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で、その先は? 自民党の安倍代議士。「北朝鮮へ経済制裁の段階に入った」と述べ、具体的検討にかかる姿勢を示した。先日も本欄で書いた事だが、一体経済制裁という言葉の意味が分かっているのだろうか。別に手順を発表し、経済制裁を発表するのはいいが、実行したとして、その先に何が起きるのかを、少しは考えた上での行動とはとても思えない。北朝鮮があっさり折れるなど考えられないばかりか(実際に北朝鮮は日本の援助で生き延びている訳ではない)、人類の歴史上、経済制裁をしてコトが前向きに進んだ事など一度もなく、殆どは戦争に突入しているし、そうでなければ何も進展しないままに終わっている。経済制裁って言うと何だか単なる貿易停止みたいに考えるが、外交上で経済制裁と言った場合、事実上の宣戦布告に近いのであって、北朝鮮が公式に北京の日本大使館に対して警告しているのは、しごくもっともなのだ。北朝鮮に誠意がないと言って経済制裁論をふりかざすのは、「あいつは嘘つきだから面白くない。家に石でも投げてやろうぜ」というレベルの発想で、まさに小学生並みと言う他はない。NHKに対して事実上の圧力をかけた事がバレてもコトの重大さが理解できていないようだし、この安倍代議士、これまではもう少しましな人物だと思っていただけに、いささか失望である。 |
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不死身の妖怪 社会保険庁の解体論が政府部内でも高まっているらしい。だが、安心してはいけないそうだ。例によってパックイン・ジャーナルを見ていたが、簡単に言うと看板のかけかえで終わるであろうし、恐らく更に悪くなるであろう、との事。つまり、例えば省庁の天下り先として有名な外郭団体を独立行政法人にして、改革だと言っているのと同じだそうだ。独立行政法人ってのは、政府からはコントロールが効かなくなり(独立性が高い)、その結果として内部監査も出来なくなって退職金や給料は出し放題なのにも関わらず、予算面では政府の庇護を受けるという形態だそうで、何のことはない、更に野放しになるのである。で、これを小泉は改革と言っているのだ。社会保険庁もそのような形態になる可能性は非常に高い。文字通りの意味で解体されるのなら、社会保険庁が黙っている訳が無い。妨害工作に討って出ないという事は、実は自分らの保身に確信があるからに他ならないのだ。ではどうにもならないのだろうか。基本的には現在の日本では先行きは暗い。敢えて小泉内閣にも弁護の余地があるとするなら、とにかく官僚機構の伏魔殿ぶりは半端ではないのである。連中は自分らの既得権益を守るためなら、国が潰れようが国民が飢えようが知った事ではないのだ。例えば、日本には先ほど成立した情報公開法がちゃんとある。これによって、国の防衛に関わるような機密でない限り、請求された情報を役所は出さなくてはならない筈なのだが、実際に国会議員がその職務権限に基づいて請求しても、出て来る書類は黒く塗りつぶされているのだそうだ。理由を問いただすと、個人に迷惑がかかるとか、○○方面に迷惑がかかるとかいう理屈が返って来るらしい。誰が迷惑を被るのかを知るための公開法なのだが、法律があってすらこういう対応を取るのが官僚だ。そればかりではない。例えばNHK。先の海老沢会長の顧問給料について金額が公開されないのだが、その理由が「会長個人の問題ですから」と平気で言う訳である。何が個人の問題だ。その金は国民から集めた聴取料ではないか。そもそもNHKも組織としては、会長の上に経営委員会があり、会長はこの委員会の任命事項になっているらしいのだが、それすら機能しておらず、勝手に顧問への横滑りが行われているのだ。この委員会など盲腸並みの働きもしていないという事になる。無論、その委員も少なからぬ給料をもらっている。つまり、日本は法律も整備されていないばかりか、例え整備しても平然とそれを破るという慣習が、上層部のあらゆる所に行き渡っているのである。これでどうにかするとなれば、あとは信長の出現でも待って比叡山焼き討ちでもするしかなくなるのだが、これはこれで非常に危険な傾向である。これから現れる信長の掲げている旗が鈎十字(ハーケンクロイツ)ではないという保証がないからだ。一方で個人の権利を制限する事であれば、官僚は法律以上に良く働く。国歌国旗法案が出来る時、政府は強制するものではないと何度も説明したが、教育現場では起立しなかったというだけで職員に処分が下っているのだ。政府の借金は地方の抱えるものを加えると、実に700兆円とも言われる。にも関わらず、公務員の削減はおろか、配置転換も行わず、省庁再編は文字通りの再編であって規模は全く合理化されず、支出は変わらぬままで消費税増税、配偶者控除の廃止、基礎控除の廃止、年金徴収料の値上げ、と搾り取るための施策は万全だ。国民保護法も成立し、反旗を翻した時の弾圧準備も着々と進行中である。善良な市民に迷惑がかかるという名目が立つからだ。結局、日本には民主主義が浸透していないのであろう。一般公務員の名誉の為に言っておくと、現場はおおむね非常に優秀であり、勤務も真面目だ。ところが上に行くと腐敗しきるのである。馬鹿が何故出世するのか、という問題もあるが、とにもかくにも上層部はエリート意識の塊になって、下界の事など知るつもりもなく、上のご機嫌伺いと自分らの保身にばかり頭を使うのである。諸外国でもこういう傾向が無い訳ではないが、日本が違うのはこれに対するフィードバックが働かない点であろう。チェックする筈の委員会は機能しないどころか、提灯持ちになる。政党が変わらないから、という指摘もあるが、二大政党制が成り立つには、異なる意見が存在できなくてはならない。ところが、日本は島国根性とムラ意識の為に、二つの意見が国を分けて対立したなどという事がないのだ。だから、民主党も自民党と同じような事しか主張しない。しかし、それでも政党が変わる事には意味があり、まずはそこからやらなくては何も変わらないという指摘は確かにその通りである。まだるっこしいが、とにかく政党を変える事が第一歩であり、選挙の時に特に入れたい候補者がいないのなら、無条件で野党に入れる事くらいしか、当面可能な方法は無いだろう。ただし、次の国政選挙は2年先であるのだが。 |
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退職金の方が気になる 批判の電話やファクスが、一説によると1万件以上殺到し、NHKは渋々と海老沢元会長らの顧問就任を取りやめた。今のNHKに「異議あり」と思っている視聴者は、NHKの予想を遥かに越えているようだ。認識の甘さは言うまでもなく、無論、顧問としての給料は支払われないそうだが、それより気になるのは2億5千万とも囁かれる会長の退職金ではなかろうか。これも事実上、全部視聴料からだし、これは撤回される筈もない。新経営陣も海老沢の子分と言われており、顧問でなくても色々な形での影響力は残るであろう。日本人気質とはそういうもので、米国のようにトップが正反対の人物に入れ替わる事はまず無いし、その場合でもスタッフが大幅に入れ替わる事は絶対にない。良い例が社会保険庁である。トップだけは民間出身を立てても、実動部隊は何も変わらないので、組織としての動きも何も変わらないのだ。NHKの場合はトップが変わったと言っても、単にトコロテン式の順送りに近いので、輪をかけて変わるという期待は持てそうにない。前体制を批判して来た人間をアサインでもしたのならまだ評価は出来るが・・・NHKは視聴料(聴取料と正式には言うそうだ)で成り立っているので、受信機が行き渡ってしまったら、それ以上の増収を望めない。