庁長官が洩らしたように、「そんな事は何も想定すらしていなかった」というのも情けないが、相手の手のひらで踊らされる下手な対応にも、毎度の事ながら学習効果が見られない。
 今回の「新要求」では、3日ならぬ24時間での自衛隊撤退というのが入っている。そして、今度は米軍らがファルージャ攻撃(米軍は一般市民や子供まで殺しまくったらしい)をした事に対して、日本政府が公式に謝罪しろ、という項目が加わっている。「おまえの親分がやったんだろが」という訳だ。「米国についていけば間違いない」と大真面目に公言してはばからない、「有識者」なる連中は少なくないが、そいつらの発言がこれからどう変わるかを注目すべきだろう。だが、総理の発言は恐らく何も変わらないのではないか。何も考えていない事が明白だからだ。民主党の首藤議員が、パックイン・ジャーナルで言っていたが、「何か事故が起こったらどうするのか」と追求しても、小泉総理は「その時に考えます」という答弁しかしないので、話にならないらしい。まるで、三菱ふそうの幹部と同じである。こんな人間が国を運営し、米国べったりの政策をとり、経済では弱者をいじめて年間7000人のリストラ自殺者を生み出し、憲法違反スレスレの法律を作って憲法改正への既成事実を作ろうとしているのだ。その結果がこれだ。
 そもそも、日本に軍隊を出せ、などとどこかの誰かが公式に言った、という事実はない。湾岸戦争のあとに「ショー・ザ・フラッグ」というフレーズが一人歩きしたが、以前、大橋巨泉議員が委員会で「その発言は誰が言ったのか」と質問した時、政府は誰も答えられなかった。今だに答えていない。実際は、米国のどこかの小さな地方新聞に載っていたフレーズだと言われている。それが何時の間にか、金だけ出しても国際貢献にならない、という方向に話が行ったのである。あとは莫大な税金を使い、大仁田議員を盾にしてイラク特措法を強行採決し、何時の間にか自衛隊が事実上、軍と公認されて海外に派兵され、今に至っている訳だ。
 そもそも、我々は、米国の軍事行動に呼応して軍を出すという公約で、自民党に投票した訳ではない。構造改革をして景気を良くする、という公約に対して投票した筈ではなかったのか。ところが、それは一向に進まず、今や明らかなように、明確に成果として得られたのが、日本を敵視する勢力をしっかりと作ってしまった事なのだ。自衛隊を引上げたら、テロリストに屈した事になる、などという論法は、文字通り論外である。既に日本は敵視されているのだ。また、イラク特措法では、戦闘地域並びに戦闘地域になると思われる地域への派遣を禁止しているのだから、脅しがあろうが無かろうが、既に法に基づいて引上げるべきなのだ。引上げないのなら、既に政府は自分で作った法律すら守らない事になる。だが、小泉総理はそんな事など意に介さず、話をすり替えて政権にしがみつき続けるだろう。伝えられる話によると、総理大臣は大局的見地から国家を運営するのだから、必ずしも法律に従う必要はない、と思っているらしい。法律など何とも思ってないから自衛隊も引上げないし、人質の命も二人や三人などどうという事はないのである。
 こうなると絶望的になるが、人質の安否に関して唯一、明るい可能性を探すとすれば、この誘拐犯が日本の政府よりも、遥かに賢いらしい事だ。恐らく、切り札を簡単に殺すような事はしないだろう。それでも、脅しではない事を示すために、一人くらいは殺すかもしれないのではあるが。
《2004.04.11》
裸の王様とその取巻き
