一刀両断ミニコラム
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2005年2004年2003年

《2006.06.27》
上から下まで・・・
 大阪で大学生2人が殺された事件。そもそものきっかけは報道によると「オレの女に手を出した」という事に端を発したものらしい。その「オレの女」にメールをやりとりしていた相手が今回、殺す側になった訳だが、最初はケンカで始まったいさかいが次第にエスカレート、周囲を巻き込んで売り言葉に買い言葉となり遂には暴力団の名前まで出て、恐れた側が殺してしまえと考えたもののようだ。まあ犯罪の影に女あり、とは古くからの格言だがそれにしても動機から犯行に至るまでの過程の幼稚さは、読んでいて呆れる他はない。頭の中身が小学生のまま首から下だけ大学生になったとでも考えないと、説明は難しいものがある。これが「自主性を重んじる」とか言って、自律性の無い子供をせっせと育成してきた結果ではあるまいか。なにせ、自分の都合で殺人、死体遺棄まで走るのだから、これは究極の「自主性」であろう。
 さて、今の日本ではこれがこの大学生だけの話かと思うと、案外そうでもないらしい。似たような事件が多い、という話ではない。ご存じのとおり、日銀の福井総裁が村上ファンドに出資をし、しかも総裁在任中もそこからの「利回り」を受け取っていた事が問題になっている。「法律に触れないんだから辞任の必要などない」というのが開き直りの根拠だが、日銀内規では疑われるような行動を取る事すら戒めているので言い訳にしか聞こえない。で、この問題に関連し、24日放送のパックイン・ジャーナルで面白い発言があったのである。
 発言はゲスト出演していた渡邉正太郎氏による。氏は経済同友会の前副代表幹事であって、当然ながら福井総裁とは同じ側から福井氏を弁護する側で発言している。従って、「福井氏は大変立派な方で」というようなフレーズを連発し、それはまあそれでいいのだが、その時、他のゲスト出演者と発言が衝突した時に「そんな細かい事までいちいち言われたんじゃ、経済界から日銀総裁になろうという人など一人もいなくなりますよ」と、ついこぼしたのである。番組中で特にその発言に着目する人はいなかったが、これは裏を返せば経済界のトップがこの程度の(怪しい)投資や出資をするのは当たり前であって、批判するのは貧乏人のやっかみであるとも取れる発言だ。
 この渡邉氏によると、福井氏は村上のような若い世代を助ける為に出資したのであって、その村上が裏切って不正な事をしたに過ぎなず、福井氏はむしろ被害者なのだそうだ。だが、その割には村上氏が摘発される寸前に解約して全額を受け取っている事など説明していないのであって、要するに自己正当化の屁理屈をこねているのである。冒頭で述べた若い連中は経済界の大物ではないから出資も株式購入もしなかった訳だが、自分の正当性を押し通して挙げ句に殺人まで走った。経済界のトップらは殺人こそしていないが、立場を利用して金を儲けたって法律に違反してないという理屈が立てば、自分らは被害者だと言っている訳だ。ま、現代に始まった事ではない。屁理屈の立て方が違うだけで、どいつもこいつも、であろう。
 尚、この渡邉氏。福井総裁のしてきた業績も立派だと褒め称えていた事は言うまでもないが、日銀の行ってきた金融政策がどれほどまでに富の偏重をもたらしたかについては、あの立花隆氏が氏のブログで明解に指摘している。デフレ克服を名目に実施されたゼロ金利で庶民は貯金利息ゼロ生活を余儀なくされた一方、本来庶民が手にする筈の金がどうなったか、これを見れば良く分かるだろう。
《2006.06.21》
敢えて柳沢を弁護してみる
 W杯、対クロアチア戦で決定的瞬間のシュートを大きく外したFWの柳沢選手は、まあ自業自得とはいえ散々な非難の渦中にいる。どこの「読者の声」サイトを見ても戦犯扱い、あのリトバルスキーもドイツ紙上で「(元ドイツ代表の)フェラー氏ならギプスをつけた足でも決めている」ときつ〜い一言。これでは帰国時には生卵くらい飛んで来そうな勢いである。相手に与えたPKを止めた川口は英雄扱いであって、この対比は物凄いものがある。