だから衛星放送を推進し、新たな視聴料獲得を目指してきたのだ。地上波デジタルもさっさと先走っているのは、その意味合いがあるに違いない。NHKは現在、地上波デジタルの文字放送で、インターネットとのリンクを開始しており、勝手にやるなと民放からも非難の声が上がっている。今、辛口子は古い録画のライブラリ化を行っている。ほんの10年程前のNHKは海外の優れたドキュメンタリーを多数放送、NHK独自のドキュメンタリーとしても放送開始70年を記念した映像の20世紀など、非常に密度の高い作品を多く放送していたのだ、と痛感する。大規模な物ばかりではなく、四国で今も作られている蒟醤(きんま、と読む)という漆器作りの話を取り上げ、それが実はミャンマーにルーツがあるなど、日本の足下からも様々なテーマを掘り下げていたが、今の放送欄からはそうした物は激減している。NHKの存在は民放では出来ない質の高い番組を流す事であろうから、バラエティに走る必要もないし、チャンネル数をやたら増やす必要も無いし、組織を巨大化する必要もない筈だ。それが出来ないのなら、不要である。海老沢体制の経営陣が行って来たのは、単なる金儲け主義だ。札ビラでしか物を考えられない奴に金なぞやってたまるか。そう思っている人が多いからこそ、視聴料不払いが激増しているのだろう。紅白の視聴率など、怪しいものではなかろうか。 |
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刈り取り放題 神奈川県の横浜市で、架空の出会い系サイトを開設して金を集めていた連中が逮捕となった。記事によると被害総額は3億円以上、被害者は1500人以上というから、単純計算で一人20万円という事になる。架空という訳だから、実際の出会いなど影も形もなかった筈で、話だけで請求されるままに金を払うのがこれだけ沢山いたという事であろう。いわゆる振込詐欺といい、まさにカモは幾らでもいるという訳だ。やめられない、止まらない・・・ |
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絞り取り放題 音楽のダウンロード販売が世界では急成長、アップルが先頭を走っており累積販売曲で2億5千万曲を突破したそうだ。一曲がほぼ1ドルで売られているので、売上げ額は見てのとおり。これに対して完全に乗り遅れているのが日本。音楽業界の権益抱え込みの弊害で、日本の音楽ファンはその恩恵に預かれない。日本での音楽ダウンロード販売が無い訳ではないが、制限が厳しく値段も高くて話にならない。加えて言うまでもなく音楽業界自身が自分の首を締める結果になっているというのに、業界からは反省の気配もない。国内曲ならまだともかく、海外曲の海外からのダウンロード販売すら認めないのだ。それどころか昨年には政府に働きかけて、海外版の輸入CD差し止め権すら手にした。オリコンが2月から何やら過去の録音についての大規模ダウンロード販売を開始するそうだが、どうやらアップルのような自在に携帯再生装置に移せる形にはならず、従来のシステムと同じらしい。関係者は驚異的な売上げが期待できると誇らしげに語っているが、まだ分からんのか、というのが一般消費者の受け取り方だろう。一方で、世界で普及など加速してもいないデジタルテレビだけは、せっせと売りまくろうとしており、政府も後押しをしてあと6年弱で今の地上波放送を強制的に無くすという「上意下達」だ。デジタルテレビは今のテレビとは全く互換性がない。デジタル地上波とデジタル衛星との間すら非互換だ。よって大量のテレビ(ビデオ等を含む)の買い換え需要が強制できるという皮算用が最初にあるのは明らかで、日本という国は消費者の恩恵というものを全く考えない国家だという事が良く分かるだろう。 |
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何とかは死ぬまで・・・ 長崎県の教育委員会が県内の小学生3600人に行った意識調査で、「死んだ人が生き返る」と回答した生徒が15%ほどいたそうである。読売新聞などが報じている。ここで聞きたい。だからどうだというのだ。死という概念は荘厳なもので、年齢を重ねた哲学者ですら頭を抱える命題だ。この教育委員会の連中は、自分が小学生の頃には「死」をちゃんと理解できていたと胸を張って言えるのか。恐らく、そんな事は健忘症の彼方であろう。よって、自分は生まれた時から今の頭を持っていたとでも思っているに違いない。子供にとって、死とは理解しがたい概念である。辛口子は覚えているが、今から30年以上前、デパートの昆虫売り場に死んだカブトムシを持って来て「電池換えて」と言った子供がいた、という記事が新聞に出ていたのだ。子供なんてそんなもんである。身近な人の死体でも見ていれば少しは話は違うだろうが、やれ「心の傷」だの何だのと理屈をつけて、必死にそれらを隠しまくっているのは大人の方だ。津波の被害で死体の列でも映してから、「子供の理解」などと言えというものであろう。それでゲームやアニメしか見ていなければ、「ゲームでリセットできるから」という回答が7%あったって、当たり前の話である。子供同士が悪口のかけあいをする時には、「馬鹿は死ぬまで直らないって言うんだぜ」とか、「ばっかだなー、死んだって直らなねえよ」などとやり合うものだ。その時に、死というものを理解した上で言っている訳がないであろう。 欧州には、こんな格言(人生訓)があるそうだ。
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適材適所 愛媛県警の不正経理を内部告発した巡査部長に、事実上閑職に追いやるような異動が内示され、報復人事であると当人が告訴も検討しているらしい。面白かったのが、同県警警務課の船田という次長で、「異動は業務の効率化や本人の実績、経歴などを考慮して適材適所に配置している」とコメント。なるほど、『本人の実績』(内部告発)を考慮した『適材適所』(仕事を干す)という訳で、語るに落ちたというところか。 |
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カードの管理 ゴルフ場の更衣室に隠しカメラを用意、ロッカーからカードを盗んで複製、それを使って預金を引出す犯罪が摘発されたのは先日である。カメラを使うのは、ロッカーの番号錠を見るためで、その番号がカードの暗唱番号と同一の場合が多かったので、犯罪者にとって美味しかったらしい。問題は被害者のその後である。24日付読売新聞が記事にしているように、銀行は知らん顔をするからだ。約款には、被害者の落ち度でない限り保証するような事が書いてあるが、実際には「暗唱番号を知られたのはアンタの責任でしょ」という訳だ。誕生日を使わないなど、管理に気をつけていても、同じ理屈でシカトするのである。これに対し、欧米では一定額の「罰金」を除いた額を保証するのが普通であり、法律でも定められているという。一日に余りに大きい額が連続して引出された場合は、取引を一時停止するような措置もされている。言うまでもなく日本にはそうした法律もシステムもない。強引に成立させた国民保護法という名が笑う。ところで、この問題。実は数年前にも良く似た点で指摘がされている。それは、大々的に宣伝されたデビット・カードだ。クレジットカードのような体裁だが、即座に銀行口座から引き落とされる点が違う。このシステム、元々は欧米で始まっているが、日本のシステムが欧米のそれと大きく異なる点が一つある。それは一日あたりの引き出し限度額が欧米では3万円程度なのに対し、日本は口座にある限り無制限である事だ。欧米のシステムが常に使用者の事を考えているのに比べ、日本はとにかく金をいかに使わせるかという事ばかり念頭に置いているのが良く分かるだろう。従って、そうしたシステムを使う消費者の側も、自己防衛を行わなくてはならない。 具体的には、カードの暗唱番号に留意するのは無論のこと、
