一刀両断ミニコラム
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2004年2003年

《2005.02.28》
セントレア
 一体全体どこの言葉だと思っていたら、セントラルとエアポートを足して二で割ったものだそうだ。ご存知、愛知県の美浜市と南知多町が合併して、このセントレア市にしようとしたところ、住民投票まで行う騒ぎとなり、結果、新市名の承認が得られないどころか、合併そのものが白紙撤回となった。辛口子は外野から見ている立場だが、ざまあみろである。政府の後押しもあって、全国各地で市町村合併が相次いでいるが、名前が原因となって合併そのものがご破算になったというのは初かもしれない。言うまでもなく、市町村合併が進められているのは地方行政の合理化が名目だが、実際には合併しても議員総数が数年間変わらないとか(しかも村会議員が市会議員になったりするので給料は上がる)、市長が一人になった代わりに副市長が多数生まれるなど、合理化どころか焼け太りにしかなっていない事が次第にバレバレになってきている。そもそも、人口がこれから超高齢化になり、地方の過疎化が進もうと言う時に、村単位ではなく市のような大きな単位で本当にきめの細かい行政が行えるのかは疑問である。そして何よりも地域に馴染んで来た名前が訳の分からないものにと変わる事で、ますます住民の疎外感が強まる事が懸念される。さいたま市、西東京市は言うにおよばず、先日は千葉県で太平洋市が誕生しようとして顰蹙を買った。このセントレアのような安直なカタカナ命名も後を絶たない。Jリーグのチームを作るのとは訳が違うのである。公務員になるには、国家公務員試験というのを通らなくてはならないのだが、一体何を試験しているのか、ここから見直す必要があるのではないか。
《2005.02.26》
牛肉恐怖症
 牛の全頭検査は世界の非常識だ、と島村農相が述べた結果、予想通り消費者団体など単細胞軍団の激しい反発が起きているようである。しかしながらこの件に関しては島村農相の言うとおりであって、1頭たりとも、などという子供じみた事を言っているのは日本の一部消費者だけだ。先日の吉野家サービスデーの盛況ぶりを見ても、日本人消費者はその殆どが牛を食べたいと思っているのは明らか。そんなに怖いのなら、あんたら反対派は牛肉を食べなければ良いのだ。何も強制的に食べさせられるのではないのだから、スーパーの店頭でも牛肉を買わなければ良いだけのこと。自分らの偏食を大多数のものだと勘違いして、人に押しつけるな。そのお陰で国産牛肉も高騰し、結局我々全員が高い肉代を払わされているのだ。ところで、現在、米国が提案しているのは20ヶ月未満の若い牛に関する制限撤廃である。実は吉野家が使っている肉はもっと高齢の牛のもので、それを薄く切っているからあの歯ごたえが得られている。つまり、今の所、吉野家のあの牛丼が本当に復活する見通しは立ってはいない事は、あまり知られていない。
《2005.02.24》
ソニーの衰退
 ソニーがCLIEから撤退する事を発表している。7月以降は修理対応だけだそうだ。CLIEは、いわゆるPDAの老舗であるPALMデバイスのライセンス商品で、国内では唯一手軽に入手できるPALM製品であった。そもそも、当初はPALM製品も日本国内向けに日本語化された製品が売られていた。が、そこにソニーがライセンスを取って登場し、他の製品を追い出して国内独占状態を作り出し、今に至っていたのである。PDAの市場が飽和と言われる中、今度はあとは野となれ山となれでさっさと身を引くというのだから、ベータマックスに続いて更に辛口子の中でソニーの評価点は下がる事になる。そもそもCLIEは本家PALMの製品に比べて、特に優れた点など無かった。真のPALMファンにとってみれば、ソニーの横暴は(変な独自機能を付けた事などを含め)ありがた迷惑と言うしかない。日本語機能を搭載していたとか(ただし、輸入PALMでもあとから日本語OSを搭載できる)、液晶の性能が一足早く向上していたという事は確かにあった。だが、日本製品の常として、使うとは限らない様々なアプリが標準搭載になっていたし(PALMデバイスの良い所は、初期状態では本当に必須な4アプリのみが搭載され、あとは自分で好きな物を足して行くというコンセプトにあった)、何よりもメモリスティックしか使えないために同じ容量の外部デバイスに対して高い金を払わなくてはならない点、そしてMacを公式にはサポートしていない点など、問題点も多かったのだ。