一刀両断ミニコラム
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2004年2003年

《2005.08.30》
垂れ流しODA再び
 外務省は、6年間減少していたODA予算の大幅増額(12%)を来年度に要求するそうだ。理由は言うまでもなく、常任理事国入りの手みやげにと、アフリカ諸国に向けて約束した小泉外交が一つ。もう一つが中国などの対日感情悪化への対策で、これも小泉政策のなせる技だ。常任理事国入りなど破綻しているにも関わらず、口約束は履行しなくてはならないらしい。無益な無能外交で支出は増える。というより、それを千載一遇のチャンスとばかりに、外務省が予算獲得に動いたとも見る事が出来よう。さらに、この増額分より、今回の総選挙にかかる経費の方が大きい。まったく、どこが小さい政府の実現だ。財政再建など望むべくもなく、サラリーマン増税、弱者の突き放しは今後も激しくなっていくだろう。小泉外交といえば、今度の総選挙、投票日を9.11にしたのは「同時多発テロ記念日だから」(小泉首相)であった事を、山崎拓氏が福岡の講演で暴露した。こんな外交感覚である。
世論誘導
 小泉内閣の支持率が81%に上昇した、という記事を日経新聞が掲載した。何事かと思って良く読むと、経団連が会員企業の管理職を対象に実施したアンケートの結果らしい。経団連と言えば、大手企業の集まりだ。弱肉強食社会の実現を押し進める小泉内政の恩恵に預かっている企業ばかりな訳で、それの管理職というのだから支持するのは当然であろう。天下り官僚に天下りシステムを支持するか、とアンケートするようなものだからだ。問題は、こういう記事の数字だけを大きく掲載するメディアの姿勢である。これは別に日経に限った話ではない。支持率調査と言う数字は頻繁に新聞紙面を賑わすが、良く見ると有効回答数が1000そこそこ、なんてなものばかりで、数字そのものの信頼性に乏しいものばかりである。特に、調査方法が電話番号をランダムに選んで口頭で行うものばかりであって、当然ながら調査対象は偏る事になる。一家の中心が自殺した母子家庭のように、経済的に破綻していたら電話は無いかもしれないし、電話がかかる時間も昼間であろうから当然ながら回答するのは有閑マダムが多くなろう。小泉有利にバイアスがかかるのだ。ところで選挙の投票率を見ると大体50%くらい。そのうち自民党が獲得するのは半数以下で(公明党と連立を組んでいるから与党になっている)あるのだから、支持率は25%以下と見る方がよほど信頼度は高い。「主席さまの支持率は100%」と報じる北朝鮮をとやかく言える姿勢ではあるまい。
《2005.08.29》
本日はいろいろと
  • ゆかりたん
     郵政民営化反対議員と、自民からの刺客候補との対決で最も注目を浴びる、野田聖子議員vs佐藤ゆかり候補。佐藤候補には「ゆかりたん」なるニックネームもついたそうだ。ご存知、最近流行のフィギュアに見られる命名である。選挙というと投票率が何時も話題となるが、小泉ブレーンの指摘通り、IQの低下も顕著になってきたらしい。モデル制作のようなアマチュアでも職人芸と言えるようなものはともかく、人形遊びというのは、かつては小学校低学年で卒業するものであった。もっとも、政策の中身を論じたり特別会計に斬り込んだりもせず、ホリエモンだの女性候補のファッションセンスだのというような記事ばかりが紙面を賑わす、マスコミの姿勢も大して変わり映えがする訳でもない。政治と芸能界の区別がつかないんだから、似たような物である。

  • 刺客
     で、その刺客候補について、自民党は「刺客」という言葉を使わないで欲しい、と報道各社に申し入れ。イメージが悪いのだそうな。そもそも民意を問うとか言いながら、片方は公認して片方は未公認、しかも自民党を除名している訳でもなく、当選すればどちらも自民党だというんだから、イメージどころかアンフェア丸出しだと思うのだが、要するに自分らのやっている事に絶対の自信がある訳でもない事を示す行動であろう。

  • 一回コピー
     本欄でも何度も書いているし、別稿の「一刀両断ホットコーナー」でも以前から指摘しているが、デジタル放送には全て録画一回限りという仕掛けがあって、DVD録画機で録画してもDVD-Rには録画データを「移せない」。当然のことに非難轟々で総務省はこの規制を緩和する方策を検討する事になったらしい。もっとも、マニアの方はご存知の通り、映像信号の「整形器」を使えばクリアできる仕掛けではあるが、他にもDVD録画器を使った方は痛感する二カ国語放送の面倒臭さ、思いっきり怪しい課徴金制度など、デジタル機器の不透明さはこれに限った話ではない。総務省では、このコピー制限の仕掛けが普及の足かせになりかねない、というのを理由の一つに上げているが、はて、6年もすれば今のアナログ放送を無くすんではなかったのか。デジタル以外の選択肢を無くすんだから、デジタルの普及率は黙ってたって100%になるではないか。かくして、アナログ放送打ち切りの見直しも検討項目に出て来ているに違いない、と見てとれるのである。同時に何かと言えば、欠点には目もくれず、消費者に新製品を買わせようとばかり考える、マスコミ、メーカ、販売店などの姿勢も問われるべきだろう。

  • 字幕放送