ついでにクレジットカードについても触れておきたい。クレジットはこうした銀行のキャッシュカードに比べると、セキュリティ面ではずっと進歩している。不正な使用に対しては保険がかかっているので、間違って不正に使われても大抵の場合は保証される。ただ、気をつけなくてはならない点もある。カード番号を読取られる危険性だ。何度も事故を起こしたら、ユーザそのものの信用実績が下がる。先のゴルフ場でのカード事故は、盗んだカードをその場で読取り機にかけ、データだけ頂戴してカードは戻し、そのデータでカードを複製したと言われる。クレジットでも、買い物をする時、店員が装置にカードを通すが、その時に、読取り機に「盗聴器」が仕掛けられ、データが盗み聞きされるという事件が実際に起きている。店が関与しているのではなく、誰かがスキを見て盗聴器を仕掛けたのだ。もっとひどい例がある。ある大手百貨店が店内のカード読取り装置を無線LANに接続したが、暗号化を何も施していなかった為、無線LAN装置を搭載したノートパソコンで、流れるデータが読取り放題だったという話だ。このように、日本では買い物をする時にカードを使う事自体が危険である、というのが現実である。日本の企業、特に大手と名がつく所ほど、セキュリティというものが理解できていないと思って良い。ヤフーBBに至っては顧客情報が洩れたときに、一人500円という世界にも稀な低い保証金の相場をさっさと作っている位で、反省の色などかけらもない。つまり、余程大きな金額でもない限り現金が一番安全なのだ。 なお、インターネットでの買い物は案外安心だ。特に米国など欧米系サイトの買い物でカード番号が不正に使われる事はまずないと思って良い。米国で情報流出などの事故を起こそうものなら、訴訟の嵐で間違いなく会社は破綻するので(500円で満足するのは日本人くらい)、従業員のモラルも徹底されているからだ。ただし、サイトを偽ってカード番号を入力させようとする、フィッシングという詐欺にだけは気をつけなくてはならない。メールか何かで直接カード情報入力画面に誘導しようとしていたら、それはまず100%詐欺だと見よう。 |
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民主選挙 イラク南部のサマワ(自衛隊駐屯地方だ)で、イラク選挙の候補者が演説をした、などと新聞が報じているが、選挙が近づくに連れてイラク各地での爆弾破裂が頻発し、毎日何十人もが巻き込まれている事は小さな記事にしかならない。実はサマワなどは例外中の例外であって、22日放送のパックイン・ジャーナルによると、イラクではとにかく選挙候補者名簿を公表などしようものなら、候補者そのものが殺されかねないので候補者は秘密なのだそうだ。それでも全部が比例代表制なので候補者の名前は直接分からなくても政党名が分かれば理屈の上ではいいのであるが、今度は投票所の場所を明らかにすると、そこも爆破の対象となりかねないので、投票所も秘密だという。更にバクダッド国際空港も一時閉鎖するというのだから、事態は容易ならぬものである事が察せられよう。国連も危険すぎて選挙監視団を派遣できないと発表した。ところでアメリカはとにかく形だけでも「民主選挙」が無事行われた事にしなくてはならないのだが、こういう情勢で投票率すらまともには集計できないという事になると、ある意味、アメリカの思惑通りともなってしまう。「選挙が出来たんだ」と言い張れば、逆に反論がしにくいからだ。ブッシュ大統領は就任演説で「自由の拡大」を強調した。無論、米国流の自由であるが、皮肉な事に米国自身の自由が効かなくなってきている。イラクでの戦闘は毎月1兆円の費用がかかっていると言われる。米国の財政赤字は日本の献金も空しく深刻化の一途で、米政府内部では軍事費の削減、具体的には原潜建造の延期、ミサイル防衛計画の見直し(多分中止)、戦闘機購入台数の削減などが上がっているらしい。先に、米政府がハッブル宇宙望遠鏡の廃棄を表明したが、これも裏には財政難があるからに他ならない。ミサイル防衛計画の方には日本はさっさと便乗し、既に数千億円を支払っているが、数発の実験で結果は散々に終わる事になりそうだ。元々、これは飛んで来る銃弾を確認してからライフルで銃弾を打ち落とすようなシステムで、まともに出来る筈がない事は常に指摘されていた。ゴルゴ13にもこれをネタにしたエピソードがあり、中国はシステムの限界を見極めると共に米国の狙いがイスラエル配備にあると見抜いて話に乗らなかったが、日本は揉み手で資金援助を約束している。 |
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レーダー 「マッシュ」という朝鮮戦争を茶化した映画がある。それに、司令官直属の秘書が出て来る。あだ名がレーダー。上司の意向を汲み取る達人で、「あ〜、それと明日・・・」と司令官が言い始めると、途端に「明日は午前10時から誰々との打ち合わせであります。その後昼食会には・・・」と一気にまくしたてるという具合で、まさにエスパーである。太鼓持ちという言葉があって、せっせと上司にごまをする奴をそう言うが、その上を行く。つまり、上司の先を行く訳である。この人物そのものは映画が作ったフィクションかと思っていたら、実在しているらしい。それは今度米国国務長官に就任しようとしているライス女史である。学生時代から研究室の教授の言う事を「先読み」する名人として名高かったのだそうで(ゴルゴ13の最近のエピソードにも、この女史をモデルにした話が出ている)、今回、ブッシュ政権で遂に口八丁によって頂上まで昇り詰めようとしている訳だ。(正確には常に上の意向を汲み取る事しか出来ないので、頂上には行けない。その一段下が限界である) 個人的には、このライス女史、初めて見た時に1984年頃の米国SFドラマ「V」を連想した。ある日上空に巨大なUFOが現れる。そこから降り立った宇宙人は人間そっくりで、友好的な態度を見せるのだが、どうも話がうますぎると疑問を抱き、宇宙船に侵入したジャーナリストが、彼らは爬虫類から進化した生物で人間の皮をかぶっており、真の目的は食料調達に来たのだと知るところから長い戦いが始まる、というドラマである。この番組に出て来る宇宙人側の司令官が、ダイアナという役名でこれがこのライス女史と雰囲気がそっくりなのだ。ライス女史の事を知性的と見る判断がメディアに書かれているが、どこに知性の影があるのか個人的には認識できない。特に目が不気味だ。まさに爬虫類である。古代中国の秦に、後に名を残す有名な宰相の趙高というのがいた。無能な皇帝に取り入って権力を思うがままにした人物である。馬鹿という言葉は、この趙高が皇帝の前に鹿を差し出し、「これは馬でございます」と言った時、周囲の側近はおろか、当の皇帝もNOと言えなかった事から来ている。今の米国で、まさにこの繰り返しが起きようとしている訳だ。 さて、レーダーどころか米国政府の幇間となっている小泉政権。今、郵政改革を強引に行おうとしている。道路公団改革が見事に失敗した為に、論点をそらすのに必死なのだが、もう一つ、重要な意味がありそうだ。それは、政府が最大限に主張している郵貯を使った大銀行の創設である。この新銀行、規模が大きい(なにせ郵貯は350兆円と言われる)から既存の銀行を圧迫するだけではない。新銀行の株式は1/4が政府保有だそうだから、実質的に政府が首ねっこを押さえる形になる。こうなってくると、小泉と竹中の目論みが見えて来るのではなかろうか。郵貯は国の金であった。民間に自由に流す訳にはいかない。それが結局財政投融資という形で天下りへ流れたという事はあるのだが、今回、民営化によってそうした金を民間に自由に出す事が可能になるのである。さて、小泉政権は昨年1年だけで32兆円という巨額の米国債を購入した。今度は、その10倍もの金を動かす事が可能になるのである。その金が民間を潤すのなら問題はない。だが、それが米国の赤字穴埋めに使われるとしたら、長銀だの何だのと日本を切り売りしてきた竹中大臣と小泉総理にとって、これは最大にして最後の米国向け貢ぎ物に違いない。ちなみに、ドラマ「V」にもエイリアンと結託して私腹を肥やし、同胞である人類を裏切る奴らが出て来ていた。 |