 だが、考えてみれば日本はクロアチアの絶不調のお陰で引き分けになったようなものだ。柳沢が決定的なシュートを外したのは確かに痛いが、川口がPKを止めたのだって奇跡のようなもの。通常、PKというのは決まるものであって、むしろクロアチアの方も決定的シュートを幾つも外してくれたのである。日本、クロアチア双方のシュートがもっと高い決定率を持っていたとしたなら、シュート数から考えて多分、日本の負けであったであろう。
 さて、それでは日本の決定力が低いのは紛れもない事実であるのだから、日本の決定力は何故こうも低いのだろうかを考えなくてはなるまい。それは恐らく、国際体験の少なさによるものに違いない。日本の中で比較的良い動きをしていたのは、流石の中田と中村であって、この二人は今でも欧州のクラブで活躍している。欧州の一流クラブで激しく揉まれているからこそ、そうした動きが体に染みついているのだ。サッカーは動きの激しいスポーツである。W杯で他のチームの試合を見れば分かる事だが、日本の試合と比べてもボールの動きも選手の走る速さも一見して違う。そうした中、ストライカーには目の前に来たボールを一瞬の判断で的確に蹴り抜く能力が要求されるのだ。これは瞬間的な判断が必要であって、その場で考えていたのでは手遅れとなる。そうした訓練はそれを必要とする場にいないと出来るものではない。理屈ではないのだ。幾ら教習所で車の運転を覚えても、実際に道路へ出れば対応出来ずにゴツンをやってしまうのと通じるものがある。
 従って、あの問題は柳沢一人だけの問題ではないのである。元々彼は高い決定率は持っていない選手だったし、彼を戦犯にしても問題は解決しない。国際大会で通じる選手を育てる為の的確な手を打って来なかったJFA(日本サッカー協会)にこそ問題があると言うべきなのだ。実戦経験は親善試合からは養えない。親善試合は実戦とは違うものと認識しなくてはならない。日本のJリーグはこの10年で大きな進歩を遂げたが、まだまだ世界との間に落差は大きいし、特に今、このストライカー育成だけではなく、様々な問題が生じ始めている。次の世代を担う人材の不足、中国の台頭、オーストラリアのアジア参加などは次のW杯を考える上で外せない問題だが、それ以外にも世界との落差を埋めるべく、Jリーグの運営に関しては選手のフィジカルコンディション作りへより一層の指導が必要なのではないだろうか。具体的にはプロのアスリートとしての、選手個々人の健康管理、特に食事に関する諸問題である。
 ジェフ市原にオシム監督が就任して、最初にした事の一つが食事の改善だ。結果、チームは瞬く間に変貌、今では押されている試合でも後半、足が止まってきた相手を尻目に逆転して勝利を収めるという勝ち方が確立してきている。つまり、裏を返せば他のチームは食生活に関する実践が不足しているという事であろう。夜中に腹が減ったからと、カップ麺やスナック菓子を食べるようでは、プロとしての選手失格である。今回のW杯で日本選手は猛暑の中で試合をする事となり、特に後半最後のあたりでは足が止まってしまった。これについてはジーコ監督が記者会見で苦言を呈してはいるが、この条件は相手チームも同じであって、負けた事の言い訳にはなるまい。現にメキシコや韓国の選手は日本と体格的にはそれほど変わらないのに、試合最後までスピードを失わず、特に韓国は逆転劇を最後に演じる事からコリアン・タイムという言葉まで生まれつつある。つまり、日本選手はそもそも体作りから問題を抱えていると言うことなのだ。W杯監督をジーコが承諾したからと、仮にJFAが安心しきって何もサポートをしなかったとしたら、今回の敗戦劇は選手、監督よりもJFAにより大きな責任があると言わなくてはならないのではなかろうか。
《2006.06.18》
最悪の無責任政権
