一刀両断ミニコラム
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2003年

《2004.09.30》
大量汚染兵器
 9月23日の深夜、TV朝日系で放送していた劣化ウラン弾のスクープは非常に興味深い内容であった。劣化ウラン弾とは、ウラン238で出来ている弾頭である。ウラン鉱石から核物質としてウラン235を抽出した残りの事で、ウラン238は本来非放射性なのだが実際に235を100%分離は出来ないので、放射性廃棄物として処分されるべきものだ。これが何故弾頭に使われるかというと、一番重い物質だからである。重い物質で弾頭を作る事で、強力な貫通力を得られるのだ。いわゆるアーマー・ピアシング弾であり、戦車の厚い装甲でも難なく貫く。問題は放射性だ。弾丸は貫通する時に弾丸自体も細かいカスを飛び散らせる。つまり弾丸ばかりか、周囲の環境を放射性物質で汚染するのである。米国はこの劣化ウラン弾を湾岸戦争の時から使い続けているのだそうだ。他にもボスニア戦争、勿論今回のイラク戦争もである。番組には出て来なかったが、アフガンも怪しい。米国は表向き「劣化ウラン弾は安全である」と言い続けている。兵士にも劣化ウラン弾をどこで使ったか言わないのだそうだ。実際に取材班が、イラクの首都バグダッドで、大量の劣化ウラン弾を発見した時、パトロール中の米兵が血相を変えるシーンが番組中にも出て来ていた。こんな所(住宅地域)で使われていたとは、彼ら米兵自身も知らなかったのだ。知らずに劣化ウラン弾の放射線に被爆し、体に重い障害の出ている元兵士が米国に大勢いるし、更に問題なのは実際に劣化ウラン弾の使われた地域で何も知らずに暮らした結果、放射線を浴びてしまった住人や子供たちである。現地の医者によると、こうした放射線によるものとしか思えない障害が、子供に多発しているという。番組で出て来ていたのはボスニア(ユーゴ)とイラクの例だったが、イラクは特に湾岸戦争と今回の米軍侵略の2回に渡って劣化ウラン弾を受けている上に、砂漠である事が災いして粉末になった放射性物質が拡散しつつあり、今後長い期間に渡って深刻な問題となるのは必至の情勢だ。これは日本とも無縁ではない。自衛隊がイラクに行っているからだ。人質となった3人の日本人のうち、ジャーナリストの一人はこの問題を調べていたという。バッシングの裏には、こういう政府の事情もあったのではないかと勘ぐりたくなる事実である。米国は安全だと言いながら、劣化ウラン弾をどれだけどこに使ったのかなど、発表していないのは言うまでもない。安全だと言いながら、ホワイトハウスの庭に並べて見せている訳でもない。そして、世界で唯一の原爆被害国である筈の日本政府も、その米国の核汚染拡散政策に盲従しているのが現実だ。大量破壊兵器保有国とはどこの事だろうか。何が正義の戦争なのだろうか。なお、米国政府はかつて行っていた地下原爆実験で洩れた放射能や、それで被爆した研究者、兵士などについても、情報を封鎖していると言われている。
《2004.09.27》
次なる仮想敵国
 何やらアメリカが北朝鮮に対する因縁(インネン)を強めている。米太平洋空軍のヘスター司令官が、重大な懸念(核ミサイル保有とまで言っている)を表明したり、それと歩調を合わせるように日本のメディアが北朝鮮の「ノドンミサイル発射準備完了」を報じたりしているのである。アフガンでは反政府勢力の攻勢が続き、副大統領が危うく難を避ける一方で、イラクでは反米攻撃が一日70件に急増、これまで「民主国家建設」を旗印に米国が軍を展開して来た地域で、旗色がますます悪くなってきている。そうした中、米国はイランに核疑惑を突きつけ、今度は北朝鮮にも同じ事を始めた訳で、これは明白に失敗から目を反らし、新たな仮想敵国を定める動きと考える他はないだろう。そもそも、北朝鮮が核ミサイルを保有しているという証拠など無いし、そんな物を発射したところで北朝鮮には何もメリットはない。ノドンミサイルが日本全土を射程に入れているというが、ノドンミサイルの仕様書が明らかな訳でもなければ、実際に発射実験が行われて射程距離が実証されている訳でもない。それどころか、「次世代のミサイルを作るなら日本全土を視野に入れるはずだ」という勝手な想像から、「その為には1300キロ位の射程が必要である」と算出された数値に過ぎないのだ。ミサイルというのは、仕様だけで討てるものではなく、何度も発射実験をして初めて実戦で使う事が出来るのだが、北朝鮮がそのような長距離ミサイルを発射実験などした事も一度もない。1988年の人工衛星打ち上げ失敗がそれだ、と上記ヘスター司令官は述べたらしいが、1988年に米国はそんな分析などしてなどおらず、今になって「あれはミサイル実験だ」と言い出した訳で、突然分析結果が変わった理由は見え透いている。北朝鮮は国民総生産が沖縄県の半分である。巨大油田をバックにしていたイラクとは訳が違うのであって、そんな国が戦争など始めたら文字通りの自殺行為だ。北朝鮮指導部が発狂でもしているなら別だが、北朝鮮の外交を見ている限り、自暴自棄になっているとは思えず、米国がアフガン、イラクの失敗を尻目に、新たな攻撃目標を定めてきているのだと見る方が筋が通っている。何でもかんでもアメリカにくっついていれば間違いないと言う小泉政権は、当然、それにも無条件で従う事であろう。米国はイラクだけの戦費で一ヶ月に一兆円を費やしているらしいが、日本はその資金分担も抜かり無く行い、今後も米国債を何十兆円も買い、日本の銀行や会社をせっせと米国に売り、国民には増税が課せられて行くに違いない。国連の安保理加入を表明した小泉演説は、退席者が相次ぎ拍手もまばらだったそうである。一方、米国の国際戦略を堂々と批判したスペイン代表の演説は、拍手万雷だったと伝えられている。外務省や政府の言う国際協調という言葉の馬鹿らしさが良く分かる典型例となった。先日、本欄にてヒラメ人間の話を書いた。目が上しか見ていない奴の事で、親会社の顔色を伺うだけの三菱ふそう重役陣やプロ野球の経営陣を皮肉ったものだが、こうして見て来ると日本の政府も、上(米国)しか見ていないと言えそうである。
《2004.09.25》
楽天参入陰謀説