     聴覚障害者向けに行われている字幕放送。普及率をもっとアップさせようと総務省は検討を開始するらしい。ところで、政府は弱肉強食社会の実現を目指し、「障害者自立支援法」(別名、障害者突き放し法。ただ、廃案になるらしい)を制定するなど、社会的弱者は見捨てるという方針だったのでは? 字幕放送関係で、業界への天下りでも見込めるのであろうか。

  • 取消処分
     大会優勝後に監督の暴力行為(ピンタ程度で騒ぐな、という気もするが)が明らかになった、北海道の駒大苫小牧高校に対して高野連の示した処分は、大会直前に出場ドタキャンになった高知の明徳義塾とは対照的で、優勝は取り消さず、次の選抜への出場も可能というものとなった。この決定そのものにケチを付ける気は毛頭ない。明徳義塾への処分(名目上は自主的辞退だそうだが)の方にこそ文句を言いたいのは、以前も書いた。さて、問題はこの「差」は何かである。どちらも学校側が監督と結託して保身をはかり、父兄からの告発でコトがバレたという点では同じようなものだからだ。高野連の説明を聞いていても、どうも釈然としたものがない。こういう場合、もっともありがちなのは、おなじみ「袖の下」なものだが、さて真相は。
《2005.08.27》
読売流作戦
 来期、巨人監督に元阪神監督の星野氏擁立か?(例によって、?がつく)という記事が、色々と新聞を賑わせている。コトの真偽について色々と憶測が飛び交っているようだが、経緯を見ると殆ど見え透いた読売側の作戦であると言っていいのではなかろうか。簡単に言えば、既成事実を作ってしまい、あとはそれを包囲網にしてNOと言えない雰囲気を作り上げるというものだ。まずは「噂」を流す。続いて読売系メディアで「候補に入っている」と何度も書く。星野氏には注目が集まる。恐らく、次の段階に向けて、次第に波を強めて行くのであろう。星野氏が受諾するかどうかは当人次第だろうが、問題は読売側の認識である。この作戦が通用したのは、巨人監督というブランドが絶対の存在感を見せていた時代の話だからだ。今や、巨人の監督を引き受けるという事は、針のムシロに座る事である。札束を積むだけで何とかなるとも思えないし、星野氏が引き受けるとしたらフロントまでの全面的な掌握を要求するだろうから、それをナベツネとその腰巾着が認めるとも考えにくい。その認識が読売側にあるかどうかであろう。
《2005.08.26》
10ヶ年計画
 小泉総理は、テレビ東京の番組収録で、財政再建は10年以上かかると述べたという。あと10年は首相をやる、ともとれるような発言である。与党が勝利し、郵政民営化をして、財政健全化を軌道に乗せて、それで10年という事だそうだ。就任した時、確か国債発行額を減らして財政再建をする、と公約した事や、実際には僅か4年で国の赤字を200兆円も増やした事に、局の側が触れたかどうかは不明だが(多分何も触れておるまい)、この割合であと10年もかけたら財政赤字は更に500兆円増えるであろう。どこが財政再建なのかさっぱりである。そもそも、この増えた赤字は郵政関係が産み出している訳ではない。郵便事業そのものは黒字であるし、今後、通信事情が電子化されたりして需要が変動するにしても、郵便が無くなる訳ではない事は、テレビが普及したからと言って映画が無くなった訳ではない事でも明らかだ。国鉄を民営化、JRにしたのはいいが、貨物部門を徹底的に縮小してしまった結果、世界では環境問題で鉄道のクリーン性が見直されている時に、流通を鉄道に移す事すら出来ない。郵政も同じ事であって、今の法案で民営化を進めたら、将来、情勢が変わった時に対応が出来なくなる恐れもあるが、そういう可能性など全く考慮されていない。民営化で間違いなく実現するのは、宅急便など民業への圧迫であり、国民の預金が米国へ流出するだけで(竹中の所には、米国の財務長官から、次にこうしろという手紙が来るという)、10年以内に日本崩壊の方がよほどありそうなシナリオだ。そこら中で指摘されているが、小泉改革は既存の秩序を壊す事ばかり述べていて、その後にどういう社会を構築するのかを示していない。構造改革とは弱肉強食社会の実現か、と聞かれると、能力のある者がチャンスを掴む社会だ、と言い逃れるのだそうだから、多分、そういう社会なのであろう。先日も指摘したように、障害者への国からの保護も大幅に減らす法律、障害者自立支援法も制定される。ナチスドイツは、障害者を国家に益なき存在として、抹殺したそうだ。ウルトラマンは怪獣を倒すかもしれないが、壊れた街を再建してくれる訳ではない。1週間で元通りになるのは、テレビの中だけである。
《2005.08.25》
既に増税済み
 選挙対策として、自民・公明の与党は政策として「郵政民営化に重点、サラリーマン増税は行わない」というものを発表した。笑わせないでもらいたい。増税は実施済みである。保険料アップ(しかも今後段階的に上がる)も、配偶者控除廃止ももう決まっているではないか。そもそも、既に国の財政に200兆円以上の赤字を上乗せしておいて、どう財源を確保するというのだ。天下りの給料や退職金は野放し、議員年金問題はどこ吹く風。まさか郵政改革をして、郵貯を流用する(国民の蓄えを使いまくる)とでも言うのであろうか。まったく有権者を馬鹿にしているし、それを真面目に報じるメディアもどうかと思うが、これも「支持層はIQの低い階級」作戦の一環ということか。
《2005.08.24》
潔いってどこがだ