 社会保険庁の欺瞞の象徴となった村瀬長官。社会保険加入率を上げる為に、分子を増やすのではなく分母を減らすように事実上指導した張本人である。なにせ昨年の実績で加入率が上昇している筈なのに、払い込み金が300億円近く減っているというのだから、この小細工(大細工と言うべきか)は昨日今日始まった事ではない。凄いのは、パックイン・ジャーナルも報じていた社会保険庁の内部文書である。過去の不祥事を調べて上級幹部のみ閲覧したという物だが、書類の置き忘れから文書偽造まで並ぶ中、マスコミにバレなかった物には備考欄にマル印が付いていたという。このバレなかった物にマルをつけるというメンタリティが、この組織の特質を端的に示していると思う。まさに腐りきっているのだ。だが、それも考えてみれば当然。この村瀬なる人物は、書類を偽造して加入者を見かけ上増やしていた事がバレて営業停止を食らった損保ジャパンの副社長だったからだ。社会保険庁内部での工作は、有印私文書偽造と公文書偽造であって、まさに同じ手口である。この村瀬長官は小泉総理が民間人による改革と銘打って任命した人物。当然ながら、自分の対面が第一の小泉は、村瀬長官を更迭して自分の責任問題になる事は絶対にしない。
 次が究極のインサイダー取引と言われている福井日銀総裁による村上ファンド投資。村上ファンドに1000万円を出資したのは応援だそうである。村上側はこうした日銀総裁も投資しているという事を宣伝材料にして金を集める訳だし、一般投資家が同じ利回り(何と年2割だ)で投資するには10億円以上を求めるというのだから、まさに馴れ合い以外の何物でもない。しかも、この福井総裁は日銀が量的緩和をする前に資金を決済して引き揚げている(利回りを考えれば倍以上になっている筈)というのだから、まさに究極のインサイダー取引と言うにふさわしいだろう。勿論、小泉総理と口を合わせ、辞任の意志など毛頭無いと繰り返している。日銀総裁というのは政府からも独立性の強い組織の長であり、諸外国では身辺の潔白を明確にするのが常識だ。米国では配偶者の財産も公開して職務の公平性を示すというのだが、こういう点については小泉政権は米国の逆をやるのである。
 竹中に関しては改めて書くまでもない。旧長銀に2兆4千億円もの税金を投入した上で、僅か10億円で米国ファンドにそれを売却。それは新生銀行となって毎年600億円以上の利益を(日本から吸い)上げている。他にも小泉内閣になってから日本が購入する米国債が大きく増えており、昨年だけで30兆円くらいあるのではないかという話も出ている。日本にアメリカの投資会社をどんどん入れ、都心の不動産買い占めを進めさせ(不良債権を買い叩くという形をとっている)、銀行をいくつも潰して地方を荒廃させ、リストラの名の下で企業の人員整理を後押しして実質的な無職者を増やし、結果として弱者が年に3万人も自殺しようと知った事ではない。統廃合によって巨大化して生き残った銀行は、融資に対する態度が非常に大きくなったそうだ。中小企業の経営はますます厳しくなった。弱体化した日本の産業は海外から物を買うしかない。竹中はこうした「功績」が認められ、将来は米国の大学で高給優遇の地位を約束されているという噂は絶えない。
 こうして見て来ると、小泉総理が大口を叩いて任命した民間人などはいずれもロクな事をしていないのが分かって来る。大臣にしても同様で外務大臣の的はずれぶり一つを見ても章を改めなくてはならない程だ。そして無能だけならともかく、このように地位を利用して私腹を肥やしていると言われても仕方のない面々ばかりだというのだから始末が悪い。で、いざバレるとのらりくらりの言い逃れと開き直り。まさに無責任政府である。その総元締めが小泉総理当人である事は言うまでもない。国会答弁では話をすり替え、話をそらせ、或いは開き直り、時として演歌を口ずさんで相手の話にまともに答えないのだ。今から40年ほど前、日本でヒットした映画に植木等の無責任男シリーズというのがある。口八丁で言い逃れを続け、何故か憎めぬ楽観的な笑顔で投資家をだまし続ける男を描くギャグ映画だ。これはギャグだから笑えるのだが、その無責任男が一国の総理大臣として現実となったのでは庶民はたまったものではない。そして、その片棒をかついで世論を操作しているのが、無能であっても40歳で2000万の年俸と言われる地上波テレビを中心とするメディアであるのも忘れてはならない。
《2006.06.16》
女々しいメディア