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ザ・津波 年末に起きたスマトラ沖地震は、観光地を津波が襲ったため、たまたまビデオカメラを持っていた観光客が生々しいシーンを撮影しているケースが多い。そうした映像は、インターネットでも幾つか探す事が出来る。見てみると、津波という言葉から想像する、特撮映画のシーンとは随分違う。高い波が迫って来るのではなく、海から海水が流れ込んで来るのである。やがてその量はぐんぐん増大し、二階の上まで水が流れ始める。つまり、水面が盛り上がるというよりは、逆に自分のいる地面が沈み込んで行き、そこに周囲から海水がなだれこんでくるイメージに近い。これは実際に見てみるまで、辛口子にも想像できない事であった。従って、津波に遭遇したら、水平に逃げても意味はなく、とにかく電柱でもビルでもいいから高い所に駆け上がるのが一番だ、というのが実感として理解できるのである。水平に逃げたのではカール・ルイスでも逃げ切れない。垂直方向ならビルが崩壊する可能性もあるが、少なくとも助かる確率はゼロではないのだ。津波の押し寄せる場面がこのようにリアルに撮影される例はそう多くない筈で、研究資料としても価値が高いのではないか。と、思うのだが、何故か日本のメディアはこうした映像を殆ど流していないようだ。辛口子本人も見ていないし、周囲の何人かに聞いてみても、見た覚えがないと言うので、ひょっとすると全く流していないのかもしれない。書いたように、動く絵で見るインパクトは強烈で、専門家などが100万語を費やして説明するよりも、遥かに広く確実な啓蒙を行えると思うのだが、例によって日本のメディアの考えている事は全く理解の範囲を越えている。こうした貴重な映像を手に入れて紹介する事など全くせず、何時の映像か分かりもしない北朝鮮の軍事パレードなどは、飽き飽きするまで流し続けるのだから。 |
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幇間無策 政府は、地方の活性化につながる事業に出資した個人を対象に、減税措置を行う法案を提出するそうである。ただし、減税と言っても株式投資への所得課税のみ。誰が見たって、対象になる層は非常に稀であろうし、事実上のポーズだけ法案である。小泉内閣の構造改革とは、アメリカにへいこらし、中央と大企業さえ良ければ、地方や弱者がいくら犠牲になろうと知った事ではない、というものであったが、今やそれがバレバレになってきて支持率も30%になり、慌てて体裁を整えていると見るのが普通ではなかろうか。昨日、日本の母子家庭が急増しているという報道があった。過去5年で3割近く増え、公式な統計で120万世帯を越える。平均年収は200万ちょいで、経済的にも困窮状態にある事が伺える。政府の説明では、不況で就職もままならない事を理由にあげているが、触れていない点がある事は報じられていない。母子世帯が増えているのは離婚の急増によるもので、死別によるケースは5年前より減っているのだそうだが、それであるなら子供への扶養金が元の夫から支払われるはずだという推理である。ところが経済的に困窮しているという事は、それが殆ど無いという事に違いない。この事から考えて、例えばリストラ(便利に使われる言葉だが、本来は構造転換の筈なのに、事実上クビの意味だ)で家庭にローンの重みがずっしりとのしかかり、それを苦にしてやむを得ず離婚に至ったのではないかという仮設が成り立つのである。政府は母子家庭への保護政策など殆どとっていない。今週号の週刊モーニング「カバチタレ」にもあるが、個人の権利を制限する法律はどんどん量産しておきながら、不況の直撃を食らう弱者の救済策など皆無である。失業者が急増したら原資が底をついたと言って(実際にこういう金があちこちの施設に化けていた事は昨年何度も報じられた)、失業手当を減らす政策をとっている位だ。120万世帯に一世帯あたり100万円を渡すとすると、その金額は1兆2千億円になるが、これは昨年、政府が絶対売らないという特約をつけて購入した米国債(32兆円)の26分の1に過ぎない。 |
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神童 読売新聞によると、世界では今、米ブッシュ大統領をネタにしたジョークが流行っているのだそうだ。「神とアメリカ人の違いは何か」「神は自分をアメリカ人だとは思っていない点である」など。その中にこういうのがあるそうな。「ブッシュは神童である。10歳にして今と同じ位の知能を有していたのだから」。歴代大統領もジョークネタにはされてきたが、今のブッシュ大統領は格別、人気があるらしい。さて、話は身近に戻る。1月5日の本欄(下方)で、テレビ朝日のプロレス中継のひどさについて触れているが、昨日、今度はフジTV系が深夜に放送しているWWEという米団体のプロレス番組を見てみた。始まると何やら男のキャスターが出て来て、そこに女の出演者が3人ほど加わって、延々とおしゃべりである。無論、日本のスタジオである。当然、本家のプロレスシーンもちゃんと流れるのだが、その合間(どっちが合間か分からない位の割合だ)にはまたこの4人のおしゃべりである。それも、番組本編の理解を助けるような話ならともかく、飲み屋の雑談みたいのが延々と続くのだから、例によっていささか呆れ果てたのであった。なお、同じWWEの中継はスカパーのJSPORTSでもやっているが、こちらは解説おしゃべりなど無しにいきなり本編で、時間一杯、本家の内容を流している。これで思い出すのが、かつてパリダカがブームになった時である。NHKが特集して人気に火がついたのだが、それを民放が権利を買い取って深夜に放送するようになったら、これと同じようにゲスト出演者のおしゃべりがやたらと目立つ構成になった。結果として視聴率も上がらずに数年で番組は終息である。同じ事が何年たっても、延々と続いている訳だ。こんな指摘は今更改めて繰り返すまでもないが、では何故、地上波民放はこういう事をやるのだろうか。答は幾つも考えられるが、要するに番組を作っている連中は、視聴者を馬鹿だと思っているのではないかと思い立つに至った。馬鹿だから、色々と細かい事、余計な事とも思えるような物でも、並べてやらないといけないのだと考えたとするなら、こうした番組構成にする理由も納得がいく。先のテレビ朝日プロレス中継のように、本筋に先立って「○○の歴史」なんてのを延々と流すのも、視聴者は馬鹿であるから○○についてなんて、何も知らないに違いないと思ったからであろう。実際は逆であって、馬鹿がどちらかなのは言うまでもない。従って、本当の○○ファンは嫌気がさして離れて行くのだ。で、オチであるが、このように放送界やメディアを含め、日本でも至るところに「神童」ばかりがいるではないか、ということなのであった。プロ野球のオーナー連中や民放連の会長など、10歳どころかもっと早熟だろう。ところで、プロレス番組ではテレビ東京が月曜深夜に放送しているプロレスラブが例外的に面白い。バラエティ的構成だが、作っている人間がプロレスに通じていて、好きである事が良く伝わって来る内容だし、事実、この番組が始まって以来、会場に来る客が大幅に増えたそうだ。知恵なきバラエティ番組との差ははっきりとしている。 |