そして、言うまでもなく類似製品を国内市場から全て追い出し、消費者の選択権を侵害した事が最も大きな問題である。にも関わらず、ちょっと利益が見込めないとなるとさっさと撤退するというのだから、企業責任もヘッタクレもあったものではない。ソニーのお陰で日本のPALMファンは米国のオンラインサイトから、PALM製品を購入する事も出来ず、日本でPALM製品を輸入販売している幾つかの会社を通して、やや割高なコストを払うしかないのである。これでライセンスが切れ、日本国内で再びPALM製品が堂々と流通するようになればまだ救われるのだが、世界全体的にPDA市場の飽和感が強い中、その可能性は低い。任天堂がライセンスを取得したという話もあるが、そうなると出て来るのはゲーム機だろう。ソニーは恐らくPSPにエネルギーを集中するつもりのようだが、これもメモリスティックだのミニ光ディスクだのと、見栄だけの独自規格満載でユーザを囲い込む事しか考えていない製品だ。多数の製造欠陥も露呈し、これこそあと数年でどうなるか分からない。PDAの不調は携帯の高機能化によるという分析もあるが、PDAと携帯とは別の製品だ。携帯に電卓機能がついたからと言って電卓が無くなる訳ではない。携帯に何もかも搭載してしまうのは、いざという時に電池が切れて電話すら出来なくなる事を意味する。PALMは一度の充電で通常用途なら1週間は使える。情報へのアクセスも速い。似たような物が携帯に搭載されたからそれでいい、という物ではないのだ。確かに市場は頭打ちかもしれないが、だからといって無くなる訳ではない。何時までも特定の市場が拡大するという前提が間違いなのである。話は変わるが、ジャスコというスーパーがある。地方都市に大型店舗を作り、地元の商店街が客離れで倒産した頃、収益が伸びなくなると、そのジャスコはさっさと撤退し、あとは荒れ果てた町だけが残るのだそうだ。敢えて市場の衰退をはかるような動きをするソニーを、これからはIT業界のジャスコと呼びたい思いである。
《2005.02.23》
人口減少
 総務省の発表によると、日本人口の伸びは遂に0.05%となり最低新記録を更新中である。確か30年くらい前の人口予測では、日本の人口ピークは2040年とか2050年とか言われていたから、物凄い勢いで前倒しが進んでいる事になる。今回の統計で特筆すべきなのは、男性に限っての伸び率が遂にマイナスになった事で、総務省はこれについて「少子化」以外のコメントをしていないらしいが、自殺者の増加が効いているのは間違いないであろう。小泉内閣になって以来、経済苦による自殺者は年間で1万人と言われる値を推移、その殆どが40代あたりの働き盛りの男性である。今回の統計を良く見ると、0〜14歳の減少率が0.1ポイントなのに比べ、15〜64歳が0.3ポイント減となっていて、多分疑いの余地はない。この先の年齢である65歳以上は0.5ポイントの増加となっており、この落差は際立っている。子育ての中心年齢が減少しているのだから、今後の少子化も一層進むに違いない。竹中経済政策の成果がここに歴然と現れている。景気回復? どこの国の話だ。
氷山の一角
 社会保険庁のコンピュータシステムを見直すだけで、年間500億円以上が節約可能であると報じられている。が、こんなのは氷山の一角である事くらい誰でも知っていそうなものなのに、メディアの報じ方はいかにも大変な数値が出たかのようだ。そもそも、年金については厚生労働省が長年の既得権益として、毎年3000億円をピンハネしている。それに比べたら、たかが1/6に過ぎない。また、社会保険庁では脈絡もなくコンピュータシステムを導入しているため、データベースなどのプログラムも様々な言語で書かれるなど統一性がなく、口で言うほど簡単にコンピュータシステムの一本化が出来る訳ではない。パソコンの買い換えとは訳が違うのである。無論、そうした「統一化」にも莫大な経費が必要で、年間節約分でそれを埋めるのに何年もかかるのだから、そこにまたリベートなどが絡む事は明白で、社会保険庁の今回の発表はそこに真意があると疑っても良いだろう。大体からして、本当に無駄金を無くしたいのなら、それこそ社会保険庁を撤廃してしまえば、その額は数兆のオーダーになるはずである。
白地図