 小泉総理は外務省を通じて、人質の家族とは面会しないと返答。多忙という事かもしれないし、俺の言う事に文句言う奴になど会わない、という事かもしれない。まあご家族には残念ながら、どうせ会ったところで言われる事は分かっているし、相手も聞く耳など持たないだろうし、支持率の急低下でも起きない限り、総理は方針を変えたりはしないだろう。10日放送のパックイン・ジャーナルで言っていたが、ある側近が小泉総理に、「自衛隊に死者が出たらどうしますか」と聞いたらしい。それに答えて総理は「一桁なら大丈夫だ。アンマンかどこかで、棺に日の丸の旗をかけ、尊い犠牲だと表明すればいい」と言ったとか。で、側近が更に「2桁になったら、どうするんですか」と聞いたら、「うーん、旗をかけるのが大変だろうね」と言っただけだったそうである。今回のイラク戦争加担ばかりではなく、経済にしても米国にべったりで国民にいくら犠牲が出ようと、知らん顔をしてきた総理らしい言動と言えよう。人質の家族の悲しみなど、屁ほどにも思っていないに相違ない。
 さて、国内のメディア、新聞などは揃って脅しに屈して自衛隊を撤退させるべきではない、と論じている。それはいいが、それじゃどうするのか、という具体策の提示はない。総理自ら出かけたらどうだ、という事を書くメディアもない。テレビなど輪をかけて政府べったりで、イラクで起きた外交官射殺事件の警察調査発表が、米軍誤射ではないとは言えない、という内容のものだったのに、誤射の可能性は無いという報道をする始末だ。人質事件に話を戻すと、一応、体裁を整えるつもりなのか、政府は対策本部を「現地」に作ったなどと報じているが、現地とはヨルダンであって、全然別の国なのだから呆れてしまう。そもそもイラクは非戦闘地域じゃなかったのか。安全なのだったら、そこに対策本部を作ったらどうか。表向きの言葉とは裏腹に、外務省などは、とっくに大使館員を引上げているそうだ。振り返ってみれば、米国に賛成したのも間違いなら、イラク特措法そのものも憲法違反。しかし、その特措法ですら、戦闘地域への派遣は認めていないのだから、現地の情勢が不安定という事にして、法に基づいて自衛隊を引上げれば、脅しに屈した事にはならないのだろうに、そういう方向に話が行かないというのは、要するに自衛隊派遣の目的が人道支援でも何でもなく、自衛隊を派遣するという既成事実を作る為だからに他ならない。更に、最終的には自衛隊が戦闘行為に巻き込まれるのがベストで、それを既成事実として憲法改正に突き進むためだと考えれば、一連の政府の対応に説明がつく。
 だが、もっともけしからんのは、この誘拐事件を「卑怯」と糾弾するだけのメディアである。それじゃ、大量破壊兵器があるとインネンを付け、国連決議を無視して他国を侵略する行為は卑怯じゃないとでも言うのだろうか。自衛隊派遣に賛成した読売などの新聞ですら、こういうフレーズを平気で使うのだから、その厚顔無恥ぶりにはまったく開いた口が塞がらない。ところで、何故、メディアはこうも政府べったりで、批判精神が無くなってしまったのだろうか。はっきりとは分からないが、政府を批判するような記事を書いたり、番組を作ったりする人間がいると、異動させるような圧力が、それとなくかけられ続けて来た結果なのではないかという気がする。それは、利権を持つ議員が背後にいたり、今の総理みたいにメディア会社の社長と親戚という事実があれば、充分に可能だろう。そして最後の砦がニュースステーションだったのかもしれない。久米宏の場合は国民的人気があって、手を出せなかったのだが、引退となれば後がまには、好きなのを据えられる。事実、装い新たにスタートした報道ステーションには、全く反骨精神が見られないので、まさにここに政権によるメディア支配の縮図が見られるのではあるまいか。NHKをはじめ、こうしたメディア各社は、政府発表をそのまま流す(それどころか、政府に都合の良いように言い換えたりする)のだから、日本は北朝鮮の体制を批判など出来た筋合いではないのである。