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腐った組織 NHKが政治圧力によって、番組内容を改編したという問題。NHKがなりふり構わぬ反撃ぶりである。告発した当人が「あれだけ時間をかけて分からなかった事が、僅か数時間で判明したとニュースで流れるとは」とあきれかえるほど。まさに告白のとおり、腐り切った上層部であり、組織である。なにしろ、問答無用で朝日新聞にも噛み付くのである。尊大という言葉がぴったりとくる。NHKについては海老沢体制になってから、疑問符の付く事が多い。教育テレビからドキュメンタリーが消えた。やたらとバラエティが増えた。ニュースにまでバラエティ化が進んでいる。衛星放送で受信してみると、受信設備のカードIDを教えろとしつこく画面に出す。紅白のプロデューサが不祥事で逮捕されているが、上層部が腐っていなければ現場がああいう動きなどしないものだ。今の海老沢会長が退陣したとして、どれだけこれが改善されるか分からないが、辛口子としては衛星放送でのカードID請求メッセージが出続けている限り、NHKの体質は変わっていないと見なす事にしている。無論、メッセージは今も出続けている。文面はお願いと言っているが、1時間以上出続けるのだから、これは脅迫である。IDを教えれば消えるそうだが、私は絶対に教える気などない。なお、これに政治圧力をかけたと伝えられる二人の代議士。確かに口頭で述べたセリフは、命令ではなかったかもしれない。だが、政治家から「公平を期すように」と言われれば、通常は圧力と受け取るだろう。その点からいえば、この両代議士の行為はあまりに思慮が浅いと言わざるをえないが、永田町では珍しい性格とも思えないのが現実である。組織の腐敗はともかくとして、この点ではNHKに同情の余地はあるだろう。 |
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入試問題 何やらどこかの問題に出たものと酷似したものがセンター入試に出ていたと、新聞記事を賑わせている。「救済措置を考えるべきだ」という意見が殺到し、関係者は「それは無理」と繰り返すだけのようである。まあ、「それは無理」であろう。そんな事を言ったら、何度試験をすればいいのか分からなくなる。そもそも、どこかの問題として出ていたのと似ていたからと、どこがどう問題なのだろうか。確かに、その問題を知っていた受験生には多少有利である。だが多少であって絶対ではない。僅かの点差で落ちた方はどうしてくれると言うのなら、僅かな点差など跳ね返すだけ努力しておけば最初から問題などなかろう。甘ったれるな、である。それでも文句があるなら伺うが、それでは「完全に公平な出題」とは一体何か。これだけ世間に流れる情報量が増大し、ネットでも多くの設問が掲示されている時代であるが、それでなくても入試というものの歴史が何十年にもなって、これまでに出た問題の種類も数も膨大な時代に、過去、類似した問題がどこにも出ていないなど、事前に完全検証を出来る人がいるというなら、是非手を挙げてもらいたい。これに関連して、実際に問題を作るのは大学で教鞭をとる教授の方であるが、大学の民営化などで教授の事務手続き量が激増しており、問題作りなどにいちいち莫大な時間をかけてられないという事情が、教育現場から聞こえて来る。だが、そうした切羽詰まった事情とは別に、先に述べたような理由から、そもそも出題に対する絶対的公平性など求める方がどうかしていると見るべきではなかろうか。人生に運と不運などつきものである。学生が社会に出て、ライバル会社が少し余分に情報を得ていたから商談で負けた、もう一度商談をやり直すべきだ、と主張でもするのだろうか。公平という言葉の意味が、そもそも今の世の中、ちゃんと理解されていないのではないのか。 |
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音声自動翻訳システム 日英中韓の4カ国語の間で自動変換できる音声翻訳システムが、何と2005年度にも完成するという記事が読売新聞に出ている。はて、今日は4月1日だったか、と思わず日付を見たほどだ。IT国家を目指す政府の肝いりとして「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部」と総務省が民間に委託して開発していたものだそうだが・・・さあて思いっきり眉に唾をつけたくなる話である。そもそも、文字ベースでの自動翻訳すらどんな代物かは、パソコン上での翻訳システム、或はネット上にある各種翻訳システム、Mac OSXユーザならシャーロックを使ってみれば分かる。機械翻訳というよりは奇怪翻訳と言うにふさわしい代物だ。音声の認識も現在のところ充分とは言いがたく、不十分な認識技術と、奇怪な翻訳システムとが合体して、どういう物が出来上がるのかなど想像するに難くない。自然言語処理すら現在では困難を極め、その意味を的確に把握する事などコンピュータにはまだ無理である。そうでないなら、とっくに音声で誘導できるロボットが出ている。意味が理解できない以上、翻訳などはまだまだ先の話である。さらに言語そのものも論理的ではなく曖昧なもので、同じ言語を使う者同士ですら意思疎通に得てして弊害が出る事は、我々が常に体験している事でもあろう。さて、記事によると、このシステムは携帯電話やPDAから無線ネット経由で音声データをもらい、それを変換して相手の装置に送るものらしいが、簡単な挨拶文程度ならともかく日常会話での言語変換など、比較的近い言語と言われる英独仏などの間でも聞いた事がない。実用面でSFに出て来る自動翻訳のような物とはかけはなれた代物になるであろう事は疑いの余地はないが、では何故こんな提灯記事が出たのかと考えるに、どうも政府の目標として、2005年までに世界最先端のIT国家になる、というのが掲げられていて、その目玉としてこの翻訳システムが上がっているからのようである。つまり、目的と手段が入れ替わっているという、日本の組織に良くあるパターンの巨大版という訳で、それなら納得できる。とにもかくにも形を作ってしまい、「出来ました」というアレだ。今、HotWiredサイトが特集している「前宣伝倒れの製品」賞がその時まだあれば、優秀賞の最有力候補は間違いあるまい。世界最笑のIT国家という名称も語られることだろう。こんな話は技術に多少なりとも通じ、翻訳というものの難しさを知っているならば、真に受けられる訳がない。つまりもう一つ問題なのは、明らかにこれを書いた記者も掲載したデスクも、理解するに必要な基礎知識すら有していないし、ジャーナリズムというものも理解していない事である。主催者の発表をそのまま並べるのなら、それこそ今のコンピュータで充分であって、高い人件費に値する知的作業などではないからだ。 |