 日本地理学会の調査によると大学生のおよそ4割がイラクの位置を知らなかったそうである。なんだか、否定的な報道がされているが、辛口子は案外いい成績ではないかと思う。6割が知っていたのである。そこらの街角で白地図でも見せて、イラクはどれかと聞けば結果はもっと悪いのではなかろうか。アジアについても同様で、カンボジアやビルマを白地図上で正しく指差せる人はどれだけいるであろう。大地震が起きたスマトラ島はどれかと言える人は? カダフィ大佐で有名なリビアが実はエジプトと隣合っているなど、知らない人の方が多いのでは。
《2005.02.22》
自己都合の説明責任
 経団連の奥田会長、ライブドアのニッポン放送株買い占めについて「堀江氏はもっと説明すべき」「マネーゲームは許せないと思う。金さえあれば何とかなるという本を堀江氏は書き過ぎた。道徳面での批判は甘受すべきだ」などと定例記者会見で述べたそうである。良く分からないのだが、相手が半ば敵対的に株を買い占めようとしている時に、手のうちを見せろとはどういう意図なのであろうか。奥田会長はかつてピケンズ氏による小糸製作所の買い占め工作を受けた事からの経験だと自ら語っているが、それじゃその時にピケンズ氏にも「もっと真の意図を示せ」などと言ったのだろうか。或はそう言ったら問題は解決したのだろうか。相手が外人だと頭が上がらない癖に、国内の年下が相手だと途端に態度が大きくなるらしい。そもそも、買収に当たってもっと説明責任を、などと平然と言えるのは、本質的に馴れ合いでしか物を考えられないからである。文句があるなら英知を絞って買収に対抗すればいいのである。無論、相手が非合法な手でも使っているなら話は別だ。だが、そうではないのだから、笑止と言うほかはなく、単に経営者としての無能さを暴露しているに過ぎない。この奥田会長、先日も小泉総理を織田信長に例えるという愚を犯している。道徳面での批判を甘受というなら、プロ野球オーナー会議でオーナー連中がライブドアに対し、やれ成人向けコンテンツがどうのこうのだの(それをしつこく言った読売グループは、ある番組で批判され、慌てて駅の売店で売っているスポーツ新聞の風俗欄の連載を終了させた)、経営の健全性を追求するだの(それを一番追求した西武鉄道は、オーナーの証取法違反で今や上場取下げの有様だ)と言った時に、この奥田会長はどうコメントしただろうか。無論、オーナー会の肩を持った。もう忘れているのではないのか。
未成年
 楽天のダルビッシュ投手。未成年なのにタバコを吸ったと報じられ(言うまでもないが実名報道だ)、謹慎にはなるわ、学校は停学扱いになるわで散々である。別に喫煙を咎めるべきではない、などと言うつもりはない。まあ、プロのスポーツマンであれば、喫煙は本来は論外という事は教えるべきであろう。だいぶ前だが、ある民放が「全国一流板前の選手権」なんてな番組を放送していた。たまたま一部を見たのだが、映ったのは控え室で皆、タバコを吸っている光景だった。喫煙などしたら、まっとうな料亭では即座にクビである。いかにいい加減な番組かがこれで分かったのであった。さて、話を戻して、喫煙どころか学校で教職員を殺傷した少年も未成年だが顔も名前も非公開。ネットの掲示板にはわざわざ政府が圧力をかけて守ってくれる。未成年ついでに、自身の万引き体験をギャグネタにしたとかで番組を下ろされたとかいう某タレント。聞くところによると、やってた事は万引きどころではなく、恐喝と強盗まがいの事らしい。ところが何故か、こちらも名前非公開。反省も謝罪もなく、関係者は責任のなすり合い。
グリム童話
 イラク戦費で予算が大赤字になってきた米国は、これまで半ば敵対して来た欧州に対し、一転して融和路線をとり始めた。理由は簡単である。自国だけではもう費用負担には耐えられない(イラク戦費は一ヶ月で一兆円と言われる)から、欧州も巻き込んで「一緒にテロと戦いましょう」(ちなみに今度のキャッチフレーズは「結束の新時代」)と言うわけだ。「米国は力強いパートナーを必要としている」のだそうな。言ってて恥ずかしくないのだろうか。さて、今回のブッシュ大統領の欧州訪問に先立ち、かのライス国務長官が欧州を歴訪した時の、西ドイツのシュミット元首相の発言はさすがであった。「子ヤギを食べるために足に石灰の粉をまぶし、声色を変えたところで攻撃的な本質は何ひとつ変わっていない」。つまらない暴露合戦ばかりしているどこかの国の国会は平和である。
《2005.02.20》
ゲーム脳