 新聞やテレビなどで、今回の選挙に関する小泉総理の言動を「潔い」と評するケースが多い。その代表が、「過半数を取れなかったら退陣する」だ。メディアは馬鹿か。過半数が取れなかったら、野党になるんだから、最初っから首相への指名そのものを受ける訳がないではないか。まるで大学の前で「入試に通らなかったら、オレはこの大学には入らない」と啖呵斬ってるようなものであろう。それ以外にも、いわゆる刺客候補問題にしたところで、郵政法案反対派の議員には公認を与えないと言いながら、別に党を辞めさせている訳でもないのだから、どちらが当選しようと「自民党」に変わりはない。さらに民意を問うと言うのなら、両者非公認にするか、両者公認にしなくては公平性に欠ける事は明らか。公認した側が最初から数万票の下駄を履いているのだ。来年9月任期満了以降の「続投はない」にしても、一度総理をやめてから再度総理になればいいだけであって(日本の総理には米国大統領のような再選数制限はない)、今回の選挙で過半数を取ったなら、その勢いで「要望に答える」のに別に何も問題はないのだ。大体、憲法違反スレスレの自衛隊派遣(しかも国会で審議をまっとうにさせていない)やら国会解散(三権分立に対する重大な侵害だ)やらを平然とやってのけるような人物の発言を、額面通りに受け取る事自体が能無しの証明ではないのだろうか。小泉総理の発言を聞いていると、総理大臣は大統領だと勘違いしているとしか思えないフレーズが多い。総理大臣は国会議員の投票によって選ばれるのである。いわば議員の代表であって、言い換えれば学級委員のようなものだ。それがまるで校長であるかのように振る舞っている。本来、そこをもっと突くのがメディアの役割ってものじゃないのか。
《2005.08.22》
ヒーロー願望
 評論家の立花隆氏が、氏のブログ(民主党のMLより)、
http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050811_kaigai/
で、今回の郵政解散劇について書いているが、その5頁目でこの解散劇のあと、小泉支持率が上がった事に驚いている、と述べている。だが、辛口子の考えるに、これはさほど不思議ではなく、単なる「ヒーロー願望」ではなかろうかと見る。さよう、例えて言うならば、ウルトラマンがスペシウム光線で怪獣を叩きのめすというあのイメージであり、単純にかっこいい、と拍手を送っていると考えれば十分に説明がつくのではないかという訳だ。ただし、ウルトラマンはテレビ画面の中だけの存在だから、それ以上のものではないが、実際に存在したらスペシウム光線が自分に向かって来ないとも限らない、という所までは想像していないのである。今回の首相による議会解散は、三権分立に対する重大な侵害であり、憲法違反である可能性は大であると以前も書いたが、そんな事は考えもせずに空想と現実の区別が出来ていない訳で、要するに支持層は知能程度が低いのだ。反論する向きは、小泉総理のブレーンが作成したというメモの話を思い出してもらいたい。小泉内閣支持者はIQの低い層だと想定してPR作戦を展開する、というアレである。まさにその通りではないか。さて、立花隆氏は、同じブログの別の頁、
http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050818_gensou/
で、このまま自公民連携で大勝したら(可能性は少なくないと辛口子も思う)、勢いで次の首相在任も強行、憲法を改正して行くのではないかとも懸念している。もしそうなったら、日本は間違いなく右傾化して軍事国家への道を辿るだろう。日本国民の蓄えである郵貯と簡易保険は海外、特に米国を潤すだけで霧散し、徴兵制の復活すら有り得ない話ではなくなる。とはいえ、それは日本国民が自ら選んだ道な訳で、結局、「愚かなる大衆」と看破したレーニンが天国で笑う事になるのだろう。
《2005.08.16》
伏魔殿・特別会計
 国会の予算審議などを見ても分かるように、日本の国家税収は40兆円そこそこである。そんな国が、どうして700兆円もの借金を抱え、米国債を年間33兆円も購入できるのか、どうも理解できないでいたのだが、やっと分かった。特別会計という怪物である。今更何を、とか、勉強が足りない、という叱咤は甘んじて受けるが、こういう官僚マジックこそが諸悪の根源である事がようやく理解できた。ご存知の皆様には釈迦に説法となるが、今日はその話を書いてみたい。
 国の財政には、一般会計と特別会計がある。一般会計とは、予算案として国会で審議、承認されるもので、通常公開される国家予算の事である。特別会計とは、特定用途に限って使われる金の為に作られるもので、通常、所轄する省庁の管轄になる。特別というからには、一般会計に比べれば一部の金額だろう、と常識的には考えるが、実はこれがとんでもない化け物で、現在は一般会計約80兆円の数倍にもなる200兆円に膨れ上がっているのだ。特別会計の行き先は、いわゆる特殊法人(道路公団など)である。国会審議を通らず、省庁の役人のサジ加減でこの膨大な予算は運用されるので、まさにそこは利権と贈収賄の巣になる。そして一般財源の原資(収入)は主に国債と税収だが、この特別会計の原資こそがあの郵貯と簡易保険なのだ。郵政改革が叫ばれる理由は主にここにある。上流を遮断しようという訳だ。この特別会計には、これまで何度もメスが入れられようとしてきたが、その度に官僚の粘り強い抵抗に挫折して来た。あの塩川財務大臣が述べたように「母屋では粥をすすっているのに、別棟では子供がスキヤキをたらふく食べている」のにである。ただし、それでは今の小泉内閣による郵政民営化は進めるべきかというと、それがそうはいかない。今度の民営化は、即ち米国への利益供与に他ならないからで、何ら国民の利益にはならないからである。ところで先日、民主党が郵貯の限度額を引き下げる公約を発表したが、現在の1000万になったのは実はごく最近の事だ。調べてみると、