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55億円 合理化によって、年55億円の節約と、職員17000人の15%削減が可能である、と公表したのは悪名高き社会保険庁である。言うまでもないが、年金を使って運営している上に、職員住宅から公用車、果てはその事故補償金までそこから使いまくっている組織が自分で発表した値なのだから、この数字も「主催者側発表」として当然ながら眉唾モノであろう。この程度の合理化なら甘い汁がそう減る訳でもないし(年予算は2000億円くらいの筈だ)、対外的には合理化をしたと錦の御旗を立てられるという計算があると見るべきである。そもそも社会保険庁そのものの存在意義が問われているのが実際で、年予算55億円、職員は17000人の1割で運営可能というあたりが真相ではなかろうか。大体、殆どがコンピュータ処理可能と思われるような年金の管理に、何で17000人が必要なのだ。 |
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織田信長型 経団連の奥田会長が「小泉総理は織田信長型」と述べたらしい。根拠は、信長のように沈着冷静に破壊と創造を考え、実行しているからだそうだ。信長も苦笑いだろう。信長は最近の研究で、沈着冷静というよりむしろ論理型で、必要だからこそ破壊に容赦はしなかった人物だと分かっている。以前の歴史観では、粗暴で怒ると手がつけられない、みたいな評価が普通だったが、それは後の為政者が作ったイメージで、実際にはそうではなかったようだ。だが、何より信長を語る上で欠かせないのは、実践を行うにあたり徹底的に情報を集め分析している事であろう。各地に間者(スパイ)を放って諸国の情報を集めている。自由市を開いたのも、諸国から人が集まる事で情報も集まる事が狙いの一端だったと言われる。信長の分析は後世になってから考えても的確で、唯一誤ったのが明智光秀への対策だけだった。さて、現代に戻って小泉総理である。自民党をぶっ壊すと言ったが、壊したのは派閥だけで秩序の乱れは一層大きくなった。議会制民主主義は無視して、内閣だけで憲法違反になりかねない自衛隊の海外派兵も決めた。道路公団は分社化したが高速道路はそのまま作る。山のようにある天下りの巣には手もつけられない。仕方ないから矛先を郵政民営化に向けるのに必死である。で、構造改革と言っているが、実際には弱肉強食の社会にしただけで自殺者は年間32000を越え、喜んでいるのはリストラ(実態は従業員解雇)で身軽になって大利益を上げている一部の大手企業だけだ。言うまでもなく、奥田会長はその「勝ち組」の一つ、トヨタの社長である。例の青色LED訴訟で600億円という金額が出た時、真っ先に難癖をつけた一人でもあるが、とにかく空前の利益を上げているのが現政権のお陰となれば、誉めるのは当たり前であろう。信長に戻ると、信長はあくまで自分で情報を集め、自分で判断した。小泉総理のように、大勢力の言うがままに動くような事は断じてしなかった。小泉の構造改革は、単に米国型社会を盲信しているだけだ。金融も米国の侵入を大幅に許している。イラクへの派兵も米国の言うがままにやっているだけであろう。拉致問題に関連して、北朝鮮制裁に慎重なのは、これまでの人気取り路線を考えると腑に落ちないが、アメリカに裏でNOと言われているのだとすれば筋が通る。信長が苦笑いしているだろうというのは、こういう根拠による。つまり、極論すれば単に日本を米国の植民地化しているだけであって、現代の信長と言うには余りに無理が多い。むしろやる事が行き詰まって一部からのみ喜ばれているという点で、室町幕府末期あたりの方が近いのではないか。経団連会長といっても、教養は大した事はないようだ。 |
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我田引水 2004年から2005年にかけての年末年始、高速道路の料金所での渋滞が昨年の1/4になったそうである。国土交通省は、ETCのお陰(普及率が17%から32%になった)だと鼻高々らしい。本当か。料金所の渋滞は料金所ばかりで起きる訳ではない。料金所の先が渋滞しており、その渋滞が料金所に及ぶ事もある。そもそも渋滞量はETCを開始する前から減少傾向にあった。バブル期には100キロも伸び、東京から遥か伊豆半島のあたりにまで伸びていた渋滞が、3年ほど前には既に50キロくらいになっていた。タクシーの運転手に聞いてみれば、一般道の流れも最近はスムーズである事を口を揃えて証言するだろう。その背景には車の絶対量の減少もある筈だ。高齢化によって運転する人も減ったし、以前ほどに誰もが車を欲しがっている訳ではない事は、売行きが示している。今回の調査では、料金所を利用した台数が22万台であり、昨年の24万台と大差ないと発表しているが、これは1割減だ。しかも、渋滞の伸びを計算する「待ち行列の理論」では、列に加わる割合が閾値(しきいち)を越えると途端に列が伸びる事を述べている。つまり、この2万台分の差だけでも列が大幅に減った可能性は充分にあるという事だ。その分の計算も示さずに、全部がETCのお陰であるというのは、まさに我田引水以外のなにものでもない。無論、ETC業界は国土交通省の天下り先である事も、付け加えておかなくてはなるまい。連中の退職金がかかっている。 |
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非常時とボケ 8日のパックイン・ジャーナルで、スマトラ沖地震の話が出ていた。日本からも救助隊など支援がなされているが、真っ先に動いたのは消防庁からの派遣部隊。ヘリをまず調達、ロシアの輸送機をチャーターして現地にさっと入ったそうである。で、自衛隊も救援部隊を出すのだが、出動準備命令が出たのが4日(地震は前月の27日だったので年末年始の休みが入った)、準備が終わって揚陸艦が出るのが12日、現地着が23日頃、で実際に作戦行動に入れるのが29日頃だそうだ。で、この揚陸艦とは上陸地点近くで活動する為の船で、ヘリやホバークラフトなどを搭載しており、日本には何と3隻もある。そのうちの1隻を派遣するのである。ここで面白いのが、この艦の母港が広島の呉にあり、搭載するヘリが横須賀にあるのだとかで、今回の出動に当たってこの船が一旦、呉から横須賀に寄港し、ヘリと関連資材を積み込んでから改めてスマトラに出発するという手順をとらざるを得ない事である。つまり、これだけで4日くらいロスをしているのである。ここで考えなくてはいけないのが非常時の話。国内でテロが起きた、北朝鮮脅威論の好きな向きならテポドンが飛んで来た、或はどこかの国が侵攻して来た、というような事態が起きた時に、それが年末だったら翌年まで休みであるとか、船が広島でヘリが横須賀だから4日かかるなどと言ってられるのか、という話である。何故こうも平然としてられるのかというのは、要するに平和ボケだから、というのに尽きる。 これに関連して、スマトラ地震の件で現地に各国首脳が集まった時、日本の小泉総理は国連のアナン事務総長に、日本の常任理事国入りの話しかしなかったそうである。これは火事場で代議士が名刺を配っているようなものであり、国内大手メディアは伝えていないが、外伝は世界に伝えている訳であって、誠に世界に向けた日本の恥であろう。これは平和ボケというより、単なるボケである。日本の大手(特に地上波テレビ)メディアが政府寄りの報道しかしない事は何度も述べて来たが、このように政府の失態のような事実を伝えない以外に、例えば今回のスマトラ沖地震に関しても死体の山など絶対に報じないし、現地の死者数もあまり伝えずに日本人の死者数ばかりを強調する傾向が強い。