 小学校で教職員3人を死傷させた少年17歳クンの頭が、こうなっている(ゲーム脳)という指摘があるそうだ。授業中にじっとしてられない子供について、その脳に何とか言う病名を付けて偉そうに解説していた医者がいたが(この病名がいかに馬鹿げているかを知るには、旧日本陸軍中野学校に授業中うろつく子供がいたかどうかを調べるだけで分かる)、それと同じように病名をつけて、この少年は病気であり正常ではなかった、よって無罪、という方向に話を持って行こうというのであろうか。折しも、内閣府の調査で死刑制度を容認するという意見が、初めて80%を越えたという発表があった。続発する凶悪犯罪と共に、そうした犯罪を犯した犯人が堂々と世間に戻って来る事に対する不安感が増しているという事だろう。ところで、ゲーム脳って何だ、と思ったら、どうやらゲームのやり過ぎで正常に発育しなかった脳の事らしい。ゲームをする時は、複雑な論理よりも反射と本能がモノを言う(大抵はそうだ)。従って、理性や倫理を司る前頭葉が発育せずに感情や反射を担当する後頭部のあたりばかりが発達する事があり(人間の身体はどこであろうと使えば発達するし、使わなければ退化する)、それをゲーム脳と言う事があるのだとか(定説というほどではないそうな)。つまり、論理で考えずに発作的に行動し、感情的に反応するという事なのだそうだが、ふと考えてみるに何もこの少年だけじゃなく、世間一般がそうなのではなかろうかという気になって来る。
 自分らの領分に断りもなく侵入してきたと感情的にライブドア叩きをするいい歳こいた面々、気に入らない国があったら経済制裁すれば解決すると叫び続ける単細胞の群れ、BSEが怖いからと牛肉を全面的に拒否する世論。どれも理性ある行動というよりは、小学生並みの衝動的行動だ。どこぞの番組で、自身の万引き体験をクイズネタにしたタレントに批判が相次ぎ、活動自粛(要するに追放だろう)になったそうだ。批判してる連中は、自分が清廉潔白だと胸張って言えるのか。東北のある町が猿の被害で困っているというニュースが流れると、「それなら引っ越せ」と言う電話やファクスがやはり大量に来るという話も聞いた。猿が可哀想だ、という訳でブラックバス万歳連中と同レベルだという事が良く分かる。こうした「自分は外野でいい子ぶりながら、他人の弱みを見つけると寄ってたかって石を投げる」風潮も、幼児化、あるいはゲーム脳化そのものと言えよう。
 新聞に出ていたある雑誌の広告に「試しにテレビを1週間見ないで暮らしてみよう」という記事が出ていた。そういえば、地上波のゴールデンアワーを見ていても、ゲーム脳番組ばかりが並んでいるように思う。実は「テレビを見ない生活をしてみよう」という話は今から遥か前、まだ高度成長期を迎える頃の、カラーテレビ普及時代にも言われたフレーズでもある。俗悪番組という言葉が生まれ、テレビばかり見ていると駄目になる、などと当時から言われたものだ。今、ゴールデンアワーの民放を見ていると、その傾向は一段と進み、まさに見ているとバカになるのではなかろうか、という物ばかりが目立つ。時代が進み、技術が進歩するというのはこういう事なのだとするなら、まさにあの少年は時代の寵児だという事になろう。
《2005.02.18》
醜悪なホリエモンいじめ
 ライブドアがニッポン放送の株式を大量に買い付けた事について、予想通り財界や政界から批判の声が多数上がっている。関係者は色々と言っているが、要するに自分らの足下をすくわれた事が面白くないのだ。辛口子は別にライブドアを全面支持している訳ではないが、調べた限りではライブドアの株式買い付けに明確な違法性はない。従って、これは日本に良くあるパターンで、「オレ達に断りもなく勝手な事をしやがって」という老骨の身内意識そのものである。そんなに問題であるならば、そもそも法を見直す議論が先に出る筈で、それが出ていないという事がそれを端的に裏付けていると言えよう。傑作だったのは森元総理の発言で、「金さえあれば何でもやっていい、というような考え方は今の教育の成果か」などと言ったそうである。笑わせるな、であろう。金にあかせば違法スレスレの事をやってもいいという見本を示してきたのが、まさにその政治家ではないか。金にモノを言わせて諫早湾を死滅させ、全国に強引に高速道路を通しているのはどこの政府だ。
京都議定書