1965年4月→ 100万円
1972年1月→ 150万円
1973年12月→ 300万円
1988年4月→ 500万円
1990年1月→ 700万円
1991年11月→1000万円

 という具合に引き上げられてきている。特に500万から1000万になるのに僅か3年しかかかっていない事に注目してもらいたい。この間に、この特別会計利権構造が一気に根を拡げたのである。閑古鳥が鳴くような保養地がじゃんじゃん作られたり、誰も使わないような音楽ホールが建設されたりしたのは、その氷山の一角という訳だ。なお、この特別会計については、簡潔にして分かり易い説明が、
http://kaminari.cocolog-nifty.com/gorogoro/2005/07/post_4dcc.html
に出ている。選挙の争点が単純に郵政民営化賛成かどうか、などという安易な代物ではない事が理解できよう。
追加:右翼に刺殺された民主党議員の石井鉱基氏は、この特別会計について追求を続けていた一人だった。表向き、自称右翼の逆恨みによる犯行という事になっているらしいが、どう見てもきな臭い。

《2005.08.14》
刺客候補とは何か
 今度の衆院解散総選挙では、自民党は小泉総理指示のもと、郵政民営化に反対した議員には、その選挙区に対立候補を擁立し、反対した議員当人には公認を与えない方針である。事実、そのとおりに実行している。これを報じるマスコミは、何故、不可解だと強調しないのであろうか。
 そもそも、郵政法案に反対した与党議員に問題があるというなら、それは自民党の中の問題である。党議党則にのっとって、党内での処分をすればいいのである。それを事もあろうに参院で否決されたのは、衆院で反対した奴がいるからだと、わざわざ解散をし、数百億円の国費を使って総選挙をするというのだから、小泉総理はまさに国家を自分の都合で使っている事になるではないか。さらに不可解なのは、当該議員を公認せず、しかも対立候補を立ててそちらは公認するという手段である。民意を問うというのなら、賛成反対の議員は同じ条件でなくてはならない。すなわち、公認するなら両方とも公認すべきだろうし、しないのなら両方とも公認しないのが公平というものだ。これでは明らかに郵政法案を通したい側、すなわち小泉総理の思惑に従う方にバイアスがかかる。つまり、最初から票数にハンデをつけているのと同じであって、お世辞にも民主的な選挙だなどと言えたものではないということではないか。しかも反対した議員は党から罷免する訳ではなく、自民党員のままなのだ。当選したら、当然ながら「今度は賛成票を入れるんだぞ」と圧力をかけられるだろう。まったく、日本のメディアがこうまで情けないとは。
《2005.08.13》
小泉手法をよっく考えよう
 13日放送のパックイン・ジャーナルは特別3時間版であった。その中で色々と語られていて、なるほどと思ったのは、今回の解散劇は実は憲法違反ではないか、という指摘だった。そもそも総理大臣に解散を強制する権限があるという法的根拠は無いそうだ。総理大臣は国会の中から国会議員によって選挙で選ばれるのである。従って、国会議員を代表する立場なのであって、上に君臨する者ではない。実際、7条で解散出来るのは、要するに不信任案が通るか信任案が否決される場合で、だからこれまでの内閣は、与野党で示し合わせて、不信任案を出させたりして、解散につなげてきた。今回は総理の独断でコトを強制した訳で、仮にこれが今後の実績となるとするならば、総理大臣は自分の気に入らない国会議員がいなくなるまで、解散を繰り返す事が出来ることになる。これは大統領制を通り越してまさに独裁である。小泉手法を「指導力」と思う向きがあったら、これが自分に向かって降り掛かって来た場合の事を考えてみて欲しい。法を無視して身勝手をする事が指導力なのだろうか。しかも相手は国家権力の総元締である。
 今回、小泉総理は選挙を「郵政民営化に対する国民の信を問う」と言っているが、憲法違反スレスレの自衛隊派遣を内閣で強引に決めた時ですら、そんな事はしなかった。国民に信を問うどころか、国会での審議すらまともにさせなかったのだ。そもそも、かつて公約としてかかげていたものは、どれも例えば国債30兆円未満のように、全く実現できずに投げ出しているものばかりである。自民党をブッ壊すと言ったが、そんなものは元々崩壊寸前だったのだ。しかも、北朝鮮との対話政策は失敗、イラクに自衛隊派遣までして日本は国際的地位を得たかと言えば、国連での演説は客席がガラガラで常任理事国入りは馬鹿にされて終わりであった。総理になる前は行った事もない靖国神社に参拝してアジア諸国から毛嫌いされ、六カ国協議では蚊帳の外に置かれてしまい、拉致問題は前進どころではない。公務員削減は独立行政法人に形を変えただけで国家財政の借金は200兆円も増え、道路公団は3つに分割して天下り先も3倍になった。分割民営化によって高速料金が少しでも下がっただろうか。それどころかユーザに対しては、自前でETC装置を買う事が事実上強制されつつあるのが現実ではないか。これで郵政の民営化に賛成するというなら、黒猫ヤマトが何故反対しているのかを調べ直して欲しい。郵便局の配達車は一方通行を逆行しても咎められない。集配業だけで考えても圧倒的に有利であり、民業圧迫だ。これで国民に一体どういう利益があるのだろうか。