死体を映さないというのは、特に規制がある訳ではなく、単なるいわゆる「自主規制」なのだそうだ。ゴールデンアワーに限る(子供に見せてはいけない)というならまだ主旨は分かるが、深夜時間枠のニュースでも同じだというのだから、これは要するに地上波メディアの関係者というものが、「嫌なものは見なければ無かった事になるだろ」というダチョウ並みの知能程度だからに他ならない。この比喩は、ダチョウは敵に追いつめられると砂に顔を突っ込んで周りを見えなくして現実逃避するというギャグから持って来たものだが、ダチョウの名誉の為に言っておくと実際にそのような行動をダチョウはとらないので念のため。 スカパーで見られる海外のドキュメンタリーでは、必要なら死体でもアップにし、悲惨さを的確に伝える事をためらわないのが普通である。強姦され殺された被害者の死体を映し、全身に打撲の跡が残っているのを見せるのも珍しくない。イラクのレジスタンス勢力が、「処刑」の様子をネットで流している映像は確かにショッキングで、これをそのまま映すのは無理だと思う。だが、スマトラ地震で死者が16万と言う中、その悲惨さ、重大さを伝えるのに死体の一つも映さずに、邦人死者数ばかり強調するようなメディアが、違う場では「正確な報道」だの「CMを飛ばすな」だのと平然と言ってのけるというのは、まさしく白痴化以外の何ものでもないとしか言いようがないのではなかろうか。 |
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大艦巨砲主義 ソフトバンク(前ダイエー)が、メジャーリーグから大物の打者を獲得したと報じられている。2年契約で総額15億円を払うという、バティスタ内野手である。古来、大リーグの大物打者が来日した事は数知れないが、活躍した例は驚く程少ない。大抵は金を持って行くだけに終始する。理由は幾つもあるが、日本の野球に馴染めないというのが最大のそれだろう。投手の攻めパターンが違い、戸惑っているうちにフォームを崩し、成績不振で契約更新ならず、というシナリオである。そもそも、大リーグで実績を上げているという事は、キャリアが長い事を意味する。それだけフォームも固まってしまっているし、当人のプライドも高いから修正は容易ではない。実績が最大になるのは、ピークを過ぎてからに決まっているので、「メジャーで通算214本塁打」などという能書きには、眉にツバをつけてかかるべきだ。第一、それだけの金に見合う実力がまだあるのなら、メジャーの球団が離さないだろう。この失敗は学習能力ゼロの某在京球団が毎年実践しているが、ソフトバンクの孫オーナーも同じ轍をしっかりと踏もうとしている訳である。日本に来て活躍する外国人選手は、大抵が若くて実績の無い選手だ。それだけ可能性を秘めている事と、柔軟に日本野球に対応できる訳で、考えてみれば当たり前の事なのだが、見栄を張る事しか頭にないオーナーには、そういう発想は出来ないのであろう。古来、見栄張りと目立ちたがり屋には、ロクなのがいないというのが常識でもある。(目立とうとしなければ目立てない位、本質的なスキルが低いという事で、これを逆に述べた格言に、嚢中の錐というのがある) 折角球界の革新を行わなくてはならない年に、パリーグにもこういう球団が生まれてしまったのでは、日本球界の将来は明るくあるまい。 |
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宇宙人論 年が明けても、北朝鮮経済制裁を声だかに主張する代議士がいなくならない。まるで「あいつはウソつきだから面白くない。家に石でも投げてやろう」と言わんばかりの論法で、小学生レベルの単細胞論には呆れる他はないが、折角の正月なのでせせっこましい地上から目を天空に向け、丁度彗星も来ている折でもあり、今日は最新の観測結果や理論から宇宙人について論じてみたい。 宇宙人はいるのだろうか、というのは古来から人類を悩ませて来た問題である。SFでは宇宙人は当たり前で、原則としてヒューマノイドと呼ばれる人間型が登場するが、それでは現実はどうであろう。この方面で有名なのは、かのカール・セーガンが提唱した方程式で、簡単に言うと、 →銀河には2000億の恒星がある。その1/10に惑星があるとし、その1/10に生命が誕生しているとする。以下同様にして、1/10に知的な生命が、更に1/10に高度な文明を持つまでに発展した生命がいるとすれば、2000万くらいの星に宇宙人と言っていいものがいるのではないか→ というものだ。ただ、ここで問題なのは、1/10という「係数」に何も根拠がない事である。これが仮に1/100にでもなってしまうと、最終値が2000という事になってしまう。1/1000ならゼロだ。さて、近年、あちこちの恒星に惑星系が相次いで発見されている。惑星系の発見には幾つか方法があるが、一番遠くまで探れるのがドップラー効果を使う方法だ。太陽系を例にとると、惑星系の質量は殆どが木星に集中しているので、簡単に太陽と木星から成る星系と近似が出来、その場合、木星が太陽を揺さぶるので、それによる太陽光の「波長変移」を観測すれば、木星という惑星がある事が分かるのである。現在の技術では、木星の数分の1位の惑星であれば、波長変移を判読できる。ところが、これまでそうした観測による結果、朗報が殆ど得られてこなかった。最近になって分かった事は、これまでの探索が太陽系のような惑星系を暗黙の前提としており、実は太陽系とは似ても似つかぬ惑星系が非常に多いためにそれらを見逃してきていたのだ、という事なのである。 実際、最近相次いで発見されてきた惑星系では、木星かその何倍もある巨大な惑星が、太陽系で言うなら水星の遥か内側を回っているというものが多い。少なくとも我が太陽系とはまるで似ていないものばかりなのだ。さて、地球で生命が誕生したきっかけはともかく、それが順調に進化して人類が誕生したのは、途中に何度か大規模な変動があったにせよ、長期的に見れば生命に適した安定した環境が保たれて来たからに他ならない。観測の他にも、惑星系の進化シミュレーションが行われていて、それによっても太陽系が地球という星を安定させたのは、外惑星の存在やその進化による部分が大きい事が分かってきた。これらの事から考えると、どうやら一般の惑星系では、この条件が満たされているようには思えないのである。少なくとも、スタートレックの惑星連邦が成立するほどに、宇宙は混雑してはいないみたいだ、というのが最新の観測結果から得られる結論なのだ。セーガン方程式の係数は案外小さいらしい。従って、銀河系に限って言えば知的生命は非常に希少なものだと言えそうなのである。 ところで、実際に銀河系にどれだけ生命があるかではなく、宇宙全体として考えた時に、面白い理論がある。やはり最近の観測技術の進歩により、これまで次第に膨張が減速しているのではないかと言われていた宇宙が、実は加速的に膨張しているという結果が得られて来ている。いずれ膨張がおさまるとなると、それは「閉じた」宇宙となり、宇宙空間は有限であるが、膨張が無限に続くとなると、宇宙空間も文字通りの無限な大きさを有する事になる。という事であるなら、こことは遥か離れたどこかとんでもない所で、我々と全く同じ形に分子が集まる可能性が有りうるというのである。我々の身体を構成する原子の数は膨大であり、それらが全く同じように集まってたまたま同じ状態になっている確率など、まさに天文学的に小さな値だが、空間が無限であるなら、どこかにあっていい筈だ、という事になるのだ。もっとも、その両者が出会う事は永遠に有り得ない。宇宙が膨張している以上、ある程度から先の領域は相対的に光の速度を越えて遠ざかるので、情報の交換が行われる事は絶対にないからだ。ただ、この考えを進めていくと、全く同じに原子が集まるのではなく、微妙に異なる集まり方をする所があってもいい訳で、まさにSFで言うパラレルワールドのように、我々の世界と良く似ているが、どこかが違う、という世界がある確率もゼロではない事がわかる。つまり、銀色の肌に緑色の目をした肌もあらわなグラマー美人がいる確率も、ゼロではないという事なのだ。ただし、出会う事はまず有り得ないので、あしからず。 |