 古い言い方だが、女々しいというのは「腐った女のような」という表現と通じる。昔の話であるので念のため。で、何の事かというと、何時までも誤審がどうのこうのと、まるでジャンケンに負けた子供がダダをこねているかのような事ばかり報道しているメディアの話だ。日本のPKがあれば相手に退場が出て終盤のシュートが減っただのどうのと、まさにガキの愚痴である。今年のW杯ではPKをあまり出さないように審判の意思統一がされている事にも気がついていないようだ。本記事執筆時点で確か出たのが1つだけである。今、アルゼンチンがセルビア・モンテネグロに勝った試合を見終わった所だが、後半にアルゼンチンに対するPKが出てもおかしくないシーンもあったし、どの試合も同じような傾向だ。従って、日本戦のあれも誤審というよりは他の試合と同じような判定基準であったし、第一、いつまでもそんな事を言い続けていても何も変わらない。それで次の試合で日本が勝つとでも言うのだろうか。
 日本が今すべき事は、残りの試合で今後の糧をどれだけ得るかである。極論をするなら、クロアチアとブラジルには日本をボコボコに叩いてもらった方が、将来の日本サッカーの為にはプラスではないかという考え方も出来よう。だがどうも関係者の間では、日本はW杯の常連だとでも言うような根拠の無い妄想だけが蔓延しているらしい。確かに日本は3回連続で出場しているが、一回は開催国だったから無条件で出られたのだし、前々回のフランス大会では予選グループ全敗で終わっている。今回もそうなる可能性は高いはずで、そうなるとこの8年の間、一体何をしてきたのかという事になるのだが、都合の悪い事になると脳がフリーズするのだろう。
 これに関連して、今の日本のメディア(こういう時には特に地上波テレビを指す)には辣言を言わないという申し合わせがあるようだ。番組のコメンテータが【何を言っていないか】を注意して聞いていると分かるが、根の無い楽観論を否定するようなコメントを言うと番組から外されるようである。W杯開催前にはどこからともなく「日本はベスト8進出」などという発言が出て来たと思えば、今度は前監督のトルシエ氏に「まだ終わった訳ではない」と言わせる具合でこういうのを幇間と言う。そういえばNHKからも政府の問題点を指摘するような番組が消えて久しい。だがサッカーファンは事実をシビアに見ている。サッカーファンは世界に視野を向けているから今回の日本の敗戦にはとりわけ厳しい目を向けているのである。その一例を日刊スポーツサイトの「読者採点」に見る事が出来る。ここに並んでいる意見、おおかた辛口子と同じだ。やや異なるのは、ジーコだけが悪いのではなくジーコに丸投げした日本サッカー関係者はどうなのかと辛口子は思う点。しかしいずれにしろ、犯罪被害者の家の前まで出かけてある事ない事しゃべりまくるだけで真実に目を向けないメディアなど、まさに女々しいという言葉にふさわしい。
《2006.06.14》
400万人
 KDDIからの顧客情報流出事件で明らかになった流出件数である。しかも、名簿をネタに脅迫してきた人物がいたから分かった事で、それが無かったらKDDIは今でも気がついてはおるまい。恒例のカメラに向かっての最敬礼という儀式は行われたが、さてこれもまた一人300円か何かでカタをつけるのであろうか。切手程度の大きさのメモリカードに2GBもの情報が入る時代、どれだけ苦心しても情報流出を完璧に食い止めるのは不可能である。まさか社員に毎回X線を当てる訳にもいくまい。先月の最終回に書いた「情報保護の限界」が改めて良く出た事例と言えよう。こうした事例はこれからも続くだろうし、安易に世論に迎合して安直な法律を乱発した小泉政権のツケは、今後長い時間をかけて国民にのしかかってくるのである。
《2006.06.13》
予期できた筈の惨敗
 W杯予選第一試合、日本は絶対に落としてはならない対オーストラリア戦に、3−1で惨敗した。誰がどう言い換えようとあれは惨敗である。断じて惜敗などではない。日本が得た得点1は殆どまぐれのようなものだったし、日本は攻撃のパターンからシュートにすら殆ど持って行けなかった。仮にあのままオーストラリアを押え、1−0で勝っていたとしてもクロアチアに対してあれでは到底勝ち目はない。番組中の解説では現地の気温を引き合いに出し、終盤にオーストラリアの守備力が落ちるのではないかというものもあったが、実際に守備が崩れたのは日本の方だった。ヒディンク監督はそれを見越して、終盤に攻撃的布陣を敷いてきた。日本はなまじ前半に得点していた為かえってそれを守りに入り、追加点を1点でいいから何としてでももぎ取って置くというモチベーションに乏しかったようだ。ヒディンク監督は前日に日本を警戒するような発言をしているが、あれはむしろ情報戦に於ける攪乱戦法だったと見るべきであろう。ヒディンク監督がどういう手を打っていたのかは試合を見ていた限りでは良く分からなかったが、結局は流石はヒディンクだと納得するしかない展開だった。