 小泉内閣の構造改革で、日本は確実に弱肉強食社会へと変貌しつつある。先日も書いたように、貧富の差は過去10年で倍にも広がった。リストラされた弱者が自殺しても政府は知らん顔だ。しかもなるべく簡単には死なないように、うつ病のカウンセリングを行うという念の入れようである。今度は障害者自立支援法というのが出来たそうだが、中身を見ると障害者は援助を当てにするな、自分で金を稼げと言う代物だ。その理由は国家財政が逼迫(ひっぱく)しているからだという。戦争に数千億円を使い、米国に毎年何十兆円も貢いでいながら、弱者はさらに叩こうというのである。無論、一般国民にもこれから大増税が控えている。
 そして今回、この郵政の民営化だけ、選挙をして民意を問うわけだ。過半数を取れなかったら総理を降りる? 当たり前である。過半数を取れなかったら野党になるんだから、そもそも総理指名など受けられる訳がない。入試に落ちたら大学に入るのは断念する、と自慢しているようなものではないか。で、まだ公社化して2年だというのに、郵政の民営化をかくも急ぐのは、郵貯などの350兆円を米国に貢ぐ為とも思えるが、何よりも総理として何をしたかという実績が、これまで何も無い事に当人が焦りを感じているからではないかと思われる。国内に死屍累々の弱者を残し、それでも自分の実績が上がればそれでいい、という人物の人気が相変わらず高いのは何故か。諸外国からは日本国民の知的水準が疑われよう。が、日本国民を犠牲にしても自分らと皇族だけは生き残ろうとしたA級戦犯らを奉って、不思議に思わないのだから仕方ないのだろうか。
 最後に、自民党が出した新憲法草案。最後の条文に「改正は衆参両院の過半数で可能」とあるのだそうだ。今の憲法ではこれは2/3以上の賛成となっている。従って、この新憲法が成立したら、「次の改正」がずっとやり易くなる仕掛けが隠されているのだ。国民皆兵でも徴兵制復活でも侵略国家誕生でもだ。若き諸君、いいのか? 徴兵されるとしたら君たちだぞ。
《2005.08.11》
ヒトラーも苦笑か
 自分の我が通らないと、反対する人間を全て抵抗勢力と糾弾、全選挙区に対抗馬を立てるという事で、ガキの心理そのままだが小泉政権はそれを通すようだ。まあ選挙というのは争点が明確なら、こういう手法は違法ではない。幼稚なだけである。しかし、今回の争点が果たして郵政民営化1本になるかと言えばそうではない。国民にしてみれば、今すぐ郵便局がコンビニになる事よりも、年金問題の方がずっと身近な筈だ。だが、メディアはせっせと小泉政権に肩入れして、郵政は民営化しなくては生活が良くならないかのようなイメージを植え付けてくる。日本の問題は、永田町だけではなく、こうしたメディア、特に地上波テレビの知能程度にある事は常に語られているところだ。NHKもこの問題については今ひとつ切れ味がないが、戦後60周年記念で今連続放送されているNHKスペシャルは、流石に濃い内容となっていて貫禄を示しており、いずれ特集番組を組んでくれるだろう。で、話を戻して、こうした小泉手法については、これまでも独裁者だとかヒトラーなどと言われてきているが、ではヒトラーとの共通点はあるのだろうか。少なくとも、一見して耳に聞こえがいい事を並べるという点では、確かに共通している。だが、手法から言えばヒトラーの方が遥かに洗練されていたし(ナチズム崇拝ではないので念のため)、小泉総理が良く引き合いに出す論語などの引用も的外れな勘違いばかりで、これではヒトラーも失笑というところであろう。そうした間違いを指摘しないのも、地上波メディアの救われない点である。先日も小泉総理は自分をガリレオに例えていたが、ガリレオは天文学から論理的に主張を行い、それに対して宗教界が聖書の記述に反すると弾劾したのであって、それと今回の解散騒動とは、まるで次元が違う事に本人も地上波メディアも気づいていない。小泉政権の唱える郵政民営化に、論理的な整合性などかけらもなく、あるとすれば、問題の本質を解決しないまま、民営化という形をとる事で、話をややこしくして見えなくしているだけであるからだ。何度も書いているように、小泉政権はアメリカにせっせと国民の血税や日本の資産を貢いで来た。その意味から言えば、アメリカ原理主義である。そのアメリカでは今、キリスト教原理主義が蔓延している。ブッシュの支持母体の一つが、いわゆる福音派と言われ、エルサレムからパレスチナ人を一掃すれば天からキリストが降臨して、世界が平和になると信じているおめでたい集まりだ。アメリカ人が合理的で先進的な考えの持ち主などと思ったらとんでもない誤りで、例えば未だに進化論を異端として学校で教えない州がいくつもあるばかりか、最近のある調査によると、人類がもっと下等な生物から進化したと信じていると答えたアメリカ人は、46%しかいないという。他の国、例えば英国や日本などではいずれも90%を越えているのと比べると、この値の低さが目立つ。こう見て来ると、どっちがガリレオなのかという話になる訳で、ガリレオも苦笑している事であろう。