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メディア離れの元凶 昨日の記事に続く。CMカットの話だが、本編こそカットしたくなる番組が多い事を書いた。4日深夜、TV朝日系で放送されていた、新日本プロレスの1月4日大会を見て、更にその感を強くした上に、腹立たしくなってきたので、ここでも触れておきたい。番組枠は1時間半。見てみると、冒頭の新年挨拶はともかくとして、CMのあとに始まったのが試合そのものではなく、何と過去10年の闘魂史というコーナーであった。それが25分にも渡り延々と放送され、更に解説者のおしゃべりだの何だので、結局計測してみたら、本編は僅かに40分(1時間半の枠で、である)、放送された試合は3つに過ぎなかった(それすらダイジェストだ)。で、当日の大会データを調べてみると全部で9試合が行われている。視聴者は、この番組に試合そのものを期待して見るのであって、過去の歴史などは知っている人か興味ない人が殆どだろう。にも関わらず、本編そっちのけで本題以外のものを半分の時間も流すような構成をしているのだ。CMカットどころの騒ぎではない。本編の半分がクズなのである。放送の環境が違うとは言え、例えばCSのG+で放送するプロレスノア大会は、全試合完全ノーカットである。やるべき事をやるかやらないかという、この究極の格差は決定的だ。デジタル技術を駆使した装置は金さえ出せば購入できるが、プロデューサからトップに至る放送関係者の脳みそは金ではどうにもならない現実を認める事こそが、今のメディア界に必要な事だろう。 |
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メディア離れ 音楽産業の売上げ(CDやテープなど)が6年連続で減少、ピークに比べると4割近く落ち込んだらしい。趣味の多様化が原因と言われているが、一方でネット配信の売上げは快調であるそうだ。ただし、日本のメーカが行っているネット販売は、コピーなどの制限がきつくて人気はいまいち。今度、アップルが遂に国内でもiTunesオンラインを開始するそうだから、その動向が面白くなるだろう。業界は危機感をつのらせているらしいが、国内音楽産業が衰退しているのは当たり前で、以前本欄でも指摘したように、要するに自分らの権益を守る事ばかり考えてきたからに他ならない。コンビニで売られているミニCDが好評で、それに入れた曲の相乗効果でCDの売上げが上がったというような事例があるのに、ネット配信には最後まで消極的だった。それは、自分らの流通網で全てを押さえておきたいという、無能者の見栄張りが先にあったからに他ならない。趣味の多様化ばかりではなく、音楽流通そのものが多様化している現在、旧態然のシステムにしがみついていたならば、沈没は当たり前なのだ。ところで、同じように先行きの危機感をつのらせているのが、テレビ地上波の民放業界。昨年、民放連会長が「CMスキップは著作権法違反の可能性がある」などと発表して、その思い上がった無能ぶりを発揮したが、関係者はそれを認識するどころか、録画機を作っている電気メーカに働きかけて、何とかしろと言っているらしい。愚か者も極まれりとはこの事であって、そもそもCM以前にロクな番組を作っていないのが問題である事に気づいていないのだ。辛口子はCATVでスカパーを見るようになって以来、地上波を見る機会が激減した。見るとすれば、一部のニュースかドキュメンタリーくらいである。番組表を見れば分かるように、並んでいるのはバラエティばかり。バラエティがいけないとは言わないが、その内容たるや幼稚園児の学芸会並みのものばかりなのだから、CMスキップどころか、CM以外をスキップしたくなるようなものが並んでいるのが現実だ。恐らく、衛星放送の普及で、地上波の視聴者数そのものがどんどん減少しているに違いない。無能な業界が遂にそれに気がつくのが、今年ではなかろうか。 |
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犯罪者心理 めでたい新年早々から、あまり明るくない話題ばかりが先行する昨今。暮れに幼女誘拐犯が逮捕され、元日からその話でメディアは持ちきりになる。例によって知ったかぶりの自称専門家がああでもないこうでもないと、知ったような口上を並べる事だろう。その話も、この犯人の家にロリコン雑誌があっただの何だのと、俗物根性丸出しの方向に行く事も想像するだに難くない。だが今回の犯罪、犯人が次から次へと手がかりを提示してくれたのに、逮捕にこれだけ手間取った事こそ、もっと騒がれて良い問題だ。犯罪直後から警察は携帯電話の画像解析を連日のように発表した。だが、その内容たるや洋室の天井が映っていただの何だの、そんなものは携帯電話を手にした瞬間に分かるような物ばかりであった。警察がこのように分かり切った手がかりを小出しにする時は、事件は迷宮入りしやすいという傾向がある。今だに犯人が皆目わかっていない世田谷の一家惨殺事件、古くは3億円強奪事件などもそれに該当する。今回、比較的早く犯人が上がったのは、犯人の側が次から次へと手がかりを提供し続けてくれた(母親などに更に携帯メールを送りつけた)からに他ならない。特に決め手になったのが、送信したメールを自分宛にコピー送信するようにしていた事だと言われているが、これなどは犯人が本気で逃げ隠れするつもりならやった筈のない行動だ。ここに犯罪者心理の微妙な側面が見えて来る。つまり、犯罪者自身、心の中では「これをしてはいけない事だ」という心理があり、にも関わらず衝動のままに犯罪をしてしまう自分をその別人格が見つめて、「早く誰か俺を止めてくれ」という行動を起こすのだそうだ。性犯罪というのは特にそういう側面があり、いわばアル中の酒のように理性では分かっていても、止めようがない、という人が僅かながら存在する。健全な婦女子が犠牲になるのだから、本来、忌むべき事だが、人間はどこぞの宗教が誇らしげに言うほど神の子ではないという事でもあり、現実は現実として認めなくてはならない。そういう人は僅かではあるがいるという前提で、犯罪をどう防ぐかが議論されるべきなのである。テレビなどのメディアが、いわゆるロリコン雑誌やエロ本が犯罪を誘発するかのように論ずるのはこの意味で、馬鹿そのものと言える。そういう性癖があるからこそ、そういう本を手にとるのである。そうした性癖の持ち主は大部分がそういう本でウサを晴らしているのであって、実際に犯罪に走るのは微々たる数に過ぎない。そうした本のような、欲求のはけ口を無くしてしまったら、そうした本で済ませていた数までが犯罪に走りかねないのである。(違うというなら、そのような本など無かった時代、或は締め付けの激しい国家では、性犯罪など無い事を立証してから言ってもらいたい) しかしながら、昨年までの傾向を見ていると、こうした単純に臭い物に蓋をすれば事足れりという小学生までしか許されない思考レベルが、今年はますます勢いを増すのではないかという懸念は、残念ながら拭いきれない。 |
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