《2004.04.10》
一気に内戦へ
 今日一日の政府の発表や動きを見ていると、これまで「テロに対して断固とした姿勢を」とか「これで日本の国際的地位を高める」などと綺麗事を並べて来たが、実は単に格好をつけているだけで、何も考えてなどいなかった事が明らかになった。結局は米軍に泣きついて、何とか救出を、と言う事しか出来ないのだ。が、米軍にしたところで、イラク国内の反乱対応に猫の手も借りたいところだろうし、よしんば人質探索にかかったとしても、サダム・フセインの拘束にすらあれだけかかった実績を考えれば、3日で無事発見など期待する方が能天気。言い換えれば、ちょいとばかりファッションセンスが良く、口先で綺麗事を並べるだけで、中身など軽薄そのものな首相だった、という事だ。人質の身内にしてみれば、そこまで「断固として」というのなら、自分が足を運んで自ら人質になる位のスタンスを見せてみろ、と言いたいところだろう。本欄の指摘通り、米国にヨイショした事で、反米勢力とのパイプは無くなり、公式発表にも「誘拐犯との連絡はつけようがない」というフレーズが出る始末。これも政府の責任だ。更に与党ばかりか情けないのは野党であって、この件について小泉政権の責任追及を真っ先に言ったのは、社民党、そして共産党だけでしかない。民主党は、とりあえず政府に協力して人質問題に対する事を先に言うほど、こちらも何も理念など無かった事を露呈した。自らの無能を棚に上げて「退避勧告を無視してイラク入りなんてするから」と言った議員がいるらしいが、人質などなにもイラクで調達しなくてはならない理由など全くなく、世界のどこであろうと日本人が狙われる訳なのだから、そのピンボケ脳みそぶりにも呆れるほかはない。一方、イラクでは各地で反乱の火の手が上がり、一気に内戦状態へと突き進んでいる。このまま南部の治安が悪化したら、自衛隊の駐屯地も孤立し、人質どころか自衛隊員そのものが全滅に追い込まれるシナリオですら、あり得ない話ではない。どこの国もいざとなれば自分の国の兵士の安全を優先するに決まっているので、自衛隊が適切な「側面支援」など受けられる保証はないのだが、恐らく政府はどうせアメリカに泣きつけば何とかなるとでも思っていて、何も考えてなどいないことだろう。今回、反乱の火の手が各地で一気に上がったのは、米軍がモスクを包囲攻撃した事による。イスラム教徒にとって神聖極まりない場所にミサイルを打ち込んだ事で、一気に彼らの怒りに火がついたのだ。先に、米国の民間人が殺されて引きずり回された時(実は民間人と言っても、米軍上がりのプロのボディガードであるが)、米国は「ソマリアとは事情が違う」と反論した。だが、違うと思っているのは、侵略する側の理屈であって、侵略される側はそうは思ってなどいない。日本は米国の国債を何十兆円も購入して米国の赤字補填を行い(赤字も軍事費用が突出したためだ)、駐留費をもらうどころか在日米軍に対して光熱費まで負担し、イラクの戦費にも数千億円を捻出、更に自衛隊員に一日3万円を出してまで派遣するなど、国税を湯水のように使って結局何を得るのだろうか。スペインで政権をとった野党は「軍を派遣したところで、テロ撲滅には何ら効果はないから引き上げるのだ」と述べている。この党は決してテロに甘い訳ではなく、かつて政権をとっていた時代には、国内のテロ組織を徹底的に叩いて壊滅させているのだ。こういう態度こそ、断固たるものと言うべきだろう。「自衛隊引上げは全く考えていない」と繰り返すだけの政府の無能ぶりは、こうした比較でもくっきりと浮かび上がる。これで日本の国際的地位がどう高まるというのか?