 いよいよ発効になるそうである。温室効果ガスの排出量を90年の時点よりもマイナス6%にすると、日本は約束した事になる。1990年の6%マイナスというと、およそ1980年頃の値だと言われる。その頃にはコンビニなどまだ稀で、学校・会社・家庭・電車・バスなどの冷房は殆ど普及していなかった。やっとパソコンという物が世に出てきたばかりの時代である。コンピュータと言えば巨大な磁気テープ装置が並ぶ光景で知られる大型ホスト機の事だった。電車やバスは夏の暑い日には窓を開けて運転し(とにかく風を入れる)、同じく窓の開いて扇風機の回るオフィスでは、背広を脱いでワイシャツ姿になった社員が団扇を片手に仕事をしていたのだ。それが目標である。夢や目標は大きく持てというが、いいのか、これで? 目標は温室効果ガスの削減で、エネルギー消費量削減ではないと言うものの、実際には両者は独立した変数ではない。自動車のハイブリッド化を進めると言うが、ハイブリッド車はバッテリーの塊だから重量がある分、効率は悪い上に、数年使ったあとでバッテリーを交換する時には、従来の車より遥かに多い鉛廃棄物が発生する。現在でも鉛の処理は日本では殆ど行われておらず、発展途上国に丸投げされ、現地ではロクな防護措置もとられずに手作業で処理がされている為に、鉛中毒が発生しているのだ。第一、そんなに温室効果ガスが問題なら、物流の手段を鉄道にシフトすべきであろうが、高速道路は作り続ける上に、鉄道網再整備の計画もなく(地元の反対を押し切って新幹線を作る話だけだ)、およそ政府そのものが本気で議定書の事を認識しているとは信じがたい。6年後には今の地上波テレビは全廃となり、膨大な家電廃棄物が発生するから、その処理も多量のCO2を生むだろう。また、よしんばこの目標が達成されたとしても、直ちに環境がもとに戻る訳でもないという。一度、勢いがついた変動は、簡単には戻せないというのが定説だからだ。
 ところで、地球に優しいという言い方ほど、欺瞞に満ちたものはないと辛口子は考えている。例え核戦争が起きて人類が絶滅したところで、地球にとっては痛くも痒くもないからである。NHKスペシャルの地球大進化を見ても分かるように、地球はこれまで地表の生物がほぼ全滅するような大変動を何度も経験して来ているのだ。それに比べれば、核戦争など地球にとって、蚊に刺された程の事でもないのである。気候変動が激しくなったところで、同じ話だ。人類がいなくなれば、数千年程度で戻るのだから。そもそも、こうした言い方の根底には、我々人類は神に選ばれた特別な存在である、という根拠のない思い上がりがある。人類も大自然の一部に過ぎないと謙虚に考えるのなら、人類が引き起こす様々な現象(公害でも何でもだ)も大自然の一部に過ぎないと気がつくはずだからだ。かつて地上には全長数十メートルに達する巨大な草食恐竜が闊歩していた。彼らの食欲から考えるなら、そんな生き物が数頭いるだけで山の一つくらいはあっという間に食べ尽くされていたに違いない。だが、それは環境破壊ではなく、単なる自然現象に他ならなかった。仮に恐竜社会に環境保護派がいて、「山を守ろう」などと言ったところで相手にはされなかったであろう。人類が目下危機感を抱いているのは、自分自身が困るからである。決して地球が困るからではない。人類がこうした認識を改めない限り、議定書が何通発効されても効果は知れているに違いない。
《2005.02.16》
2.5%
 広告がどうのこうのと、スッタモンダの末に放送されたNHKのラグビー中継の視聴率がこれである。誤差(プラス7.5、マイナス5と言われる)を考えると、ゼロと言ってもいいような値だ。先のサッカーW杯予選、対北朝鮮戦が50%近かったのと比べると、論外と言っていい。ラグビーの人気は低迷している。海外試合をすれば、3桁失点の惨敗が常である。一昨年だったか、ラグビーのW杯に参加したものの、負けても7点取れば勝ち点をもらえたにも関わらず、その勝ち点すら取れなかった。国内試合にはそこそこ客は入るが、身内ファンばかりで新規のファンは少ないのではなかろうか。今さら、NHKの中継におんぶにだっこするのも問題だが、何とかしようにも資金面での問題もあり、そこで広告という非常手段をとったものの、根回しに難があったというところであろう。ところで、辛口子はラグビーを見ていて、あまり面白いと感じた事がない。エキサイティングであるサッカーに比べると、およそ退屈極まりないのである。何故かというのを考えてみたが、これは競技の性格上流れが単調であり、即ち戦略そのものが殆ど無いに等しいからではないかと思う。サッカーは攻守がめまぐるしく入れ替わる。攻撃のパターンも多彩であり、臨機応変が求められる。これとは対照的にラグビーは猪突猛進だ。前に進むだけでいい。結局は基本的に単純な肉弾戦になり(それが魅力の一つとも言えるのだが)、そうなれば体格差がモノを言うから国際大会では不利になる訳でもあろう。