 楽天がライブドアに続いて野球加盟申請をした事に、ライブドアつぶしじゃないかという疑惑がささやかれている。楽天もライブドアもどちらもIT成功企業だが、対照的な部分も少なくない。楽天の社長は財界に顔が効く一方、ライブドア社長は一匹狼的であると言われる。楽天社長がスーツを着てネクタイを締めている一方、ライブドアの社長はノーネクタイであり、記者会見にもTシャツで現れたりするそうだ。プロ野球界の親会社群は、典型的な日本企業が並んでおり、阪神社長がライブドアの社長に「ネクタイくらい締めたまえ」と言ったほどに、ノーネクタイ・アレルギーである。しかも、ライブドアの行動を見てからのように仙台本拠地での申請が出された。話が少し出来すぎているとも見える。球界を牛耳って来た連中の立場から見ると、型破りなライブドアよりは楽天の方が「御(ぎょ)しやすそうだ」と考えたとしても不思議はない。来季の新規参入を渋々認める事でストを中止させる一方、オリックスと近鉄の合併はそのまま押し切り、その上最終的にライブドアを閉め出す「名を捨てて実をとる」作戦であるとしても、あながち荒唐無稽ではないのだ。そうであるならこれはまさに日本社会の縮図であり、作戦というにはあまりにせこく、見苦しい。プロ野球機構が譲歩した事は革新的ではあるが、これで球界の改革が進む保証が出来た訳ではなく、今回の譲歩はただの一歩に過ぎない事をファンも常に頭に置く必要がある。連中は常にスキあらば、自らの保身と権益拡大を第一にするからだ。
《2004.09.24》
踏み台にされる情報家電
 ハードディスク録画機で、iEPG(電子番組表)へのアクセス機能があって、かつ外部からネット経由で録画予約出来る機種が、ネットの上で不正アクセスの踏み台にされるという報告が、あちこちのblogなどで相次いでいる。例えば、アキバblogのこの頁 や、その元となった 不正アクセスのレポート などである。技術的な細かい話は別にして、簡単に言うと、iEPGを使うには本体にproxyサーバの機能が無くてはならず、それとWWW経由で予約可能なシステムにパスワードが設定されていないという条件が合わさった時に、踏み台にされうるという事なのだそうだ。パスワードの話はマニュアルの中にちょこっと出ているそうだが、設定しなくてはならないとは書いてない。iEPGを使う以上、機器は必ずネットに繋がれる。ネットルータを間に挟めばまず安全なのだが、家電ユーザに「踏み台」だの「proxy」だの「ネットルータ」だのと言っても説明など容易ではないだろう。報告された代表的な機種が東芝のRD-XS40であり、これはベストセラー機器でもある。恐らくその中の大部分のユーザはパスワドなど設定していないだろうから、日本にはハッカーにとって嬉しい「踏み台」が何万もある事になる。これは由々しき問題である。何かコトが起きた時に、そのHDレコーダのユーザに罪が及ぶ可能性すらあるのだ。メーカは利便さだけを強調し、次のフレーズではセキュリティという単語だけは口にするが、本当の意味で理解してなどいないという事でもある。無論、何かあった時の責任逃れだけは、万全なのであろう。
《2004.09.22》
人気のパ、実力のパ
 スト開けのプロ野球、どこの球場も客の入りは抜群だったようだ。特にパリーグが凄い。セリーグの観客数を大きく上回ったと言われる。西武球場も札幌ドームも文字通りの満員だった。試合も20日には日ハムが12失点を跳ね返してサヨナラ勝ちをし、21日もダイエーを撃破、ダイエーは西武との間に5ゲーム差を付けられなくなってしまった。21日のヒーローインタビューは何とヒルマン監督で(札幌での最終戦だからか)、開口一番の発言が「シンジラレナイ」(日本語)。ファンは勝利にもこうした選手・監督との親近感にも酔ったに違いない。新たな地方フランチャイズが、有効な振興策である事を、疑い無く証明したと言えよう。一方でどうも勢いがないのがセリーグである。巨人中日戦は視聴率が10%に大きく届かず、阪神もAクラスがほぼ絶望となって、あの阪神ファンをもってしても今一つ応援に覇気がない。野球ファンの諸兄、面白くもない地上波に見切りをつけて、野球はスカパーかCATVで巨人戦以外を観戦してみよう。試合は開始から終了までノーカットだし、CMも少ないし、余計な企画はしないし、ずっと面白くエキサイティングな事は保証できる。
 ところで、17日の選手会との協議中、球団だけの場で、オリックスの球団社長が「新規参入球団はセに行けばいい。巨人がパに来てもいいのか」と発言した事が明るみに出ている。今回の合併劇の裏に近鉄の経営難というより、もっと別の真の意図があったと、はからずも洩らしたとも受け取れる発言だ。加えて21日のプロ野球実行委員会は、ライブドアの申請について「公正かつ適正に審査する」事を確認したそうだが、裏を返せば今までは「敵性に」審査していたという事も匂わせてしまった。更に何時間も協議をした挙げ句に、ストの分を再試合するかどうかの結論すら先送りにしている。巨人戦だからと1億円の放送権料など来年から出せる保証はない、とある放送関係者が明言しているにも関わらず、巨人の顔色を伺うだけで脳みそが麻痺しているこうした連中に、問題解決能力などある筈もない。無能なメンバーはさっさと退陣して、一旦解散してはどうか。昔はこういうのを給料泥棒と言ったものだが、せめて責任をきちっととって退陣してみせるのが、唯一残された有終の美を飾る道ではなかろうか。
 ところで、辛口子は1年前、パリーグがプレーオフ制度を決めた時に、何と言う訳の分からない人気取り策をしたのか、と本欄で書いた。まさかこんな形で盛り上がるとは予想もしなかった。無論、合併劇やストが注目を浴び、プラスに作用もしているのだろうが、プレーオフ制度が無かったら、ロッテと日ハムの激戦は有り得なかっただろう。間違いを認めざるをえない。まあ、日刊スポーツのノーさんも同じ事書いていたから、いいとするか・・・(ぼそぼそ)
《2004.09.20》
苦しい言い訳
 悪評たらたらのCCCD(コピー防止のCDモドキ、CDではない)の言い出しっぺ、AVEXが「これからは弾力的に採用していきたい」と事実上の縮小宣言を出したのは数日前だが、その発表文言を読んでいるとなかなか苦労のあとが見られて楽しい。「CCCDによって著作権について広く議論が起こり、認識が広まった」「こうした経緯で著作権の重要さが広く理解され、一定の効果を上げた」というような文章が並んでいるのだ。平たく言えば、「俺は正しかったんだぜ」である。この間、止むをえずCCCDなるものを買ってしまった消費者は、結局はスケープゴートとして一手に損失を背負い込む事になるのだが、それらに対する「申し訳ない」というような文言など見られないのも言うまでもない。AVEXが姿勢をくるりと変えたのは、社長交代に理由があるのは間違いなさそうなので、前社長がこのふざけたシステム推進の張本人だったと結論してよさそうだ。トップが暴走しても、その首に鈴を付けられないというのは、政界、野球界、そして産業界まで共通する日本の特質らしいが、そろそろこの問題について分析がされても良い頃ではないのだろうか。