《2005.08.10》
こっけい選挙
 先週放送のパックイン・ジャーナルに出演していた平野貞夫元参議院議員が、小泉総理の人柄を評して「17〜8のガキが突っ張っているようなもの」と述べていたが、参議院で自分のワガママが通らなかったからと、衆議院を解散するというのだから、どうやらこの評は的確だったようだ。閣僚が反対すると、罷免して自分が兼務し、書類にハンコを押すという具合で、やってる事はまさにガキである。思い起こせば、自衛隊派遣の時も内閣府だけで法案をまとめ、国会での審議もロクにせずに強引に施行するという、議会制民主主義を冒涜する行為をしている。まさに頭の中は独裁者、或は「お山の大将」なのである。さて、郵政民営化法案の問題点は本欄でも今まで多く書いてきたが、バックにアメリカがいて、糸を引いている事も指摘した。日本の情報網などは、アメリカには殆ど筒抜けである。スパイ衛星というと、高解像度のカメラばかりが話題になるが、ある程度大きなパラボラアンテナを地上に向けて拡げれば、携帯電話でのやりとりなどはそのまま傍受されると思っていい。デジタル化されているから盗聴は困難だ、などと言うのは素人で、実際には電話機固有のIDなど、データの持つ特徴がある訳だから、むしろ混信からの分離抽出は容易なのである。さて、こうしてスキャンダルの全てを握られているのが日本の政治家だが、小泉総理はそれ以前にアメリカべったりのブッシュ大好き人間である。選挙の投票日が9.11だというのだから、そのぞっこんぶりが分かろうというものだ。毎年何十兆円も米国に貢ぎ、日本の資産を切り売りして来た上に、今度は国民の蓄えて来た郵貯と簡易保険をも差し出そうというのだ。民営化という言葉に単純に「それは良い事」と受け止めて、今回は自民党小泉派を応援したい、という向きは良く考えてみてもらいたい。郵便事業と財政投融資とは違う問題である。郵便配達はインフラである。ここがどこかに押さえられてしまったら、国家存亡の危機になる。だから、民間委託を試みた英国でも、結局はもとに戻しているのである。ところが、今の民営化法案はこの両者をごっちゃにして、訳分からなくする代物だ。目的は言うまでもなく、350兆円をアメリカに合法的に貢げるルートを作る事である。間違いなく待っているのは大増税だ。こんな売国奴にこれ以上好き勝手にさせてはならない。今度の選挙では、郵政民営化は主たる争点にはなるまい。恐らく、年金問題を始めとする身近な話題を野党は持ち出すだろうからだ。では国民は何を選択したらいいのだろうか。それに対しては、明確な指標がある。どっちを選ぶか迷うのだったら、無条件で野党に投票せよ、である。野党が政権を持って、なおかつ駄目だったら、今度はその時の野党に入れれば良いのだ。政権が交代する事は、常に良くなる事を意味するのではない。交代する事で癒着やなれ合い、談合などを防げるのである。これが改革へ繋がるのである。
《2005.08.06》
原爆投下を考える
 毎年、この時期になるとヒロシマ原爆投下問題が色々と語られる。開発に関わっていた科学者は反対だったとか、9.11テロ以降、トルーマンの判断を支持しない流れが米国に強まっているなどというような記事が新聞にも出ている。さて第二次大戦が終了して60年が経ち、色々な資料が米国でも公開され、ソ連崩壊でそちらからも歴史の謎が明らかになって(ヒトラー死亡の実態が代表的)、日本に原爆が投下されるまでの経緯もはっきりとしてきた。それによると、原爆の投下は歴史的必然に近いものだったようだ。開発の責任者、オッペンハイマーは原爆はその実験で威力を相手に知らしめ、実際に使う必要はないという考えで、最後まで投下には反対だった。一方で、トルーマン(言うまでもないが当時の米大統領)は最後まで悩んだ末に、投下を決断する。この違いを理解するには、当時の世界情勢を考える必要がある。人道的見地という狭い視野だけでは、投下の理由は説明できない。世界の勢力バランスという大局的見地から考えなくてはならないのである。
 既にヨーロッパでナチスが降服して3ヶ月、それまではおとなしかったスターリンの目論みが、西側連合国側にも明らかになってきていた。スターリンは着々と東ヨーロッパを支配下におさめつつあり、次はアジアに目を向けるのは明白だった。一方、その太平洋戦線では、米軍は着実に戦果を上げ、硫黄島、フィリピン、沖縄へと進攻していたが、日本軍の執拗な捨て身の抵抗に被害もうなぎ昇りだった。沖縄戦がようやく終わりを見せた頃には、米軍死者は10万の大台に達していたのである。一方、既に制空権など失って、日課のようにB29の爆撃を受け、全国主要都市の殆どが焼け野原になっても、日本政府、特に大本営には降伏の意思はさらさら無かった。先日、見ていた最新のドキュメンタリーの中に、当時日本軍の捕虜となっていた米兵が、「収容所の将校は、日本上陸作戦などをしたら、日本国民の最後の一人に至るまでが抵抗するだろう。日本の人口は1億人だ。それを殲滅させるには、あんたらの孫の世代までかかるよと言っていた」と証言していた。その頃、日本政府は長野に大規模地下施設を作り、そこに皇族と大本営を移転させるという計画を開始している(その頃に掘られた穴が今でも残っている)。つまり、日本政府と大本営は、孫の代までかけて国民の屍の山を築いてでも、自分らと皇族だけが守られればいい、と思っていたという事だ。靖国神社にまつられているという、A級戦犯とはこういう連中の事であって、それを今の日本政府は国民を守る為に身を挺して戦ったと言っている事を、改めて考えてみなくてはならない。