また、スカパーではラグビーもサッカーも情報番組や中継放送が沢山あるのだが、はっきり言ってサッカー番組の方が出て来る人間の話は間違いなく面白い。解説者ばかりでなく、選手がゲスト出演する事もあるし、試合後のインタビューが流れる事もあるが、ここでも話の面白さには圧倒的な差が感じられる。敢えて辛辣に言えば、殆ど決まりきった事しか言わないラグビーの関係者と比べて偏差値に大差があるのである。これも競技の性格上、プレーヤとしても解説者としても、サッカーの方がインテリジェンスが高くないとやっていけないという事なのかもしれない。番組の構成にしてもサッカーの方が遥かにハイセンスであり、スタッフ力量の差も否定しようがないというのが現実だ。日本ラグビーの飛躍は困難が予想される。
《2005.02.15》
アクシデント
 妄想にとりつかれて、母校で殺傷事件を起こした17歳の実名が、判読可能な形でフジテレビのニュースに「誤って」流れてしまったらしい。まあ、どうせどこかで誰かがネット公開してるであろうが、この事件とは関係なくある事を思い出したので、一興に。かつて有名なテレビの深夜番組に11PMというのがあった。お色気から裏話まで何でもアリの人気番組だったが、これが始まった当時はテレビではいくらお色気でもバストを出す事はきつい御法度であった。せいぜい、風呂上がりにタオルをまとった程度の話が限度であったのである。ある日、番組中でそのようにタオルを巻いていた女優(だったかモデルだったか)が、「誤って」タオルを落としてしまった事がある。ほんの1秒ほどだったが、剥き出しのバストがテレビに放送されてしまった訳だ(無論、生放送だからだが)。言うまでもなく、それは事故であり、ハプニングであり、放送中でも直ちに「お詫び」が流れた。ところが、これがその後、次第にテレビでバスト丸出しが流れるきっかけになったのである。ゴールデンアワーのドラマではベッドシーンや入浴シーンが普通になり、タレント水泳大会では騎馬戦が定番となった。今回の場合は、少年法という壁があるので、直ちに流れが変わるとは思えない。だが、刑法の改正案でも厳罰化の流れがはっきりしているので、将来になってから振り返ると、あの時だったなぁ、と思い出すようになるかもしれない・・・というお話である。なお、同じパターンで、今度はアンダーヘアがテレビに映ってしまったハプニングもあって、こちらは定着しなかったから、必ずそうなる訳ではなさそうだが。
鏡像社会
 NHK受信料、年金と並んで未納が問題になっているのは、いわゆる国民健康保険。未納率が過去最高を記録しており、危機感を抱いた厚生労働省は、携帯電話料金などの請求時に、上乗せする案まで考えているらしい。その理由がふるっていて「未納率が上昇して制度不振を招いた年金の二の舞は避けたい」という。バーカじゃなかろか、であろう。制度不振が未納を招いているのであって、未納が制度不振の理由ではないからだ。良く引き合いに出されるスウェーデン。いわゆる社会保障費などで労働者は収入の60%近い金額を国に納めている。だが、国民の満足度が高いのは、それに見合う見返りがあるからだ。老後は安心だし、子育てのサポートも手厚い。学校も病院も殆ど無料である。財政の運用状態などは、請求すれば即座に詳細なレポートが出されるし、国会議員が自転車で登庁するなど無駄使いもしていないという。翻って日本である。資料を請求すれば戦前の発禁文書みたいに黒く塗りつぶされた書類しか出て来ない(国会議員が請求してもそうだ)。無駄使いについては言うまでもない。現在、日本でもいわゆる国税、地方税、そして年金や健康保険などを加えると、国民の負担額は収入の5割近いと言われている。年金財政は破綻が明らかで、これからいわゆる団塊の世代が定年を迎える中、若い世代はフリーアルバイタばかりで年金など納めもしない。小泉降板の暁には、消費税の大幅アップが待っているが、そのスジの間では10%という数字がもう一人歩きしている。最終的には20%が視野にあるらしい。国によって何故ここまで違うのだろうか。考えてみるに、恐らく日本ではまだまだ「お上」意識が根強く残っているからではないかと思う。例えば税金は国に「とられる」、即ち年貢の考え方そのものなのだ。国に預けるとは誰も思っていないのではなかろうか。
《2005.02.12》
セクハラ教育委員会