《2004.09.19》
分厚い面の皮
 プロ野球のストに対する、読売新聞の社説が唖然自失モノである。「何億円もの給料をとる奴がまだストをやるのか」「球団経営が赤字なのは選手の年俸が高すぎるからだ」という論戦を張り、ストは全面的に選手が悪い、と結論しているからだ。まことにいい根性をしていると言うほかはない。そもそも選手会の要求は賃上げではないし、億単位の報酬を得ている選手などほんの一握りだ。その選手の年俸を吊り上げているのは、他ならぬ巨人である。「カネはまだまだある。選手は幾らでもとれる」とナベツネが豪語したのは、今年の春だ。社説というのは、その新聞社を代表する意見であり、仮にも良識あるものとして掲載するのがこれまでの常識だった。しかしこれは自らの失態を棚に上げ、弱者に責任を全面的に転嫁するのが読売新聞なのだ、と公言しているのと同じである。書いた奴の顔を見てみたいものだ。ところで、選手側の要求は「来年の12球団運営について可能な限り努力をせよ」というものであるが、それに対して球団側は「来年には間に合わない」を繰り返すだけで、ロクな根拠(シミュレーション結果は近鉄と合併したオリックスの収支見込みだけだった)すら示さずにこれがストの直接的理由となった。さて、つい数ヶ月前、オーナー会議が1リーグ化を言い出した時である。今から1リーグになどしたら準備が間に合わないのではないか、という記者からの質問に対し、あのナベツネは「そんなものは2ヶ月もあれば出来る」と答えている。野球協約には、新規参入の申請があったら30日以内に回答をする事にもなっている。つまり、出来ない訳がない事を自ら述べているのだ。にも関わらず、明解な回答を拒否したばかりでなく、「謙虚な気持ちと真摯(しんし)な姿勢で交渉を続けてきました」(17日夜の記者会見で球団代表)などとぬけぬけと言ってのける、こうした神経は常識的に理解しがたい。CTスキャンで奴らの頭の断面でも撮影したら、隙間だらけなのではないのか。交渉に出席する資格を問いたいところだ。
《2004.09.18》
違法ではない
 「イラク戦争は違法」と述べたアナン国連事務総長の発言に、日米が揃って「反論」している。身勝手大国の米国はさておき、日本の川口外相は、国連決議で大量破壊兵器廃棄を求めたのに、イラクはそれに対して継続的に違反したと述べ、違法ではないと主張。しかし、アナン総長は「イラク戦争は」違法と言っているのであって、大量破壊兵器の廃棄とは関係の無い話である。廃棄そのものは、確かに国連の決議事項である。しかし、国家には主権というのがあり、従わないから戦争を仕掛けて良い、という事にはならない。強い国に何か言われると、へいへいと従うどこかの国の方が珍しいのだ。事実、戦争行為そのものは決議を採択されていない。また、これだけ調べて実際に大量破壊兵器は見つかっていないではないか。だからこそ、アナン氏は違法と言ったのだ。外務省のピンボケぶりが、これ程までに明確に出て平気な国は、そうざらにはあるまい。
ストは誰のせいだ
 史上初めてのスト突入となったプロ野球界。本来、ストは最終手段であり、出来れば抜くべきではない伝家の宝刀である。しかし、それしか手が無いのは事実である。選手会の要求事項は、とにもかくにも来季の12球団運営について最大限努力をせよ、というものだ。それに対して球団側は「機構を作ろう、そしてそこで議論させよう」「来季は間に合う訳が無い」の繰り返しだったのではなかろうか。つまりは問題の先送りであり、危機感が乏しいに尽きる。今回の騒動は、元々近鉄が発生源だ。パリーグ経営の慢性赤字は今に始まった事ではない。それまではどの球団も、親会社からの赤字補填で何とかやっていた。ところが、近鉄はその親会社が不動産投資に失敗して本体の経営が危なくなった。そこで最初は球団名を売りに出したが、オーナー会議の根回しを忘れ失敗。結局は、球界を牛耳る何人かが出て来て、合併劇を作り出したというところだろう。その時に、新しいオーナーなど探した訳もなく、コンタクトしてきたライブドアを門前払いにしたのは、伝えられているとおりである。つまり、今回のストで選手会を責める理由はまるで無いのだ、という事だ。全ての責任は、時代錯誤な発想で自らの保身と権益を守る事ばかり考えた、球界の上層部にある。近鉄を含め、赤字球団経営の責任をとると言っている経営者は皆無である一方で、コミッショナーはストを止められなかった事を理由にして、さっさと場から逃げた。流石、長年の鍛錬で保身術だけは超一流。
《2004.09.17》
旧態然の球界
 ストを構えているプロ野球選手会、要求に選手の労働条件に関する改善要求を混ぜている。具体的には、合併によって事実上消滅する近鉄の選手が自由契約にならないのはおかしい、という主張である。自由契約とはプロ野球界の中で他球団に自由に自分を売り込める事である。逆に言うと、そうならないと球団を移れない。任意引退などとされてしまうと(球団が勝手に可能だ)、球界では選手としては働けない。また、交換トレードも選手の同意は規則上は不要である。このように、球界のルールにはかなり前時代的なものが残っているのが良く分かる例である。ちなみに、この要求を球団側は当然嫌がっている。さて、ライブドアは仙台に本拠地を作ると発表、宮城県も大歓迎をしている。楽天ももうすぐ正式に名乗りを上げそうだ。シダックスは来季は無理でもプロ球界に興味を示している。これで新規に名乗りを上げるところは3つになる。あと3つ何とかなれば、6球団が出来る。そうなったら、今の旧態然のプロ野球とは別に新たなリーグを作ってしまう事も考えられるのではないか。今の野球協約は、現プロ野球界だけのローカルルールである。そんなものに縛られない、近代的な規則を作り、発展性のあるシステムにすれば、選手も観客もそちらに集まるだろう。今の球界に不満を持つ、現役プロも移って行くに違いない(任意引退など宣言されても、痛くも痒くもない)。そうなったら、今の球界であぐらをかいている時代錯誤な連中も、おのれの愚かさに気がつくのではないであろうか。良い事づくめである。
全頭検査