 それにしても、毎度の事ながら気になるのは、日本の決定力不足と超楽観的な見通しがハバを効かすメディアの甘さである。日本有利とコメントした向きが、後日になって誤りを認めた発言を辛口子は知らない。何事もなかったかのように「次のクロアチアに全力を」とでも言うあたりが関の山だろう。だが、彼らはスカパーか何かで海外の試合を少しは見ているのであろうか。W杯欧州予選のクロアチア戦を一つでも見ていたら、そんなに楽観的な発言など出来る筈が無いと思うのだが。
 いずれにしろ、これで日本の2006年W杯は殆ど終わった。勝負は最後まで分からないとは言え、残りは事実上の日程消化だと見るのが順当だろう。それより問題なのは今後の日本のW杯対策である。次回の南アフリカ大会からは、あのオーストラリアがオセアニア所属からアジア所属に変わる。さらにこれまでに試合を終えたアジア勢としてはイランがあるが、メキシコにやはり3−1で敗北している。この調子でアジア勢が敗北を繰り返すと、今度はW杯出場権のアジア枠が今の4から減らされる恐れすらあるのだ。加えて北京五輪を控える中国は外国人監督を招聘して自国チームの強化を図っており、これらを合わせると日本にとって、次回W杯出場すら危うい状況となりつつあるからである。
 ところでメキシコと言えば、メキシコは比較的選手の身長が低いチームである。平均すれば日本より低いかもしれない。だが、彼らの試合を見ていると、巧みで素早いパスワークで相手陣営を攪乱し、ここぞという所で矢のような勢いでストライカーが飛び込んで得点している。日本は敵陣にボールが達したあとで、どこに出すべきか考えて時間をかけている。これでは相手が守備を固めてしまう。改めて両者の試合運びを見ていると、とにかく日本の攻撃は非常に効率が悪く遅い。海外で活躍している中田や中村は流石に素早いパスワークを見せるが、これと比べると他の選手の反応の悪さが際だっている。その他にもGKの川口は確かにファインセーブを連発したが、ゴールキックでは山なりの球を前線に出し殆どを敵に拾われていた事も課題だ。オーストラリアのキーパーはちゃんと前線に狙いを付けた鋭い球を送り、しっかりと攻撃につなげていた。その他次を担う世代の育成が遅れているなど色々とあるが、今後の日本のチーム作りに関するヒントなど、ちょっと考えても山のように出てくるのではないだろうか。
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 ところで、ここでヒディンク監督が今回のW杯予選に関して打った手の幾つかを紹介しておきたい。
  • オーストラリア世論を盛り上げた
     政府を動かし、国内要所、特に空港のカウンター近くに広告を様々に配し、これまで低かった国内でのサッカーに対する関心を喚起した。

  • 専用チャーター機を使った
     オーストラリアはオセアニア代表であり、オセアニアの出場枠は0.5なのでまずオセアニアで優勝し、次に南米代表の5位(今年はウルグアイだった)と戦って、勝って初めてW杯に参加できた。これまでここでオーストラリアはこけていたのだが、今回、ヒディンクは政府を動かして専用機を用意させ、ウルグアイでのアウェーゲームでは1日で行き、1日で帰国した。機内には体調を整える設備を揃え、特に帰りには身体を冷やす為の氷まで用意した。これに対してウルグアイはオーストラリアでのアウェー試合に向かうには、一般の航空機を使い、一般客と同じ狭い椅子に座って2日の行程を費やさなくてはならなかった。ウルグアイでの試合ではオーストラリアは1−0で負けたが、オーストラリアでは1−0で勝ち、最後はPK戦になったが、それに勝ってW杯出場を決めている。

  • メディアを管理した
     ウルグアイでの試合はスカパーなどで見られたが、オーストラリアでの試合はその断片すら紹介される事はなかった。定かではないが、戦術を隠す為に敢えてソースを国外に出さないように手を打った可能性はある。