《2004.04.09》
初心貫徹なるか
 イラク在留邦人3人がゲリラ勢力につかまり、自衛隊を引き上げない限り、3日以内に殺すと言われたと報じられている。日本政府は自衛隊(海外では日本軍と呼ばれている)はあくまで人道支援に行くのだし、現地では歓迎され、安全上、問題はないと繰り返して来たが、さて、「テロには断固屈しない」という方針をどこまで貫けるのだろうか。テロのやり方は、何も爆弾を仕掛けたり、飛行機をハイジャックしたりばかりが能ではない。それこそ絡め手から脅しまで様々な方法がある訳で、今回、3人を拘束した連中は、人質に最も弱いという日本人の特性を熟知しているようだ。対照的に国際情勢を熟知しないどこかの政府は、これで完全にチェックメイトを食らった事になる。自衛隊を引き上げればテロに屈した事になり、引き上げなければ人質を見殺しにする事になるからだ。本欄で何度も述べて来たように、米軍側につくという事は、反米勢力を明確に敵に回す事である。敵に回した以上、それに対する備えを怠ってはならないのだが、非戦闘地域と繰り返せばそれで済んだとでも思っていたのだろうか。折しも、前の日には、自衛隊の輸送機が武装した米兵を運んだ事を渋々認め、米兵が身に付けているものは武器ではない、とでも言うしかない所まで言い逃れが難しくなっていたところで、まさに絶妙のタイミングである。日本はかつて、経済力で世界に進出していたので、政府側勢力とも反政府勢力とも話し合うパイプを有していた。小泉内閣は、米軍べったりを明確にする事で、こうしたパイプを全てご破算にしてしまった。国際貢献とは軍隊を派遣する事であり、その為には実績を作って憲法改正をしなくてはならない、としてきた小泉内閣を、単にはっきりと物を言うからと支持している人は、今一度、考えてみる時が来たのではあるまいか。一部の指摘にあったように、自衛隊が復興支援をするのではなく、NGOや民間がそれを行い、自衛隊が彼らを守る、という図式をとらなかった政府の責任は重大である。それとも、日本が国際的地位を高め、世界平和に貢献するには、3人くらいの犠牲はどうという事はない、と明言するのだろうか。いや、そんな度胸が今の政権にある訳がないのは明白で、恐らく、今でも米軍を通じて何とか邦人を拘束した連中とコンタクトをとり、身代金で解決しようとしているあたりが関の山だろう。そして、「なんだ、結局金でしか物を考えられないんじゃねーか」という国際的評判を今一度確立し、危険な所に莫大な税金を使って自衛隊を派遣して、最悪の結果を招くのである。
《2004.04.08》
私的
 何と言われようと、一度言った事は曲げない、と言えば聞こえはいいが、学習能力ゼロと二枚舌となると話は別で、しかも一国の元首となると、問題は軽視できないのが当然である。小泉総理は、靖国神社参拝は、あくまで私的なものだと言い張っているが、それなら公用車で乗り付け、SPを従えて参拝している事(経費は税金だ)の説明がつくまい。そもそも国歌公務員法では、私的である時は公務員である事を忘れていい、などとは述べていないのであって、それが許されるのなら、公務員の機密漏洩にしろ、汚職にしろ、不祥事にしろ、「あれは私的な行為だった」と言えば許されるという事になるのであろうか。それなら最近、やたらとマスコミを賑わせる教師のセクハラ事件も、「私的なものだった」と言ってのければ、いわゆる懲戒処分へ不服を述べられよう。この際、懲戒処分を受けた教師は、訴訟を起こしては如何であろうか。まあ、未だに、イラクには大量破壊兵器がある、と言い続ける世界ただ一人の元首であり、内戦状態で毎日何十人もの死者が出ようと自衛隊派遣場所は非戦闘地域であり、非戦闘地域が安全かと聞かれれば、東京でも女子高生が殺されるんだから世界のどこにも安全な所などない、と開き直る政権なのである。舌の二枚や三枚は、まだまだあるのであろう。道路公団改革も結局は腰くだけ、財政投融資の問題に端を発した郵政改革は知らぬ間に郵便業務の民間化に話が変わり(インフラってのは赤字だからこそ、国家がやらなくてはならない筈)、いきなり何の前触れもなく議員年金廃止を唱えて人気取りに走り、国債発行抑制はどこへやら今や国家収入の半分が国債となり、景気回復など名ばかりで地方商店街はシャッターばかりが並ぶ。これで支持率が高いという事になると、結局は国民の資質の問題なのだろうか。いや、批判しないメディアにも、責任が無いとは言えまい。
何時の間に1/20に?