 牛のチェックのお話である。生後20ヶ月以下の牛については、検査対象から外すという方針を食品安全委員会がまとめた事で、消費者団体と生産者団体が共に反対を表明している。まあ、信頼を揺るがすとか、BSEのリスクが充分解明されておらず20ヶ月という科学的根拠が薄い、というのがその理由である。だが、実際に生後20ヶ月以下の若い牛でBSEが見つかった事はない。また、BSEの牛を食べてヤコブ病にかかった例も日本では皆無である。あるのは脳手術をしたあとに頭蓋骨の穴を塞ぐために使われた骨の蓋による発病だけだ。全頭検査と簡単に言うが、途方も無い金がかかる。実際には税金が投入されている。日本はまだそれが可能だが、米国ではとてもそんなコストはかけられない。また、どれだけのコストをかけようと、100%の完全性というのは得られるものではない。危険度を評価し、そのリスクとコストを量りにかけて判断しなくては、どのような分野だろうと金も手間もいくらあっても足りる訳がない。この意味で、食品安全委員会の結論は妥当である。僅かでも危険があるか無いかという線など引いたら、現代社会で安心して食べられる食品など殆ど無いのである。にも関わらず、かような反対論が出るという事は、消費者団体が反対するのはまだ「あつものに懲りて」と解釈出来るが、生産者団体の反対は安い米国産牛肉が入る事を嫌がっているだけなのではないのかと思えてくる。
《2004.09.16》
外務省とは健忘省か
 米国のパウエル国務長官が、「イラクの大量破壊兵器捜索を断念した」と公式に発表した件について(まだ探していたのか)、日本の野党は自衛隊派遣は誤りであったと一斉に政府を批判している。例によって不思議な答弁が出て来るおなじみの光景が見られているようだが、外務省の首脳(名前が報じられていない)は、「イラクが国連安保理決議に違反したから武力行使が正当化され、日本がそれを支持した」との見解を表明した。この首脳とやらは、一体どの決議の話をしているのであろうか。国連決議はイラクに対する査察を決めたに過ぎない。イラクはそれに応じて、査察団を国内に入れている。協力的ではない、という話もあったが、どこの国だってそうであろう。何なら米国が査察団を受け入れてみろである。話を戻して、米国はイラク攻撃の国連決議を採択しようとしたが、採択が得られなかった。そして決議なしでイラク攻撃に走った国こそ、他ならぬ米国である。一緒になって騒いだのが日本だという訳だ。今や、米国こそが世界最大の大量破壊兵器保有国であり、世界最大のテロ国家である。だからこそ、口先では民主主義の戦いと言いながら、世界各国にある米国大使館は、壁を高く厚くして警報機だらけにしているのだ。そして、それにべったりしたのが、小泉内閣である。外務省の記憶半減期は、どうやら1年程度らしい。
《2004.09.15》
無能の根拠また
 相変わらず、どっちへ転ぶのか、二転三転する発言があちこちから出ては消えるプロ野球界。球団側は選手会からの要求で、交流試合のシミュレーションを行い、次回会合でそれを示すのだそうだが、これは裏を返せば、そういう検討すらせずに5球団だのセパ交流だのと「承認」していた、という事に他ならない。赤字を何十年も放ったらかしにしておいて、今になって選手やファンに全部責任を転嫁するような連中の、実態がまた一つ見えたというべきであろう。近鉄が合併になったのは、親会社が不動産投資に失敗、親会社そのものが莫大な赤字を抱えて球団の補填に回す金が無くなったためである。ここでも本来は経営者責任がある筈なのに、それすら問われていない。この無能経営陣は最初、近鉄の名前を売りに出すと言い出して、オーナー会で反対された。あとは言われるままにオリックスとの合併を裏でこそこそと進め、自らの保身をはかってここまで来ていたのである。近鉄の例はこうして明らかだが、他の球団も似たり寄ったりである事が、シミュレーション問題でもはっきりした訳だ。こうした頭脳構造が、大局的見地からモノを見る筈もなく、今後も主体性なしにあっちへふらふら、こっちへふらふらを繰り返す事は容易に想像でき、社会保険庁と同じで、まずはプロ野球界そのものの解体を行わないと、真の改革など有り得ないように見えて来る。
《2004.09.13》
NHK
 別に、昨日、今日始まった事ではないと思うが、NHKの不祥事に対する風当たりが今回ばかりは強いようである。NHKは何時も国会中継などをする癖に、海老沢会長が参考人招致された衆院総務委員会については中継しなかった。先日、お詫びと共にダイジェストだけ放送したらしい。実は、この中継、東京のMXテレビが生中継していたのだそうである。さて、この海老沢会長はNHKの民放化を押し進めた人物でもある。NHKにバラエティ番組が増え、ドキュメンタリーが減った(今や教育テレビでは1本も放送されていない)のは、この会長の業績である。その背景には、無論、視聴率がある。いくらスポンサーがいないとは言え、余りに視聴率が低いのでは金を投入する意味があるのか、つまりは視聴料を頂いているのに答えていないのではないのか、ということである。しかし、民放と同じ事をするなら民放にやらせればいいのであって、それこそNHKの存在意味はない。今や、NHKの番組を見ていると、衛星放送やハイビジョンのCMだらけで、この点でも民放に似て来ている。衛星放送を見ていると、「このメッセージを消したければ、住所・氏名と機器のIDを電話しろ」と平気でテロップを出す。こうした体質は、「俺は偉いんだゾ」意識の現れであって、そういう認識を持っていればそこにたかる手合いも必ず現れ、不祥事を招く。いくら「再発防止に努める」などと言ったところで、これからも不祥事は明るみに出ることだろう。
腐ったエリート意識
 横暴なオーナー陣に敢然と戦いを挑んでいる古田選手会長。プロ野球界に、選手会の動きによって僅かながら光明が見え始めた。新規参入に門戸を広げる方向への気配が感じられるようになって来たのである。そもそも、こうしてオーナー側が選手の異議に耳を傾ける事そのものが、ある意味で画期的であろう。ストは可能なら避けて欲しい。しかし、だからと言ってオーナー側の勝手な振る舞いに身を任せていいのだろうか。切り札として使って、可能な限り譲歩を引き出すという、今の作戦は正しいと辛口子は考える。さて、そうした中で頑固に既得権益を守ろうと、後ろ向きな発言を繰り返すのが、今の巨人である。既に視聴率の低迷すら話題にならず、球場にも空席が目立つというのに、プライドだけは40年前と同じだ。今年はパリーグに話題が多く、観客動員数も記録的な伸びを示した。にも関わらず、来期から5球団に縮小する事の愚かさに、いい加減気がついても良さそうなものだが、まだ自分だけがプロ野球を背負っていると思っているらしい。それならパリーグへ移るなどと法螺を吹いたりしないで、巨人だけで新リーグでも作ったらどうか。「まだまだカネはある。選手など幾らでもとれる」(ナベツネ)なんだろうから。
《2004.09.12》
500円