 さて、自分さえ良ければそれでいい、という日本政府の思惑などとは関係なく、スターリンは着々と極東に兵を移動させていた。米国にしてみれば、極東にソ連が進出する事は、何としても避けたい。が、日本をさっさと降伏させないと、北からスターリンが攻め込む隙を与える事になってしまう。それは米国国家の戦略ばかりか、世界規模でのパワーバランス、つまり戦後の世界を考える上でもまずい展開であった。かと言って、日本上陸作戦を決行するとしたら、米軍死者の数は100万に達するであろう事も明白であった。そんな事になっては、もし戦争に勝ったとしても、今の米政府に対する国民からの非難は免れず、それもソ連に有利になるだろう。米国は日本に何度も降伏の受け入れを打診しているが、日本政府はその度にそれを拒否するか黙殺していた。トルーマンには時間が無かったのだ。遂に広島に原爆が投下される。その後に改めて降伏勧告が出されるが、またも日本は黙殺した。一方、原爆投下の知らせを受けたスターリンは、遅れを取る訳にはいかないと一気に満州に軍を進めた。圧倒的なソ連の戦力に当時、満州にいた関東軍は瞬く間に追い散らされ、残された民間人には過酷な運命がのしかかった。いまでもニュースになる中国残留孤児とは、この時、逃げ遅れた子供たちである。そんなスターリンに対して、当時の日本政府は和平調停を依頼する特使を派遣していたのだから、いかに国際感覚がズレていたかが分かるだろう。9日、長崎に第二の原爆が投下された。遂に昭和天皇から、降伏するようにという指示が出る。日本政府はポツダム宣言受け入れに動くが、まだ大本営は従わなかった。ポツダム宣言では無条件降伏を要求していた上に、日本の天皇制についての扱いを明確にしていなかった為、何が何でも天皇制護持を絶対条件としていた軍部が腰を上げなかったのである。その軍部も遂に折れ、日本がポツダム宣言を受諾して降伏したのは8月15日になってからだ。昭和天皇が、自分はどうなってもいいから、と言った為と伝えられる。
 こうして見て来ると、日本は思いっきり無能でリコチューな政府と軍部を持った割には、途方も無く幸運でもあったと理解できよう。何故かというと、結局日本はソ連の進攻を受ける事なく、朝鮮半島のように分断された訳でもないし、東欧諸国のように共産主義支配を受ける事もなかったからだ。また、こうして歴史の経緯を見て来ると、(例え、歴史にIFは無いとしても)日本に原爆が落ちたのは、米軍側の人道性以前に、情勢を見極める事も出来ずにひたすら過去の幻影にしがみつき、おのれの保身を計るだけだった当時の日本政府と軍部が、国民を盾にして何時までも降伏しなかったからだと言う事が明らかになってくるのではなかろうか。最後の最後までミスを認めず、汚点を必死に隠しておのれの保身にのみ走る姿。それは今もって、企業の不祥事、官僚の汚職などに変わらず見られる光景である。日本チッソ、薬害エイズ、アスベスト業界など、共通するのは人の命がどうなろうと、私腹を肥やせればそれでいいという体質だろう。同じパターンの繰り返しを見るにつけ、一体、広島、長崎をはじめとする国民の犠牲は何だったのだろうかと思うのだが、毎年この時期に繰り返される論調には、子供じみた世界平和への安直な願望が列挙されるだけである。
《2005.08.05》
連帯責任を斬る
 高校野球で、恒例の連帯責任がまた出た。出場を決めていた明徳義塾が、土壇場で不祥事発覚から出場停止になったものだ。先輩が1年生をイジメていたとか、下級部員11名が喫煙していた、というのがその不祥事の内容らしい。いずれも当事者は甲子園出場のレギュラーにはいないという。イラク人質事件の時はあれだけギャアギャアと「自己責任」を連呼しておきながら、何でこの連帯責任を誰も問題にしないのか知らないが、こんなシステムはまっとうな生徒らに対する重大な人権侵害であろう。責任を取るとしても、せいぜい監督か学校の責任者でいい筈で、立場の弱い生徒らに一方的に責任を押し付けて自分らは知らん顔というシステムは、時代錯誤を通り越して人外である。以前も書いた事だが、高野連は内部で経理の不祥事が発覚した時も、誰一人として連帯責任など取らなかった。責任感ゼロの一方で自己保身の知恵だけはあり、今回も報道内容を見て分かるように、明徳義塾が「自主的に」辞退を申し出た事にしている。だが、世の中を広く見渡しても、こんな連帯責任などというシステムはどこにもない。高速道路公団など大抵の集団は、不祥事がいくら重なろうと、素知らぬ顔だ。今回の明徳義塾問題一つで、未来の野球選手がどれだけ野球を見放すだろうか。まあ、高野連なんてな集まりは、プライドの上にあぐらをかいているような連中で、どうせ脳細胞も殆ど働いていないようだから、そういう発想自体が不可能なのに違いない。さっさと高野連の解体から着手すれば、こんな馬鹿げたシステムは、即座に霧散消滅するだろう。
《2005.08.04》
小泉退陣なるか