 厚生労働省の吉武民樹年金局長は衆議院の厚生労働委員会で、国民年金の約10兆円ある積立金がほぼ20年でなくなるとの試算を示した。本欄の2004.01.04に書いたように、厚生年金や国民年金など全て合わせて、国庫への蓄えは226兆円という話だったのが、国民年金に限って述べたとはいえ、何時の間に20分の1になったのか。ここには、理屈をつけて予算を獲得しようという官僚の本能と共に、どさくさに紛れて200兆円を実際には流用してしまっているのではないかという疑惑が見える。
《2004.04.07》
内戦状態まであと一歩
 イラクでは、スンニ派だけでなく、シーア派の反米活動が一気に活発化。死傷者多数の報道が相次いでいる。特にサドル師ひきいる一団は、イラク中部クーファでモスクに籠城、米軍とにらみあう情勢から交戦の情報もある。言うまでもなく、シーア派はイラク中南部を占める訳で、旧フセイン政権下では冷遇されていたから、米側のもくろみでは米軍は歓迎される筈であった。イラク北部では、旧フセイン政権勢力が反攻しているし、これでイラクは北部、中部とも戦闘状態に入ったようなものだ。が、自衛隊の駐屯している南部は、言うまでもなく「非戦闘地域」という訳なのであろう。
《2004.04.05》
史上最笑の強力打線
 対阪神に開幕三連敗という初記録を計上した巨人軍。三連敗なのだから、昨年より悪いスタートである。史上最強の強力打線、などという超楽観的前評判は吹き飛んだ。二連敗のあと、足早に球場を後にした巨人の三山A級戦犯は、記者からの質問にも無言だったそうだが、昨年、ペタジーニを獲得した結果、守備陣形が滅茶滅茶になり(ペタジーニは一塁か外野しか守れないため)、内野の二塁守備とショートとがファウルグラウンドで衝突し、怪我をして長期戦線離脱をするという失態をしながら何も学ばずに、今年もローズを獲得してくれて、お陰で打線ではないという意味の、打「点」は更に強化されてしまった。打線としてつながらないから、出たとしても一発で、得点力がない。他方、以前より懸念されていた投手陣の力不足がテキメンに現れ、阪神打線は面白いように得点を重ねた訳だ。ローズは一応ホームランこそ沢山打っているが、弱点もはっきりしているバッターで、守備も決して上手ではない。小久保に比べれば、はるかに戦力としては期待できないと見るのが当たり前。巨人の三連敗が決まったあと、延長戦を戦っていた中日は、川相(巨人から移籍したベテラン)の送りバントをきっかけに、見事サヨナラ勝ちをして三連勝であった。飛車と角だけ集めれば将棋は勝てるなどと思っている、おめでたい頭の持ち主が、何時までも球団運営の実権を握っている限り、巨人ファンのストレスは溜まる一方であろう。そういえば、G+で見ていると、「20日からの対横浜三連戦のチケット」予約受付のテロップ案内が何度も流れた。早くも売れ行きに影響大という事である。
マトリックス・レボリューションズ
 MATRIX3部作の最終版である。映画館で見なかったので、DVDで鑑賞した。巷では評判がいまいちだったようだが、辛口子は高く評価する。恐らく難解と言われるのは、ラストにおけるネオの行方だと思うが、見た限りに於いて、要するにスミスがネオを吸収支配しようとした時に、実はネオの方がパワーがあり、逆にスミスを崩壊させたというところであろう。その後、ネオと表裏一体の存在であったスミス自身と、既にスミスに吸収されていた予言者、そしてネオが、機械の方に統合され、生物を敵視するプログラムが変わったという結末と理解した。機械のプログラムに人間の精神が入る事については、その前にスミスの意識を持つ人間を出す事で説明していると言っていい。特筆すべきは、画面の見事さで、膨大なオブジェクトが画面を乱舞するザイオンでの戦いや、スミスとネオの最後の闘いに見る究極の仮想格闘技など、かかっている手間もさることながら、このイマジネーションには敬服するほかはない。先日、イノセンスについても本欄で触れたが、この作品も理解されるには数年かかるのではなかろうか。恐らく、スターウォーズ製作スタッフにも、影響を与えているに違いないだろう。
《2004.04.03》
世論誘導メディア
 2日付読売新聞朝刊は、一面トップで「憲法改正賛成が65%」と報じている。アンケートを実施したら、こういう結果が出たのだそうだ。もう国民全部が合意したかのような書き方である。読売新聞は最初から米国追従の今の政府を応援しており、自衛隊のイラク派遣も一貫して支持しているのは、ご存知のとおり。さて、ではどんなアンケートなのであろうか。同じ朝刊の10頁には、このアンケートの詳しい内容というのが書かれている。具体的な調査方法や設問内容は、下の方に小さな字で出ているのだが、実はそれを良く見ると、なかなか面白い事が分かるのである。