 顧客情報の漏洩が発覚すると、情報の洩れた顧客の所に何故か決まってこの金額が送られて来るそうだ。辛口子の知る限り、この「相場」を最初に作ったのは、ヤフーBB。「誠意」としてこの金額を決めたそうだが、何十万人もが対象になるので、これでも億の話になる。だが、自分の個人情報が500円だと知って、どこか割り切れない思いをする人も多いのではないか。裁判では15000円という数字が出た事もあるそうだ。仮にヤフーBBがこの金額で賠償などしたら、今、会社が存在などしていないだろうが、実は海外ではこの程度は当たり前だという。その位厳しくするからこそ、顧客情報の漏洩防止に本腰を入れるのだ。ネットで買い物をすると、カード情報が洩れるのではないか、と心配する質問をもらう事があるが、米国サイトなら日本の買い物でカードを使うよりも、ずっと安全である。米国は訴訟社会であり、漏洩など万が一にも起こそうものなら、途方も無い金額の損害賠償訴訟が起きるからである。日本の会社はそんな心配はしなくていい(少なくとも今のところは)。店の方も消費者も、セキュリティの意識は低いままだからだ。店はカードで買い物をした客に電話番号の記入など平気でさせるし(そのような規定はなく、記入の必要はない。サインだけでOK)、店のミスでもう一度サインをさせる時も、失敗した紙をそのまま捨てない事もある。某大手デパートは店内の読み取り装置を無線LANで接続、暗号化をしていなかったから近くに車を停めて受信するだけで、カード情報が見放題だったという実話もある。消費者の方も、銀行のATMでカードを使ったあと、出て来る紙をそのままポイと捨てて平気だ。あれにはカード番号等のデータも記入されており、悪意あるハッカーにとって重要な手がかりになるのである。パスワードに誕生日を使うなど当たり前のように行われているし、携帯電話を捨てる時でも中のアドレス帳を消さない場合など珍しくもあるまい。無線ルータが便利だからと、パスワードも設定せずに使う。セキュリティの原点は、自分の情報は自分で守るという意識を持つ事に尽きるのだが、まだまだ道半ばというところであろう。個人情報保護法案が全部守ってくれる訳ではない。このままだと日本では「賠償額」として500円という相場が定着するのではなかろうか。
《2004.09.11》
謎の購買層
 小泉総理のキャラクターグッズ(Tシャツなど)の売上げが、最盛期の1/40に落ちた(ちなみに前年比は1/10)そうである。ブームの時は写真集まで出た覚えがあるが、僅か2年でまさに光陰矢の如しの感。さて売上げ減といえば、三菱系ディーラの売り上げ。こちらは前年比半減と伝えられているのだが、この話を聞いていて不思議に思う事がある。それは一体誰が買っているのか、という事だ。小泉グッズはまだ分かるが、走る凶器である三菱ふそうの車が依然として半分も売れているというのは、にわかには信じがたい。どういう購買層が購入しているのか、調査結果などはないのだろうか。
手抜きETC装置
 日本で一向に普及しないETC(高速道路の料金所をスルーできるアレ)。国土交通省は躍起になって、割引路線を増やしたりして普及に懸命だが、普及しないのは欧州などに比べて割安感が無いからだ。ETCによる割引率がそもそも小さい。割引路線を増やしたと言っても、時間帯が夜半だったりして、そんなもの無くても殆どスルーだったりするが、最大の負担となっているのが車載装置。これが2万円からするのでは、日常的に高速道路を使うユーザでもペイするかどうかである。という批判に答えたのか、最近ではもっと安い車載装置が出ているらしいが、聞く所によるとそういう安い装置は「残高」が表示されないのだそうだ。つまり、まだ残っていると思ってゲートを通ろうとしたら、途端に遮断機が下りて来るという事が有りうるという事である。思わず我が耳を疑った仕様であって、この関係者らは何を考えているのか全く理解不能と言えよう。
《2004.09.09》
変則2リーグの真相
 臨時オーナー会議でセが6チーム、パが5チームの変則2リーグを承認したプロ野球界。120万人分の合併反対署名など、足下に転がっている紙くずと同じであった。変則日程に来シーズンのパリーグファンは、大いに戸惑う事だろう。セパ交流試合もやるとなると、セリーグのファンも「時々」日本シリーズか、などと思うような対戦が来る事になる。選手の記録も訳分からなくなるだろうし、こんな変則的な興行が何年も続けられるはずもなく、これを「実績」にして来シーズンには1リーグ化を押し進めようというのが、あの年寄りトリオ(ナベツネ、堤、宮内)の本音だろう。今シーズンは作戦を誤り(ナベツネの「たかが選手が」発言)、急速な1リーグ化への批判が高まった事から、一旦は引いたように見せ、変則2リーグで混乱する様子を演出して、「だから1リーグにしないといけないんだ」と言い出す様子が目に浮かぶようだ。
 ところで、噂されていたもう一組の合併劇は、間違いなくダイエーとロッテだろう。これが何故頓挫したかというと、ダイエーの立場が固まっていないからだ。本社ダイエーは莫大な負債を抱えて再建中。ここに竹中が割り込んで、ダイエーを再生処理機構にゆだねようと圧力をかけているが(また外資に売ろうとしているらしい)、ダイエー側は今の再建策で再建が可能だとしてそれを突っぱねている。この関係で、ホークスも所有権が曖昧なままなので(再生処理機構の物になったらどうなるか分からない)、合併どころではないのだ。そこで困ったオーナー陣は、西武に何とかならんかと渡りをつけたが、堤は「嫌」と言ったというところであろう。
 球団経営、特にパリーグが厳しいのは事実である。日ハムは快進撃で観客動員も増えているそうだが、札幌ドームの入場料収入も新庄一人の年俸を賄うのにすら足りないと言われるほどだ。だが、球団の進出による、地域経済への貢献は少なくない。低迷する北海道経済に、日ハムの与えている経済効果は、軽く数十億円という試算がある。そうであるなら、その自治体が何らかの支援を行っても良いであろうし、或は自治体そのものが球団を持ってはどうかという考え方もできる。「あぶさん」の水島新司氏は作品中で、四国の4県が共同で出資して球団を四国に誘致したらどうか、というアイデアを公開している。ところがこのオーナー連中の考えているのは、今の「仲良し利権クラブ」を何が何でも維持する事で、その為なら従業員、選手、ファンが犠牲になろうが、新規参入を無視しようが構わないという訳だ。球界のパイを広げる事で全体を発展させれば、自分の実入りも増える筈なのに、こうまで新規参入者を拒否するという事は、恐らくバレたらスキャンダルになるような事を多くしてきているからに違いない。しかも、球団が赤字でも、こういうオーナー連中は高給を受け取っている。一方で「連盟事務局員用の退職金は積み立てていない」(9/5の本欄)のであり、これらを見ても経営者としての資質は論外であると言ってよい。これで選手会に対しては、新球団の参加料を少々減らしてお茶を濁し、ストを中止させれば万々歳なのだろう。なお、大阪府立大学が、ストをやったら経済損失100億円以上という試算をしたらしいが、来年の変則スケジュールでどういう損失が出るのか、1リーグにしたらどうなるのかも計算してほしかった。