 生徒に対する痴漢行為などの不祥事が相次ぐ大阪府で、教育委員会がまとめたセクハラ度自己点検リストというのに、相変わらずなかなか笑える項目がある。「児童ポルノに興味を持ち始めていないか」など、なんだか私生活への干渉がかいま見えるような項目だ。大体、ポルノに興味が無いというなら、その方が異常だ。児童ポルノと言うが、古来、そういう物が珍しい訳ではないことは、宗教画に見るエンジェルのイメージからも分かる。重要なのは、そうした性的衝動を生徒に向けない事であって、その為にソープランド用の補助でも出すというなら革新的だが、そういう発想はなく何でも禁止しておけば責任を果たしたと思っているのは相変わらずなのだ。以前も触れた事だが、徳川幕府が吉原を設けたのは、一般庶民への性的被害を防ぐために欲求解消の場を公的に用意したのだし、第二次大戦の後に日本の臨時政府も、在留米軍兵士に一般婦女子が襲われないように、専門の慰安グループを用意している。この女性たちを芸者と呼んだ事から、芸者と売春婦の区別がつかなくなってしまったのだが、とにもかくにも昔の人の方が人間の生理現象について、正しく認識していたのは間違いない。この教育委員会の面々というのがどういう顔ぶれなのかは分からないが、もはや性的欲求もない枯れた段階におられるのであろうか。このまま行くと、次あたりには教職員の採用基準として宦官(中国の去勢された官僚のことで、驚くなかれ清朝時代まで実在した)に限るとでも言い出しかねないのでは。
《2005.02.11》
東京の温泉ブーム
 東京は北区で温泉探索のボーリングをしていたところ、天然ガスが噴き出して引火した。掘削深度は1500メートルというから、相当な深さである。東京では、あちこちに「天然温泉」がデビューしているが、これは法律改正によって定められた成分が含まれていれば熱くなくても温泉と名乗れるのが一因。ただ、その為に掘られている深さは数百メートルから今回のように1000メートル以上にも達する。この深さに存在するのは、普通の地下水ではなく深深度地下水と呼ばれるもので、普通の地下水のように流れる訳ではなく、時間をかけて地中深くまで染み込んだものだと考えられていて、つまりは限られた資源だというのが定説だ。すなわち、ブームになってあちこちで堀りまくったら、枯渇する恐れがあると、専門家は警告している。現在の所、井戸あたりの汲み上げ量に制限はつけているらしいが、実質的には監視の目が届いている訳ではないのが現実だ。
《2005.02.09》
9つの脳
 CPUの高速クロック競争は完全に頭打ちとなり(インテルは結局、4ギガのペンチを出していない)今やマルチプロセッサ方向へと流れは変わったようだ。インテル自身、次世代CPUとして2つのコアを搭載したチップをアナウンスしているが、今度はIBM、東芝、ソニーが共同で9つのCPUを搭載したMPUを発表した。Macにも採用されているPPCと互換だそうだが、問題は性能である。主催者側の発表が良い事ずくめになるのは世の常で、この発表でも最大で「コア一つである最新型MPUの10倍」の性能をうたっているが、そんな性能が発揮される事は100%有り得ないと思って良い。マルチプロセッサ技術は今に始まった事ではなく、ミニコン全盛の時代からあった。CM-5で知られるコネクション・マシン社の製品やら、日本の大学が開発したGRAPEと言う天体力学計算機など数知れない。だが、こうした複数CPUマシンの問題は、結局CPUをフルに使う為にはあちこちにボトルネックが現れるという点にある。誰でも思いつくのがメモリバスの混雑だろうし、ハードディスクの速度なども変わっていない以上、データの供給が最大の問題だ。また、威力を発揮する問題が限られるのも特徴で、ある特定分野専用に設計された物以外での成功例は殆ど無い。今でもWindows機やMacの高級モデルでは複数のCPUを搭載しているものがあるが、どんな場合でもパワーを発揮するかと言えば、答はNOだ。マルチプロセサのマシンでは、ハードウェア、OS、アプリの3者が揃って対応するのが最低条件である。そこで今回発表されたようなMPUを実際に生かすとなれば、OSもアプリも恐らく事実上全面的な書き換えが必要となるし、例え書き換えたところでCPUの数に比例したパワーが得られる訳ではないだろう。それにしても感心したのは、これを「9つの脳」と伝えるメディアの表現力である。書いた奴の頭は、この1/9程度という事になるのだろうか。
《2005.02.07》
ブラックバス