 まず、設問である。アンケートは3000人を無作為に抽出し、実際に訪問して面接で回答を得たらしい。データ捏造が無ければ、かなり手間のかかった手法である。内閣支持率も、たまにはこの位やってほしい。さて、その設問であるが、次のように並んでいる。(長いものもあるので、要約しているが)
  • 今の憲法のどんな点に関心があるか
  • 政府の憲法調査会の動きをどう思うか
  • 政界で憲法改正論議が盛んになっている理由は次のどれだと思うか
  • 憲法改正には具体的な手続きを定めた法が無いが、それを決める事はどう思うか
  • 今の憲法を改正した方がいいと思うか、しない方がいいと思うか
 以下、まだ設問は続くのだが、ここで「改正した方がいい」という回答が65%、「改正しない方がいい」という回答が22.8%であった訳だ。一面トップにデカデカと出た数字は、これである。さて、ここでこの設問を見てみると、最初から憲法改正の動きに重点を置いた、いわば改正の動きがもう決まっているかのような文章が並んでいる事に気づく。つまり、乗り遅れてはいけない、というような心理状態を作るテクニックが使われている。これはアンケートの調査項目を作る上では、古典的な技で、こうした形で設問を並べる事で、回答をある程度誘導できるのだ。回答するのは人間であるので、その回答は無論、回答者の心理に大きく影響される訳だが、このアンケートが面接によるという事は、じっくりと設問を読んで、何度も考える時間も与えられないことでもあるから、その効果は更に強く出たと見るべきだろう。
 そして、この頁にあるアンケート回答を解説した両面記事には、様々な数値の説明が出て来るのだが、その中には、これに続く設問である、
  • 改正に反対である理由は
 の回答として出ている「世界に誇る平和憲法だから(52.9%)」とか、「改正すると軍事大国への道を開きかねないから(40.3%)」というような数値に関しては、一言も触れられていない。そして、念を入れて、頁の右には「憲法改正の機は熟した」という大見出しがあって、そこにどこぞの有識者がコラムを書いている、という具合である。更にこのアンケートには、この先に集団的自衛権についての設問もあり、これまでのように解釈の変更でいいかどうか、という回答項目が出されている。イラク派遣は集団的自衛権の問題とは何の関係もないのだが、そう思わせるような筋道である。
 念のため、集団的自衛権とは、同盟国が攻撃を受けた場合に助けに行く事であって、それを理由に第三国へ軍を進める事ではない。それを認めてしまったら、理屈をつけてどこへでも侵略軍を派遣できてしまうのだが、どうもそのあたりの区別が論じられる事すら稀だ。
 読売グループは、視聴率でも誤摩化しや操作を行って糾弾されたが、このアンケートも詳細に見る限り、かなり意図的な誘導が見られ、非常に怪しいと言わざるをえない。たかが国歌と国旗の法案一つでも、現場では事実上の強制がまかりとおる国で、憲法を改正して軍隊をおおっぴらに持てるようにしたら、何が起きるかは火を見るように明らかだ。暗黒時代の到来だろう。国際貢献には軍を出さなくてはならない、というおかしな「合意事項」も、誰がどこかで言った訳でもないのに、何時の間にか既成事実化している。ショー・ザ・フラッグにしろ、ブーツ・オン・ザ・グラウンドにしろ、誰がどこで言ったのか、さっぱり明確になっていない。ヒトラー政権が合法的な民主選挙を通じて誕生したという事を、こういう時こそ、改めて考える必要があるのではないか。
《2004.04.02》
JOCは何のため?
 テコンドーの内紛は結局のところ、収まる気配を見せず、岡本選手が五輪に出られるかどうか微妙な情勢と伝えられている。JOCは、何とか出場出来るように、策を可能な限り考えたい、と、下を向いて原稿棒読みの記者会見をしていたが、ここで当然の疑問が起こる。テコンドーの内紛は昨日今日始まった事ではない点だ。昨年から揉めに揉めているのだから、このまま収まりがつかない事は充分に考えられたはず。にもかかわらず、いよいよ駄目となるまで、このJOCという所は何一つ、手を打って来なかった事が明確だからである。一体、何のためにあるのか、この団体は?

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