《2004.09.08》
映画鑑賞
 沖縄で米軍ヘリが大学へ墜落した時、小泉総理は夏休み中でのんびりと映画鑑賞をしていた、と国会で非難の声が上がっているそうである。確か公開されている首相の予定によると、歌舞伎鑑賞もしていた筈であるが、これを聞いて思い起こすのが、森総理のゴルフ事件である。愛媛海洋水産学校の船がハワイ沖で潜水艦に衝突した時に、森総理がゴルフをしていたと、マスコミが一斉に叩いた件だ。あの時、森総理は即座に電話で対応を指示していたのだが、そんな事はお構い無しにヒステリックなバッシングが起きたのは、まだ記憶に新しい。ゴルフが悪くて映画鑑賞なら良いという理由はどこにあるのだろうか。小泉総理の「答弁」は、「批判する人はなんでも批判します」だったそうで、この総理には日本語がちゃんと通じるのだろうか。そもそも、この主権侵害そのものの事件を、メディアは何故大々的に批判しないのだろうか。ちなみに、あの時、米軍は警察の現場検証すらさせないばかりか、大学の樹木を勝手に伐採、学校の許可を得たと言っているが、大学は否定している。そもそも学長が学内に入れなかったのだ。挙げ句に米軍の司令官が、「ヘリのパイロットは人家を避けて良くやった」と述べて顰蹙を買っている。大学の構内には授業中の教室もあったのである。
《2004.09.07》
くさい匂いは元から断たなきゃ駄目?
 プロ野球選手会の合意により、早ければ11日の週末、プロ野球選手のストが行われる可能性が出た。日刊スポーツなどが緊急に行ったネットアンケートでも、ストは高い支持率を得ており、ファンからの混乱はさほど起きないのではないか。横浜球団事務所が「ストをやったら損害賠償だ」と息巻いているが、請求できるかどうかは法的にも確定していない。それを言うなら、無能な経営者が赤字の穴埋めを自腹でやるのが先ってものだろう。電車のストの場合には、管理職が緊急に穴を埋める事もあるが、野球ではそうはいかない。平素偉そうにしているオーナー連中などが、球を投げたところで3メートルも飛ぶまいからだ。選手会が反対しているのは、言うまでもなく強引な合併劇。ファンも同じであって、大阪の反対デモの先頭には「なめとんのか」という巨大プラカードが上がっていた。辛口子から見ても、合併そのものの是非以前に、そもそも合併以外に道がない理由の明快な説明が、全くされていない事が最大の問題だ。「もう決まった事」なんて言うだけじゃあ、小学校の試験にも落ちる。つまりは繰り返しているように、自分らの無能(経営能力ゼロ、説明能力ゼロ)を棚に上げた保身策であるからこそ、ファンも選手も怒りの声をあげているのである。そういう中、ライブドアも具体的な動きを次々と仕掛けている。今度は野球分野を担当する新会社を設立すると発表した。ここまで来たのなら、折角である。ライブドアが中心となって、新リーグを立ち上げたらどうであろう。セやパからも大勢のプロが来るだろうし、放送だって衛星放送なら充分に見通しが立つ。スポンサーだって集まるだろうし、今のプロ野球機構にへいこらする必要も無くなる。地上波は(どうせ視聴率低迷で打ち切りだ)巨人に好きにさせといて、本当のファンを相手にするのなら、衛星だってネットだってOKだろう。
 ところで、良く比較されるサッカーと野球。何やら一時出た3軍なんてな話が球界にもあるが、根本的にサッカーと野球の違いが出るところがある。それは、サッカーはJ1リーグを頂点としたピラミッド構造となっていて、その中で下から参戦したチームの成績が良ければ、次第に上のリーグに上がり、最終的にはJ1に行く道が用意されている点だ。つまり、どこかの会社がサッカーリーグに参加したいと思ったら、ほぼ自由に下位リーグから参入して上に行く事が可能なのである。野球にそういう可能性はない。参加するにしても数十億円とオーナーらの承認という高い壁があるし、社会人のチームがプロリーグに「昇格」する訳もなく、例の3軍構想でもそういう発想は皆無である。こうして見てくると、根本的には野球界のシステムそのものが老朽化し、まるでどこかの原発のように事故寸前の状態なのだ、という点こそが、根本的な原因であると分かって来る。今のオーナー連中を仮に排除したとしても、その下にぶら下がる関係者の認識がそれに染まっているのである。だとするなら、全く新しい発想の新リーグを立ち上げるというのが、最もローコストな選択なのかもしれないのである。
追いつめられたチェチェン人
 ロシアの小学校テロ事件について、読売新聞だったと思うが、「これでチェチェンに好意的な見方をする所はなくなった」と非難する記事が出ていた。もっともな解説だが、無抵抗な子供や婦女を殺したりすれば、そうなる事くらいチェチェン人だって分かっている。にも関わらずそうしたのだから、それだけ彼らが追いつめられているのだ、という事を頭に置いておかなくてはならない。チェチェンでは侵攻して来たロシア軍に、子供も女性も殺されている。夫や子供を失った未亡人が、テロリストとして活動している事も報じられている。彼らには、もはやそれしか無いのだ。その背景を理解せずして、チェチェンだけを非難しても、問題は何も解決しない。チェチェン人は今や民族消滅の危機に立っているのであり、それも大国の都合によるものである。日本がロシアとチェチェン双方に人道非難でもすれば一目置かれるのだが、米軍が日本の警察を閉め出しても合法だ、などと答弁しているようなスタンスでは、有り得ないシナリオだ。国連常任理事国入りなどと言うのもまだ100年早い。自分の頭で考えられるようになってから、言う事であろう。
《2004.09.05》
ナベツネインタビュー
  毎日新聞が掲載した記事であるが、何かというと憶測や噂、放言ばかりが報道される中、こうした公正な視点によるインタビューを行う姿勢は高く評価して良いと思う。読んでみると、色々と画策している実態が行間からも読み取れて、なかなか面白い。で、その中で特に気のついた点を2つ。

  • 2リーグ制を言い始めた事について
    (ナベツネ)1リーグにした場合、セ・リーグとパ・リーグの連盟事務局をリストラしなきゃならない。(中略)そうなれば退職金を出さなければいけない。だが退職金引当金を積んでいないんですよ
    →要するに、事務局職員の退職は気になるが、球団職員や選手が職を失う事など気にはならない、ということのようである。
  • 球団を減らすだけでいいのか