 郵政民営化(本欄でも指摘しているように、これは米国に国民が貯めた金を渡す仕掛けだ)法案が可決しなかったら、衆院を解散するとか、総理退陣とか色々と憶測が飛び交っている。例によって、小泉総理は土壇場まで気配を出さず、最後の最後に何か動くだろうから、それまでは予測をしようにも無理というもの。ただ、別の視点から見ると一つの条件がある。それは、米国の思惑である。米国が、もう小泉には用はない、と判断したなら退陣であろう。こう書くと、なんだか日本は米国支配下にあるように見えるが、事実、そうと言えない事もないのである。それは情報戦略で日本は圧倒的に敗北状態だからだ。日本は、海外で何かの協議会をやる時、派遣団と日本との連絡が米国に筒抜けなのだそうだ。後ろに鏡を置いたままでポーカーをやるようなものである。同じ理屈で今の政治家は、過去の汚点から何から全て米国に知られていて、何時でもスキャンダルをバラされればお終いだ。アメリカの意向に逆らった最後の政治家は、あの田中角栄と言われている。その角さんも、ロッキード事件であっという間に葬られた。今の日本の政治家で、米国に正面切ってNOと言える人間など一人もいるまい。さて、郵政民営化は実はもう20年位前から、米国が日米協議で話題に出して来た問題なのだそうだ。郵貯と簡易保険業務が民間に解放されても、借りに来るのが米国系ハゲタカファンドになるのは目に見えているのだが、米国が次の総理までこの問題は先送りしてもいい、と考えるのであれば小泉退陣である。アメリカから見ると小泉政権は、2兆4千億円もかけて不良債権を処理した長銀を、僅か10億円で譲ってくれたし(新生銀行)、憲法解釈を拡大してまでイラクに軍を送ったし、戦争費用の肩代わりもやってくれたし、昨年は米国債を33兆円も買ってくれたし、戦略ミサイル防衛システムの開発費を拠出してくれるし(日本は数兆円を出すと言われ、このシステムがイスラエル防衛に使われる事も明白)、竹中と共に構造改革を行い米国企業、特に不動産関係の会社が日本に進出し易くしてくれた。だからと言って感謝など、アメリカはこれっぽっちもしたりはしないが、問題はそろそろ小泉人気も化けの皮が剥げて来たから、次の大臣まで郵貯の譲渡を待とうか、と考えるかどうかなのである。
《2005.08.02》
貧困率
 貧困率という指標があるのだそうだ。OECDが定めているもので、その国の平均所得の半分以下しか所得がない層の割合とのこと。それで昨年だかの数字によると、日本はこれが15.3%。これは世界5位に当たる。この5カ国の中には発展途上国も入っているので、それを除くと先進国と言われる国の中では、堂々の3位なのだそうだ。ちなみに1位はアメリカで、アメリカというと一見、裕福な国の印象を受けるが、実は貧しい層はとことん貧しいのもアメリカという訳。で、日本の話である。この貧困率であるが、10年前の数値が約8%であったそうだ。つまり、この10年で日本は急速に貧富の差を拡げている事が分かる。理由として思い当たる事ならいくつもある。フリーアルバイターの増加、中高年自殺者の激増に伴う母子家庭の発生、リストラの流行などだ。どこかの超高級マンションが完売したとか、新オフィスビルが予約だけで埋まったというような事ばかりをメディアは報じているが、こうした陰の部分には殆どスポットが当てられていないのが現実であろう。せいぜい、地方のシャッター商店街が伝えられる程度で、首都圏にしたところで新しいビルが建った事ばかり報じられ、それまであったビルでは急速に空室率が高まっている事はあまり出て来ない。結局、小泉内閣が唱えた構造改革とは、弱肉強食社会の実現に他ならなかった訳だ。貧富の差が広がると、社会は不安定になる。しかも米国のように一応は機会均等というより、日本の現実は既得権益を抱える連中の一人勝ちである。そのうえ天下りや談合などの非競争行為で、濡れ手に粟という奴らばかりだから、こうした不満はやがて暴力、犯罪、果てはテロ行為へとエスカレートしていきかねない。もっとも、こうした事態が目立ってくる頃には、今の内閣は入れ替わっている訳だが。
《2005.08.01》
FF−13
 ファイナルファンタジーの新作がアナウンスされた。来年発売だそうだが、例によってまた数ヶ月伸びるのだろうか。さて、今度のはネットワークゲームではないそうだ。つまり、以前のようにスタンドアロンでプレイするものになるという。要するに、前作は商売としては失敗したのだ。本欄で指摘してきたように、オンラインゲームは主流にはならない事が一つ証明されたと言える。オンラインゲームが無い訳ではない。特に囲碁、将棋などには愛好者が多い。だが、FFの前作のように、大勢がパーティを組むという形式は、恐らくすぐに飽きると辛口子は見ていた。理由は簡単で、やりたい時にやるのがゲームだからだ。大勢でやるとなると、全員のスケジュール調整をしなくてはならない。かと言って、全く知らぬ相手とやるとなると、どうしても緊張してしまうであろう。結局は、目新しさが無くなった時点で、こうなる事は目に見えていた。なお、対戦型のゲームでネットワークを介して互いに闘うものは、もっと前からある。MythやUnrealなどが有名で、それなりに流行っているが、これらのゲームは一回あたりの所要時間が短い。ちょっとした暇つぶしに手を出せるのである。テクノロジをどう使おうと、人間という「末端デバイス」の特性を忘れてはならないのだ。

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