 一部の釣りマニアにとっては、堪らない魚らしい。日本各地の池や湖に勝手に放流する輩があとを断たず、強力な繁殖力と底なしの食欲によって、既存の生態系に深刻な影響を与え始めている事は何度も報じられているとおりである。滋賀県では釣り上げたバスを再放流する事を禁じる条例を制定したところ、一部の釣りマニアがそれに反発して行政訴訟を起こした。裁判の結果は原告の全面敗訴である。当たり前であろう。狩猟マニアが楽しみの為に、山に勝手にトラやライオンを放ったらどうなると思うか。人間に被害が出ないからいい、というものではない。ブラックバスはその湖の水産物で生計を立てている人達の生活を直撃しているのである。訴訟を起こした顔ぶれの中には、某有名人タレントもいたと報じられているが、前から軽薄な奴だと思っていた印象に身勝手というレッテルが加わった。ブラックバスを溺愛するどうしようもないリコチュー釣りマニアは、一部に過ぎないとは思う。だが、実際には多くの善良な釣りマニアにとっても迷惑千万な話だ。そんなにバス釣りをしたいのなら、資金を募り、自分らでバス用の釣り場となる池を用意するか、海外に出かけるのが当然というものだろう。おのれのご都合主義だけで放流する事は、公害垂れ流し企業以下のモラルだと自覚をするべきだ。
《2005.02.03》
2600億円
 国民年金の未納率は全く改善されず、社会保険庁の見通しによると2004年度の保険料納入額は予定より2600億円の不足となるそうである。これは恐らく、別の予算から補填されるに違いない。ちなみに社会保険庁が事務費やら公用車やら職員住宅やらに年金を使っているのは知られているが、その他に厚生労働省が既得権益として毎年ピンハネしているのが、年間3000億円と言われる。それが削られる事も恐らくあるまい。結局ツケは国民に回るようになっている。
6億円
 青色LEDの中村氏と日亜工業との裁判で、裁判所が和解を勧告したのがこの金額。地裁で出た600億円の1/100で、あまり各方面からのコメントもないようだ。6億円という金額は確かに大きいようだが、考えてみると某在京球団所属で年間にさして出場もしないK内野手の年収のほんの数年分に過ぎない。何もしない天下りが、渡り鳥をしながらかき集める給料と退職金とも大差あるまい。発明に対する貢献度の算出が難しいとは言え、この高裁判決は明らかに企業寄りの解釈と言える。今回の判決については、企業の側で密かに胸を撫で下ろした所が少なくなかったのではないかと思うが、結果として更なる頭脳流出を招くであろう事まで考えたかどうかであろう。
何故わかった?
 神戸市の動物園で、職員がパソコンを使い、イラクで誘拐殺害された香田氏の処刑映像を見ていたらしいが、それを目撃して精神的ショックを受けた、と動物園に抗議していた主婦がいるそうである。場所は資料館の管理室だそうだが、「たまたま」その前を通りかかり、その映像を見てしまったという。たまたま通りかかった理由は何とも言えないが、映像が何の映像なのか分かるまでには、「たまたま」よりは長い時間、見続けなくてはならないだろう。パソコンと言うが通常画面は大きくないし、ネットに流れていた映像は更に小さい。つまりは好奇心丸出しで覗き込んだという事に違いない。この主婦は「楽しい筈の動物園がこれでは怖くて行けない」と抗議したそうだが、それなら最初っから管理室の覗き見などしなければいいのではなかろうか。かつて、テレビの俗悪番組をやり玉に上げていた連中がいた。主婦連とかいう集まりである。「そんなに俗悪番組に詳しいって事は、要するに見てるんじゃないの?」という指摘を受けて以来静かになった。行動原理は共通している。
《2005.02.02》
1300万円
 自民党の麻生総務相が国会で答弁したところによると、海老沢問題で明るみに出たNHKの顧問料。一人年間1300万円だそうだ。週に平均して3〜4日出勤しているとも発言。なるほど、隠したがった訳である。顧問は4人いるそうだから、合計5200万。見方を変えると週休4日の人間に年1300万、仮に年間130日出勤しているとして、日給換算で10万円である。これが聴取料から払われているのだ。こんなのはまさに氷山の一角であり、いわゆる天下りには安くてもこの程度の給料が出て、3年ほど勤めて数千万の退職金が出ているという事だろう。「個室はない」などとも答弁したらしいが、偉そうに言えた実態か。情報公開法の徹底こそが、国家財政再建の第一歩だと分かる良い例である。ところでそもそも、一体全体何をしている仕事なのだ、この顧問とは。お茶飲んで新聞読んで雑談でもして帰るのか。

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