    (ナベツネ)あるんですよ。立派な企業でプロ野球に500億や300億というおカネを出してもいいという企業が。
    →つまりは、何百億出す企業だろうと売却などなし、最初っから合併という結論ありきであって、リーグ縮小、1リーグ化というシナリオが出来ていたという事である。
 結局は、パックイン・ジャーナルでも言っていたように、40年前の中小企業オーナー社長レベルのメンタリティだという事であろう。従業員だろうが顧客だろうがそんな物は関係ない。俺が社長だ、という訳である。改めて書くが、魂胆は明々白々であって、巨人の人気凋落を何とかするために、対戦相手を変えて新鮮味を出そうとしているのである。更にリーグが1つになれば、全野球界に君臨できる。しかし、ここに至って、2リーグであろうとパリーグに移ればもっとうまい具合に、対戦相手を変えられて自分に逆らったセリーグに嫌がらせが出来る、と思いついたのであろう。
小学校襲撃テロ
 情報が操作されている気配はあるが、ロシアでおきたこの事件、恐らく史上最大級の犠牲者が出るのは確実そうだ。どちらが先に発砲したのかは不明のままだが、間違いなく明らかな事がある。それは通常、こうした場合は安易に人質を殺害するとテロリストの側にとっても、世間から支持を得られないはずであることだ。にも関わらず、人質(子供)に水も与えなかったという事だから、「ロシアに味方する物は全て殺せ」という考え方で来ているとしか考えようがない。それだけ彼らが追いつめられているのだとも言えるが、ロシアに対する恨みつらみがそれだけつのっているという事でもある。テロの根絶などと口で言うのは簡単でも、現実には相手を全滅でもさせない限り、窮鼠猫を噛むの諺通りになる事が示されているのだ。第二次大戦中、あのナチスドイツをもってしても、フランスのレジスタンスを封じ込める事など出来なかったという教訓を、プーチンも、ブッシュも、そしてその腰巾着も学ぶべきであろう。犠牲になるのは、テロリストと言われる人達だけではない。日本だって安全ではなくなるのだ。
《2004.09.04》
却下の理由
 東京地裁(選手会)、大阪地裁(近鉄株主)ともに、近鉄オリックスの合併に異論を唱える訴えを却下した。色々な判断があるのだろうが、選手の雇用について東京地裁は「支配下選手を増やすなどして実質的には雇用は守られる」と述べている。だが、普通の会社の合併とプロ野球との違いがどこまで考慮されているのだろうかと、ふと考えてしまう。いくら支配下選手として数えられようと、試合に出られる頭数は決まっているのだから、出場機会は間違いなく奪われる。サラリーマンとは違い、賃金が保証されている訳でもない。出場機会が奪われれば、翌年の契約更改は厳しくなるであろう。そして恐らく忘れられているのが、球団が無くなるという事は、その球団に所属しているスタッフや職員も職を失うという事である。グラウンドの整備からスカウトまで、その人数は決して「誤差の範囲」ではない。彼らは間違いなく路頭に迷うのである。日本球界のゴタゴタは、海外から奇異に見えるのは当然ながら、この判決も同じように見えてしまうような気がする。いずれにしろ、これで「錦の御旗」を得たかのように、オーナー会議は合併を承認し、一気に突っ走ろうとするであろう。いくらパリーグに移って対戦相手が変わろうと、巨人人気が栄光を取り戻す事など無く、野球人気は先細り、海外からはまたも笑い物になるのだろうが、その頃には今のオーナー連中はこの世にいないという事になるのか。
《2004.09.03》
外国特派員協会とプロ野球
 プロ野球界のゴタゴタは海外からも大いに注目されている。外国特派員協会には古田選手会長が招かれ、講演をした。外国特派員協会の見解は、「日本のプロ野球界は危機に瀕している」であり、招かれたのがオーナーではなく選手会長であった事を、球界の3悪人(ナベツネ、堤、宮内)はどう受け止めているのであろう。「たかが特派員の分際で」とでも言ってみたらどうか。引退劇などどこへやら、ナベツネが今度は2リーグ容認発言を繰り返している。騒動の張本人が、保身の事を考えはじめたという事だろう。
言い換え大好き国民
 差別用語という概念が世に出て以来、後世になれば笑われるであろう「言葉刈り」やら「用語の言い換え」がおさまる気配がない。今度は「痴呆」が対象である。「痴呆」という表現には蔑視(べっし)的な意味が含まれ、何もわからず何もできない、という誤解を招きやすいのだそうだ。実際問題としてこの言葉が使われるのは、いわゆる老人痴呆だと思うが、看護する人にとっては用語が変わった所で目の前の現実が何も変わる訳もない。この一点だけでこうした考え方の馬鹿らしさが分かっても、現実では厚生労働省の音頭で税金が使われ、委員会を開催して新用語が検討されている。この方向が変わらないのなら、やがて「汚職という言葉には悪い意味がつきまとう」とか「背信行為と言われると遺族が不快だ」という考え方が出て来ても不思議ではない。「談合」「違反」「殺意」「詐欺」「贈収賄」「戦争」など悪い意味の言葉を片端から言い換えれば、世の中がクリーンになるとでも言うのであろうか。
 ところで、この差別用語という考え方は、欧米が先らしい。ジプシーをロアと言い換える事などが決まっているが、日本では殊更に馴染んでいるような気がする。これは何故かと考えてみたら、敵性用語というのに思い当たった。太平洋戦争中、敵であるアメリカの言葉であるからけしからんとして、カタカナ語を強引に日本語で言い換えたものである。例えば、野球ではセーフ、アウトを「よし、だめ」とコールした。タバコの名称もゴールデンバットが金鵄(きんし)になった。地名でもシンガポールを昭南島と呼び、歌手のディック・ミネは三根耕一と言ったそうだ。面白いのは、これらが法的な根拠なく自然発生的に国内に広まった事で、やがてジャズが敵性音楽として禁止され、ラジオからは四六時中軍歌が流れるようになっていくのである。日本における差別用語糾弾の動きを見ると、これらと全く同一の性質が感じられるのであって、またも50年たっても日本人のメンタリティは進歩がない、という事にならざるを得ない。
 最後に話を戻すと未来には、痴呆とはまさにこういう連中の為にあった言葉であると言われるのではないだろうか。
Winny裁判