 その他、冒頭で書いたような情報攪乱戦法を始め、言うまでもなく対戦相手の徹底分析などヒディンクという監督は打てる手は総て打ってくる人物なのである。しかも、これだけの事を本国オランダのリーグ監督をやりながら並行して実行したのだから、その行動力は超人的なのだ。W杯予選の日本戦では事前にキューエルを故障と伝えておきながら、いざ試合になると最初から投入してきて、ここでも日本は完全に情報戦で攪乱されている。恐らく、日本の弱点から試合の展開などとっくにお見通しだったに相違ない。こうして見てくると、そもそも国際大会で戦うという事に対する心構えが、日本側関係者にはまだまだ甘いのではと思わざるを得ないのである。
《2006.06.07》
プロ中のプロ
 ゴルゴ13の事かと思ったら、あの村上ファンド元社長の世彰氏が記者会見で言ったフレーズなのだそうだ。普通、こういう事を自分で言うか、というような指摘もあるそうな。ところで、最初にも書いたようにこの「プロ中のプロ」とはコミック「ゴルゴ13」の中で、第三者がゴルゴ13の事を称して言う時に使われるフレーズだが、それとは別に「ゴルゴ13は自分自身を第三者の冷静な目で見つめる事が出来る」というのもある。この点から言えば、村上元社長はただの三流プロというところであろう。
 さて村上氏本人についてはこの程度にして、今回の摘発劇が何故今なのか、と考えてみるのも興味深い。まさか検察が阪神タイガースを救済する為に動いたとは思えないからだ。村上ファンドは検察の動きを察していたと見えて本社をシンガポールに移していたそうだが、これも良く分からない。そんな事で摘発を逃れられる訳もないからである。小泉政権は選挙に活用し、献金をしっかりもらう等、ライブドアについては利用するだけ利用してから摘発した。村上ファンドについてはそういう話が見あたらないので、案外、献金を求められて村上側が拒否したからなのかもしれない。村上氏がさっさと帰国して事情聴取に応じたというのも、時間稼ぎをしてシンガポールでは何か処理しているとも考えられよう。
《2006.06.02》
毎度の審判騒動
 昨日のプロ野球、セパ交流戦の横浜・ホークス戦でまたも審判の論外判定事件が起きた。詳細は新聞などに書かれているが、打者の打球を3塁の塁審がファイルと判定、同時に球審はフェアと判定。一塁走者はその時2塁に向かっていて、3塁塁審の判定を見て走るのを止めたのだが、守備側のホークスは球審の判定を見てボールを一塁に送り、ダブルプレーが成立してゲームセットというものだ。野球規則によれば、この場合、審判は一度集まってどっちの判定にするべきか協議をする事になっているが、主審は一方的に自分の判断が正当だと言って試合終了を宣言したのである。横浜ベンチと横浜ファンが怒り心頭になったのは言うまでもない。物が投げ入れられたばかりか、グラウンドに怒ったファンが入り込むという事態にまで至った。当の渡田球審がどう思っているのかは知らないが、明らかに完全な誤審(かつ護身)であろう。
 この件に限らず、プロ野球界での審判騒動は一向に減らない。ストライク、ボールの判定だけでも、毎試合のように投手や捕手が首を傾げているのが現実だ。しかも混乱を助長しているのは、説明責任の全くない点であろう。稀に主審がマイクを取って場内に説明する事があるが、その内容にしたところで「野球規則○○によって、アウトといたしました」などというもので説明になっていない。打者の打球が走者のヘルメットをかすめており、アウトです、というような事も言えないのである。
 これは審判をつとめている面々のスキルの問題というよりも、現在の審判育成システムに問題があると言うべきだろう。プロ野球人気の頭打ちが言われる中、選手は観客との距離を縮めようと様々な努力をし、球団運営も開かれたサービスへと革新をしているのに、この審判だけはまるで昭和初期のように旧態然のままだ。老骨が群れなしているプロ野球機構には、危機感は無いのであろうか。セパ両リーグでの試合形式の統一というような厄介な問題に比べれば、すぐにでもこの問題は両リーグ共通のものとして議論が可能なのではないかと思うのだが。

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