 検察側と弁護側のやりとりが報じられているが、要するに検察側は「何が何でも有罪にしてやる」という信念だけで告訴しているのであって、法的根拠など全く曖昧である。犯罪を誘発しかねないメカニズムが違法だというなら、天下りや入札などもさっさと違法にしてみればよい。この話を聞いていると、かつて頻繁に行われた教科書裁判や猥褻物裁判と同じで、初めに結論ありきという感を強く持つ。京都府警がわざわざ東京まで出向いて作者を告発したのは、京都府警内であやまってWinny経由で捜査情報が漏洩するというドジな事件があった為だという話があるが、今回の告発に際してわざわざ京都府警のトップが「漏洩によるWinnyへの腹いせではない」と聞かれもしないのに会見で述べているのだから、これこそ語るに落ちたというものである。
人質優先
 ロシア南部で武装グループが生徒を人質にとって、学校にたてこもった事件について、プーチン大統領は「人質の安全確保が最優先」だと語っている。以前、モスクワの劇場でやはり武装グループがたてこもった時には、ガスを使って特殊部隊が突入、人質にも犠牲者が出ている。今回はそれへの反省なのか、それとも人質の生徒の中に有力者の子弟がいるかのどちらかであろう。学校にたてこもった武装グループが子供だけの釈放を拒否している事から見て、後者の可能性が高いのではないか。
《2004.09.02》
郵政民営化
 小泉総理は、構造改革を実現した実績として、これを何が何でもやるつもりらしい。民営化というと、良い事のように受け取られがちであるが、はっきり言って国民にとって良い事など無い。そもそもは、いわゆる財政投融資、つまり郵貯や簡易保険で集まった膨大な金が、意味のない公共事業や天下りの為の外郭団体に流れ、有効に活用されていない事が問題であった。ところが、最近の議論は、郵政事業全部を民営化するような話に流れつつある。先にゆうパックがローソンと提携する事に反対して、ヤマト運輸が新聞に意見広告を出した。広告の表現はかなり回りくどいものであったようだが、話は簡単だ。勝負にならないから、ローソンでの集荷はやめるという事である。何故勝負にならないか。これも簡単でゆうパックが圧倒的にコスト面で有利だからである。郵政公社は会社としての税金を払っていない。ヤマト運輸は当然税金を払っているから、その分、コストで不利になる。また、郵政省のお墨付きという事で、郵便配達の車は一方通行を逆行しても良いのだそうだ。配達のコスト(金額も時間も)についても、これでは勝ち目がない。ヤマト運輸は一貫して今の郵政民営化論に反対しているが、その理由の一つがこれである。民営化によって、完全に民間会社になるならともかく、実際にはこうした既得権益付きになるのは明らかで、このまま行けば新たな天下り先としてのさばる事は目に見えているのである。更に、会社になったら、郵便料金にもコスト計算がきっちりとかかってくる。離島に出すハガキが50円で済む訳がなくなるのだ。国民はそれでいいのか。世界のどこを見ても、民間に委託するとしても集配くらいなもので、実際の郵便事業は税金で行われている。インフラというのは、そもそもコストとしてはペイしないものであり、だからこそ民間では出来ないので国がやるのだ。高速道路も本来は同じであって、ドイツを含め先進国では税金で作り、それによって社会が発展する事で納税額が増えるという仕組みをとっている。日本は国が税金を使わずに、新たな公社を作って利用者にコストを負担させる仕組みを作ったのは、今では良く理解されているだろう。日本の郵貯や簡易保険で集まった金は、先の発表でもまっとうな運用すら行われていない。運用成績は大赤字だそうだ。運用担当の役人が素人同然なのだから仕方がないが、実際にはそれは銀行に丸投げされ、赤字になろうと手数料はきっちりと銀行に支払われているので、ここでも無駄が平然と行われている事になる。無論、運用成績がどうであろうと、担当した役人には何も影響はない。また、いわゆる財政投融資の他に、例えば一般会計への「貸し出し」という形で何兆円もの金が流れている。先日も書いた事だが、借りた側の一般会計はそれを節約して返すのではなく、新たに国債を発行して返すのだ。ところが、今や一般会計は国債の利払いだけでも圧迫されていて、新規国債の発行が出来ない。よって返却が滞っており、ここでも事実上、垂れ流しに使われている。かような金の流れが、今の民営化議論の結果、改善されるというような見込みは殆どない。今のまま民営化が進んだら、国民は一層高い金を郵便に払い、宅配便は民間が衰退し、財政投融資は元のままで、新たな郵政会社は天下りの巣となるだろう。今の郵政民営化論を新聞で読む時は、それが郵政族の利権確保の戦いだと思って読むと良い。話が全てそれで見えてくる筈である。役人は何も節約をせず、国の財政赤字の一部が、こうして国民にのしかかるのである。
《2004.09.01》
信条
 財界が、首相の靖国神社参拝を、日中友好の観点から控えた方がいいのではないか、との要望をした時に、小泉総理は「これは私の信条であり、変えるつもりはない」と繰り返したと報道されている。日中友好は自分の願いでもあるが、それとこれは別であって、中国側も理解している、との事である。無論、主義信条は憲法で保証されている権利であるから、首相個人がどのような信条をお持ちであろうとそれは構わないのだが、日本を代表する立場でもあるのだから(いくら個人の資格だと言っても公用車で行き公費でガードがついてである)大局的見地から見直してみる、という方向には考えないのが首相という訳だ。以前、パックイン・ジャーナルで言っていた事でもあるが、首相に限らず(日本にも限らず)、周囲の声を無視して自分のやりたい事をゴリ押しする事を、指導力だと勘違いしている人が増えているようである。そういえば、靖国神社で問題になっている戦犯を別の場所に移す計画は、たち切れになっているらしい(福田前官房長官が推進役だったが辞任した為)。このまま行けば、首相が靖国神社参拝を続ける事で、中国の反日感情がまた高まるのは間違いない。政治的につけ込まれるスキも作る事になる。首相個人の信条を貫き通す事と、国家の利益を考えた時、その両者のメリットとデメリットを比較して、それでも参拝した方がこういうメリットがある、というような説明くらいはして欲しかったものであるが、改めて考えてみるまでもなく、小泉手法は「わかりやすいワンフレーズ」に尽きるのだから、そもそも無理なのだろう。ところで、このようにワンフレーズで突き進む小泉総理に対しては、独裁者と言うフレーズを与える向きもある。言葉だけは明確だが、何の実現性もなく、気がつくと国民の権利は制限がどんどんきつくなり、日米の「軍事同盟」は進み、日本がとんでもない事になっている、というシナリオを、かつて民主党の議員となった大橋巨泉氏が氏の個人サイトに書いている。氏のコラム「内遊外歓」の500回記念などに詳しい。基本的に辛口子も同感である。

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